デジタルテクノロジー部門の人材不足が顕著

サイバーセキュリティ対策を講じる人材や、AIやビッグデータを使いこなし第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる人材不足が顕著で、世界中のデジタルテクノロジー部門の情報セキュリティ、IoT、クラウドコンピュ―ディング、デジタルビジネスセクターの技術者不足が企業経営者の頭痛の種となっている。

ブラジル国内の失業者総数は1,250万人、非正規雇用者は3,880万人に達している一方で、デジタルテクノロジー部門の技術者は180万人不足しており、技術者確保で人件費が高騰しているとリクルート会社Korn Ferry社では指摘している。

テクノロジー・メディア・通信部門では2020年に116万2,000人の技術者不足が予想、2025年には213万8,000人、2030年には425万8,000人に技術者不足が予想されている。

また前記同様に銀行サービス関連の技術者不足は、2020年には294万人、554万2,000人、1,069万9,000人、製造業部門では201万9,000人、389万4,000人、2030年には791万8,000人の技術者不足が予想されている。

1995年にサンパウロ州カンピーナス市で創業したデジタルソルーション企業のCI&T社は、ブラジル並びに米国、ヨーロッパ、アジアに支店を含めて2,500人の従業員を擁しているが、デジタルテクノロジー部門の上級・中級クラスの技術者500人を募集、初任給は9,000レアル~1万レアルにも拘らず、慢性的な人材不足に悩まされている。

ブラジル国内のデジタルテクノロジー部門のソフト開発向け技術者の需要は7万人が毎年養成する必要があるにも拘らず、年間3万人の技術者養成に留まっている。(2019年11月25日付けエスタード紙)

今年10月の設備稼働率は過去5年間で最高

ブラジル全国工業連盟(CNI)の製造業部門生産調査は11月1日~12日に加盟企業1962社、そのうち大企業は485社、中規模企業787社を対象に実施、2019年10月の製造業部門の生産指数は、前月の48.8ポイントから55.2ポイントと大幅に上昇、前年同月は54.7ポイントも上回っており、製造業部門の生産回復傾向を示している。

また今年10月の製造業部門の平均設備稼働率は、前月の69.0ポイントから70ポイントに上昇、今後の新規雇用や投資に結び付くと予想されている。前年同月は69ポイントであった。

今年10月の製造業部門の雇用指数は、前月の49.0ポイントから49.5ポイントに上昇したにも関わらず、50ポイントを割っており、企業経営者は規模拡大に対して慎重になっている。また今年10月の在庫指数は前月の50.4ポイントから50.1ポイントと若干減少、前年同月は50.7ポイントであった。

製造業部門の企業経営者の今後6カ月間の景況感調査ではポジティブを記録、しかし輸出動向指数は前月の52.5ポイントから52.4ポイントと若干減少、需要指数は54.2ポイントから54.6ポイントに若干上昇、購買指数は50.2ポイントから50.7ポイントに上昇している。

また製造業部門の企業経営者の投資指数は、前月の54.1ポイントから56.2ポイントに上昇、前年同月は55.0ポイントであった。(2019年11月23日付けエスタード紙)

防衛省並びに教育省へ厚めの予算配分

国内経済の景気回復遅れによる国庫庁の歳入減少、米中貿易摩擦やアルゼンチンの為替危機などの外的要因も重なって、今年第3四半期の各省庁は340億レアルの支払い停止を余儀なくされていた。

11月6日に実施されたプレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札での予想臨時歳入1,065億レアルであったにも関わらず、今回のメガ入札の落札総額は予想を大幅に下回る682億レアルに留まった。

682億レアルの分配内訳として連邦政府には237億レアル、地方政府(州政府・市)には117億レアルが割り当てられたが、連邦政府は2010年にペトロブラス石油公社に50億バレルの原油開発を許可の代わりに、ペトロブラスは連邦政府に748億レアルを支払っていたために、ペトロブラス石油公社には340億レアルが宛がわれる。

各省庁向けの分配金総額は139億7600万レアル、そのうち防衛省には34億7,300万レアル、教育省には26億9,500万レアル、大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”(MCMV)を担当する地方開発省(MDR)には13億6,500万レアル、科学技術・イノベーション・通信省には11億5,900万レアルが宛がわれる。

連邦政府では、歳入減少に伴って各省庁に対する340億レアル以上に達する分配・交付金の支払遅延を余儀なくされていたが、石油・天然ガスのメガ入札による臨時歳入が国庫庁に入るまでの連邦政府の13省庁は、予算凍結措置で9月末までに政府機関の一部閉鎖を意味するシャットダウン状態に陥る可能性が濃厚となっていた経緯があった。

9月末までにシャットダウン状態に陥る可能性のある13省庁で最も財政状況が悪化しているのは、インフラ省国家水上輸送庁(Antaq)で予算の99.9%に相当する資金不足に陥っていた。

国防省の予算不足は81.0%、科学技術省は80.6%、法務省傘下の日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)は79.3%、インフラ省78.2%、連邦監査事務局(CGU)は78.1%、鉱山エネルギー省国家電力エネルギー庁(ANNEL)76.5%、インフラ省国家陸路輸送庁(ANTT)73.9%、地方開発省は73.9%不足していた。(2019年11月23日付けエスタード紙)

2025年日本国際博覧会協会の布瀬雅義審議役が訪問

一般社団法人 2025年日本国際博覧会協会国際担当の布瀬雅義審議役並びにニッケイ新聞社の深澤正雪編集長が2019年11月22日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と2025年に大阪で開催される万国博覧会を成功に導くための色々な方策など多岐に亘って意見交換を行った。布瀬雅義審議役は本日開催の商工会議所懇親昼食会でも2025年開催の大阪万博について、パワーポイントを駆使して素晴らしいプレゼンを行った。

Masayuki Fukazawa, Masayoshi Fuse e Fujiyoshi Hirata

Fujiyoshi Hirata e Masayoshi Fuse

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

11月の懇親昼食会に110人が参加して開催

11月の懇親昼食会は、2019年11月22日正午から午後2時過ぎまでマクソウドホテルにに110人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストとして、ロドルフォ・ヴィジャルバ氏 CEMA大学教授/Fructus Management社パートナー並びに布瀬雅義 2025年日本国際博覧会協会審議役(国際担当)が紹介された。

村田俊典会頭は11月常任理事会報告として、先ほど開催された常任理事会並びに臨時理事会で2020年の会議所活動並びに組織変更として、日本の中小企業誘致やイノベーション分野への取り組みについて常任理事会で討議、今年4月からイノベーション研究会は開始、日本企業にとって重要なテーマであり、日本企業の活動活性化やブラジルの産業競争力強化、日伯経済連携の強化に向けての重要課題分野で、その重要性を鑑み既に設置されているイノベーション研究会を委員会へ格上げ、また同時にイノベーション分野への取り組みも兼ねる形で、この度「イノベーション・中小企業」委員会を設置。

また、政策対話委員会の活動を日伯経済交流促進委員会に吸収、全地域会議所連携強化委員会の活動を日伯交流委員会に吸収する形で統廃合。1月の新年会では各委員長から所信表明をしてもらう。JICAの北岡伸一JICA理事長が来伯、ブラジル産業界への協力として会議所はJICAとタイアップして中小企業誘致に取り組んでゆく。12月12日は官民合同会議開催、各商工会議所は今年の活動報告並びに来年の活動方針発表などを報告した。

野口泰総領事はサンパウロ総領事館からのご報告として、初めに治安関係の注意事項として、ネットショッピングやATM利用でのスキミング被害、11月11日にバンデイランテス宮殿で開催された国際治安セミナー、我が国政策発信/日本外交政策関係では、9月24日、ジャパンハウス サンパウロで日伯関係-東アジア情勢講演、9月30日,Expo Center Norteで長寿博覧会+フォーラムで日本の人口減少・超高齢化社会克服の取組を説明。11月4日,ジャパンハウス サンパウロでブラジルにおける日本の国際協力60周年記念イベント。11月7日,総領事公邸で「こどものその」との贈与契約署名式 (草の根・人間の安全保障無償資金協力)。

ジャパンハウスで10月26日から浦沢直樹展-漫画という芸術展。11月13日からインターナル・ライン(塩田千春)展。9月21日、日系社会 ピオネイロ学園(赤間学園)創立60周年記念式典。9月21日,文協で第48回国際民族舞踊祭。9月22日,宮城県人会会館で和歌山県人会創立65周年記念式典。10月22日,クルービ・シルクロ・ミリタールで当地日系団体主催天皇陛下御即位祝賀会。10月26日,文協でプロジェクト・ネットワーク(帰伯日系人子弟ネットワーキング)。11月2日,サンパウロ州プロミッソン市でプロミッソン灯籠流し。11月8日,南マット・グロッソ州ドウラードス市で第18回ドウラードス日本祭り。11月9~10日,文協でCIATE コラボラドーレス会議。11月17日, 愛知県人会館で長野県人会創立60周年記念式典開催予定などを説明した。

連絡事項として、ウーゴ・アマノ監事は11月6日に開催された2019年第3四半期の業務・会計監査の報告として、監事会からウーゴ・アマノ監事(BDO Brazil)、フェルナンド・セイジ・ミハラ監事(Stüssi-Neves Advogados)、佐藤マリオ監事(Global Link Consultoria)、財務委員会から福元信義委員長(Banco MUFG Brasil)、松本 智仁 副委員長( 丸紅ブラジル)、Orgatec (Organização Técnica Contábil)のKarina Mascaros Knirsch氏、 Laís Dutra Hatya氏が参加。監事会は、「2019年の第3四半期の会議所の業務遂行と会計処理は適正であったこと」を承認したことを報告した。

長野昌幸 異業種交流委員長は、異業種交流委員会主催 松尾伊津香さん講演会について、11月27日午後6時から疲労回復で有名な松尾伊津香さん講演会では、日本初の疲労回復専用ジムZEROGYMを立ち上げ、現在は千駄ヶ谷店、新宿店、サンパウロ店の三店舗を展開。講演会では企業向けのプログラム紹介。参加者10名に本の贈呈などを説明した。

新入会員紹介では、WTE TRANSPORTES E SERVIÇOS LTDAのWilson Shiguetoshi Kodama氏は、ドライバー有無部門で様々なサービや装甲された防弾車両のオプション提供。ブラジル軍発行の装甲認証取得などを紹介。ROBERT WALTERS BRASIL LIMITADA のAya Yokoyama氏は、3度目のブラジル勤務。2010年のブラジル支社設立、4部門に分けてのマネージャーやエグゼクティブなどの人材紹介を説明。村田会頭から会員証が授与された。

Ricardo Kakeshita氏は、11月30日にブルーツリーホテルで開催されるJCI主催第4回 ブラジリアンマインド「Brazilian Experience Day」を説明。Blue Tree Hotels のAkemi Uchimura氏は、1月1日午後1時からブルツリープレミアムパウリスタホテルで開催される2020年ブルーツリーホテル新年会での日本料理大使の白石テルマ シェフェによる第13回おせち料理について紹介した。

布瀬雅義 2025年日本国際博覧会協会審議役(国際担当)は、2025年大阪万博について、1年前のタイでの投票で2025年の万博は大阪に決定、私のミッションは各国の大阪万博への招待であり、アメリカ大陸とヨーロッパを担当、今回の訪伯はペルーでのPR並びに2005年の日本国際博覧会に参加していないブラジルに対して大いにPRしたいと強調、大阪万博には2800万人の参加が予想されており、前回1970年の大阪万博はアジアでの初めての開催で、20世紀で最も成功した万博と云われている。17テーマでSociety5.0 による人間の生き方を支えてゆく問題解決について説明。またブラジルの大阪万博参加への後押しの協力を依頼した。

Fructus Management社パートナーのロドルフォ・ヴィジャルバ氏 CEMA大学教授は、素晴らしい日本語で「新ペロン体制下に於けるダイナミックなアルゼンチン経済と政治」について、2002年から2015年まで13年間続いたペロン党急進派のポプリズムで財政支出は上昇の一途を辿っていたが、2015年に当選したマウリシオ・マクリ大統領は、財政赤字削減政策の導入でGDP比5.0%以上削減。プライマリー収支の黒字化。僅か20%の正規雇用労働者が4500万人の国民を支えている。アルベルト・フェルナンデス元首相の大統領当選による新経済政策発表の様子見であるが、新政権での財政赤字でインフレ上昇懸念。

またロドルフォ・ヴィジャルバ氏は、アルゼンチンの通貨供給量と外貨準備高の推移、資産と負債の関係分析、為替レートと外貨準備高、700ポイントであった今年8月のカントリーリスクは10月に2000ポイント上昇でデフォルトレベル、国際通貨基金(IMF)との負債返済の折衝、アルゼンチン政府の有利子負債の内訳及びGDP比の推移、アルベルト新大統領とクリスティーナ副大統領の政治思想の違い、権力の均衡、アルベルト新大統領の市場経済に対するクリスティーナ副大統領の社会市場経済コンセプトの違い、新政権による米国並びにブラジル、メキシコとの関係などについて説明して講演を終え、村田会頭から布瀬雅義 2025年日本国際博覧会協会審議役並びにロドルフォ・ヴィジャルバ氏 CEMA大学教授に記念プレートが贈呈された。

Pdf「新ペロン体制下に於けるダイナミックなアルゼンチン経済と政治」Fructus Management社パートナーのロドルフォ・ヴィジャルバ氏 CEMA大学教授

詳細お問い合わせ先:
Fructus Capital Management
rvillalba@fructuscaptial.com.ar 
vparmakopp@fructuscapital.com.ar  

村田俊典会頭

野口泰総領事

布瀬雅義 2025年日本国際博覧会協会審議役

Fructus Management社パートナーのロドルフォ・ヴィジャルバ氏 CEMA大学教授

Fujiyoshi Hirata, Masayoshi Fuse, Rodolfo Gabriel Villalba e Atsushi Okubo

Shingo Sato, Masayoshi Fuse, Atsushi Yasuda e Fujiyoshi Hirata

Masayoshi Fuse e Rodolfo Gabriel Villalba com a placa de agradecimento da Câmara entregue pelo presidente Toshifumi Murata

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

11月昼食会の録画ビデオ(クリックしてご覧下さい)

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48人が参加して11月の労働問題研究会開催

企業経営・地場企業推進委員会(ワグネル 鈴木委員長)の労働問題研究会は、2019年11月21日午後4時から6時まで48人が参加して開催、司会はフェルナンド・ミハラ副委員長、ロベルト・ヤナギサワ副委員長が務め、初めにPinheiro Neto AdvogadosのEDUARDO KAUFFMAN MILANO BENCLOWICZ社会保障部門弁護士は、『ブラジル社会保障改革-社会保障給付費と給与税への影響』、BR-VISA Consultoria e Assessoria EmpresarialのMARTA MITICO VALENTE創業者・パートナーは、『労働許可証の様式:実用的な問題』についてそれぞれポルトガル語で講演した。

PDF anexos: 
1. "A reforma da Previdência" 
2. "Modalidades de autorizações de trabalho – Questões práticas"
3. "Acesso aos materiais da BR-Visa" 

Fernando Seiji Mihara (Stüssi-Neves Advogados), Eduardo Kauffman Milano Benclowicz (Pinheiro Neto Advogados), Marta Mitico Valente (BR-Visa Consultoria e Assessoria Empresarial) e Roberto Yanagizawa (Toyota do Brasil) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

RI / CCIJB – 21/11/2019

ブラデスコ銀行ではブラジルの投資適格級返咲きは来年を予想

ブラデスコ銀行のOctavio de Lazari Junior頭取は、税制改革が2020年上半期に国会で承認されれば、ブラジルがソブリン格付けで再度投資適格級の格付けに引上げられるのは、2020年末までに投資適格級になると予想している。

ちょうど1年前にはジャイール・ボルソナロ新政権の政権運営や経済政策、構造改革実行が不透明で不安視されていたとOctavio de Lazari Junior頭取はコメントしている。

しかし10月22日の上院本会議での年金改革承認による今後10年間での8,003億レアルの歳出削減、また年金改革法案承認は、ジャイール・ボルソナロ政権にとって今後の行政改革や税制改革、財政再建改革、政治改革など一連の構造改革を進展させるブラジル維新の起爆剤となる可能性に繋がる。

2020年上半期に税制改革が国会で承認されれば、ブラジルはソブリン格付けで投資適格級に引上げられる可能性が濃厚であり、今後数年間にサンパウロ証券取引所には1,000億ドル~1,500億ドルの海外投資家の資金流入に繋がると予想されている。

今年初め10カ月間の新規株式公開(IPO)や社債発行総額は750億レアル、今年は900億レアル~1,000億レアルに達する可能性があるとブラデスコ銀行BBIのBruno Boetger取締役は指摘している。

ブラジルは2008年にソブリン格付けで投資適格級の格付けを得ていたが、2015年にブラジルのソブリン格付けを「BBBマイナス」から「BBプラス」に引き下げられてブラジルの格付けは投資適格級でなくなった経緯があった。(2019年11月20日付けヴァロール紙)

今年第3四半期の失業率低下は唯一サンパウロ州のみ

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2019年第3四半期のブラジル全土の平均失業率は、11.8%と前四半期の12.0%から減少している。

今年第3四半期の失業率が低下したのは、唯一サンパウロ州で前四半期比0.8%減少した一方で、ロウライマ州の失業率は1.5%と大幅に増加、その他の25州の失業率は同率で推移している。

今年第3四半期の失業率が前年同期比で増加したのは、ゴイアス州の1.9%増加、マット・グロッソ州1.3%増加した一方で、サンパウロ主は1.1%減少、アラゴアス州1.7%減少、セルジッペ州は2.8%減少している。

また今年第3四半期の州別失業率の比較では、バイア州の失業率は16.8%、アマパ16.7%、ペルナンブーコ州15.8%と高い失業率を記録している一方で、サンタ・カタリーナ州は5.8%、南マット・グロッソ州7.5%、マット・グロッソ州8.0%とブラジルの平均失業率11.8%を大幅に下回っている。

今年第3四半期の民間部門の労働手帳に記載される正規雇用率は73.6%、特にサンタ・カタリーナ州の正規雇用率は87.7%でトップ、最低の正規雇用率はマラニョン州の49.9%と半分以下を記録している。

また今年第3四半期の民間部門の労働手帳に記載されない非正規雇用率は26.4%、特にマラニョン州の非正規雇用率は50.1%でトップ、パラー州49.9%、ピアウイ州49.9%、一方南大河州の非正規雇用率は18.1%、サンタ・カタリーナ州は12.3%に過ぎない。

今年第3四半期の民間部門の自営業者の平均比率は26.0%、アマパ州の自営業者比率は36.7%、パラー州35.7%、アマゾナス州33.3%、自営業者比率が低いのはブラジリア連邦直轄地のブラジリアの20.7%、南マット・グロッソ州21.2%、サンタ・カタリーナ州は21.7%に留まっている。

失業者のうち就職活動を行っている期間が1か月~1年未満は46.9%、2年以上は25.2%、失業期間が1か月未満の失業者は180万人、2年以上は320万人に達している。

今年第3四半期の建設業部門の新規雇用は前四半期比25万4,000人増加、南東部地域での建設業部門の新規雇用は増加、特に第2四半期のサンパウロ州での新規住宅リリース及び販売が牽引して、第3四半期のサンパウロ州の建設業部門は11万8,000人の新規雇用に繋がっている。(2019年11月20日のエスタード紙/IBGEサイトから抜粋)

今年10月の国庫庁の歳入総額は1,350億レアル

2019年10月の国庫庁の正式な歳入総額は来週25日に発表されるが、昨日20日に国庫庁のジョゼ・バローゾ・トステス・ネット特別長官は、今年10月の歳入総額は1,350億レアルの予想を発表している。

また今年初め10カ月間の歳入総額は、11月初めに実施されたプレソルト鉱区入札による臨時歳入並びに個人投資による個人所得税の増加で、前年同期比1.9%増加の1兆1,400億レアルが予想されている。

11月6日に実施されたプレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札での予想臨時歳入1,065億レアルに対し、国庫庁には699億6,000万レアルの臨時歳入に留まった。

今年の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、プレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札の臨時歳入の影響で、前年比2.0%増加の1兆4,000億レアルをジョゼ・バローゾ・トステス・ネット特別長官は予想している。

今月内に国会に提出予定の経済省主導による第4段階から構成される税制改革案は、税制の簡素化や納税者のブロクラシー軽減を優先すると税制改革案の一端の責任者でもあるジョゼ・バローゾ・トステス・ネット特別長官は説明している。(2019年11月21日付けエスタード紙)

 

税制改革立案で上下院合同委員会設置

パウロ・ゲーデス経済相率いる経済班の2020年中頃までに4段階に分けた税制改革案は、今月末までに国会に提出される予定であったにも拘らず、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長並びにロドリゴ・マイア下院議長は、国会を通過させるための新たな税制改革立案作成のために、上下院合同委員会の設置を準備している。

経済省の4段階に分けた税制改革案の第1段階として、社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の税率を11%~12%の間で統一し、全てのサービス財に適用。第2段階の税制改革案は、2020年初めから工業製品税(IPI)の税率の見直し。

第3段階の税制改革案は、2020年第1四半期から個人所得税(IRPF)並びに法人所得税(IRPJ)の見直し。第4段階の税制改革案は、2020年中頃から企業の従業員に対する社会保障費負担の終了が予定されている。

しかしこの4段階に分けた経済省の税制改革案に対して、民主党(DEM)所属のロドリゴ・マイア下院議長は、社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の統一は、ミッシェル・テーメル前政権が試みたにも拘らず、挫折したと指摘している。

また州税の商品サービス流通税(ICMS)の税率は、各州政府が製造業誘致や港湾利用誘致など競争激化で、州間の税金戦争に発展した最も複雑な税制であり、経済省の税制改革案では解決できないとマイア下院議長は指摘している。

ロドリゴ・マイア下院議長が支持するエコノミストのBernard Appy氏が準備していた税制改革案として、連邦税の工業製品税(IPI)並びに社会統合計画賦課金(PIS)、社会保障賦課金(Cofins)、州税の商品サービス流通税(ICMS)、市税のサービス税(ISS)を包含する商品サービス税(IBS)はBaleia Rossi下院議員が税制改革法案として発表していた。

この3種の連邦税並びに1種の州税、1種の市税から構成される単一税である商品サービス税(IBS)の過渡期間として10年間を要し、また州政府並びに市役所の減収補填には50年間が必要と見込まれている。

また多くの上院議員の支持を得ているLuis Carlos Hauly元下院議員の税制改革案は、工業製品税(IPI)並びに社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)、社会保障賦課金(Cofins)、純利益に対する社会納付金(CSLL)、金融操作税(IOF)、商品サービス流通税(ICMS)、サービス税(ISS)、一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)、Salario-Educação税を廃止して、州税の商品サービス税(IBS)並びに連邦税のサービス財税の創設を主張している。

Riachuelo小売チーンのFlavio Rocha社長が昨年創設したInstituto Brasil 200では、金融取引暫定賦課金(CPMF)の復活を主張している。またInstituto Brasil 200のGabriel Kanner社長は、経済班の社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の統一は、税制簡素化にはポジティブに作用すると肯定している。

Luis Carlos Hauly元下院議員は、税制改革は連邦機構改革よりも100倍以上重要であると指摘。またコンサルタント会社Tendencias社エコノミストのFabio Klein氏は、税制の簡素化並びに生産部門への減税は競争力強化に繋がると指摘している。(2019年11月19日付けエスタード紙)