ブラジルトヨタの渕上氏が帰国挨拶

渕上宏ニ氏(営業調整上級役員)が4年のブラジル勤務を終え平田事務局長に帰国挨拶を行った。
同氏は業種別部会長シンポジュームの前に開く自動車部会懇談会で説明役を担う等、その他の
会議所活動(SDGs達成、家族ぐるみのボランティー活動等々)にも大いに貢献、将来再び好きに
なったブラジル勤務の希望を誓いながらの栄転帰国。同社が9月、市場に投入したハイブリッド車や業界の展望およびブラジルにいたからこそ実感できる世の中の変化の速さを語りながら別れを惜しんだ。

Koji Fuchigami e Fujiyoshi Hirata

 

今年の新規株式公開や増資で900億レアル調達予想

年末までにレンタカー大手UNIDAS社並びに食肉大手のMARFRIG社は、新規株式公開(IPO)のオペレーション価格を検討しているが、IPOによる資金調達は約50億レアルに達すると予想されている。

このUNIDAS社並びにMARFRIG社は、新規株式公開(IPO)による50億レアルを含めると今年のサンパウロ証券取引所(B3)の資金調達は、900億レアルに達すると予想されている。

2010年にペトロブラス石油公社は増資で1,200億レアルの資金調達をして過去最高記録を達成していたが、実際には連邦政府に対して未開発鉱区の50億バレル相当の現物出資として約700億レアルを支払うために、ペトロブラスには実質的に500億レアルの資金調達であった。

今年のIPOによる資金調達900億レアルは、2010年のペトロブラスによる1200億レアルの資金調達を除外すると、2007年の700億レアル以降では12ぶりに記録更新が予想されている。

今年のIPOや追加公募増資(フォローオン)の件数は42件、Restoque社は今日追加公募増資の株価を決定するが、Centauro社並びにNeoenergia社、宝石小売りチェーンVivara社 オランダ資本の小売大手C&A社 BMG銀行が新規株式公開で資金調達している。

B3社のGilson Finkelsztain社長は、2020年の新規株式公開や増資による資金調達は1,200億レアルに達して記録更新すると予想、社会経済開発銀行(BNDES)の大手企業の持株の放出や連邦貯蓄金庫(Caixa)の子会社の株式放出の活性化が見込まれている。

スタートアップ企業のLocaweb社、上下水道関連のCompanhia de Agua e Esgoto do Ceara社、建設・不動産業界のMitre社並びにMoura Dubeux社は、来年上半期の新規株式公開を目指して、有価証券取引委員会(CVM)に承認を申請している。(2019年12月18日付けエスタード紙)
 

ブラジル全国工業連盟(CNI)は2020年のGDP伸び率を2.5%予想

ブラジル全国工業連盟(CNI)では、2020年のブラジルのGDP伸び率は製造業部門並びに民間投資が牽引して、今年のGDP伸び率予想1.2%に2倍に相当する2.5%を予想している。

連邦政府の年金・恩給改革並びに改正労働法に匹敵する自由経済暫定法の国会承認で、民間部門の投資環境が大幅に改善しているとCNI工業連盟経済政策担当のFlavio Castelo Branco取締役は指摘している。

しかし2020年のGDP伸び率を加速するためには、構造改革でも税制改革の国会承認が不可欠であり、また製造業部門の生産性向上や労働者のスキルアップに繋がるマクロ経済政策導入の必要性をCastelo Branco取締役は指摘している。

またCNI工業連盟のロブソン・ブラガ・デ・アンドラーデ会長は、連邦税の社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)、工業製品税(IPI)の改革だけでも大いに進展すると指摘している。

CNI工業連盟では2020年のGDP伸び率を2.5%、鉱工業部門GDP伸び率は2.8%、一般家庭の消費は2.2%、投資のGDP伸び率は6.5%増加をそれぞれ予想している。

また2020年の平均失業率は今年の11.9%から11.3%減少予想、インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は3.7%、年間平均政策誘導金利(Selic)は4.5%、財政プライマリー収支赤字はGDP比1.3%、公共負債比率はGDP比79.3%、レアル通貨に対するドルの平均為替はR$4.05、貿易収支黒字は380億ドルを見込んでいる。(2019年12月18日付けヴァロール紙)

2020年度の予算は国会で承認

昨日18日、2020年度の予算基本法は国会で承認、来年の国家予算総額は3兆6,870億レアル、そのうち9171億レアルは、連邦政府の公共負債のリファイナンスとしてリザーブされる。

2020年の最低サラリーは今年の最低サラリー998レアルを3.31%増加の1,031レアルに固定、また連邦政府の公共投資総額は1,215億レアル、連邦政府の財政プライマリー収支の許容赤字は1,241億レアルに決まった。

与党は来年の予算基本法の国会での承認を得るために、野党に対して2022年までに特に失業率の高い18歳~29歳の若年層並びに55歳以上の高齢者を対象とした新雇用促進制度“Trabalho Verde e Amarelo- ブラジリアンカラーワーク”プログラム導入で譲歩を余儀なくされた。

この新雇用促進制度を導入する企業経営者に対して、企業の従業員に対する社会保障院(INSS)負担金の20%軽減、雇用主は被雇用者のために給与の8%を勤続期間保障基金(FGTS)への積立を2.0%に軽減する。

しかし大統領暫定法(MP905号)の新雇用促進制度“Trabalho Verde e Amarelo- ブラジリアンカラーワーク”プログラムでは、失業保険を享受している失業者に対して、社会保障院(INSS)に失業保険の7.5%の支払を義務付けている。

連邦政府の財政責任法(LRF)が制定されて既に20年が経過しているために、新たな憲法改正による改革が必要となっており、ゲーデス経済相は、行政部門のアドミニストレーション改革並びに緊急憲法補足法案(PEC)、非インデックス化推進などのDDD緊急憲法補足法案(PEC)、連邦政府から地方政府への交付金分配改正案、地方政府救済法改正を織り込んでいる。

特に緊急憲法補足法案(PEC)では、連邦政府の行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員給与の凍結、労働時間の短縮、配置転換や免職、労働者支援基金(FAT)から社会経済開発銀行(BNDES)への送金禁止などが含まれているが、連邦公務員の25%相当の労働時間短縮で公務員給与の削減を図る。

2020年は地方選挙の年で市長や市会議員が選出されるが、野党議員をなだめるために選挙支援金向けの20億レアルを割り当てた。また上院議員並びに下院議員は総額94億6,900万レアルに達する予算修正を要求している。(2019年12月18日付けエスタード紙)

事務局便り JD-105/19   「大使館情報」第139号(2019年12月)

JD-105/19
2019年12月17日

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—–Original Message—–
From: TSUMORI TADASHI [mailto:tadashi.tsumori@mofa.go.jp]
Sent: Tuesday, December 17, 2019 4:04 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 大使館情報(2019年12月)

商工会議所会員の皆様,関係ご各位

平素より大変お世話になっております。
「大使館情報」第139号(2019年12月)につきまして,送付いたします。

なお、過去のファイルにつきましては下記のリンクをご覧ください。
https://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/macro.html
よろしくお願い致します。

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在ブラジル日本国大使館 経済班 津守直
Tadashi TSUMORI(Sr.)
Segundo Secretário/Adido Financeiro
Embaixada do Japão no Brasil
Tel   : +55-61-3442-4200 (Ramal 230)
Fax   : +55-61-3242-2539

Pdfブラジル経済概観(2019年11月)

Pdf大使館情報12月号

Pdf伯経済情勢報告(2019年11月)

Hase Service一行が訪問

Hase Service社のEdwin Hasegawaジェネラルダイレクター並びにMárcio Saito系業担当ダイレクターは2019年12月17日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と上田みどりアシスタントに同社の事業を紹介、また2020年1月に商工会議所への入会希望を伝えた。

Hase社は日本とブラジルの架け橋となれるよう、 送迎業務の他、観光ガイド、市内観光、 通訳、日本語でのアシストサービスなどのサービスも提供をしてる日系企業。

Fujiyoshi Hirata, Midori Ueda, Márcio Saito e Edwin Hasegawa

Foto: Rubens Ito / CCIJB

連邦政府は地方政府の借金救済で71億5,000万レアル支出

連邦政府は、国庫庁が保証機関となっている地方政府(州政府・市役所)の償還期間以内に返済できない負債の肩代わりを余儀なくされているために、今年11月までの負債肩代わり総額は71億5,000万レアルに達している。

2018年の国庫庁が地方政府の負債返済による支出総額は48億レアルに達していたにも関わらず、今年11カ月間では昨年1年間の負債総額を既に20億レアル以上上回っている。

特にリオ・デ・ジャネイロ州政府の今年11か月間の国庫庁の負債肩代わり総額は35億レアルに達しており、ミナス・ジェライス州政府は28億レアル、ゴイアス州政府は6億9,141万レアル、北大河州政府は9,395万レアル、アマパ州政府は7,343万レアルを記録、またリオ州のBelford Roxo市役所向けには159万レアルの支出を余儀なくされている。

2016年の国庫庁による地方政府の負債肩代わり総額は23億6,000万レアルであったが、2017年は40億3,000万レアル、2018年は48億レアル、今年11月までの負債肩代わり総額は71億5,000万レアルに達している。

3年以上継続した経済リセッションによる景気後退やラヴァ・ジャット汚職問題を発端としたインフラ整備事業を中心とした大型プロジェクト中止などの影響で、連邦政府のみならず地方政府の歳入減少並びに地方公務員のサラリーなどの固定支出の増加などで、多くの州政府の財政は悪化の一途を辿っている。

財政が悪化している州政府は、治安や教育向け予算削減を余儀なくされ、財政緊急事態宣言に追いこまれる可能性が拡大してきている。リオ州政府は2016年末の財政緊急事態宣言の発表を余儀なくされ、2017年に州財政救済制度(RRF)の導入を余儀されていた経緯があった。

パウロ・ゲーデス経済相は、2026年から公立銀行による地方政府への新規貸出に対して、連邦政府の保証禁止に関する法令を検討している。財政責任法(LRF)で定められている支出総額の60%までに制限されている州政府公務員の給与総額限度を超えて、多くの州政府は財政責任法(LRF)を果たしていない。(2019年12月17日付けエスタード紙)

パラグアイはイグアス―水力発電所の電力エネルギー42%購入

ブラジル電力公社とパラグアイ公社・全国電力管理会社(ANDE)は、イタイプー水力発電所で生産される1万4,000メガワットの電力エネルギー購入比率変更でようやく合意に達した。

パラグアイ政府のANDE電力公社は、2022年までに総発電量の42.5%に達する比率まで徐々に引き上げることでブラジル電力公社と合意した一方で、ブラジル電力公社の電力エネルギー購入比率は徐々に減少する。

パラグアイは今年平均1,340メガワットの電力エネルギーを購入、一方ブラジル電力公社の電力エネルギー購入は1万795メガワット、2020年にはパラグアイは1,810メガワットに増加する一方で、ブラジル電力公社の電力エネルギー購入は1万325メガワットに減少する。

イタイプー水力発電所で生産される電力エネルギーは、毎年ブラジル及びパラグアイ両国間で、電力使用量や過剰電力の売買などに関する合意が結ばれてきた。

イタイプー水力発電所で生産される通常電力エネルギー価格は22.6ドル/KWhの一方で、余剰電力料金は60ドル/KWhと約3倍の価格に設定されているために、両国間で何時も問題が発生していた。

今年5月にはパラグアイ側に不利になる疑惑の契約に関して、パラグアイの議会調査委員会(CPI)でANDE公社の元総裁は、ブラジル側の政治圧力を指摘して今年8月の契約は破棄された経緯があった。

パラグアイはメルコスール加盟国の中で最大の発電量を擁し、イタイプー並びにヤシレタ、アカライという3つの水力発電用ダムを持つ地域最大の電力輸出国、また電力コストにおいて最も競争力あり、パラグアイは発電量の約13%を国内で消費しているに過ぎない。

パラグアイの製造業部門向け電力料金はブラジルの約半額、また税制恩典での企業進出を促す政策を導入しており、電力消費コストの大きな製造業はパラグアイでの生産に移行する企業も増加している。(2019年12月17日付けエスタード紙)

エグゼクティブ向けサンパウロ・カタリーナ空港(SPCA)開設

JHSFグループはサンパウロ市から60キロメートル近郊のサンロッケ市に、年間20万回の離着陸が可能なエグゼクティブ向け民間空港のサンパウロ・カタリーナ空港(SPCA)を開設した。

FASNOホテル網並びにシダーデ・ショッピングセンターなどホテル・不動産業を営むJHSFグループは、10年前からエグゼクティブ向け民間空港開設の構想を練っていた。

エグゼクティブ向け民間空港のサンパウロ・カタリーナ空港(SPCA)の敷地面積は700万平方メートル、滑走路は2,470メートルとコンゴニアス空港の1,940メートルを上回り、世界最大のエグゼクティブジェット機の離着陸が可能な空港となっている。

またサンパウロ・カタリーナ空港(SPCA)の航空機を風雨や砂塵などから守り、中で整備や補給、待機などを行う格納施設ハンガーは6,000平方メートルを擁し、空港内ショッピングセンターは2万1,600平方メートル、ヘリ―ポートも備えている。

サンパウロ州政府のジョアン・ドリア州知事は、サンパウロ・カタリーナ空港(SPCA)の開設で、サンパウロ市内のカンポス・デ・マルティス空港の離着陸の緩和に繋がると説明している。(2019年12月17日付けエスタード紙)

 

通商産業開発サービス・イノベーション局長と会合

12月16日(月)、大久保 敦 ブラジル日本商工会議所イノベーション・中小企業委員会委員長(JETROサンパウロ事務所所長)は同委員会のコア・メンバーおよび事務局長と伴に経済省サンパウロ出張事務所でグスターボ・エネ局長と会合を行った。世界の趨勢はインダストリー4.0(日本では5Gを駆使したソサイテー5.0)、第4次産業革命の波がここブラジルにも押し寄せているが、残念ながら産業構造上、数の上では98.6%を占める中小企業や零細企業の大半はこの波から程遠い存在だ。

ボロソナーロ政権下では国策として産業競争力・生産性向上および雇用の拡大が喫緊の課題となっている。5Sに始まり、人材育成、経営マネージメントを含む諸施策など、日本の中小企業振興政策や豊富な経験・知見を活かし、官民が一体となってブラジル国家に何をどのように協力支援が出来るのか、忌憚の無い意見交換を行った。今後も直接の担当官等を含めて継続的な協議を行うことで意見が一致した。

JETROサンパウロ事務所から大久保 敦所長、岩瀬恵一次長、松平史寿子次長、会議所から中小企業コアメンバーの村田俊典会頭および福元信義専任理事に加え、平田藤義事務局長が参加した。