今年3月の国債償還は7億850万レアル(2021年4月26日付けヴァロール紙)

2021年3月の国庫庁によるブラジル国債の発行総額は、33億9,200万レアル、一方ブラジル国債の償還総額は41億レアル、償還総額が国債発行総額を7億850万レアル上回り、4か月連続で支出が上回った。

今年3月のブラジル国債の償還総額41億レアルの内訳では、満期による満額償還総額が21億7,600万レアル、償還期間が異なるブラジル国債の買戻しが26億7,600万レアルであった。

今年3月のブラジル国債発行の内訳は、インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)連動国債の発行は全体の40.7%を占めた。政策誘導金利(Selic) 連動国債の発行は35.3%を占めていた。

今年3月の国庫庁によるブラジル国債発行の償還期間が5年~10年国債は、全体の46.6%を占め、償還期間が1年~5年国債は38.15%、償還期間が10年以上の長期国債は、全体の15.4%であった。

3月の投資家向け証券売買オペレーション総数は、45万5,054件に達しており、そのうち5,000レアル迄の小口取引件数は、全体の81.8%に達しており、平均取引金額は7,454レアルであった。

国庫庁の発表によると、3月の証券取引プログラム残高は、前月比0.1%減少の628億3,000万レアルに留まった一方で、前年同月比では、7.5%と大幅に増加している。

今年3月のブラジル国債購入プログラムであるTesouro Diretoプログラムに新規登録したのは39万394人、同プログラムの登録者総数は1,028万5,781人で過去12か月間で57.9%増加、ブラジル国債への投資家総数は過去12か月間で21.9%増加の147万9,805人に達している。

 

3,400万人のブラジル人は銀行口座アクセスなし(2021年4月26日付けヴァロール紙)

Locomotiva協会の今年1月に実施した調査によると、COVID-19パンデミックの影響で、銀行口座関連のデジタル化が飛躍的に進展して、銀行口座開設が簡素化されて利用が増えている。

しかしブラジル人の10%に相当する1,630万人は銀行口座を擁していない。また人口の11.0%に相当する1,770万人は、銀行口座を所有しているにも関わらず、昨年12月に1回も自身の銀行口座を利用しておらず、人口の21.0%に相当するブラジル人は銀行口座の非利用者であるが、2020年1月の比率29.0%から8.0%も減少している。

ブラジルの人口の21.0%に相当する銀行口座の非利用者の資産運用総額は3470億レアルに達して、ブラジル人の資産運用総額の8.0%に相当する。

COVID-19パンデミックの影響で、ブラジル人の銀行口座のアクセスのデジタル化が飛躍的に進んだが、緊急給付金(auxílio emergencial)の支給以前の2020年3月の現金取引は2,142億レアル、昨年12月は依然として緊急給付金の支給の恩恵を受けて3,094億レアルに達していたが、今年3月は緊急給付金支給停止で2,861億レアルまで減少していた。

連邦政府は貧困層や失業者などを対象に連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了したが、最貧困層の銀行口座の開設が大幅に進んだ。

しかし依然として、3,000万人以上に相当するブラジル人は銀行口座を所有していないか、銀行口座アクセスのプロセスを熟知していないために、現金使用を続けている。

銀行口座を所有していない人口の大半は、大都市圏から離れた農村部の住民、女性、18歳~29歳の若年層、Dクラス及びEクラスの貧困層で形成されている。また銀行口座を擁していない人対象の調査では、44.0%は銀行口座の開設を欲していないか、必要性を感じていない。40%は預金する現金を擁していないと回答している。

(Webex)KPMG社主催の投資パートナーシッププログラムセミナー開催

KPMG社主催の投資パートナーシッププログラムセミナーは、2021年4月28日午後3時から4時過ぎまで経済省PPI局のMartha Seillier特別長官を講師に開催、進行役はKPMG政府関係担当リーダーのマウリシオ・エンドウ氏(Mauricio Endo)が担当した。

初めにMartha Seillier特別長官は、PPIのハブ効果の機能、ブラジルの経済成長加速するために不可欠な年金・恩給改革、行政改革、税制改革並びにインフレ整備。民営化に関する法案、入札実施プロジェクト件数及びボーナス総額、2019年のPPIの39件入札、2020年は29件の入札実施、2021年は既に30件実施、COVID-19パンデミックのPPI入札への影響、実施予定の港湾、空港、石油・天然ガス、道路、上下水道、5G並びに電力エネルギ―関連入札、郵便公社を含む今後入札予定の公社リスト及びスケジュールなどについて説明した。

質疑応答では、KPMGのSoraya Valliloマネージングディレクター並びに同インフラ投資部門のEduardo Redesリーダーパートナーが、COVID-19パンデミックによる入札スケジュール変更、レアル高の為替及びリスク、過去最低並みの低金利、比類ないブラジルのインフラ部門への投資チャンス、入札規則、今後継続するインフラ部門入札などが挙げられた。

 

(ZOOM)異業種交流会WEBセミナー「日系人コミュニティが貢献するアマゾンのSDGs~アグロフォレストリー~」開催

異業種交流委員会(吉田伸弘委員長)主催のWEBセミナー「日系人コミュニティが貢献するアマゾンのSDGs~アグロフォレストリー~」は、2021年4月28日午前10時から11時まで約100人が参加して開催、CAMTA(トメアス総合農業協同組合)代表のアルベルト乙幡氏が講演。進行役は江口雅之副委員長が務め、初めに4月に就任した吉田委員長が新組織メンバーを紹介した。

初めに森をつくる農業のアグロフォレストリー紹介ビデオを流し、講演者のアルベルト乙幡氏は、1929年からの日系移民によるパラー州トメアスーへの入植の歴史、黒ダイヤブームで一時繁栄と富をもたらした胡椒栽培は長く続かず、蔓延したフザリウム菌によって犯されて胡椒の全盛期の終わりによる単一農業の悲惨な体験。川岸住民の大自然に溶け込んだ、素朴でしかも豊かな暮らしぶりにヒントを得たアグロフォレストリーの誕生に繋がる熱帯農業の提唱者であった故坂口陞(のぼる)氏の功績を紹介した。

収穫期が異なるコショウやカカオなどの熱帯作物とマホガニーなどの樹木を混植することで、農業と森林の保護・再生の両方を可能になり、アマゾン地域の森林保全、住民の生計向上へ向けて大きく貢献している環境負荷の少ないアグロフォレストリーの特徴、またJICAの技術支援によるトメアスーでのアグロフォレストリーでの混合栽培によるアサイ,タぺレバー,クプアス、マンゴーなどの栽培の30年近い長期栽培サイクルの特徴。カカオやアサイの1ヘクタール当たりの生産、落下時に危険なパラーナッツ栽培停止に替わるアンジローバ栽培。パッションフルーツやパパイヤのサンパウロ市場への出荷。ロジや距離的有利なサンフランシスコ河流域に入植したペトロリーナ・ジュアゼイロ地域の日系農家による同種作物出荷の開始の影響による付加価値の高いドラゴンフルーツへの転作及び出荷。将来を見据えた組合員の生活向上を優先した組合戦略、持続可能な農業の在り方などについて説明した。

質疑応答では、トメアス総合農業協同組合活動での苦労や課題。アグロフォレストの付加価値の高い商品の差別化。アグロフォレストにおける有機肥料・化学肥料の使用時期、栽培作物の選定。中間業者を介さない直接販売方法。広大な土地の管理方法が挙げられた。

 

今年3月の経常収支赤字は過去6年で最高(2021年4月26日付けエスタード紙)

中銀の発表によると、2021年3月の連邦政府の経常収支は、39億7,000万ドルの赤字を計上、2015年3月に57億7,200万ドルの赤字を計上して以来、3月としては過去6年間で最高の赤字を記録している。

ブロードキャストプロジェクションの予想によると、今年3月の連邦政府の経常収支予想では、最低は90億ドルの赤字、最高は32億ドルの黒字が予想されていた。

今年3月の経常収支の内訳では、貿易収支部門は4億3,700万ドルの赤字を計上、サービス部門は10億5,700万ドルの赤字を計上、海外からの利子や配当金などの第一次所得収支は、29億9,300万ドルの赤字、ファイナンス収支は、39億1,900万ドルの赤字を計上している。
    
今年第1四半期の経常収支は、153億6,100万ドルの赤字計上、中銀の最終四半期インフレレポートによると、2021年度の経常収支は、20億ドルの黒字が予想されている。

仮に今年の経常収支が黒字を記録すれば、国際コモディティ価格の上昇に伴って、2003年から5年間連続で黒字を計上していた後の、過去14年間で初めての経常収支の黒字に転じる。

昨年末の中銀は今年の経常収支は、190億ドル前後の赤字を予想していたにも拘らず、原油、穀物並びに鉄鉱石などの国際コモディティ価格の上昇に伴って、20億ドルの黒字に方向転換している。

今年3月の対内直接投資総額は68億6,000万ドルに達し、39億7,000万ドルの経常収支赤字をを十二分にカバーする投資金が流入していた。昨年3月の対内直接投資総額は、73億8,600万ドルを記録していた。

今年第1四半期の累積対内直接投資総額は177億ドル、中銀の今年第1四半期の四半期インフレレポートによると、今年の対内直接投資を600億ドルが見込まれている。

今年3月のブラジル人の海外旅行での支出は、3億1,300万ドルと2005年以降の3月では最低の支出を記録、またCOVID-19パンデミックが始まった昨年3月の50%に落ち込んでいる。

今年第1四半期のブラジル人の海外旅行での累積支出は、前年同期比70.6%の大幅減少の8億6,000万ドルと20億ドル以上減少している。

一方今年3月の外国人によるブラジル国内での旅行支出は、前年同月の3億8,500万ドルから2億1,300万ドルと1億5,000万ドル以上減少している。また今年第1四半期の累積支出は、前年同期比54.9%減少の6億9,300万ドルに留まっている。

中銀フォーカスレポートは今年のインフレ指数を5.01%に上方修正(2021年4月26日付けヴァロール紙)

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4.92%から5.01%に上方修正、1か月前の予想は4.81%。一方2022年のIPCA指数は、前回予想の3.60%から3.51%に下方修正している。

中銀は、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の中央目標値を3.75%、また2021年のIPCA指数の許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定している。

2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2022年は最低2.00%、最高5.00%に設定している。2023年の中央目標値は3.25%、最低1.75%、最高4.75%が設定されている。

2020年のIPCA指数は、食料品の値上げが牽引して4.52%と連邦政府の中央目標値である4.00%を上回り、2016年以降では最高のインフレ指数を記録したが、連邦政府の許容範囲には収まっていた。

また今年末の政策導入金利(Selic)は、前回予想の5.25%から5.50%に上方修正、今年3月に中銀はSelic金利を2.00%から2.75%と約6年ぶりに金利引き上げを行った。また2022年のSelic金利は前回予想の6.00%から6.13%に引き上げている。

最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を前回予想の3.04%から3.09%微調整した一方で、2022年のGDP伸び率は前回同様2.34%に据え置いている。

今年3月の製造業部門生産は3か月ぶりに増加に転じる(2021年4月26日付けエスタード紙)

全国工業連盟(CNI)の調査によると、2021年3月のブラジルの製造業部門生産は、前月比3.4ポイント増加の50.5ポイントに達し、分岐点の50ポイントを3ヶ月ぶりに上回り、回復傾向を示している。

また今年3月の製造業部門の設備稼働率は68ポイントに達し、3月としては2014年3月に記録した71ポイントに次ぐ設備稼働率に回復している。

今年4月の国内需要、輸出、原材料購買、雇用は前月比でそれぞれ増加を記録しているとCNI経済分析担当のMarcelo Azevedoマネージャーは説明している。

昨年7月以降はこれらのインディケーターはそれぞれ分岐点の50ポイントを上回っており、多くの製造業部門の企業経営者は今後の回復に対して楽観的な見方をしている。

 

連邦政府は2022年度の予算ガイドラインで3,650億レアルの歳出容認か(2021年4月23日付けエスタード紙)

連邦政府は2022年度の歳出総額は、特定分野に対する免税、補助金、債務免除を含めてGDP比4.02%に相当する3,652億レアルの歳出を容認すると予想されている。

経済省のパウロ・ゲーデス経済相が約束している財政赤字改善やPEC Emergencialパーケージ(緊急憲法補足法案)プログラムに反する歳出拡大に繋がると危惧されている。

2022年度の歳出総額3652億レアルの歳出拡大は、先週国会に送られている2022年度の予算ガイドライン(PLDO) で判明している。

来年度の予算のうち主な5分野向け補助金・免税は、零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)、マナウスフリーゾーン向け特権の免税、個人所得税の免税、基本食品バスケットを含む農業関連分野向け補助金、慈善団体向け免税となっている。

2013年以降の補助金や免税向け歳出総額はGDP比4.0%を上回っており、政権が交代しても多種のイデオロギーや恩恵を受ける団体の強力なロビー活動の国会での色々な思惑が絡んだ衝突で、歳出を抑えることが非常に難しくなってきている。

最近の補助金捻出の例として、ジャイル・ボルソナーロ大統領の支援を受けて、国会議員は拒否権を覆し、2024年までに14億レアルの歳出に相当する、純益に対する社会納付金(CSLL)に対する社会貢献の免除を教会に与えたが、国会での承認投票は、歳出削減計画を制定した憲法改正の制定の2日後に行われた経緯があった。

2022年に補助金や免税などで最も恩恵を受けるのは、零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)向けは855億レアル、マナウスフリーゾーン向け特権の免税は429億レアル、個人所得税の免税は377億レアルとなっている。

また基本食品バスケットを含む農業関連分野向け補助金総額は369億レアル、慈善団体向け免税は323億レアル、個人所得税の減税措置は249億レアル、労働者向けベネフィット162億レアル、医薬品・医薬関連製品・医療機器向け免税は160億レアルが見込まれている。

続いて地域開発向けは134億レアル、不動産並びにアグロビジネス向け預金・クレジット関連は78億レアル、情報・自動化分野73億レアル、自動車産業59億レアル、科学分析・イノベーションテクノロジー分野58億レアル、船舶・航空機54億レアル、個人零細事業主(MEI)向け免税は35億レアルが予算取りされている。

今年3月のクレジット部門は1.1%増加(2021年4月23日付けヴァロール紙)

2021年3月のクレジット部門のクレジット残高は1.1%増加をブラジル銀行連盟(Febraban)は見込んでいる。昨年7月~今年3月は9ヶ月間連続でクレジット残高は増加を記録しているが、今年1年間のクレジット部門伸び率は、16.1%増加から14.2%増加に減速すると見込まれている。

COVID-19向けワクチン接種の遅れなどによるパンデミック拡大、大半の州政府が採用を余儀なくされたCOVID-19パンデミック対応の外出自粛や必需品以外の営業や企業活動の自粛要請にも関わらず、今年3月のクレジット部門の1.1%増加予想は、予想外の好結果になるとブラジル銀行連盟(Febraban)のRubens Sardenberg取締役は指摘している。

今年3月のクレジット部門はCOVID-19パンデミック拡大で、クレジット部門は悪影響を受けると予想されていたが、多くの産業部門の大企業が運転資金確保のために、クレジット部門の予想を上回る増加が予想されている。

今年3月の個人向けクレジット伸び率は前月比1.2%増加、今年の個人向けクレジット部門伸び率は、前回予想の22.9%から16.8%増加に減速すると予想されている。

今年のクレジット部門伸び率の下方修正の要因として、クレジット先が自由に選択できる今年3月の自由クレジット部門伸び率は1.8%増加、今年は前回予想の22.5%から13.5%に下方修正、3月の法人向けクレジット伸び率は僅か0.1%微増が見込まれている。

今年3月の個人向けクレジット部門伸び率は、政策誘導金利(Selic)が2.75%に留まって非常に低い低金利で推移して、住宅購入向けクレジットが牽引して前月比1.1%増加を記録している。

 

今年3月の世界の粗鋼生産は、中国が牽引して15.2%増加(2021年4月22日付けヴァロール紙)

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2021年3月の世界の粗鋼生産は中国の鉄鋼需要が牽引して、前年同月比15.2%の二桁増加の1億6,920万トンを記録している。

今年3月の中国の粗鋼生産は、前年同月比19.1%増加の9,400万トンは世界全体の55%と過半数を占めており、粗鋼製品価格の決定に大きな影響力を擁している。

今年3月のインドの粗鋼生産は前年同月比23.9%増加、日本は4.6%増加、米国は僅か1.0%微増、韓国の粗鋼生産は4.7%増加を記録している。

ヨーロッパ連合の粗鋼生産比較では、ドイツが10.4%と二桁増加、トルコも9.2%増加を記録。ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、ブラジルの粗鋼生産は4.1%増加の280万トンであった。

今年第1四半期の世界の粗鋼生産は、前年同期比10.0%増加の4億8,690万トン、中国の粗鋼生産は、世界全体の56%のマーケットシェアに相当する前年同期比15.6%増加の2億7,100万トンであった。

今年第1四半期のアジア並びにオセアニア地域の粗鋼生産は、13.2%増加の3億5,690万トン、27か国で構成されるヨーロッパ連合の粗鋼生産は3.1%増加、北米地域は5.2%増加している。