3月29日の経済情報

>>昨年のGDPは2.9%から3.7%の上方修正された

 昨年のブラジルのGDPは2兆3,220億レアルで、2.9%の経済成長をしめしていたが、ブラジル地理統計院(IBGE)の新算出方法では3.7%に上方修正され、今年の経済成長率は4.0%以上の予想に修正された。

また一人当たりのGDPは1万2,437レアルで、前年の1.5%増加を記録、GDPのドル換算ではドル安が後押しして、1兆670億ドルとなり世界ランクでは10位となっている。

GDPの内訳では、サービス部門は前年比3.7%増加のGDPの64%を占め、特に金融セクターが6.1%,不動産・賃貸セクター4.3%、公共サービスセクターが3.1%それぞれ伸びて、ブラジル経済の牽引車となっている。

農畜産部門の経済成長率は4.1%、鉱工業部門は2.8%となっており、新算出法では民間消費セクターが2.1%から4.3%、政府支出2.1%から3.6%にそれぞれ上方修正され、実質賃金は5.6%、クレジットは29.9%それぞれ増加した。

投資セクターも機械・装置の輸入増加で6.3%から8.7%、GDPに対する投資比率も16.3%から16.8%に上方修正され、2001年の17%に次ぐ記録となった。今年の輸出は4.6%、輸入は18.1%それぞれ増加すると予想されている。

部門別では鉱業セクターが前年の9.8%から6.0%、電力エネルギー・ガスが5.0%から3.6%、輸送・倉庫が4.3%から3.2%、情報サービスが4.3%から2.3%、金融が6.5%から6.1%にそれぞれ減少した。

 しかし建設セクターが1.2%から4.6%、商業3.5%から4.8%、農畜産1.0%から4.1%、不動産・賃貸4.1%から4.3%、公共サービス1.0%から3.1%、製造業1.1%から1.6%とそれぞれ前年を上回った。

 昨年のブラジルのGDPは1兆670億ドルで、世界ランク10位となったが、BRICsの中国は2兆5,540億ドルで4位、ロシアが9,750億ドルで11位、インドが8,540億ドルで13位にランクされており、2010年のブラジルは8位へのランクアップが予想されている。

 昨年のラテンアメリカ諸国の経済成長率は、アルゼンチンが8.0%でトップ、続いてヴェネズエラの7.5%、コスタリカ及びパナマが6.5%、ペルー6.0%、メキシコが4.0%、ブラジルの3.7%は15位にランクされており、依然として低成長率に甘んじている。(29日付けエスタード紙)

>>ゴール航空がヴァリグ航空を3億2,000万ドルで買収

 ゴール航空は1月に1,710万ドルを経営難のヴァリグ航空に、貸付けたチリ資本のラン航空とヴァリグ航空買収で競合していたが、3億2,000万ドルで手中にした。

 4.75%のマーケトシェアを持っていたヴァリグ航空の買収で、ゴール航空のシェアは44.83%となり、トップのタン航空の47.33%と2.5%の差に肉薄、今後はヴァリグ航空の増便で、今年年末にはタン航空を抜いて、トップの座が予想されている。

 今後のヴァリグ航空の国内路線は、サンパウロとリオからの州都便に集中させ、国際路線ではファーストクラスを廃止して欧米路線は継続、ラテンアメリカでは、ブエノスアイレス、サンチアゴ、ボゴタ及びカラカスに集中して、ゴール航空はエコノミークラスのみでアルゼンチン、ボリビア、ペルー、ウルグアイ及びチリ便を継続する。(29日付けエスタード紙)

>>ゲルダウは2億5,900万ドルでメキシコの製鉄所を買収

 グローバル化を進めている鉄鋼生産世界14位のゲルダウグループは、メキシコのTultitlan製鉄を2億5,900万ドルで買収、メキシコ市場参入の足がかりを築いた。

 同製鉄所の現在の粗鋼生産は35万トン、圧延生産が33万トンであるが、ゲルダウは年末にはそれぞれ粗鋼50万トン、圧延43万トンに増産する。

 同製鉄所の販売は国内市場で特に中南部地域であり、需要の多い北部地域はアルセロール・ミッタル傘下のHysalmex 製鉄及びSicartsa製鉄と競合しなければならない。メキシコの粗鋼生産は1,630万トンで米州では米国、ブラジルに次いで3位であるが、ゲルダウグループの総粗鋼生産1,560万トンを僅かに上回っているに過ぎない。(29日付けエスタード紙)
 
>>アルパルガタスは海外戦略を展開

 今年の4月で創立100年を迎えるサンダルのアバイアーナス生産のアルパルガタス社は、6月にニューヨーク、8月にチリのサンチアゴ市にそれぞれ支店を開設して、積極的に海外戦略を展開する。

 ニューヨーク支店では初めにサンダルのアバイアーナス販売を主力に、5年以内に年間売り上げ3億ドルを目標に宣伝費用として、年間5,000万ドルから1億ドルを投資する。初年度の売上げは2,000万ドルで400万足のサンダルを販売する。

 またチリ支店開設はラテンアメリカ戦略上で、テストケースにはチリのマーケット市場が最適であり、ミズノ製テニスシューズなどのスポーツシューズの販売を主力にすえる。メキシコのスポーツシューズマーケット市場は6,000万足、アルゼンチン4,000万足、チリは3,000万足と見られている。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
 

住金が高級シームレスパイプ製造合弁会社を設立

3月28日、住友金属工業(株)は、バローレック(本社フランス)とブラジルで、シームレスパイプを製造する合弁会社を設立すると発表した。合弁 会社は、高炉一貫の製鉄所を建設し、2010年半ばの稼動を予定、年産60万トンのシームレスパイプを製造する。合弁会社設立には住友商事も参画の予定。

世界的なエネルギー需要を背景に、石油・天然ガス開発に使われるシームレスパイプの需要は強く、生産拠点をブラジルに設置するのは、北米、中東やアフリカなどの顧客に近い立地条件の他、廉価な原料・エネルギーコストに恵まれているからだ。

粗鋼生産規模100万トン/年の高炉一貫製鉄所(製銑・製鋼ほか上工程設備、シームレスパイプ製造設、精製設備、他付帯設備など)の総投資額は2,000億円。

両者の強みである製管と継手技術を結集、最強の生産拠点の構築後、住友金属工業(株)は年産160万トンのグローバル供給体制を確立、鋼管事業の世界展開と差別化を加速する計画だ。

Pdf住金プレスリリース

企業内部統制監査のエキスパート 牧野卓司氏が活躍

日本での JSOX 法の発効に向け、企業内部統制監査のエキスパート 牧野卓司氏が活躍

 私は、監事として一時期、当会議所に協力してくれた牧野卓司氏と、図らずも先週、昼食を一緒にする機会に恵まれた。
同氏は日本の大学を卒業して渡米、オレゴン州ポートランド市で同国の有名監査法人に就職、同地で米国の公認会計士資格を取得後は、居をニューヨークに移し、別の監査法人ERNST & YOUNGに勤務かたがたコロンビア大学のMBAコースを卒業したというエリートコースを走る有能な新人(38歳)で、現在、同氏は、その監査法人から「日本に進出している米国企業を受け持つ同組織の内部統制監査業務の実施要員」として東京に派遣されて活躍している。

 北米では、エンロン(ENRON)やワールド コム(WORLD COM)の決算粉飾事件を契機として、企業の内部統制強化を規制したサーベインス. オックスレイ法が2002年の7月30日に成立しているが、日本でも、愈々来年2008年4月―2009年3月期から、その日本版(その法律は日本の業界ではJSOX法と略称されているとの事)が発効するとあって、それの基準への対応準備に株式市場上場企業が大童であるのは勿論、それを支援する監査法人事務所でも特に内部統制監査のエキスパートのオーバーワークの現象が起きているとの事である。

 会議所では、会員会社の半数が日本からの進出企業であるという事情もあり、北米、ブラジル、日本の3国間で「企業の内部統制監査への対応支援」の第一線で活躍している同氏との意見交換は、上記の事情の他に「監査部門での世界での最新事情」を垣間見るチャンスでもあった事から非常に有意義であった。

 今回は、同氏の滞在がごく短期間であった為そのチャンスに欠いたが、次回に来伯の際には、当会議所で「日本版 JSOX法の施行状況」を是非、全会員の為に披露して頂きたいと思う次第である。(以上、山田唯資監事会議長の談話より −2007年3月28日記)

 

第2回総領事館-会議所間定期会合

3月28日、総領事館と会議所は第2回の定期会合を開催、日伯間の経済関連課題となっているエタノール、デジタルテレビ、投資環境関連とりわけ知的財産権、移転価格税制や社会保険料二重払い問題などを中心に討議した。

この会合は昨年11月開催の官民合同会議で取り上げたテーマの解決に向け、双方でフォーローし合う目的から今年1月にスタート、第1回(1月16日に開催)に続くもので2〜3ヶ月に1回の頻度で開催する。

在ブラジリア日本大使館から佐野書記官も出席、直近の進捗状況について説明、活発な質疑応答を交え有意義な会合となった。

出席者(順不同)
大使館:佐野書記官、
総領事館:西林総領事、土肥領事、金沢専門調査員
会議所:田中会頭、福田専任理事、渡邉専任理事、宮田専任理事、田中一男専任理事、大前副会頭、山田監事会議長、平田事務局長

3月28日の経済情報

>>ブラジルでの石油採掘に80億ドルを投資

()  ペトロブラス社は、ブラジル国営石油会社として石油事業を独占してきたが、1997年に独占事業が終結、外資や民間企業も石油採掘や精製事業に参加できるようになり、外資7社がブラジル国内で石油採掘事業に乗出しており、今後4年間で80億ドルを投資して、石油採掘事業を展開する。

 Hydro社は Anadarko社と共同で20億ドルを投資して、リオ州カンポス沖のペレグリーノ鉱区で、日産10万バレルの石油生産を2010年下半期からの操業を計画しているが、埋蔵量は3億バレルから6億バレルと見込まれている。

 また米国資本のDevonエネルギー社は、2004年にカンポス沖のポルヴォ鉱区の浅瀬にある、埋蔵量が5,000万バレルと見込まれている石油採掘を年内に操業開始する。

 カンポス沖のビジュピラ鉱区で日産3万5,000バレルの石油を生産しているシェル石油は、サントス沖の鉱区BS−4で埋蔵量3億バレルを確認しているが、鉱区BC−10でも埋蔵量の確認で商業化を進める。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

>>中国製タイヤが脅威となってきた

() ブラジルタイア工業協会(Anip)では、昨年の中国製自動車用タイヤの輸入は、前年比190%増加の170万本、トラック用タイヤは29%増加の30万本と急増している。

 中国製タイヤの価格は国内タイヤと比較して、輸入関税が16%にも関わらず30%から40%も安価であり、2002年から2006年の間に国産タイヤメーカーは8%のシェアを落としており、セーフガードやアンチドーピングなどの防衛策をAnipでは検討している。

 ここ数年間にブラジルのタイヤメーカーは、輸出も含めた増産計画で12億ドルを投資したばかりであった。しかし自動車メーカーのGM社は、コルサ車用に中国タイヤを採用しだした。昨年のブラジルのタイヤ需要は前年比1.2%増加の5,730万本、今年は3.5%増加が見込まれている。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

>>サステナブル社会実現目指して再生材料などを利用

() 持続可能な社会の実現に向けて、ABNアムロ銀行のコチア支店では、建設材料として再生レンガを使用、水は雨水を貯水して処理、また下水はバイオ及び化学処理して、支店内の観葉植物への灌漑や水洗で再利用している。

 またウオールマート社の北東地方のボンプレッソ店舗では、天井を20%低くしてエアコン消費電力を30%節約、砂糖キビバガス燃料使用の小型火力発電所からの電力供給を受けている。

 またウォールマートでは、サルバドール市内の実験店舗では、雨水を100%利用、電力エネルギーはソーラー電力発電の利用や風力発電所から供給を受け、敷地内の60%は緑地、買物袋は再生可能なバイオプラスティックを使用して、持続可能な社会の実現に向けて企業の社会的責任を果たしていく。(28日付けエスタード紙)

>>国税庁による差押えが61.7%増加

() 昨年の国税庁による貿易会社の輸出入製品の密輸や脱税の差押え製品数が前年比61.71%増加、金額では46億5,000万レアルに達している。

 差押えられたコピー商品ではタバコ、医薬品、CD録音装置、コンピューターのほかに5,300台の自動車、2,823台のゲーム機器などであった。

 2005年には高級品販売の有名デパートDaslu社が、連邦警察の特捜部隊の介入により脱税で起訴された。国税庁の差押補完倉庫は全国に100ヵ所あるが、全て満杯の状態となっている。(28日付けエスタード紙)

3月27日の経済情報

>>銀行金利は2000年6月以来の低率

() 政策金利(Selic)の低下に伴い、銀行の平均金利は1月の39.9%から2月は39.7%に低下、2000年6月以来の低率となったが、平均貸出スプレッドは27.4%から27.6%に上昇した。

 大企業は国内外の金融市場から資金を調達しているが、中小企業は銀行からの資金調達に頼っており、銀行側は融資審査にコストがかかるために、中小企業向け貸出スプレッドが1月の13.6%から13.8%に上昇したが、平均貸出金利は26.2%から26%に低下して、2002年10月の23.5%に次ぐ低利となり、また個人向け貸出スプレッドは、1月の40%から39.6%に低下した。

 2月の銀行融資総額は、前月よりも1.1%増加の7,393億3,000万レアルとなり、GDP比が34.4%から34.6%に上昇して、1996年3月の34%を上回った。(27日付けエスタード紙)
 

>>ウルグアイと新自動車協定

() ブラジルとウルグアイは3ヶ月前倒しで、今年7月発行で1年間有効な新自動車協定を結び、輸入関税なしで年間6,500台の自動車を輸出する。

 またウルグアイからの自動車輸入枠を2万台から2万2,000台に引上げ、増加分の2,000台は、ウルグアイで防弾車にされてからブラジルに輸出される。

 ブラジルへのトラック輸出枠は年間2,500台であり、ウルグアイの国産化率50%以上の1.5トン車から3.5トン車に限定される。昨年のウルグアイの自動関係輸出は1億8,500万ドル、ウルグアイからの自動車輸入は1,200万ドルで不均衡となっており、ウルグアイはブラジルからの自動車関連投資を要求している。(27日付けエスタード紙)

>>今年の鉄鋼需要は5.9%増加

() 中国の強い鉄鋼需要に支えられて、今年の世界の鉄鋼生産は前年比5.9%増加の11億8,000万トンで、中国の需要がなければ僅かに2.5%増加に留まると予想されている。

 また2008年の世界の鉄鋼生産は、6.1%増加の12億5,000万トンが見込まれているが、米国の需要低下が見込まれる北米自由貿易協定(Nafta)地域は、3.1%減の1億5,000万トンとなる可能性があるが、来年は4.3%増加の1億5,600万トンと見込まれている。

 経済成長著しい中国の今年の鉄鋼需要は前年比13%、来年末は10%増加の4億4,300万トンで、世界鉄鋼需要の35%を占める。今年のラテンアメリカの鉄鋼生産は3,820万トン、来年は6%増加の4,050万トンが見込まれており、ブラジルの今年初めの2ヶ月間の生産は、前年同期比10.7%の521万トンであった。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
 

>>消費者の50%以上が海賊版やコピー商品を購入

() 小売管理プログラム(Provar)が、500人の消費者を対象にした調査では、35.2%がいつも海賊版やコピー商品を購入しており、55.4%が最近になって購入している。

 またインタビューに答えた66%は、海賊版やコピー商品製造に組織犯罪が関わっていることを知らず、2.5サラリーまでの低所得者の69%は、その存在を知らないが、5サラリー以上の所得層の73%は存在を知っている。

 コピー商品購入の主因として91.7%が価格を挙げており、最も購入するコピー商品としては、69.4%がCD,DVD,衣類が29.8%、玩具 24.7%となっているが、コピー商品販売による国税庁の減収は年間300億レアルに達し、200万人分の雇用が損なわれている。(27日付けエスタード紙)

ブラジル日本青年商工会議所のハットリ新会頭、ヨシダ事務局長

ブラジル日本青年商工会議所のレアンドロ・ハットリ新会頭、マリア・クラウディア・ヨシダ事務局長が、3月26日午後に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長と1時間30分に亘って意見の交換を行なった。

ハットリ会頭はブラジル日本商工会議所のエヴェントや昼食会に積極的に参加して、更なる緊密化、また 5月ぐらいにエンブラエル社のサトシ・ヨコタ副社長と講演会を同社で予定しているが、商工会議所会員多数を招待して、意見の交換会などを行ないたいと述 べ、またブラジル日本青年会議所は25年前に、ブラジル日本商工会議所の後押しで設立、25周年の6月には商工会議所の協力で色々なエヴェントを検討して いる。

ブラジル日本青年商工会議所は、1982年6月24日に世界青年商工会議所のグレイ・ナガオ会頭の訪問を機会に、ブラジル日本商工会議所の肝いりで設立、企業活動の一環として、リーダーシップの能力開発を目的に設立された。

平田事務局長はハットリ会頭の商工会議所訪問は両会議所の緊密化に良い機会となり、青年会議所メンバーの商工会議所の昼食会や色々なセミナーやエヴェント参加を推奨、大いに意見の交換を行なってほしいとハットリ会頭に促した。

ハットリ会頭は青年商工会議所では、個人会員には商工会議所の講演、トレーニング、研修コース参加によるリーダーシップの開発、コミュニケーション改善、リーダーにとって必要不可欠な組織力や企画力の開発アップにつながる機会を提供する。

豊富な実務経験による社会的問題やコミュ二ティー問題のダイナミックの解決方法の鍛錬、国際会議や国際コンベンション参加や交流プログラムへの参加や他の 商工会議所のエヴェントや交流、世界の社会問題改善のためのインフラ整備への貢献するための機会を提供して世界平和に貢献すると説明した。