OMCは中古タイヤ輸入禁止

 世界貿易機関(OMC)はヨーロッパ連合国(EU)からの中古タイヤの輸入禁止を決定、昨年はEUから750万本の中古タイヤが輸入されて、ブラジル国内で再生して販売されており、環境及び安全面で問題視されていた。

 ブラジルのタイヤ再生業者は、メルコスル加盟のパラグアイに拠点を移して、再生タイヤを輸入すると予想されており、再生タイヤ輸入は継続する上に、中国から割安のタイヤ輸入が開始されるので、タイヤメーカーにとっては競合が継続する。

 昨年のブラジルのタイヤ生産は5,500万本で、売上げは180億レアルであったが、新品タイヤの1,800万本は交換用やステップ用タイヤであり、750万本の中古タイヤの輸入はタイヤ生産メーカーの大きな障害になっていた。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

今年の穀物生産は前年比15.5%増加を予想

 ブラジル地理統計院(IBGE)では、今年の穀物生産を前年比15.5%の大幅増加の1億3,510万トン、2003年の1億2,360万トンの記録更新が確実と予想している。

 しかしマット・グロッソ州の旱魃によるトウモロコシの減産及び7月から8月にかけてのパラナ州の霜害による小麦の減産が予想されており、多少の下方修正の可能性もある。

 地域別生産量は南部地域が6,050万トン、中西部4,450万トン、南東部1,600万トン、北東部1,100万トン、北部が300万トンで、トウモロコシと大豆が生産量の80%を占めている。(13日付けエスタード紙)

日系社会委員会が開催された

日系社会委員会(窪田敏朗委員長)が6月12日午後に開催、来年のシンポジウム開催案について、場所、日時、講演者やパネルディスカッション参加者の人選など、常任理事会を前に会合をもった。参加者は窪田敏朗委員長、田中信会頭、山田唯資監事会議長、平田藤義事務局長、、柴田千鶴子事業班主任、岩城聡氏

本格的に動き出した住友金属

去る3月28日、バローレック(本社フランス)とブラジルで、シームレスパイプを製造する合弁会社 を設立すると発表した住友金属工業(株)は、合弁契約書作成のため、最終的な打ち合わせ中とのことだが、早々、和歌山製鉄所(和歌山市)から末包(すえかね)順一総務部長、鋼管カンパニー特殊管事業所(尼崎市)の平田陽二総務室副長が6月11日に来伯、合弁会社設立に参加するブラジル住友商事の宮田次郎社長(ブラジル日本商工会議所専任理事)、同社の金属・資源・エネルギー部門担当取締役の吉川(きっかわ)久秀氏等を伴い、平田事務局長と最近のブラジル経済事情や投資環境の動向、特に治安や生活情報および地域環境に適応する人事面などについての意見交換を目的に懇談した。

 粗鋼生産規模100万トン/年、シームレスパイプ60万トン/年の高炉一貫製鉄所が(投資額2,000億円)、2010年半ばの稼動を目標に建設される事になっているが「鉄は人なり」、先ず人事面の強化策からスタートを切った様だ。

 住友金属(友野 宏代表取締役社長)は売上高1,602,720百万円、営業利益303,774百万円、当期純利益226,725百万円を上げ、世界に冠た る高収益鉄鋼ミルだが、特にシームレスパイプの競争力には定評がある。(売上げ、利益は同社の平成19年3月期決算短信より)

第1四半期の経済成長率は4.5%か

 ブラジル地理統計院(IBGE)は13日に、今年第1四半期の経済成長率を発表するが、経済アナリストは内需旺盛に後押しされて、前年同期比4.5%前後を予想している。

 また耐久消費財購入の上昇サイクルに突入したと予想されているが、消費財に牽引される経済成長のサイクルは往々にして短いが、GDP比に対する投資比率が上昇してきており、持続的成長が継続すると見られている。

 テンデンシア・コンサルタント社のエコノミストは第1四半期の成長率を農業部門の10%の成長に後押しされて4.8%増加、昨年最終4半期比では1.0%の増加を予想している。(12日付けエスタード紙)

ペルーはアマゾン地域での石油・天然ガス開発強行

 ペルー政府はアマゾン流域の環境破壊並びに先住民アチュアル保護区であるにもかかわらず、10年後に隣国のボリヴィアやエクアドル並みの石油・天然ガス生産を目指しており、ペルーペトロ石油公社は19鉱区で採掘入札を予定しているが、国内外からの風当たりが強くなってきた。

 この鉱区入札には40石油大手企業が参加を表明しており、ペルーのアマゾン地域の70%に相当する1,500万ヘクタールが区画割される。

 現在のペルーの石油生産量はエクアドルの25%に相当する50万バレル、天然ガスはボリヴィアの10%相当しかないが、海外石油採掘会社に対しては、石油採掘・製油所建設に対する優遇税及び低いローヤリティーを設定している。(12日付けヴァロール紙)

紙・パルプエンジニアリングのアンドリッツがブラジルに投資

 オーストリア資本で紙・パルプのエンジニアリングサービス大手のアンドリッツ社が、Sindus社に50%資本参加してブラジルに進出する。

 Sindus社にとってアンドリッツ社の資本参加は、オートメーション機械や電気・測定器メインテナンスの分野で、海外市場進出への足がかりができる。

 またアンドリッツ社の資本参加で、年間の成長率が現在の30%から45%と大きく飛躍でき、更に大手製紙メーカーや金属メーカーへの事業拡大が期待できる。(12日付けヴァロール紙)

4月の鉱工業は南部地域が牽引

 4月のブラジルの鉱工業平均成長率は前月比マイナス0.1%を記録したが、南部諸州の好調な生産で、ブラジル全体の鉱工業成長率を牽引した。

 4月の南大河州の鉱工業成長率は好調な農業部門の回復で、前月比2.9%でトップを記録、前年同月比16.1%、今年初めの4ヶ月間では9.0%と大幅に増加、好調なジーゼルオイル並びにナフサの生産増加で、石油・アルコール部門は前年同月比32.5%、設備投資用機械・装置38.8%、食品は12.8%それぞれ増加した。

 パラナ州では前月比マイナス0.3%となったが、前年同月比では13.2%増加、特に食品部門16.6%、化学肥料生産に引張られた化学部門51.4%、トラクターを中心とした機械・装置が15.6%とそれぞれ増加、また今年4ヶ月間では9.3%増加している。

 サンタ・カタリーナ州は僅か0.1%の増加に留まったが、前年同月比8.7%増加、農業関係が好調で食品部門は14.8%、農業機械を中心に機械・装置18.5%、今年4ヶ月間では4.0%とそれぞれ増加している。

 4月の鉱工業成長率が不振であったのは、ゴイアス州が−4.0%、エスピリット・サント−3.0%、ペルナンブーコ−1.8%、アマゾナス−1.3%、ミナス・ジェライス州が−1.2%とそれぞれマイナスを記録している。(12日付けエスタード紙)

今年のブラジル企業のM&Aは500億ドルを予想

 今年5ヶ月間のブラジル企業による買収・合併(M&A)は、前年同期比12.1%増加の195億ドルに達しており、今年は昨年の331億ドルを大幅に上回る500億ドルが予想されている。

 昨年の世界のM&A総額は前年比65.7%増加の2.2兆ドル、ラテンアメリカでは21.3%増加の373億ドルであった。部門別のM&Aでは金融部門が4,769億ドルでトップを占め、エネルギー3,377億ドル、不動産2,223億ドル、鉱業1,926億ドル、工業1,659億ドル、消費財部門が1,625億ドルであった。

 今年5ヶ月間のブラジルのM&A業務のトップは、Rothschild投資銀行が54億9,700万ドル、ドイツ銀行が44億7,800万ドル、UBS銀行31億3,200万ドル、シティグループが30億ドルとなっている。(11日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

サンパウロ−リオ間に弾丸列車運行か

 以前に何回も話題になっては消えたが、サンパウロ−リオ間の弾丸列車運行計画が、継続する航空危機で表面化してきており、特にジルマ・ローセフ官房長官が計画に興味を示している。

 弾丸列車の定員は855人で、サンパウロ市のルース駅とリオ市のブラジル中央駅を1時間25分で結び、価格は60ドル相当の118レアルで、投資総額は90億ドルが見込まれている。

 総延長距離403キロメートルの工事入札にはイタリア、日本並びに韓国企業が参加すると見込まれており、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の環境ライセンス獲得の見通しもついており、入札は年内までに実施されて、工事開始は2008年が計画されているが、90年代に開始されたグルメ列車の再開が昨年話題になっていた。(10日付けエスタード紙)