2019年のポウパンサ預金は過去3年間最低の133億レアル

昨日の中銀の発表によると、2019年のポウパンサ預金の預金額が引出額を133億レアル上回った。2017年の171億レアル、2018年の383億レアルを下回っている。

ポウパンサ預金の預金額が引出額は過去3年間連続でプラスを記録している一方で、経済リセッション真っただ中の2015年~2016年の2年間の引出残高は預金額を943億レアル上回っていた。

昨年12月は伝統的に13か月目のサラリーの臨時歳入の影響で、預金総額2,605億レアルに対して引出総額2,433億レアル、預金残高総額は172億レアルを記録していた。

昨年末のポウパンサ預金のインフレ指数を差引いた実質残高総額は8,455億レアルと中銀が統計を取り始めた1995年以降では最高の実質残高総額を記録している。

2019年のポウパンサ預金の収益率は、過去最低の4.5%のSelic金利、0%の参考金利(TR)で実質金利はインフレ指数3.60%を下回る3.15%に留まった一方で、株投資の平均収益率27.60%、金投資の24.22%を大幅に下回った。(2020年1月8日付けエスタード紙)

各州政府は今年100件以上の民営化で資金調達を余儀なくされる

財政悪化が顕著な各州政府は、2020年に州政府が所有している電力エネルギー公社並びに州道や空港コンセッション、港湾ドック、展望台、通信、ホテル、サッカースタジアム、動物園、イベントセンターなどに至るまで100件以上のプロジェクトは、インフレ整備プロジェクト向け官民合同プロジェクト(PPPs)を通して民営化を行う。

財政責任法(LRF)で定められている支出総額の60%までに制限されている州政府公務員の給与総額限度を超えて、2017年の半数以上の州政府は財政責任法(LRF)を果たしていない。

財政が悪化している州政府は、治安や教育向け予算削減を余儀なくされ、財政緊急事態宣言に追いこまれる可能性が拡大してきているが、リオ州政府は2016年末の財政緊急事態宣言の発表を余儀なくされ、2017年に州財政救済制度(RRF)の導入を余儀された。

2020年の州政府の民営化案件では、地下鉄並びに州道路、港湾ターミナル、バスターミナルなど莫大な投資を擁する輸送関連プロジェクトは、22件で民営化プロジェクトを牽引している。

明日8日にサンパウロ証券取引所で入札にかけられるサンパウロ州内のピラシカーバ市とパノラマ市を結ぶ1,200キロメートルの州道民営化プロジェクトは、30年間の契約で投資総額は140億レアルが見込まれている。

またサンパウロ州政府は、カンピーナス市経由のサンパウロ市とアメリカーナ市を結ぶ都市間鉄道プロジェクトの投資総額は56億レアルが見込まれている。

サンパウロ州内の21件の民営化プロジェクトは既に承認されており、今年中に入札にかけられる。ジョアン・ドリア州知事は、他州に先駆けて積極的に公社民営化を推進しており、年末までに400億レアルに達する投資案件民営化を計画している。

法規制が緩和されたガス配給事業や上下水道事業は国内外の投資家にとって、魅力的な民営化案件になったとVG&P Advogados社のフェルナンド・ヴェルナーリャ弁護士は説明している。

マラニョン州政府では、マラニョンガス公社(Gasmar)の株式25.5%を民間企業に放出、南大河州政府も議会でのSulgas公社の民営化承認に成功したが、ゴイアス州政府は州議会での民営化承認待ちとなっている。

リオ州政府は、リオ州上下水道公社(Cedae)の株式譲渡で民営化プロジェクトを推進するために、連邦政府による州財政救済制度(RRF)受入れを余儀なくされていた経緯があった。

連邦政府による州財政救済制度(RRF)受入れを余儀なくされたリオ州政府や南大河州並みに州政府の財政が圧迫しているミナス州政府は、ガス配給公社(Gasmig)並びにミナス州水道公社(Copasa)の民営化を予定している。

ミナス州政府のRomeu Zema州知事は、昨年11月に州官報で州令47,766号/2019として、ミナス州民営化審議会(CMD)設立を公表、保健衛生部門並びに教育部門、治安部門やインフラ部門での公社民営化を進める。

またミナス州政府では、ミナス・ジェライス電力公社(CEMIG)の民営化以外にも電力配給公社のTaesa公社、風力発電事業のRenova公社、サント・アントニオ水力発電所とベロ・モンテ水力発電所関連持株の放出を予定している。

南大河州政府は州財政救済制度(RRF)受入れで南大河州電力公社(CEEE)の民営化を予定。また上下水道関連の官民合同プロジェクト(PPPs)、ポルト・アレグレ市バスターミナル、サプカイ・ド・スール市動物園、州立刑務所の保全・管理事業などの民営化を推進する。

ゴイアス州政府経済局のCris Schmidt局長は、積極的な民営化で州政府職員の削減などによる州政府の歳出削減を目指して、Metrobus公社並びにCelg Geração e Transmissão公社、 Industria Quimica de Goias (Iquego)公社、 Goias Gás公社、 Goias Telecom公社の民営化を推進する。

エスピリット・サント州開発銀行のマウリシオ・セザール・ヅッケ総裁は、州政府は既に12件のインフラ整備案件を官民合同プロジェクト(PPPs)で民営化する計画を説明している。

エスピリット・サント州政府は、今年上半期に太陽光発電所並びに州上下水道事業のCariacica公社民営化を予定、Cariacica公社の民営化の入札条件などは今月末までに公示予定となっている。

2020年の各州政府の既に公表されている民営化プロジェクト案件は23件、ミナス州は8件、ゴイアス州5件、南大河州3件、ブラジリア連邦直轄地2件、リオ州並びにサンタ・カタリーナ州、マラニョン州、パラナ州、バイア州はそれぞれ1件となっている。

また年内の各州政府の既に公表されている官民合同プロジェクト(PPPs)並びにコンセッション案件は73件、サンパウロ州は21件、ブラジリア連邦直轄地14件、エスピリット・サント州12件、ピアウイ州8件、南大河州7件、パラナ州5件、サンタ・カタリーナ州5件、マット・グロッソ州は1件となっている。(2020年1月7日付けエスタード紙)

中国資本XCMG社はグループ傘下サプライヤー誘致で工業団地建設

75年の歴史を誇る中国の重機械メーカーXCMG社は、2020年からのブラジル経済回復に伴って、グループ傘下の部品サプライヤー進出を促すために、ミナス州内の製造基地は同社最大の海外製造基地であるだけでなく、建機工業団地を建設する。

中国の重機械メーカーXCMG社は、昨日サンパウロでミナス州ポウゾ・アレグレ市での工業団地設立計画を発表、現在は中国から輸入する CKD 部品による組立製造を行っているが、グループ傘下のサプライヤーを呼び寄せて、コストダウン並びに生産効率を向上させる。

重機械メーカーXCMG社の昨年の重機生産は1,300台に留まったが、重機工場の生産能力は年間7,000台あるにも関わらず、ブラジル国内経済の低迷で設備稼働率が非常に低率で推移していた。

XCMG社のポウゾ・アレグレ市工場の敷地面積は100万平方メートル、製造工場面積は14万平方メートル、グループ傘下のサプライヤーには3万平方メートルの工場用地が宛がわれる。初めのサプライヤーは大型自動車向けにディーゼルエンジンを生産する中国最大手の自動車部品メーカーWeichai 社が見込まれている。

XCMG社グループはブラジルXCMG銀行を世界に先駆けて開設、グループ傘下のスプライヤーに初年度の4億レアル~5億レアルのクレジット供給で、ブラジル国内での部品メーカーの国産化比率上昇に向けて投資を後押しする。(2020年1月7日付けヴァロール紙)

2019年のインフレ指数は4.13%に上方修正

昨日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、2019年の公式インフレ指数は、9週連続での上方修正で前回予想の4.04%から4.13%に上方修正されている。

また2020年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の3.61%から3.60%と僅かに下方修正、調査協力の金融機関の中でも的中率が最も高いトップ5銀行の2019年のIPCA指数は前回同様4.13%、今年は3.50%を予想している。

今年1月の今後12カ月間のIPCA指数は前回予想の3.77%から3.69%と4回連続で下方修正、中銀の2019年のインフレ指数の目標中央値は4.25%、2020年は4.00%、2021年は3.75%、2022年は3.50%、許容範囲は上下1.5%となっている。

また今年の政策誘導金利(Selic)は前回同様に4.50%、トップ5の平均は4.25%、また2019年のGDP伸び率は1.17%と4週連続で上方修正、2020年のGDP伸び率は前回同様2.30%に据置かれている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回のR$4.08からR$4.09に修正、2021年は8週間連続でR$4.00に据置かれている。(2020年1月7日付けヴァロール紙)

事務局便り JD 001/2020 新年のご挨拶と事務局業務開始のお知らせ

                                                                         事務局便り JD 001/2020
                                                                         2020年1月6日
会員各位
                                                                         ブラジル日本商工会議所 事務局

                                    新年のご挨拶と事務局業務開始のお知らせ

新年あけましておめでとうございます。

本日1月6日(月)から平常業務に戻りました。

年初早々から米国イラン対立の火種が広がる厳しい世界情勢の中で、干支の始まり「ね年」の繁栄に期待を込め、今年もまた引続き、会員皆様のサポートを精一杯させていただく所存ですので何卒宜しくお願い申し上げます。

                                                                                                                以上

 

2019年の貿易収支は467億ドルの黒字計上

世界的な貿易収縮並びに米中貿易摩擦の影響で、2019年のブラジルの貿易は輸出入ともに前年割れを記録、昨年の貿易収支は前年比19.6%%減少の467億ドルの黒字計上に留まった。また1日平均の貿易収支は前年比20.5%減少を記録している。

昨年の輸出総額は前年比7.5%減少の2,240億ドル、輸入総額は3.3%減少の1,773億ドル、貿易総額は5.7%減少の4,014億ドルと経済省通商局(Secex)では発表している。

昨年のブラジルの貿易総額はGDP 比24.0%とメキシコのGDP比70%、チリの30%以上を大幅に下回っていると経済省通商局(Secex)では指摘している。今年は景気回復に伴って輸出入ともに増加が予想されている。

昨年の貿易収支では、為替危機によるアルゼンチン経済の停滞で、ブラジルからの資本財輸出は52億ドル減少に繋がっており、また中国国内の豚ペストによる大豆輸出も67億ドルの減少を記録した一方で、牛肉輸出が増加してある程度カバーしている。

英国の欧州連合(EU)脱退や米中貿易摩擦の継続など世界経済にとっては不透明感が継続しているものの、2020年のブラジルのGDP伸び率は2.3%増加、一般消費拡大や民間部門の投資拡大で、2020年の貿易収支は394億ドルの黒字が予想されている。

2020年は7月末までのカナダとメルコスールの自由貿易協定、年末までには韓国とメルコスール、シンガポールとメルコスール、メキシコとブラジルの自由貿易協定締結を経済省貿易担当局のルッカス・フェラス局長は予想している。

またルッカス・フェラス局長は、連邦政府は2002年以内に米国との貿易関税交渉、日本並びにインドネシア、ベトナム、インドとの自由貿易交渉開始を予想している。

2019年のブラジルの輸出先トップは、中国並びに香港、マカオ向け輸出総額は前年比3.1%減少の653億8,900万ドル、輸出比率は全体の29.2%と前年の27.9%に続いてトップを維持した。

中国に次いで米国向け輸出は1.8%増加の295億5,600万レアル、輸出比率は13.2%と前年の12.0%から増加、アルゼンチンは35.6%減少の97億1,400万ドル、輸出比率は前年の6.2%から4.3%と大幅に後退している。

前記同様にヨーロッパ向け輸出総額は13.5%減少の422億7,000万ドル、輸出比率は前年の20.2%から18.9%に減少、中近東地域は9.1%増加の107億8,700万ドル、輸出比率は前年の4.1%から4.8%に増加、アフリカ地域は9.1%減少の75億3,500万ドル、輸出比率は前年並みの3.4%を占めている。

2019年の第一次産品輸出は全体の52.8%と過半数に達し、1997年に統計を取り始めて初めて50%を突破、2018年の第一次産品輸出は全体の49.8%であった。また完成品輸出比率は前年の36%から34.6%に減少、半完成品輸出は前年並みの12.7%であった。

昨年の第一次産品輸出総額は、国際コモディティ価格減少の影響で前年の1,192億ドルから1,182億ドルに減少、完成品輸出は11%減少の775億ドル、半完成品は8.0%減少の284億ドルであった。

昨年の大豆派生品の輸出比率は全体の11.8%と前年の13.8%から減少の263億ドル、牛肉輸出は中国向けが牽引して前年の2.3%から2.9%に増加して輸出総額は65億ドルに達している。豚肉輸出は前年比35.8%増加の15億ドル、鶏肉輸出比率は2.5%から2.8%に増加している。

また昨年のトウモロコシ輸出は前年の1.6%から倍増の3.3%、輸出金額はドル高の為替も追い風に86.4%増加の74億ドル、鉄鉱石輸出は8.4%増加の222億ドル、原油は7.1%増加の237億ドル、石油派生品輸出は92億6,800万ドルに達している。

一方昨年のトラックやバス輸出は、アルゼンチンの経済危機やラテンアメリカ地域の景気後退の影響で前年比35.3%減少、乗用車は27.5%減少、ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、ブラジルの第一次産品輸出好調は歓迎できるが、ブラジルの製造業部門の競争力低下を憂慮している。(2020年1月3日付けヴァロール紙)
 

2019年の乗用車、軽商用車、トラック、バス、二輪車販売台数は403万6,000台

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、2019年の乗用車並びに軽商用車、トラック、バス、二輪車を含む自動車販売台数は、前年比10.48%増加の403万6,303台を記録している。

ブラジル国内の経済リセッション前の2013年の自動車販売台数は550万台に達していたが、経済リセッション中の2016年の自動車販売台数は320万台とピーク時から230万台減少していた。

Fenabrave連盟のアラリコ・アスンプサン・ジュニオール会長は、2020年の自動車販売は4.5%と過去最低の政策誘導金利(Selic)並びに延滞率の低下に伴ってクレジット拡大で、前年比10.76%の430万台と二桁台の伸び率の楽観的な予想している。

2019年の乗用車販売は前年比7.63%増加の226万1,967台、軽商用車は7.76%増加の39万6,960台、トラックは33.12%増加の10万1,735台、バスは38.94%増加の2万7,193台、二輪車は14.93%増加の107万7,553台、その他は約17万台を記録している。

また2020年の乗用車販売は前年比8.99%増加の246万5,330台予想、軽商用車は9.09%増加の43万3,025台、トラックは24.0%増加の12万6,156台、バスは16.0%増加の3万1,545台、二輪車は9.0%増加の117万4,585台がそれぞれ予想されている。

2019年の自動車メーカーのマーケットシェアトップはGM社の17.89%、ワーゲン社15.59%、フィアット社は13.77%、二輪車部門ではホンダが79.18%を他社を圧倒、ヤマハは14.03%であった。

2020年の対内債務残高は新興国平均まで低下予想

2020年の連邦政府の名目債務残高は、政策誘導金利(Selic)の低下並びに公共負債低下に伴ってGDP比6.0%を下回り、2013年以降では最低比率になると予想されている。

新興国の平均対内債務残高はGDP比5.0%、2020年のブラジルの対内債務残高はGDP比5.6%、2021年は5.5%まで低下するとブラデスコ銀行チーフエコノミストのフェルナンド・オノラット氏は予想している。

経済リセッション前の2013年の連邦政府の負債総額は、GDP比51.5%と新興国平均のGDP比54.0%を下回っていたが、経済リセッションとともに上昇して2019年11月にはGDP比77.7%に達していた。

サンタンデール銀行エコノミストのロドルフ・マルガット氏は、2020年末のSelic金利は4.0%まで低下すると予想、2015年並びに2016年の利払いは13.0%を上回っていたが、2017年は9.9%、2018年は8.6%、2019年11月の過去12カ月間の利払いは7.6%まで低下している。

サンタンデール銀行では2019年の利払いは5.0%、2020年は4.2%まで低下を予想、2020年の財政プライマリ収支はGDP比1.4%を予想、スイスクレジット銀行では、2020年の連邦政府の名目債務残高はGDP比5.5%、2021年はGDP比4.7%を予想している。(2020年1月6日付けヴァロール紙)

令和の初新年祝賀会・日系主要5団体が総領事館と共催で開催

1月3日(金)午後7時から、ブラジル日本文化福祉協会ビル貴賓室で総領事館及び日系主要5団体(サンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル日本商工会議所、日伯文化連盟)共催の新年祝賀会が行なわれた。

令和時代初の新年祝賀会となり、野口泰総領事は今年、2020年東京オリンピック・パラリンピックに対して語り、五輪の成功と日系社会の更なる発展を願った。

乾杯後、150名の参加者がグループ「民」の民謡の演奏を堪能した。

商工会議所からは村田俊典会頭が出席した。

野口泰総領事

日系主要5団体

Photos: Jiro Mochizuki

尾身外務大臣政務官が会議所関係者と意見交換 

尾身朝子政務官は21日サンパウロ市内のレストランでブラジルの政治経済情勢や日伯交流関係および日本のデフレ脱却政策等々について忌憚の無い意見交換を行った。
日本側は同政務官に随行した山崎茉莉亜・政務官秘書官、高木昌弘・中南米局南米課調整官および野口在サンパウロ総領事、上田領事(経済班)、会議所からは村田会頭
(双日ブラジル会長)、大久保副会頭(JETROサンパウロ所長)、水守理事(NTTブラジル社長)、平田事務局長が参加した。
尾見政務官の略歴は外務省HPをご参照。https://www.mofa.go.jp/mofaj/p_pd/dpr/page4_005300.html