【ブラジル経済情報】 速報 9月30日
ブラジルへの海外直接投資は世界ランク10位
2004年度のブラジルへの海外直接投資額は181億6,000万ドルで、世界ランクを2003年の15位から10位に上げたと国連貿易開発会議(UNCTAD)は報告している。
2004 年度の全世界の海外直接投資額は6,480億ドルに達し、トップは米国への958億5,900万ドル、2位がイギリス783億9,900万ドル、中国 606億3,000万ドル、ルクセンブルグ570億ドル、5位はオーストラリアの425億9,400万ドルとなっている。
開発途上国への海外直接投資ランキングでは、ブラジルは中国、香港に続いて3位であり、メキシコは166億ドルで4位、シンガポールが160億ドル、ロシア116億7,200万ドルで 6位、インドへは53億3,500万ドルで9位となっている。
2004年度のブラジルへの海外直接投資では、AmBev社を49億ドルで買収した投資が特筆されるが、今年も170億ドルの投資が見込まれており、2006年度はインフラ整備の官民合同計画(PPPs)に対する海外からの大型投資が期待されている。(30日付けエスタード紙)
8月の大サンパウロ圏の小売は12.7%伸びた
8月の大サンパウロ圏の小売は昨年同月比12.7%も増加し、月間としては母の日があった5月の14.7%に次いで好調であったとサンパウロ州商業連盟(Fecomercio SP)は発表した。
また今年1月から8月までの小売は、昨年同期比8.5%の増加で2005年度の実質成長率は5%が予想されている。
8月のクレジット販売は400億レアルと好調で、昨年12月の330億レアルを大幅に上回っており、第4・四半期も好調が期待されている。
8月の小売の牽引部門は、自動車部品46.3%、自動車販売が36.8%と大幅に伸び、続いて衣類23.2%、家具13.5%、建築資材7.4%、家電5.9%とそれぞれ伸びたが、スーパーの売上げは1.7%の増加にとどまった。(30日付けエスタード紙)
牧畜王も砂糖キビ栽培に
15万頭の肉牛を飼い、年間3万頭を食肉業者に販売しているブラジルの畜産王サミール・ジュブラン氏は、利益の出ない牧畜業を止めて、パラナパネマ河両岸に所有している牧場を砂糖キビ栽培のコカルグループに賃貸する。
このノーヴァ・ダマスコ牧場は、ジュブラン氏が所有する11牧場の1つで面積は9,368ヘクタールあり、そのうち8,800ヘクタールに牧草を植え付け2万5,000頭の牛を飼育していた。
60年以上牧畜業を続けてきたジュブラン氏は、牧畜業では年間の利益率が1%しかなく、砂糖キビ栽培に土地を賃貸すると5%の利益が上がると説明している。
またジュブラン氏はミナス、ゴイアス、マット・グロッソ州などに所有している牧場での牧畜業を切替えていき、サンパウロ州プレジデンテ・エピタシオ郡の2,854ヘクタールのポンテ・フンダ牧場だけ牧畜業を続ける。(30日付けエスタード紙)
サンタンデール銀行は、新しい中小企業向け運転資金融資を開始
サンタンデール・バネスパ銀行は、リスクは高いが利益率の大きい中小企業向け運転資金融資向けクレジットを新設した。
このクレジットは100万レアルまでを対象に、返済は12回払いで月利2.5%から3.7%に設定、また年末までに中小企業向けにマスターカードの発行も予定している。
昨年の中小企業向け運転資金融資部門は、27%の増加を記録しており、今年は30%の伸びが予想されている部門であり、同銀行は66%の増加を目標に設定している。
多くの大企業は運転資金調達に、社債発行や株売買などを実施しており、金利の高い銀行からの資金調達を避ける傾向にある。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月29日
ブラジルの国際競争力は、57位から65位にランクを下げた
世界の大手企業などで組織する世界経済フォーラムの2005年度の117カ国を対象にした国際競争力調査で、ブラジルは昨年の57位から65位と大きくランクを下げた。
この調査は今年5月に集計されたもので、政界を揺るがしているメンサロン問題が発覚する以前であり、2006年度の国際競争力調査では、更にランクを下げることが予測される。
ランキングのトップはフィンランド、続いて米国、スエーデン、デンマーク、5位に台湾が入り、6位シンガポール、10位オーストラリアとなっているが、ナミビア、チュニジアやボツアナなどのアフリカ諸国がブラジルよりもランクが上位にある。
中南米ではチリが23位でトップ、コスタリカ、コロンビアやウルグアイがブラジルよりも上位にあり、アルゼンチンは昨年の74位から72位にランクを上げ、最下位はチャドであった。
政治・経済・社会の各分野が調査対象であるが、ブラジルは省庁の機能の項目で20位もランクを下げて70位、汚職の透明度62位、閣僚の効率性69位となっている。(29日付けエスタード紙)
ブラジルの大企業はエグゼクチブにゴルフを奨励している
アウグスト・ヴィデイラ氏がプライヴェート・バンキングの重役に迎えられた時に、ジャラミーロ社長からゴルフを奨励されて始めたところ、スポーツとしてのゴルフの魅力の虜になったうえに、ゴルフ愛好者は銀行の上客になることを発見した。
またアルファ銀行のモウラ顧問は、コンペチターとスポーツ、芸術やカルチャーなどについてラウンド中に語合えて精神的にリラックスできて、人間関係を良好にするスポーツであり、またそこからネゴも生まれる特異なスポーツであると述べている。
またモウラ顧問は、米国のエグゼクチブ達の間ではゴルフは一般的なスポーツであり、エグゼクチブを雇入れるときは、ゴルフクラブのメンバーになることを奨励していると説明した。
ゴルフ人口が増えているサンパウロで、GM社,Vivo社やMicrosiga社などが500万レアルを投資して、26日にOnne・Unigolfゴルフ場のイナグレーションを行った。
ブラジルのゴルフ人口は2万5,000人で、6,000人がサンパウロ市に住んでおり、毎年15%もゴルフ人口が増えており、全国には105ヵ所のゴルフ場がありが35ヵ所で新しいゴルフ場が造成されている。(29日付けエスタード紙)
2005年度のオンライン・ショッピング増加と共にクーリエ業界も成長
自動車やエアーチケット販売を除いた今年の消費財のオンライン・ショッピング(B2C)の売上げは、23億レアルに達し昨年の17億5,000万レアルの30% 以上の成長が予想されている。
今年のB2C市場では720万の商品が販売されるが、その28%は2年前に市場に参入したDirect・Express社によって顧客先に配達される。
同社は毎日1万7,000個の商品を運んでおり、クーリエ業界の最大手に数えられ、今年は350万個の商品を配達するが、そのうちの200万個がB2Cの商品が予想されている。
同社はサンパウロに3ヵ所、リオ、ベロ・オリゾンテ、サルバドールなど9ヵ所にオペレーションセンターを構え、72ヵ所にアウトソーシングの配送センターを配置しており、B2Cの増加と共に急成長している。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月28日
輸出業者の大半は、現在のレアル高に不満を抱いている
2001年5月以来のレアル高を継続している現在、サンパウロ工業センター(Ciesp)が841社の輸出業者を対象に行った調査では、クレームのトップは大幅なレアル高の為替であり、64%が大いに不満を抱いており、続いて面倒な輸出手続きが32%、輸出市場の情報不足が30%であった。
レアル高による輸出量の増減調査では、52%の企業は利益減少で輸出量を抑えており、27%は利益減少にもかかわらず、シェア維持のために輸出量は維持している。
また10%は輸出契約のために輸出量は維持しているが、レアル高が続けば契約終了後減少させる計画を持っており、6%は国内市場に需要がないために、輸出継続を余儀なくされている。
また輸出価格の対前面比調査では、26%の企業が10%以上の輸出価格を値上げしており、24%は5%以下の価格調整を行い、20%は5%から10%の価格調整を行ってマージン確保に対処していると調査結果がでている。(28日付けエスタード紙)
暖冬の後の寒波で、春物の衣料販売は冷え込んでいる
今年の暖冬で冬物商戦に影響を受けた衣料業界は、9月に継続している寒波の影響で、春物衣料の小売販売が前年同月比2%も落込んでいる。
小売のEllus社では、冬物用のジーンスや靴下をウインドーに展示しており、7%から10%の売上げ増しを見込んでいたカラフルな春物衣料から模様替えした。
プラザ・スール・ショピングセンターのヘリング社は、店内の温度を25度に維持して、顧客の目を春物衣料に向けさす戦略をとっている。
またサンダルやビキニなどのビーチ用品専門店ZIL社では、黄色の照明を多く用いて、夏の浜辺を思い起こさせる環境作り戦略をとっている。(28日付けエスタード紙)
27%の年金受給者は労働を余儀なくされている
27%の年金受給者が労働市場に後戻りしており、そのうち65%は生活費の捻出のために働いており、15%だけが暇つぶしに働いているとリオ州商業連盟(Fecomercio-RIO)の調査結果がでている。
また58%の年金受給者は定年時の仕事に従事しており、59%が受給年金以上のサラリーを稼いでいる。
2003年度の全国家庭サンプル調査(PNAD)では、1,430万人の年金受給者のうち、30%に相当する450万人が労働に従事している。
年金受給者の生活費の内訳は、食費に40%、薬代26%、家賃8%、健康保険代5%となっており、年金受給者を対象にした毎日12時間拘束されるファスト・フード店の顧客サービス係りに応募したイルレイさんは、300レアルのサラリー以上に健康保険付の待遇のために応募している。
ブラデスコ銀行は、銀行の窓口で行列をつくっている年金受給者を対象に、年金・恩給口座天引き型ローンの販売係りとして、リオ及びサルバドールで200人の年金受給者を募集する。
この募集はサンパウロの20支店で、年金受給者を採用して実施、大いに成功を収めた営業方法を採用したもので、9月のサンパウロの同天引き型ローン販売は233%増加している。
労働市場の変動で高齢者にも働くチャンスがでてきており、リオ州立大学(UERJ)では高齢者を対象にいろいろな講座を設けて勉強の機会を与えており、年末には初めての卒業生が誕生する。(28日付けエスタード紙)
中小銀行への預金が増えてきた
昨年11月のサントス銀行への中銀介入以来、中小銀行からの預金引出しが続いて今年3月には25%まで減少していた。
しかし3月には140億レアルまで落込んでいた22中小銀行の預金高は、6月には14%増加の160億レアルまで回復した。
またドル安やクルゼイロ・ド・スール銀行やフィブラ銀行が行った海外でのボーナス発行も海外投資家からの投資を助長している。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月27日
財政プライマリー収支黒字は、目標値を大幅に超えている
今年1月から8月までの財政プライマリー収支黒字は、789億3,000万レアルを計上しており、目標値601億8,000万レアルの31%増しとなっている。
また2005年度の目標プライマリー収支黒字額838億5,000万レアル達成には、僅かに49億レアルが不足しているだけである。
プライマリー黒字は国内総生産(GDP)比6.26%に達して、目標値4.25%を大幅に超えており、最終12ヶ月間では963億レアルでGDP比5.1%となっている。
8月の連邦政府のプライマリー収支黒字は、昨年同月の109億レアルから101億8,000万レアルに減少した。また国公営企業の黒字幅は、昨年同月の55億レアルから32億レアルに減少しているが、今年8ヶ月間の累積黒字は、昨年同期の71億レアルから110億レアルの黒字を計上している。(27日付けエスタード紙)
今年の累積貿易黒字は、すでに310億ドルを突破している
今月第4週までの貿易黒字は35億4,100万ドルで、今年の累計貿易黒字はすでに318億8,900万ドルを計上している。
今月第4週までの輸入額は47億9,700万ドル、1日あたりの平均輸入額は2億9,980万ドルで昨年同期比9.5%増しとなっており、前年同月比では鉄鋼69.8%、ゴム類35.4%、自動車及び部品27.7%、精密器械22%、プラスチック9.2%が増加している。
輸出は83億3,800万ドルで1日平均5億2,110万ドルで昨年同期比22.6%と大幅に増加しており、主に第1次産品が原油、鶏肉、鉄鉱石、ニッケル鉱、コーヒー豆、綿花などを中心に31.9%増加した。
通商産業開発省(MDIC)では、今年の輸出額を1,120億ドル、輸入額740億ドル、貿易収支黒字を380億ドルと見込んでいる。(27日付けエスタード紙)
穀物輸出ターミナル建設開始
サントス港湾内にフェーロ・ノルテ社、ブンゲ・アリメントス社及びマギグループの共同出資で、グアルジャー・穀物輸出ターミナル建設を開始した。
このターミナル建設には2億7,000万レアルが投資され、500万トンの穀物を保存することができ、フェーロ・ノルテ社が経営管理する。ターミナル建設は2006年末に完成し、2007年初めから営業を始め、主に大豆を取扱う。
またフェーロ・ノルテ社は、ブンゲ社及びフェルテインポルテ社と共同で、グアルジャー・マリチモ・ターミナルを1億7,000万レアルで建設しており、肥料及び硫黄を取扱う。
このターミナルの完成で、6月に収穫期をむかえる大豆の保存調整が可能になり、1日あたり1,200台のトラック輸送の代わりにフェーロ・ノルテ社などの傘下にあるブラジル鉄道は貨物輸送を増強する。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月26日
工業原材料増産に700億レアルを投資
ブラジルは2011年までに、世界的に需要が高まっている工業の原材料である鉄鉱石、セメントやセルローズなどの国際商品増産に約700億レアルの投資を見込んでいる。
これは主に中国での需要増大で国際商品価格が上昇しており、2002年の中国のトンあたりの鉄鋼価格は350ドルであったが、2005年半ばには650ドルまで上昇し、セルローズも400ドルから580ドルに上昇している。
社会経済開発銀行(BNDES)では、鉄鉱石、製鉄やセメント関係の320億レアルのうち100億レアル、石油化学や化学関係の170億レアルのうち60億レアル、製紙やセルローズ関係の180億レアルのうち90億レアルの融資を決定している。
大型プロジェクトとして、CSN製鉄のイタグア市の第2製鉄所建設に67億レアル、チッサンクルップ製鉄のアトランチコ製鉄所への55億レアル、ゲルダウ製鉄のオウロ・ブランコ製鉄所への54億レアルの投資が予定されている。
また石油化学関係では、ぺトロブラスやウルトラグループがイタグアイ製油所に100億レアル、ウジパール、スザノやペトロブラス連合でリオ・ポリメロス・プロジェクトに26億レアル、パルプ関係ではスザノグループがバイーア・スルの拡張工事に40億レアルを投資する。(25日付けエスタード紙)
3世紀続いたジアマンチーナ市のダイヤモンド採掘は夢が跡
300年前に発見され、未だに続いているミナス州のジアマンチーナ地方のジェキチニョーニャ川でのダイヤモンド採鉱で、大手のアンドラーデ・グチエレスグループは、採算が合わなくなり2006年1月をもって撤退する。
またジアマンチ市役所は2001年に、80ヵ所で採掘ライセンスを発行したが、2004年には20ヵ所まで減少しており、今年のライセンス発行はゼロとなり、採掘機材を購入できない一攫千金を狙うガリンぺイロ達の“兵どもが夢の跡”になる日も近くなった。
7年前のジアマンチーナ市で流通していた現金の80%は、ダイヤモンド採掘からであったが、今では40%まで下がっており、しかし観光収入が反比例して伸びてきている。(25日付けエスタード紙)
天然ガスがエネルギー供給源に
1973年のオイルショックの時は、エネルギー供給源の45%は石油、16.2%は天然ガスであったが、30年後には石油が34.4%に下がり、天然ガスは21.2%に上昇した。
ブラジルのエネルギー供給源の推移では、2000年と2004年を比較すると、石油が45.5%から39.1%に下がり、天然ガスは3.5%上昇して8.9%、アルコール及びバイオマスが2.6%増加の14.4%となっている。
また連邦政府は2022年までに、天然ガスのエネルギー供給源比率を、現在の8.9%から20.2%と大幅な切替を予定している。(26日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ドル安で年末の輸入品販売は大幅増加
大幅なドル安で年末商戦用に輸入家電、衣料、ワインや食料品などを扱う小売業界は、すでに注文を発注しており15%から30%の売上げ増しを見込んでいる。
2003年末にブラジルに進出した家電販売のアメリカ系サウトン社は80%の売上げ増しを見込んでおり、エクスパンド&グランド・クル社はワインの販売価格を10%から15%下げる。
またザラ社は衣料品の6%から7%の値下げし、高級衣料店アルマーニ社もジーンズを1200レアルから900レアルに値下げしている。
大サンパウロ圏で高級キッチン用品を販売するSUXXAR社は、販売品の85%から90%は輸入品であり、今年の売上げは昨年の15%増しを見込んでいる。(26日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月23日
通貨政策委員会の議事録は、10月の基本金利の0.5%の下方調整を予期
22日に発表された通貨政策委員会(Copom)の議事録では、10月の基本金利(Selic)の0.5%下方調整の可能性が期待できる。
議事録では、インフレ圧力が減少し堅実な経済成長リズムにあり、海外からの影響では石油価格高騰以外は、すべてブラジル経済成長に障害になる要因はない。
中銀はインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)の新たな目標値は5.1%以下になり、2006年も4.5%以下にそれぞれ修正される。
今月すでに7.5%値上げされたガソリンは、年末までは再度の値上げの可能性はなく、プロパンガスは年末までに1.7%値下げされる。また一般家庭用電力料金の値上げは8.2%から6.7%に修正された。(23日付けエスタード紙)
今年の社債発行額は、すでに300億レアルを突破した
今年の社債発行額は、すでに300億レアルを突破しており、400億レアル以上の発行額が予想されている。
有価証券取引委員会(CVM)は、21日にブラデスコリース社の30億レアル、エレトロパウロ社の8億レアル、北リオ・グランデ電力会社(Cosern)の1億7,900万レアルの社債発行を許可、その他に90億レアルの社債発行を検討している。
ブラデスコリースでは、需要増加で今年の社債発行額を予定の100億レアルから110億レアルに修正した。
国債のプレミアム低下により社債や銀行預金(CDBs)に投資が移動しており、投資信託の39%は社債を購入している。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ブラジルの農耕地価格で最も高いのはジョインヴィーレ地方
ブラジルの1ヘクタールあたりの農耕地で最も高いのは、サンタ・カタリーナ州ジョインヴィーレ地方の米作地で、2万6,000レアルの価格が付いている。
2 位はサンパウロ州リベイロン・プレート地方のオレンジ栽培地で、1ヘクタールあたり2万3,400レアルで、3回もハリケーンの被害を受けたフロリダ産オレンジの24%の減産で、オレンジジュースの国際価格が上昇し、そのためにオレンジ作付け需要増加で1年間に20%も値上がりした。
またフレックス車の販売が好調で、アルコール需要が急増しており、砂糖キビ栽培に切替える農家が多く、砂糖キビ栽培の中心地であるサンパウロ州サン・ジョゼ・ド・リオプレート地方では1年間で60%の農地が値上がりしており、1ヘクタールあたり1万3,100レアルとなっている。
しかし穀物の国際価格の低下に伴い、大豆栽培地域のゴイアス州クリスタリーナ地方の農地は、1年間で50%も値下がりした。
ブラジル全国の農地価格ではセアラー州カリリ地方が、1ヘクタールあたり僅かに14レアルで購入できる。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
聖市近郊環状線の南部区間の工事が遅れている
ロドアネル・マーリオ・コヴァス(サンパウロ市近郊環状線)道路建設で、南部区間57キロメートルの建設工事が、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)のライセンスの遅れと連邦政府からの予算低減で大幅に遅れている。
サンパウロ州政府が道路建設費の2/3の2億8,000万レアル、連邦政府が1/3の1億4,000万レアルの支出で合意されていたが、連邦政府から国会に提出された予算は1,400万レアルしかない。
またこの区間は海岸山脈の大西洋原始林帯を横切るために、動植物形態などの環境破壊が危惧されており、Ibamaから道路建設ライセンスが未だにおりていない。
この南部区間が貫通すればサントス港への貨物輸送が便利になり、サンパウロ市を通過しないので、交通事情が緩和されトラック輸送コストの削減にもなる。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月22日
8月の大サンパウロ圏の失業率が低下した
4月から続いていた大サンパウロ圏の失業率17.5%が、8月には17.1%まで下がり4万4,000人が職についたが、未だに172万1,000人が失業している。
失業率が低下した要因は、8月に2万3,000人分の新規雇用が生まれたが、同時に2万1,000人が就職活動を中止した。
部門別内訳は、建築部門が1万1,000人、小売部門が1万2,000人、工業部門が4,000人分の新規雇用が生まれたが、アウトソーシング部門では4000人分の雇用減となっている。
また7月の労働者の平均月収も6月よりも1.7%上昇し、1,057レアルとなったが2004年7月よりも0.7%低い。特に工業部門の月収が、前年同月の6.2%増加したのが平均値を引上げた。(22日付けエスタード紙)
8月の経常収支の所得収支部門が大幅減
本国への利益送金の増加で、8月の経常収支の所得収支部門の黒字が、7月の25億9,200万ドルから8億2,200万ドルに下がった。
しかし今年8月までの利益送金総額は78億8,600万ドルに達しており、中銀は2005年度の予想送金額90億ドルを100億ドルに変更。
また8月のサービス収支部門は7億8,700万ドルの赤字を計上しており、旅行部門でブラジル人は海外旅行で1億300万ドルを消費、年間8億ドルの消費が予想されている。
また8月のローヤリティやライセンス料支払いに1億2,000万ドル、生産プラントの機械レンタル料支払いに3億5,900万ドルが送金され、今年8月までのその他のサービス収支部門の赤字は49億7,400万ドルとなっている。
しかし8月の貿易部門は36億7,100万ドルと大幅な黒字を計上しており、サービス収支や所得収支部門をカバーしており、経常収支は25億ドルの黒字を計上した。
また8月の海外からの直接投資は、11億4,300万ドルとなっているが、今年8月までの累計は117億4,400万ドルとなっており、今年は160億ドルが予想されている。(22日付けエスタード紙)
2005年/06年のコーヒー生産は減少
2005年/06年のコーヒー生産量は、ブラジル及びヴェトナムの減産でマイナス5.6%が予想されている。
2005年/06年のコーヒー生産量は1億1,160万俵が予想されており、60%上昇した昨年の価格を維持すると予想されている。
2005年/06年のブラジルコーヒーの生産量は、2004年/05年の4,180万俵から18%減の3,420万俵が予想されている。(22日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
サンパウロ平均株価指数は3万837ポイントで記録を更新した
21日のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は2.59%上昇して3万837ポイントをつけて記録を更新した。
またドルも1.09%下げてR$2.275と大幅なドル安になっており、先行き好調なブラジル経済及びムーディによるブラジルの格上げ予想などが影響している。
21日のサンパウロ証券取引所(BOVESPA)の出来高は25億8,700万レアルにのぼり、主な取引は鉄鋼、鉱業や石油関連株であった。(22日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月21日
年金・恩給口座天引き型ローンの金利が低下
社会保障院(INSS)から年金・恩給口座天引き型ローンの許可を受けている金融機関30社のうち、パン・アメリカン銀行、HSBC銀行、ボンスセッソ銀行及びパラナ銀行が融資金利を下げた。
しかしGE銀行及びインテルメジウム銀行は金利を引上げ、PINE銀行は短期融資金利を下げたが長期融資金利は上げた。
これらの融資金利低下は中銀の基本金利(Selic)0.25%の下方調整に伴うものであるが、ブラジル銀行はシルビオ・サントスグループ傘下のパンアメリカン銀行の実質金利は月利4%であり、テレビで宣伝しているゼロ金利は利用者に紛らわしい宣伝をしていると指摘している。
またカシッキ銀行はテレビ宣伝で融資月利1%を謳っているが、実質月利は3.28%であるとも指摘している。(21日付けエスタード紙)
アマゾン水域のマデイラ川の水位低下で電力供給に赤信号
アマゾン水域のマデイラ川は37年ぶりの低水位になっており、1,056キロメートル離れたマナウス市からの火力発電用ジーゼル油no輸送ができなくなってきており、ロンドニア州とアクレ州の火力発電所への供給に支障が出てきた。
ジーゼル油を供給しているペトロブラス社は、ロンドニアの州都ポルト・ヴェリョ市まで3,000キロメートル離れたサンパウロ州パウリニア市の製油所からの陸路輸送を開始したが輸送コストは5倍以上かかっているが、コストは同社が負担している。
両州の火力発電所では380メガワットを発電しているが、これには毎日130万リットルのジーゼル油の供給が必要である。
また両州で生産される農産物のコンテナ輸送、住民への食料品、生活用品、資材や燃料輸送にも支障をきたしているが、10月中頃からの雨季入りでマデイラ川の水位上昇が期待されている。(21日付けエスタード紙)
8月の連邦政府の財政収支は、386億7,000万レアル
連邦政府の8月の財政収支は、前年同月比6.95%増しの386億7,000万レアルの黒字を計上した。これはインフレ分を引いた実質増加率である
このうち税収は290億レアルで、国公営企業からの収支は96億5,000万レアルであり、前年同月比11.28%増加している。
今年の累計収支は3,077億6,000万レアルで、前年同期比6.19%とインフレ分を引いた実質増加率である。
8月の税収の内訳は、個人所得税が15.2%増加し、特に株式投資からの所得税が増えた。また法人税32.41%、純益に対する社会納付金32.09%とそれぞれ大幅に増加している。(21日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
玩具会社も生残りに方向転換
68年の歴史を誇る玩具大手のエストレーラ社は続けて玩具製造を続けているが、企業向け景品製造に着手して生残りを模索している。
創立50年のエルカ社も玩具の製造以外に、SBTテレビ放送の番組向け商品を製造、幼児向けから小中学生向けに方向転換している。
36年のグリヴェール社はプラスチック製人形と手動サーカーゲーム機を主力製品としていたが、スパイダーマン人形の売上げが22%を占めるまでになった。
ブラジルの玩具業界は、90年代初めの輸入品開放で輸入玩具にシェアを奪われており、1996年の輸入税は70%であったが、2004年は29%まで下がっており、その上安価な密輸玩具が大量に入ってきており、急速に競争力を失くしている。(21日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月20日
国庫局は34億レアルのレアル建て外債を発行
連邦政府国庫局は、初めて34億レアルのレアル建てブラジル外債を発行し、海外投資家のブラジル経済への信頼と強固な経済ファンダメンタリズを確認した。
新たに発行されたレアル建て外債はグローバルBRL2016で、ゴールドマン・サックス銀行、JPモーガン銀行及びイタウー銀行が外債発行をコーディネイトした。
この外債の金利は年率12.75%で、投資家は1月と7月に金利を受け取ることができ、満期は2016年である。
外債市場では総額7億ドル規模の5年股は7年満期、年利14%以上の外債発行が予想されていた。(20日付けエスタード紙)
8月の連邦政府の公的債務は、0.6%増しの9,210億レアル
8月の連邦政府の公的債務は、前月の9,156億7,000万レアルから0.6%増加して、9,207億9,000万レアルに達した。
基本金利(Selic)連動国債は国債全体の55.85%の5,142億2,000万レアルで、7月の57.32%よりも低くなっているが、前年8月の52.9%から大幅に増えている。
9月のSelic 金利が19.75%から19.5%と0.25%の減少したことで、連邦政府は年間29億ドル分の金利支払いが節約できる。
また固定金利国債は、7月の22.37%から23.87%の2,197億9,000万レアルに上昇、為替連動国債は前年8月の13.2%から4.1%と大幅に減少、物価指数連動国債は前年8月の15.4%とほぼ同じ13.7%であった。(20日付けエスタード紙)
ブラジル最大の鶏肉輸出企業サジア社は15億レアルをMT州に投資
ブラジル最大の鶏肉輸出企業サジア社は、マット・グロッソ州の鶏肉、豚肉加工処理工場の建設に15億ドルを投資する。
鶏肉加工処理工場は、州内のルッカス・デ・リオヴェルデ市とカンポヴェルデ市に建設され2007年から操業するが、豚肉加工処理工場の建設予定地は未定である。
サジア社の投資は、直接雇用8,000人、間接雇用2万4,000人を創出し、飼料用大豆、トウモロコシや穀物類の大きな需要も生まれる。
ルッカス・デ・リオヴェルデの1日の鶏肉処理能力は50万羽にのぼり、投資が終わる2009年には、年間12億レアルの売上げを見込んでいる。(20日付けエスタード紙)
熾烈な業界再編が進むスーパーマーケット業界
業界3位で売上高61億レアルの米国系ワールマート社は、業界4位で売上高43億レアルのポルトガル系ソナエ社を買収して売上高104億レアルになり、業界2位で売上高121億レアルのフランス系カーレフール社に肉薄してきた。
このソナエ社買収で、スーパー業界大手3社は34.5%から38.9%に業界占有率を上げ、熾烈な競争を展開している。
ソナエ社は南大河州、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州のスーパー業界トップで149店舗を展開していたが大半をワールマート社に売却したが、サンパウロ州内のスーパーBIG、10店舗はカーレフール社に売却した。(20日付けエスタード紙)
デジタルラジオ放送が10月25日から開始
デジタルラジオのテスト放送が、10月25日から開始されると国家電気通信庁(Anatel)は発表した。
6ヶ月間のテスト放送期間の後商業放送に入るが、デジタルラジオはCD並みの高音質であり、30日以内にはデジタルラジオが購入できる。
米国ではAM,FM,CD付き卓上用デジタルラジオは280ドルで販売されているが、1年6ヶ月以内には150ドル前後に下がっていると予想される。(20日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月19日
サンパウロ州内の精糖・アルコール製造工場が急増
サンパウロ州内では2010年までに45億ドルを投資して、31ヵ所に精糖・アルコール製造工場建設が予定されており、2万5,000人の直接雇用、8万7,000人の間接雇用創出が期待されている。
サンパウロ州内には147の製造工場が稼動しており、2006年以内には更に10ヵ所の製造工場が稼動する。
2004年/2005年のサンパウロ州のアルコール生産は21%増加の910万リットル、砂糖生産は27%増加の1650万トンが予想されている。
またブラジル全土のアルコール生産量は1,530万リットル、砂糖生産量は2,660万トンとなっている。(18日付けエスタード紙)
リオ州は鉄鋼生産で1位になる可能性がでてきた
2010年のリオ州の鉄鋼生産量は、現在ブラジルの鉄鋼生産量の37%でトップのミナス州を超える可能性がでてきた。
これは3つの大きなプロジェクトがリオ州で予定されており、ドイツ系チッセン・クルップ社は22億ドルを投資して、リオ州サンタ・クルースに年間440万トンの製鉄所を建設する。
またCSN社は年末までにボルタ・レドンダ市の製鉄所を拡張するか、
イタグアイ市に新たに25億ドルを投資して、500万トンの鉄鋼生産できる製鉄所建設するかを決定する。
ゲルダウ社は5億ドルを投資して、コンシグアの設備拡張及び80万トンの特殊鋼製造を計画しており、ブラジルには2007年までに15億ドルを投資する。(18日付けエスタード紙)
民間企業のインフラ整備投資は320億ドル
連邦政府のインフラ整備計画が遅れているのに反して、民間企業の投資は昨年の187億6,000万ドルから74.7%増加の327億7,000万ドルの投資が見込まれている。
特に石油・天然ガス部門への投資が112億2,600万ドル、エネルギー48億4,900万ドル、通信48億4,900万ドル、ロジスチック部門に46億600万ドルが投資される。
MRSロジスチカ社は、ミナス州の鉄鉱石600万トン/年をクバトンのコジッパ製鉄所に輸送するためのサンパウロとクバトンを結ぶ鉄道建設に700万ドル、またイタクアケセツーバとカンポ・リンポ・パウリスタを結ぶ鉄道建設に2億3、000万ドルを投資する。
カマルゴ・コレア社はぺルナンブーコ州サウアペ港に2億ドルを投資して造船所を建設のためのインフラ整備に投資する。(19日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月16日
ブラジルのカントリーリスクは8年前のレベルまで下がった
基本金利の低下、プライマリー収支黒字の新記録、直接投資の増加やコントロールされた低いインフレなどの良好な経済のファンダメントに支えられ、15日のブラジルのカントリーリスクは一挙に3.66%下げて、369ポイントとなり1997年10月22日以来の低ポイントとなり、海外投資家からの信用を回復してきている。
また通貨政策委員会の基本金利0.25%の下方修正は心理的な効果が大きく、12ヶ月間続いた金利上昇に歯止めがかかり、今後の更なる下方修正が期待されている。
また過剰なインフレ対策で高金利政策を余儀なくされていたが、昨日発表された9月の総合物価指数(IGP-10 )もマイナス0.69%と4が月連続のデフレを記録している。(16日付けエスタード紙)
サンパウロ州政府は商品流通サービス税の税率を下げる
サンパウロ州政府は、製パンやヨーグルトの商品流通サービス税(ICMS)を12%から7%に下げ、また総額1億レアルの小・零細企業向け低利融資を開設すると発表した。
この融資は月利1.89%で5,000レアルから3万レアルを融資、またシンプレス・パウリスタプランと呼ばれる小企業向けのプランでは、ICMS免除を年商15万レアルから24万レアルに引き上げ、7万3,500社が恩恵を受ける。
また年商120万レアルから240万レアルの企業を対象に、現在のICMS18%を4.2%に下げ、州内の3,000社が恩恵に与る。
カバン、ベルトや財布製造業者のICMSは18%から12%、公共バス用天然ガス燃料のICMSも12%から7%に下げられる。
その他では国産航空機購入では現在の4%から0%に免除され、港湾で使用される国産で中古の起重機やフォークリフトに対して現在の18%から8.8%の間のICMS課税が免除される。(16日付けエスタード紙)
ヴァーレ・ド・リオドーセ社はニッケル鉱生産のカナダ系カ二コ社買収
バーレ・ド・リオドーセ社は、6億ドルでカナダ資本のカ二コ社買収を申し入れ、ブラジルのニッケル鉱生産トップを目指している。
カ二コ社はパラー州オウリランジア・ド・ノルチでニッケル鉱を開発しており、2007年までに3万4,000トン、2008年から2010年までに2万6,000トンの生産を計画している。
ヴァーレ社もカ二コ社の鉱山から120キロメートルのカラジャス鉱山で、二ッケル鉱を開発しており、2008年までに4万6000トンを生産する。(16日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月15日
基本金利が19.75%から19.5%に下方調整された
14日の中銀の通貨政策委員会(Copom)で、昨年9月の16.25%から上方調整され続けていた基本金利(Selic)が19.75%から19.5%に下方調整された。
エコノミスト達は年末の基本金利を18%、2006年の年末には15%まで下方調整されると予想しており、今年の年利は19.1%が見込まれている。
今回の0.25%の下方調整で、個人融資月利(金融業者)11.77%、クレジット・カード10.28%、特別小切手8.17%、銀行からの個人融資5.70%になる。
また法人関係では、運転資金融資4.22%、手形割引3.83%、小切手割引3.96%と僅かに下がる。(15日付けエスタード紙)
大企業は人材確保に一流大学とタイアップ
サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポス市の航空機製造会社エンブラエール社は、2001年から航空技術大学(ITA)と共同で、専門技術者養成講座を開設し、今までに540人が講座を受講し、受講生全員が同社に採用された。
またゼネラル・モーター社は、2000年から世界の32大学と共同で、専門技術者養成講座を開設しており、今までに33億ドルを投資している。
また同社はサンパウロ大学とポリテクニカ技術大学で、CAD,CAIやCAMなどのソフトウエア講座を設け、自動車製造エンジニアなどを養成する。
しかし40人の受講生募集に対して、4,000人の学生が応募しており非常に競争率が高いが、受講後にはGM社に採用される。(15日付けエスタード紙)
ルーラ大統領の訪中時の79億ドルの大型プロジェクトは進行していない
昨年のルーラ大統領の訪中時に調印された79億ドルにのぼる大型合弁事業は一行に進展していない。
中国のSinopec社とペトロブラス社と共同で、15億ドルと投資して東北伯に敷設するパイプライン工事は鉄鋼価格の値上がりで予算再検討を迫られており、また2008年7月までの完成には中国人技術者の経験不足が懸念されている。
また30億ドルを投資してリオ州にSinopec社と共同で石油精製工場を建設するが、この分野でもブラジル側が中国側から学ぶことよりも教えることが多いのではとペトロブラス社の技術者はみている。
24億ドルを投資して中国のBaosteel社とヴァーレ・ド・リオドーセ社が共同でマラニャン州サンルイス市に製鉄工場を建設するプロジェクトも州政府の都合で遅れている。
また中国のChaico社がパラー州バルカレナに10億ドルを投資してアルミ精錬工場を建設するが、ブラジル側は中国側の決定の遅さで2007年の操業予定を懸念している。(15日付けヴァロール紙)
8月の豚肉輸出は1億ドルを突破
8月の豚肉輸出は1億1,730万ドルに達し、前年同月比26.9%の大幅増加となり、また1998年以来の月間記録を達成した。
また輸出量は6万4,500トンで前年同月比8.2%増加、今年8月までの輸出は7億8,670万ドルで、前年同期比69.7%と大幅に増加した。
この輸出の大幅な増加は、ロシアへの3億8,540万ドルの輸出、昨年10月から続いている価格上昇及び新市場の開拓が主因となっている。
新市場向け輸出の内訳は、サウジアラビア向けは昨年同期比382%、アルバニア194%、アンゴラ261%、韓国615%とそれぞれ大幅に伸びた。(15日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月14日
工業生産部門の成長率にかげりが見えてきた
ブラジル地理統計院(IBGE)の全国14地域の工業生産成長率調査では、7地域において前年7月比でプラスを維持しているが、全国平均はゼロ成長となっている。
全国の工業生産の40%を担っているサンパウロ州は、前年7月比1%増加を記録したが、2003年10月以来の低成長率で、今年7月までの成長率は5.5%、最終12ヶ月間では8.1%となっている。
サンパウロ州の工業生産成長率の内訳は、書籍及び印刷物部門が25.6%、医薬品17.8%、石油精製及びアルコール製造業7.5%がそれぞれ大幅に伸びたが、繊維工業-15.7%、金属-9.8%とそれぞれ落込んだ。
全国14地域で最も成長したのは、自由貿易港マナウスを抱えるアマゾナス州の11.7%、続いてバイア州8.3%、ゴイアス6.7%、ミナス・ジェライス州6.0%、東北伯1.6%であったが、南大河州がマイナス8.7%、サンタ・カタリーナ州-
7.5%、エスピリット・サント州-7.2%、セアラー州-6.3%とそれぞれ大幅に落込んだ。(14日付けエスタード紙)
ブラジルの金利は昨年9月以来世界最高を維持
ブラジルのインフレ分を引いた実質金利は、昨年9月にトルコを抜いて世界最高を維持しており、本日の通貨政策審議会(Copom)で0.50%の基本金利(Selic)の引下げが実施されても、実質金利は13.8%で2位の中国の2倍以上の実質金利は変わらない。
ブラジルのSelicが8.5%下がって11.25%になれは、2位中国の実質金利6.3%と同等になり、当分の間は世界最高の実質金利を維持する。
世界の実質金利ランキングでは3位にトルコ5.8%、南アフリカ3.1%、ハンガリー及びポーランド3.4%、オーストラリア3.1%で8位であるが、15位のシンガポールでは1%にも満たない0.9%となっている。(14日付けエスタード紙)
ガソリン値上げで、天然ガス燃料の自動車との燃料格差が拡大
先週金曜日のガソリン価格の値上げで、天然ガス燃料(GNV)との価格差が拡大し、天然ガス用切替キット代2,000レアルを支出しても検討する価値がある。
1800CCのガソリン燃料自動車で100キロメートル走行すれば、25レアルの燃料費がかかるが、アルコール車17.15レアル、GNV車14.37レアルと半額近くまで経費の格差が拡がっている。
また1万キロメートル走行では、ガソリン車とGNV車との燃料代格差は1,063レアル、ガソリン車とアルコール車は785レアル、アルコール車とGNV車は278レアルとなっている。(14日付きエスタード紙)
マレリ社は中国にフレックス・エンジン技術輸出
ファイアット社グループ傘下のマグネチ・マレリ社はフレックス・エンジン技術を中国に輸出し、数年後にはフレックス車が生産される。
中国の自動車用燃料は、ガソリンに10%のメタノールかエタノールを混入しているが、フレックス車が生産開始されるとブラジルからアルコール輸出が期待できる。
中国の最近10年間の自動車生産は毎年9%から13%増加しており、昨年は500万台が販売され、今年は15%増加が予定されている。(14日付けエスタード紙)
社会経済開発銀行はTAM航空に8490万レアルを融資
社会経済開発銀行(BNDES)は、TAM航空の事業拡大やサンパウロ技術センター投資に8,490万レアルの融資を承認した。
この融資金額はTAM航空の2005年度投資総額11億6,000万レアルの7.3%に相当し、このプランで1,500人の直接雇用が創出される。
またこの融資の1部は、航空券のインターネット販売・配付「e‐TAM」技術開発にも当てられ、年間330万レアルの経費節減を目標にしている。
またこの融資以外に同社はエンブエール社からの航空機購入にBNDES銀行から大型融資を受ける可能性もある。(14日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月13日
ダイエット食品は急成長している
ダイエット食品やカロリー控えめ食品は、一般食品よりも10%から15%割高にも関わらず売上げを伸ばしており、昨年の食料全体に占める割合が5%から今年は20%への急増が見込まれている。
7歳以上のブラジル国民1億2,000万人の40%相当が平均体重よりも重い肥満型であり、1975年の16%から急上昇しており大幅な需要増加が見込まれている。
この10年間でダイエット食品の売上げは800%も伸び、一般家庭の35%で消費されており、そのダイエット食品の86%はスーパーマーケットで購入されている。(13日付けエスタード紙)
ブラジルのビジネス環境は世界119位
世界銀行のビジネス環境調査「ドゥーイング・ビジネス2005」で、ブラジルは前年の96位から23位もランクを下げ、ナイジェリア、アルバ二アやスリランカよりも下位の119位にランクされている。
これは調査対象国が135カ国から155カ国に増えた事や納税部門で140位にランクされたことが、大幅にランクを下げた。
この調査は新規ビジネスの開業にかかる手続き、期間やコスト、貿易手続き、従業員の雇用や解雇にかかる経費、課税や企業閉鎖期間などが対象になっている。
ランキングはニュージーランドがトップで、シンガポールが2位で米国、カナダ、ノルウエーと続き、日本は10位でドイツは19位にランクされており、中南米ではポルトリコが22位、チリ25位、コロンビアが66位、ペルー71位、アルゼンチン77位となっている。
新規ビジネス開業に時間がかかる国は、トップがハイチ、続いてラオス、ブラジルは6位にランキングされており、従業員解雇のコストは、トップがシエラレオネでザンビア、スリランカの次にブラジルが4位になっている。
法人税部門では、重税の1位にブルンジ、2位シエラレオネの次にブラジルが3位でトーゴ、イエメンと続いており、アルゼンチンは7位、ウルグアイ8位となっている。
また企業閉鎖にかかる時間では、インド、チャドに続いてブラジルが3位、チェコ、モーリタニア、オーマン、アンゴラとなっている。(13日付けエスタード紙)
メリルリンチはブラジル株の購入を推奨
メリルリンチ投資銀行は金利下降と経済成長が見込まれるブラジルの株を最優先株として推奨している。
当銀行では2006年末までにブラジルの金利は4%下がり、今年の経済成長率は3.2%、2006年は3.6%の成長を見込んでいる。
また今年の連邦政府の公的債務は、国内総生産(GDP)の51%であるが2010年には44%まで下がると予想している。
またブラジル以外では、原油価格の高騰でロシア、テクノロジー競争力のインドやトルコへの投資を推奨しているが中国への投資は推奨していない。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
サンセバスチャン港からの自動車輸出が急増
9月のサンセバスチャン港からの自動車輸出は5,592台が予想され、月間輸出記録を塗り替える可能性が高くなった。
9月初めにフィアット車がヴェネズエラ向けに882台、12日のワーゲン車及びGM車2,770台に続いて、23日にはヴェネズエラ向けに2,000台以上のフィアット車の輸出が予定されている。
今年8月までのサンセバスチャン港から輸出された自動車は、すでに18,928台にのぼり、昨年のアルゼンチン、チリ、メキシコやヴェネズエラ向けに輸出された11,880台を大幅に上回っている。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月12日
ゼネコン業界は海外に糸口を求める
連邦政府は国内総生産の4%のプライマリー収支黒字を目標に掲げ、連邦政府の支出を最大限に抑えるために、公共投資を抑えており、ゼネコン業界は民間や海外に糸口を求めている。
今年の連邦政府の公共投資予算は141億レアル、州政府や市町村を含めた国家公共投資予算は254億レアルであるが、国際通貨基金(FMI)との間に交わされた2005年度のパイロットプラン投資28億ドル分が増えている。
最近までの15年間のゼネコン業界の収入の100%は公共事業であったが、ゼネコン大手のアンドラーデ・グッチエレスの昨年の収入の47%は海外での公共事業工事、33%は国内の民間会社の工事であり、連邦や州政府からの公共事業は僅かに20%であった。
今年はサンパウロやミナス州政府からの大型公共事業の注文で、31%の公共事業売上げを見込んでいるが、民間企業からの売上げ38.82%には及ばない。(12日付けエスタード紙)
ヴェネズエラからブラジル、アルゼンチンなどに天然ガス供給
不安定なボリビアからの天然ガス供給に替わるプランとして、ヴェネズエラからブラジル、アルゼンチンやウルグアイへの天然ガス供給が検討されている。
これは180億ドルを投資して、8,000キロメートルのパイプラインを敷設し、日産1億5,000万立方メートルの天然ガスを供給するプランである。
このヴェネズエラからの天然ガスは、100万GTUあたりR$2.60ドルで、ボリビアの天然ガスR$3.60ドルより安価である。
この工事は3期に分かれており、初めは4,300キロメートルのパイプライン敷設で、アマゾマスやパラー州を経由してセアラー州フォルタレーザ市まで建設し、東北伯全域をカバーする。
2期目はパラー州マラバ市から1,970キロメートルのパイプラインをトカンチンス、ゴイアスやミナス州を経由して、サンパウロ州まで延長するもので、ゴイアス州ぺナポリス市でボリビアからのガスパイプライン(Gasbol)とドッキングする。
3期目の工事は、南部3州を経由してウルグアイのモンテヴィデオ市やアルゼンチンのブエノス・アイレス市に日産500万立方メートルの天然ガスを供給する。(12日付けエスタード紙)
フォード社は代理店再構築とニューモデル車投入で落込んだシェアを回復
1990年に20.9%のシェアを誇っていたフォード社は、2001年に8.7%までシェアを落としたが、2001年から開始された代理店再構築及びニューモデル車の投入で、今年8月のシェアを13.4%まで回復させた。
1995年に377社の販売契約代理店と577ヶ所の販売拠点を持っていたが、2001年には229社と392ヶ所まで減少、2005年は233社に450ヶ所まで回復し、顧客対応作戦「フォード・ファーシル」を展開して顧客満足度を上げている。
また2001年にニューモデル車として、ノーヴォ・フィエスタ車のハッチ型及びセダン型、エコスポーツ車を投入して市場占有率を上げた。(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
3万4,000人の受刑者が刑務所内で生産活動
サンパウロ州内の13万7,500人の受刑者のうち、3万4,000人が刑務所内の民間企業から委託された仕事をしている。
受刑者は1日6時間から8時間の労働で、1ヶ月300レアルの最低給料を稼ぎだしているが、3日間の労働で1日分の刑期が減刑され、その上に手に職が付くので歓迎されている。
しかし失業率が17.5%に達している大サンパウロ圏内では、労働賃金の安い受刑者への委託で、更なる失業率の増加も懸念されている。
またサンパウロ州カーザ・ブランカ市の刑務所に、自転車部品を製造委託している企業の従業員数は250人であるが、製造委託に従事している受刑者は150人に上っており、地方都市でも失業問題が懸念されている。(11日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月09日
7月の工業生産はマイナス2.5%
7月の工業生産は前月比マイナス2.5%となり、23部門中20部門で生産減少を記録したが、8月の自動車生産台数は新記録で回復傾向にある。
今年8ヶ月間の工業生産成長率は昨年同期比4.3%、最終12ヶ月間でも5.8%の成長率を達成している。
7月の工業生産の低下の主因は、投資のバロメーターである資本財の前月比マイナス7.6%が大きく響いた。
今年1月から7月までの部門別工業生産成長率は、農業用資本財はマイナス36.3%、肥料マイナス14.1%、濃縮ジュースマイナス10.8%とそれぞれ大幅に減少している。
しかしエネルギー用資本財18.8%、建設用資本財28.1%、石油・ガス10.8%、セルラー66.8%、耐久消費財16.2%、自動車部門15.8%などは大幅に伸びている。(9日付けエスタード紙)
今年の牛肉輸出は30億ドル突破
今年8月までの牛肉輸出は、昨年同期の32.7%増しの21億6,000万ドルで、年末までに30億ドルを超えると予測されている。
昨年の牛肉輸出は24億1,000万ドル、最終12ヶ月間では34.8%増しの31億ドルに達している。
アマゾナス州で発生した口蹄疫で2004年9月から今年2月までブラジル産牛肉輸入を禁止していたロシアが輸入を再開し、今年はすでに昨年の162%増しの3億4,680万ドルを輸入している。
今年は昨年の142カ国を上回る150カ国へ牛肉輸出しているが、米国や日本への輸出が成功すれば、数年以内に世界最大の牛肉輸出国になる可能性を秘めている。(9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
HSBC銀行は土曜日も営業
HSBC銀行はパイロットプランとして、次の土曜日から午前10時―午後2時まで、サンパウロ州のサン・ジョゼ・ド・リオプレート、リベイロン・プレート及びピラシカーバ市の支店で営業を開始する。
同銀行ではこの土曜日営業のために16人を雇用し、年末までに全国の214支店で土曜日営業を計画している。
同銀行ではこのパイロットプランが順調に行けば、2008年までに20%から25%の売上げ増加を見込んでいる。
HSBC銀行は929支店のうち、214支店で午前9時から午後6時まで営業しており、この営業時間延長で10%の売上げ増しを達成しており、今回の土曜日営業のパイロットプランに大いに期待している。(9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ホワイト・マルチン社は天然ガス燃料への切替を奨励
天然ガス燃料用ガスボンベ販売の50%を占めているホワイト・マルチン社は、同社の整備工場で乗用車を天然ガス用に切替る人を対象に、新車、TVやDVDが抽選で当るセールスを展開している。
このキャンペーンは11月まで、天然ガス燃料を販売している16州で続けられ、天然ガス燃料使用に切替えることで、ガソリンやアルコール燃料よりも65%も燃費が節約できる。
この切替コストは2,500レアルで、1日あたり60キロメートル走行する車では、1年でコストの回収が可能であり、10月までに100万台の切替が予想されている。(9日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月08日
今年の自動車生産台数は245万台
今年の自動車生産台数予想は昨年の11%増加の245万台で、年頭予想を11万台上回る予測修正となった。
また自動車輸出は100億ドルが予想され、昨年の29%増加で年頭予想を7%上回る輸出が期待されている。
国内販売も昨年の5%増加の166万台が予測されているが、これは1997年の194万台、1996年の173万台、1995年の172万台に次ぐ記録となる。
今年8月までの乗用車販売は、昨年同期の11.2%増しの102万5,422台で、トラックは昨年同期3.1%増しの5万5,101台となっている。
しかし農業関係車両生産は、昨年比16.4%減の4万8,000台で、特にトラクターや収穫機は昨年比36.5%減の2万4,000台が予測されている。(7日付けエスタード紙)
ナイジェリアへ5億ドルの輸出協定締結
7日にルーラ大統領とナイジェリアのオバサンジョ大統領は5億ドルの貿易協定締結にサインした。
輸出金融計画(Proex)には、ブラジルからナイジェリアへは航空機、バス、建築資材や農業技術の輸出が明記されている。
またナイジェリアからは石油輸出が予定されているが、石油輸出に関してはぺトロブラスとナイジェリア国営企業NNPCとの間で直接取引される。
ぺトロブラスはナイジェリアでの石油採掘に5億ドルを投資するが、今後数年間の投資総額は30億ドルが見込まれている。(8日付けエスタード紙)
国庫局は10億ドルの国債を発行
連邦政府国庫局は20年物で年利8.52%の10億ドルのブラジル外債グローバル2025を6日に発行した。
今年6月までに8回の外債発行で60億ドルを集めており、今回の外債発行は2006年度分で早期発行となった。
連邦政府は2006年及び2007年度分として90億ドルの外債発行を計画しているが、来年は大統領選挙で経済停滞が予想されるために、今回の早期発行となった。(8日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
LG及びフィリプス2社でプラズマ・液晶テレビの90%を独占
LG社はプラズマテレビの60%、液晶テレビの23%を占め、フィリプス社はプラズマ30%、液晶テレビで65%を占めており両者で独占している。
今年のプラズマ・液晶テレビの販売台数は3万5,000台が見込まれているが、普及型テレビの販売台数800万台数の1%にも満たない。
LG社は価格競争に最初に名乗りを上げた企業であり、昨年の42インチ型プラズマテレビの価格は2万レアルであったが、今年上半期には1万5,000レアルまで下げている。
またフィリップス社も7月に1万2,000レアルまで値下げしたが、最近ブラジル市場に参入した中国系のAOC社は1万700レアルで販売している。
2008年の販売台数は23万台が見込まれており、テレビ市場の3%を占めるものと予想されている。(8日付けヴァロール紙)
今年1月から8月までの農産物輸出は287億ドルを記録
今年1月から8月までの農産物輸出は昨年同期10.13%増加の286億6,100万ドルで輸出記録を塗り替えた。
また農産物輸入は昨年同期比5%増しの33億5,200万ドルで、農産物の貿易収支は既に253億900万ドルの黒字を計上している。
輸出の内訳は、食肉33.3%、精糖及びアルコール62.5%、コーヒー57.5%、タバコ24.3%、果樹及び蔬菜類6.6%、乳製品及び卵16%がそれぞれ増加した。
また大豆輸出は65億6,700万ドルでトップであるが、昨年同期では13.6%減少、2位に食肉の52億2,400万ドルが続いている。(8日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月06日
ブラジルは投資対象国で4位にランクされた
国連の貿易開発会議(Unctad)の調査によると、ブラジルは2005年及び2006年度の投資対象国調査で、経済専門家による投票で4位、多国籍企業による投票で5位にランクされている。
これは政治汚職問題にも関わらず、正しい方向に向かっている経済政策とブラジルの経済市場規模及び豊富な天然資源が投資先として魅了している。
しかしランキング10位のうち、半数が中国、インドやシンガポールのアジアやウクライナやポーランドの東欧であり、ラテンアメリカ地域はブラジルだけが魅力ある投資対象国に選ばれている。
また1次産業の投資では鉱物資源開発や石油採掘、工業部門では情報産業、観光、ロジスティックや電気電子産業が投資対象になっている。(6日付けエスタード紙)
公営銀行の収益率は民間銀行を抜いた
今年上半期の主要公営銀行の平均収益率は、26.1%となり大手民間銀行の25.9%を初めて上回った。
今年上半期の5大公営銀行の収益総額は34億7,600万レアルで、5大民間銀行の75億2,100万レアルには及ばないが、公営銀行の収益率は昨年上期の20.7%から26.1%と大幅に上げ、民間銀行の20.8%から25.9%への上げ幅を上回った。
特に連邦貯蓄銀行は昨年上期の収益率20.3%から27.7%、ノッサ・カイシャ聖州立銀行が15.4%から36%と飛躍的に伸び、ブラデスコ銀行の30.1%やイタウー銀行の32.9%を上回り、これが公営銀行の収益率を押上げた。
ブラジル銀行も年金/給与口座天引きローンが、最終12ヶ月間で146%増加し、収益率を22.1%から25.7%に伸ばした。
また連邦貯蓄銀行も今年上半期の同天引きローンが昨年同期比104%伸びた上に、個人融資部門を大きく伸ばした。(6日付けエスタード紙)
輸出企業数が減少していた
1997年以来増加してきた輸出企業数が、レアル高継続で輸出条件が悪化してきている現在、中小企業を中心に昨年上半期の1万5,721から今年上半期は1万5,481に減少した。
しかし企業の平均輸出額は1997年の380万ドル、2004年の518万ドルそして今年は629万ドルが見込まれている。
1998年12月以来のブラジル経済成長率は僅かに19%であったが、輸出は110%と大幅に伸びた。(6日付けエスタード紙)
8月の消費者物価指数は0.20%のデフレ
8月のサンパウロの消費者物価指数(IPC-Fipe)は、食料品の値下がりで7月の0.30%のインフレから一転して0.20%のデフレになった。
最終12ヶ月間の累計同物価指数は4.95%となり7月の6.2%から急下降し、2004年5月の4.45%以来の低率となった。
同物価指数のデフレの要因である食料品類の値下がりは、7月のマイナス0.74%に引続きマイナス1.21%を記録した。
特にジャガイモの-2.78%、ミルク-4.64%、フランスパン-2.07%、電気代-1.32%がそれぞれ値下がりしたが、電話代5.19%、中古車価格1.77%、医療保険代1.73%、車修理代1.32%、家賃0.26%がそれぞれ値上がりした。(6日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月05日
高金利にもかかわらず、設備投資増加
高金利にも関わらず、8月の設備投資が9億3,000万レアルで、昨年同月比38%増加と特別産業金融機関(Finame)は発表した。
今年1月から7月までのFiname からの融資金額は、56億レアルに達し昨年同期比70%と大幅に伸びたが、農業機械投資は14億レアルにとどまり昨年同期の半分に落込んでいる。
またFinameからのリージングも76億レアルに達し、昨年同期比15%と増加している。
クラビン製紙は5億ドルをパラナ州モンテ・アレグレ工場に投資し、33万トンから70万トンに生産能力を上げる。(5日付けエスタード紙)
自動車盗難保険は車種により200%以上の差がある
盗難や自動車事故の上昇などで自動車保険は、車種により200%以上の差があり、盗難件数が多発しているワーゲン社のパラチ車City1.6フレックスは販売価格4万3,000レアルに対して、ポルト・セグーロ社の自動車保険価格は1万9,658レアルと非常に高い。
しかし同モデルのブラデスコ保険は3,865レアル、スール・アメリカ保険は3,555レアルと各社の保険価格に大幅な開きがある。
またポルト・セグーロ社は、ゴルフ車の自動車保険価格を車販売価格の11%、アストラ車を13%に設定している。
保険会社の調査では、サンパウロ市の東部地区に住む18歳から24歳の青年が最も自動車事故や盗難に遭う確率が高く、西部地区及び南部地区に住む40歳以上の妻帯者が最も低いとされている。
ゴール車City1.0の販売価格2万4,980レアルに対して,保険料は3,106レアルで12.4%、ゴルフ車1.6MIは4万9,658レアルに対して5,540レアルで11%、セルタ車Life1.0は2万5,125レアルに対して2,423レアルで9.6%となっている。(5日付けエスタード紙)
握りずし製造機がブラジルでも販売される
台湾のアンコ社製握りずし製造機のブラジル販売代理店ブラリックス社は、9月20日から23日までアンニェンビで開催されるEquipo-Tel展で同製造機を展示する。
この握りずし製造機の販売価格は、2万2,000レアルで1時間に1,200個の製造能力を持っており、握った後にわさびとネタをのせるだけで握りずしが完成する。
同社は販売先をブッフェ会社やシュラスカリアに焦点を当てており、日本食レストランはターゲットにしていない。(5日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月02日
8月の輸出額及び輸入額ともに新記録達成
8月の輸出は113億4,700万ドル、輸入は76億7,600万ドルで初めて70億ドルを突破して、それぞれ月間記録を達成したと通商局(Secex)は発表している。
また今年8ヶ月間の貿易黒字は283億4,800万ドルで、輸出は前年同期比24%、輸入は21%それぞれ増加し、最終12ヶ月間の貿易黒字も401億800万ドルとなっている。
8月の輸出は前月に続いて110億ドルを突破し、また前年同月比19.9%増加したが、製品輸出が21.5%増加の59億6,300万ドルと記録を達成した。(2日付けエスタード紙)
ハリケーン「カトリーナ」の大被害で材木輸出は増加
メキシコ湾岸地域を襲ったハリケーン「カトリーナ」で、住宅などに大被害が発生している米国向けの住宅用木材価格が、8月26日には1立方メートル219ドルであったが、30日には230ドルと5%も上昇した。
この傾向はまだまだ継続し、数週間後には10%から15%の木材価格の上昇が見込まれている。
今年の米国向け住宅用木材輸出は80万立方メートルが予測されていたが、カトリーナの大被害の影響で100万立方メートルの輸出が見込まれる。(2日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
8月の乗用車の新車登録は14万3,500台
8月の乗用車の新車登録は14万3,500台で、前月比の10%、前年同月比17.7%とそれぞれ増加、8月としては近年最高を記録した。
また今年8月までの乗用車販売台数は、102万6,000台で昨年同期比15%も増加しており、自動車業界は好調を維持している。
今年の自動車生産は230万台が見込まれていたが、この好調を維持すれば240万台も可能である。
また今年7ヶ月間の自動車部品輸出は41億7,700万ドルで、昨年同期比30.37%も増加しているが、ドル安も手伝って今年7ヶ月間の輸入部品は40億100万ドルで29%も大幅に増加している。(2日付けヴァロール紙)
石油価格高騰はブラジルには追い風
石油自給を達成し来年から石油輸出国に転じるブラジルには、石油価格の高騰はブラジル経済にとって追い風となり、1バーレルの石油価格が5ドル上昇すると年間25億ドルの収入増加となる。
今年の石油生産量は日産170万バーレルであるが、2010年には230万バーレルになり、40万から50万バーレルが輸出可能となり、現在の石油価格で換算すると年間100億ドルから120億ドルの収入となる。
経済先進・大国の中で石油自給できるのはロシアとブラジルだけであり、米国、日本、中国それにノルウエーを除く西ヨーロッパ諸国は石油輸入国となっている。
またラテンアメリカでは、ブラジルは石油埋蔵量790億バーレルを誇るヴェネズエラ、148億バーレルのメキシコについで3位の130億バーレルであるが、埋蔵量が低下してきたメキシコを近い将来抜いて2位を確保することが予想されている。(2日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 9月01日
第2・四半期の経済成長率は1.4%増加
第2・四半期の経済成長率は第1・四半期比1.4%伸び、最終12ヶ月間では4.3%の成長を記録し、2005年度の経済成長率予測3.0%から3.5%への上方修正の可能性がでてきた。
第2・四半期の経済成長率の牽引車は工業部門で3.04%伸び、年間成長率に換算すると12.7%に相当する。
特に石油採掘プラットーフォーム2基が生産を開始した石油、天然ガス部門などが前年同期比17.5%と大幅に伸び、農畜産部門は1.1%、サービス部門は1.2%の成長を記録した。
しかし固定電話の19%の回線利用低下で通信部門の成長率が、マイナス1.7%を記録している。
また第1・四半期との比較では、一般消費0.9%、連邦政府支出1.1%、投資4.5%、輸出2.6%とそれぞれ伸びたが、輸入はマイナス2.4%となっている。(1日付けエスタード紙)
食肉輸出額が大豆輸出額を追越す可能性がでてきた
今年の食肉輸出は前年比30%増加するが、大豆はマイナス20%が予想されており、輸出額では食肉輸出がトップになる可能性がでてきた。
今年の8月までの大豆輸出は54億ドルに対して、食肉は44億ドルであるが、大豆生産が端境期に入り輸出増加が緩やかになるが、食肉は輸出好調で年末には逆転する。
ここ5年間の比較では、食肉輸出は340%増加したが大豆は僅かに95%の輸出増加にとどまっている。(1日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
8月の投資収益率トップは株の7.69%
8月の投資収益率トップは、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)の7.69%で他を大幅に引離したが、商業ドルはマイナス0.92%となった。
銀行預金CDB(1口10万レアル以上)は1.51%、銀行間金利預金DIが1.28%、ポウパンサ預金0.85%で、インフレ指数である総合市場物価指数(IGP-M)のマイナス0.65%を大幅に上回っている。
サンパウロ平均株価指数が大幅に伸びた要因には、9月からの基本金利の下方修正開始予想で、海外投資家が株購入に流れ、19日までの買い越し金額は5億5885万レアルとなっている。
今年の累計ではCDBの12.44%、DIが12.41%、株7.06%、商業ドル11.15%となっている。(1日付けエスタード紙)
今年の包装業界の成長率は1.1%で1万人の雇用創出
経済成長率のバロメーターである梱包業界の今年の成長率は1.1%で、1万人の雇用創出が期待されている。
昨年の包装業界の成長率は、前年比2.3%と大幅に伸び1万4,000人の雇用を創出し、5年ぶりの大幅な好景気であった。
今年の第1・四半期は前期比マイナス2.5%となったが、第2・四半期は0.17%と回復し、下半期は食品工業、飲料水全般、医薬品や化粧品などを中心に大幅な成長が期待されているが、塗料、マ二キュアや化粧用溶液などは先行きが見えない。
今年の上半期は1.81%の成長で、下半期は上半期の10%増加が予想されており、前年同期比0.5%増加に相当する。(1日付けエスタード紙)