今年9月の経常収支は貿易収支悪化で赤字拡大

中銀の発表よると、2019年9月の過去12カ月間のブラジルの経常収支赤字は、3月から6カ月連続の増加傾向で374億3,500万ドルを記録、9月の経常収支赤字はGDP比2.05%に相当、今年2月の経常収支赤字のGDP比1.23%から大幅に上昇している。

中銀発表の四半期インフレレポート(RTI)によると、今年9月の経常収支赤字は、前回予想のGDP比1.0%に相当する193億レアルからGDP比2.0%に相当する363億レアルに上昇修正されていたにも拘らず、GDP比2.05%に悪化している。

今年9月の過去12カ月間の経常収支赤字がGDP比2.05%に悪化した要因として、米中貿易摩擦継続による世界貿易縮小の影響及びアルゼンチンの為替危機によるブラジルの輸出減少、ブラジル国内経済の緩やかな回復による輸入増加による貿易収支の悪化となっている。

しかし今年9月の過去12カ月間の海外投資家による対内直接投資は、704億ドルと今年の月間平均の724億ドルを僅かに下回ったが、9月の対内直接投資は、GDP比3.85%とGDP比2.05%の経常収支赤字を大幅に上回って、経常収支赤字を十二分にカバーしている。

MUFG銀行では今年のブラジルの経常収支赤字を400億ドルと予想、今年の対内直接投資予想は750億ドルで、400億ドルの経常収支赤字をカバーしても350億ドルの黒字収支が見込まれている。

2020年の対内直接投資は、年金・恩給改革の国会承認による海外投資家の信用回復、加速する連邦公社野民営化並びにインフラ整備部門プロジェクト加速化などの要因で、800億ドルに達すると予想されている。

今年初め9カ月間の経常収支赤字は341億ドルに達して、前年同期の186億ドルの赤字から2倍近い赤字を記録、一方今年初め9カ月間の貿易収支は、前年同期の381億ドルの黒字から286億ドルの黒字に縮小している。

今年9月の経常収支は、38億4,700万ドルの赤字で前年同月から1億9,400万ドルの赤字増加、また貿易収支黒字は前年同月の47億ドルの黒字から17億ドルの黒字に縮小、輸出は4億1,100万ドル減少した一方で輸入は26億600万ドル増加している。

また今年10月の経常収支は58億ドルの赤字が予想されているが、昨年10月の経常収支赤字5億4,000万ドルの10倍以上に膨れ上がると見込まれている。(2019年10月25日付けヴァロール紙)

今年上半期のM&Aは10億レアル以上が牽引

2019年上半期のブラジル国内の企業買収・合併(M&A)案件は、前年同期の58件から55件に減少したにも関わらず、買収総額は前年同期の906億レアルから1,086億レアルに増加している。

今年上半期のM&A案件のうちで10億レアル~50億レアルの案件が最多を占めたが、50億レアル以上の案件は全体の7.3%、10億レアル以下の案件は31.0%を占めていた。

今年上半期のM&A案件のうちコンソーシアムを率いたEngie社によるTAG社の買収金額がトップ、またNatura社によるAvon社買収、Hapvida社によるサンフランシスコグループの買収金額がとび抜けていた。

BTG銀行が主幹事となったM&A総額はトップであった一方で、M&A案件件数ではBR Partners社が牽引、M&A案件の買収総額1,086億レアルの57.3%は外資系企業によるブラジル系企業の買収を記録、2014年以降では最高比率を記録している。

ペトロブラス傘下のガスパイプライン子会社TAG社は、フランス資本エンジー社とカナダ資本の投資ファンドCDPQが組むコンソーシアムが341億5,800万レアルで買収、買収金額の84.6%は現金、10.3%は株式、5.1%は負債引受であった。(2019年10月25日付けヴァロール紙)

 

今年第3四半期のペトロブラスの純益は36.8%増加

2019年第3四半期のペトロブラス石油公社の純益は、岩塩層下(プレソルト)原油増産が牽引して、前四半期比36.8%増加の90億8,700万レアルを記録したとロベルト・カステロ・ブランコ総裁は説明している。

金融市場関係者は、今年第3四半期のペトロブラス石油公社の純益を75億レアルと見込んでいたにも関わらず、同社の負債削減並びにオペレーションのエフィシエンシー向上効果で予想を15億レアル上回った。

特に同社はグループ傘下のBR DISTRIBUIDORA社売却による139億レアルに臨時収入が第3四半期の純益を押上げた一方で、訴訟による24億レアルの赤字を計上している。

今年第3四半期のペトロブラスの1日当たりの平均原油生産は、前四半期比9.3%増加の287万バレルに達しており、原油生産の60.4%はプレソルト油田の生産が占めている。

昨年下半期からサントス海盆のブージオ油田並びにルーラ油田に原油・天然ガス開発用プラットフォーム4隻が稼働開始したことが、第3四半期の大幅な原油増産に繋がっている。

また年内にプラットフォームP-68 が原油生産を開始予定、岩塩層上(ポスソルト)原油並びに地上油田の原油生産を含めると、今年末の1日当たりの平均原油生産は目標の270万バレルに達すると予想されている。

第3四半期のペトロブラスの純負債は、900億ドルと今年第2四半期の1,010億ドルから100億ドル以上減少、今後も負債軽減のためのコア事業以外の自社資産売却を積極的に進める。(2019年10月25日付けエスタード紙)

講演会「Future of Finance」開催

2019年10月25日(金)17時からInovaBra Habitatにて金融部会(種村正樹部会長(ブラデスコ銀行))主催の「Future of Finance」講演会が開催された。

津田双羅副部会長(ブラデスコ銀行)が司会進行役を務め、最初にDaniel Malandrin取締役 (Bradesco Venture Capital)は銀行業界の未来について説明、顧客の習慣の変化、新たなテクノロジー、法律、スタートアップやビッグテックを含む新たな事業形態の参入などによるインパクトについて解説した。InovaBraは組織、企業、スタートアップ、投資家及びメンターの共同作業に基づくプログラムを通じて、ブラデスコ銀行内外でイノベーションを普及するため設立されたエコシステムであり、課題の解決、顧客のニーズへの対応や持続可能性の確保を目的としている。

続いてAB FintechのIngrid BarthティレクターとCENTRIA社の Fernando Gemiパートナーが 「ブラジルの金融市場のイノベーション」についてパネルディスカッション。ブラジルのフィンテックの活動、各国との違い、SUSEPとBNDESの関係やそれらのイノベーションへの取り組み、ブラジルにおいてのフィンテック事業のポテンシャルなどについて質疑応答形式で討論された。

最後に、Bradesco Asset Management(BRAM)による投資ファンドにおいてのイノベーションについて説明された。

会員企業関係者30名が参加、金融業界の今後のトレンドを伺えることができた有意義なセミナーとなった。

事務局便り JD-086/19  エドゥアルド・サボイア駐日ブラジル大使の講演会

JD-086/19

2019年10月24日

会員各位

当会議所の日本における応援団、日本ブラジル中央協会より以下2つの講演会のご案内を頂きましたのでご案内申上げます。

日本での開催ですが、興味深い講演内容となっております。日本サイドで広く展開頂き奮ってご参加下されば幸いです。

  1.   11月7日(木) エドゥアルド・サボイア駐日ブラジル大使の講演会のご案内

ブラジル経済は、なかなか厳しい状況にあり、GDP成長率についていえば、昨年の1.1%に対し、今年の予想は、0.8ないし0.9%となっています。しかし、他の国々の、より厳しい経済情勢と比べるとブラジル経済のポテンシャリティーに対する信用度は下がってはおらず、例えば、カントリーリスク指数(EMBI+)は225ポイントと昨年12月と比較すると18%も下がっています。

また、今年1月から7月までの、外資による対ブラジル直接投資額累計は450億ドルと、昨年同期の384億ドルに比べると17%増となっています。為替要因(ドル高レアル安)もあり海外投資ファンドによるブラジル企業のM&Aが増える可能性が高くなってきたともみられております。

こうしたブラジル経済の最新情勢とその投資機会について、経済にも精通して、本年1月に着任され、日本事情への理解も深めておられますサボイア駐日大使に語っていただく機会を設定しました。

講演会の開催要領は、下記の通りですので、奮ってご参加頂きたく、お願い致します

                        

日 時 : 2019年11月7日(木) 16:00~17:30 (受付開始 15:30)

講師: エドゥアルド・サボイア駐日ブラジル特命全権大使

演題: ブラジル経済見通しとその投資機会

         (講演はポルトガル語で行い、日本語の逐語通訳が付きます) 

会 場: Crosscoop (新橋/内幸町)

住 所:東京都港区新橋1-1-13 アーバンネット内幸町ビル3F

          https://crosscoop.com/office/shimbashi/access

           ※当協会事務所の向かい側に建てられた新築ビルであるアーバンネット内幸町ビルの3階です

     参加費: 個人会員1,000円,  法人会員 2,000円,   非会員 3,000円

        ※会費は当日会場にて申し受けます。領収書もご用意します。

     お申し込み: 以下、当協会ホームページの申し込みサイトからお願いします。

               https://nipo-brasil.org/archives/event/lec20191107

 

  1.   11月12日 星野 前リオデジャネイロ総領事(現JETRO理事)の講演会の件

ブラジル経済は、相変わらず、厳しい状況にありますが、同国経済にとって久しぶりのポジティブなニュースが石油産出量の安定的増加です。

今年8月の一日当たりの平均産油量が300万バーレルを超えました。1985年の段階では日産55万バーレルでしたので、ここ30年余りの間に産油量は6倍になったことになります。

これは偏にリオデジャネイロ沖のプレソルト深層油田の開発が進み、全産油量の55%を占めるようになったお陰です。

リオデジャネイロ経済(州GDP)が、ブラジル全州のなかでは第一位のサンパウロ州に次ぐ第二位(GDP全体の10%)に位置しているのもこの石油増産が大きく寄与していますが、リオの治安問題や政治に目を向けるとなんとも残念な実態を再認識せざるをえません。

2016年のオリンピック・パラリンピックのレガシーも十分活用できていないリオですが、それでもなお、“世界一のカーニバル”はじめ様々な魅力・観光資源に満ち溢れていることも事実であります。

このようなリオデジャネイロの現実からブラジルを観察するとどうみえてくるか、星野前リオ総領事に語っていただく機会を設定しました。

講演会の開催要領は、下記の通りですので、奮ってご参加頂きたく、ご案内致します。

 

日 時:   2019年11月12日(火) 15:00~16:30 (受付開始 14:30)

会 場:  田中田村町ビル5階 5C会議室

                   <住所>   港区新橋2-12-15(日比谷通り沿い、西新橋交差点と西新橋2丁目交差点の間。1Fメガネドラッグ)

参加費: 個人会員1,000円, 法人会員 2,000円, 非会員 3,000円

お申込み: 以下のURLからお申し込みください 。

            https://nipo-brasil.org/archives/event/lec20191112/

 

 

課税・通関WG会合開催

政策対話委員会(佐藤真吾委員長)、課税・通関WG(吉田幸司グループ長)会合が2019年10月24日午後5時45分から、15人が参加して開催された。

当日はWG会合の前に「ICMS税累積クレジットのリリース申請プロセスに関するセミナー」が開催され、まずは講師の佐藤マリオ氏とその感想などについて意見交換が行われた。

つづいて本会合のアジェンダに沿って議題を進行。吉田グループ長より2019年度セミナー実績を総括。12月4日:「ブラジル通関入門セミナー – 輸入取引」、2月7日:「個人所得税」、5月9日:「法人所得税の損金算入」、8月29日;「間接税の基礎」、10月9日:「移転価格の観点からのブラジルOECD加盟に向けて」、10月24日:「ICMS税累積クレジットのリリース申請プロセス」の内容でセミナーが実施された。

また、49項目に渡るアンケートを2019年6月、7月に渡って実施。74社からの回答を入手し、その結果をもとに政府への提言書などを作成。

政府関係者等との対話では去る8月26日FIESP にて食料・農業対話が開催されたが、特に食品部会の属する企業が面している税務上の課題について発表。また、同日に当該会合に参加されていたニシモリ議員へもアンケート結果等を手交した。

9月11日には経済省歳入庁次官との会合がブラジリア大使公邸にて日本企業が面している税務上の課題及びブラジル政府への税制提案内容が議論された。
10月17日にはブラジル経済省(MOE)と経済産業省(METI)共催で日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会が開催された。佐藤政策対話委員会委員長の発表の中の1つとして、歳入庁次官と会合を実施したことをへ伝え、税制改革提案のサマリーを発表。

また、2020年度活動計画として、セミナー継続の方針や参加費制の導入の可能性、頻度、トピック等についてディスカッションが行われたほか、政府関係者等へのアンケート結果、税制改革要望内容の今後の伝達について考案された。

そのほか、税制改革動向等についても情報交換が行われた。

出席者は、吉田幸司グループ長(KPMG)、笹澤誠一氏(EY)、安岡正哉氏(DELOITTE)、佐藤マリオ氏(Global Link)、永井孝明氏(ブラジル日清紡)松平史寿子氏(JETRO)、岩瀬恵一氏(JETRO)、松本智仁氏(丸紅ブラジル)、遠藤智之氏(ブラジル住友商事)、稲村敦志氏(ブラジル住友商事)、松川剛大氏(ブラジル住友商事)、森田透氏(日本通運ブラジル)、総領事館:上田基仙領事、事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐

満員御礼のICMS税累積クレジットのリリース申請プロセスセミナー開催

政策対話委員会(佐藤真吾委員長)課税・通関ワーキンググループ( 吉田幸司グループ長)主催の「ICMS税累積クレジットのリリース申請プロセスに関するセミナー」は、2019年10月24日午後4時から5時30分まで会場一杯の65人以上が参加して開催、進行役は吉田幸司グループ長が務めた。

初めに講師のGlobal Link Consultoria社の佐藤マリオ代表は、価値修正の付かないICMS税クレジット累積残高は、2013年3月末制定されたデジタルファイルは過去5年にさかのぼって作成・申請可能、ICMS税クレジット累積残高のリリース申請、申請プロセスは規制83号に沿ってデジタルファイル作成義務、作成前の不可欠な社内チェック手続き、州税務局による暗証番号の発行、クレジット金額の有効性チェックプログラムのダウンロードおよびインストール、e-CREDACシステムにアクセスするためのe-CNPJなどについて説明した。

クレジット申請の第一部として、累積ICMSクレジットリリースの申請会社の商取引・輸入・購入・販売オペレーション分析、有効性チェック。第二部として購入若しくは開発するソフトウエアチェック及びインストール。第三部は累積ICMSクレジットリリース申請のデジタルファイル作成準備及び情報チェック。会社の税務・コスト・在庫品管理、購入ソフトでデジタルファイル作成、作成したデジタルファイルをデーター検証システムに送信、e-CREDAC への送信、GDOC証明書受理。第四部は州税務局(DRT)の審査後に州税務本部へのデジタルファイル送付。第五部では本部のSEFAZ-DEAT部署で最終チェックがOKであればリリース申請会社に通知(Notificação)、e-CREDACシステム内の口座に振り込み官僚のプロセスを説明した。

またSPED FISCAL及び特別ICMS措置、FAST TRACKなどについても説明。質疑応答では、デジタルファイル審査の検査官の能力やレベル、クレジット審査する検査官の過不足、保険証券化、ソフトの選定、特別ICMS措置の申請、申請クレジットの問合せ、累積クレジットの使用方法などについて挙げられた。

PdfICMSクレジット累積残高のリリースの申請プロセス(Global Link Consultoria社の佐藤マリオ代表)

講演中のGlobal Link Consultoria社の佐藤マリオ代表

 

ボルソナロ大統領の北京詣は米国詣を上回る成果を期待

今日24日からボルソナロ大統領一行は北京詣を開始するが、ボルソナロ大統領は、今年3月に米国訪問時のトランプ大統領のリップサービスよりもブラジルにとって経済的に大きな成果を期待している。

昨年の大統領選挙キャンペーン中のボルソナロ候補は、「中国はブラジル国内の企業買収ではなく、中国はブラジルを買っている」と中国企業による基幹産業部門買収を警戒していた経緯があった。

しかしボルソナロ大統領は、大統領就任後に一転して中国企業に対して投資歓迎を謳っており、今年10 月の中国への公式訪問を前に、各州知事は既に先を争って中国企業の誘致合戦を展開している。

今年3月下旬に訪米中のジャイール・ボルソナロ大統領は、ワシントンのホワイトハウスで米国のドナルド・トランプ大統領と会談、トランプ大統領は、ブラジルの経済協力開発機構(OECD)への加盟の支持を表明した一方で、世界貿易機関(WTO)の協定違反に相当するブラジル製の自動車や電子機器を優遇するブラジルの優遇税制撤廃を要請していた。

「ブラジルのOECD加盟プロセスは至って正常であり、米国政府は正式にブラジルのOECD加盟に対する支持の表明したことはない」と説明している一方で、ボルソナロ大統領は、「ブラジル政府は米国政府の支持取り付けた」とトランプ大統領との親密な人間関係で、米国による正式なブラジルのOECD加盟支持を得たと取り違えた可能性があった。

今年7月末にドナルド・トランプ大統領は、米国はブラジルとの二国間貿易協定締結を目指して交渉を開始すると表明、6月末にメルコスールとヨーロッパ連合(EU)のFTA交渉が政治合意に達していた。ブラジルと米国との二国間貿易協定締結には障害の可能性に繋がるメルコスールを通したFTA協定締結は避けられないとトロイジョ経済省通商国際問題特別局長は説明していた。

しかし米国とブラジルとの二国間貿易協定開始は、トランプ大統領が再選に意欲を示している2020年の米国の大統領選挙前の可能性はないと見込まれており、また米国のブラジルのOECD加盟の支持表明も先送りされている。

米中貿易摩擦の影響で昨年のブラジルから中国への大豆輸出は20%増加、また今年7月に中国政府はブラジルの酪農製品輸出を許可、今回の北京詣もブラジルの牛肉輸出の拡大が期待されている。

今回のボルソナロ大統領の北京訪問は、過去数年間に亘って中国からの直接投資が停滞しているために、インフラ整備部門を含めた中国企業によるグリーンフィールド投資を含めた投資の再活性化に期待している。

2005年~2018年の中国企業によるブラジルへの投資は、米国並びにオーストラリア、英国、スイスに次いで5位、ドイツやカナダよりも多い投資がされていたとChina Global Investment Tracker社は指摘している。

中国資本のブラジル国内の電力エネルギー部門投資は、2017年まで驚異的な投資を進めていたが、2018年の中国企業によるブラジルへの投資は、不透明な大統領選挙並びにブラジル国内の経済停滞、中国資本による世界の直接投資は20%と大幅に減少の影響で縮小していた。

中国企業は、2005年から電力エネルギー部門を中心にブラジル国内の基幹産業部門に対して、ハイリスク・ハイリターンにも関わらず、積極的に企業買収などで総額570億ドルに達する投資を継続している。

しかし2005年以降の中国企業による投資をする際に法人を新しく設立して、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行うグリーンフィールド投資は、投資総額全体の僅か10%に相当する57億ドル前後に留まっている。

世界最大級の電力エネルギー会社の中国資本State Grid Corp of China社は、海外投資の50%相当をブラジル国内に投資、CPFL Energia社には520億レアルを投資している。

また中国の民間最大の電力エネルギー企業となっているChina Three Gorges(CTG)社は、世界投資の18%に相当する投資をブラジル国内の電力エネルギー部門に投資している。

2003年~2019年上半期までの米国のブラジルへの投資は、全体の33%に相当する816億ドルとトップを維持している一方で、中国企業のブラジルへの投資は32%に相当する797億ドルと米国企業と拮抗するほどの投資を行っている。(2019年10月24日付けエスタード紙)

ブラジルの鉄鋼メーカーの第3四半期決算は軒並み悪化

ブラジル国内の経済停滞並びに鉄鉱石価格の高止まりが牽引して、ブラジルの鉄鋼メーカーの2019年第3四半期決算は、軒並み悪化をXP Investimentos社では予想している。

ブラジル鉄鋼メーカー大手ゲルダウ社の今年第3四半期の売上は、前年同期比18.0%減少の104億4,000万レアルに留まると予想、税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示すEBITDAは33.1%減少の18億4,000万レアル、純益は39.6%減少の4億7,440万レアルを予想している。

また米国での売上比率が55%に達するゲルダウ社の第3四半期の売上減少を牽引している一因として、米国内の石油・天然ガス開発向け特殊鋼販売が低迷しているとXP Investimentos社は指摘している。

ゲルダウ社の第3四半期の売上は、昨年同期の128億3,000万レアルから103億8,000万レアルに減少するとMorgan Stanley社では予想、EBITDAは昨年同期の20億1,000万レアルから12億1,000万レアル、純益は7,850万レアルから1,350万レアルにそれぞれ減少すると予想している。

前記同様にBTGパクツアル銀行では、奏者の売上は102億3,000万レアル、EBITDAは13億8,000万レアル、純益は4,250万レアルと前年同期比でいずれも減少すると予想している。

売上に対する国内販売比率が高いブラジル鉄鋼メーカー大手ウジミナス社の第3四半期の売上は、昨年同期並みの38億7,000万レアル、EBITDAは41.2%減少の4,130万レアル、純益は僅か700万レアルをXP Investimentos社では予想している。

またMorgan Stanley社は、前記同様に奏者の売上は38億6,000万レアルから39億8,000万レアルに増加、EBITDAは7億300万レアルから5億5,400万レアルに減少、純益は2億6,400万レアルから1億2,100万レアルに減少するとMorgan Stanley社では予想している。

前記同様にBTGパクツアル銀行では、38億レアル、4億8,300万レアル、2,800万レアルをそれぞれ予想、Mirae Asset社アナリストのペドロ・ガルディ氏は、国内鉄鋼メーカーのアルゼンチン向けの壊滅的な輸出減少で、ブラジルの鉄鋼製品需要が大幅に減少していると指摘している。(2019年10月24日付けヴァロール紙)

10月の労働問題研究会開催

企業経営・地場企業推進委員会(ワグネル 鈴木委員長)の労働問題研究会は、2019年10月23日午後4時から6時まで40人が参加して開催、司会はフェルナンド・ミハラ副委員長が務め、初めにCescon Barrieu AdvogadosのROBERTO PARYパートナーは『経済的自由の暫定令 - 法令nº 13.874として法律化』、Souto Correa Advogados環境部門のRENATA VILARINHOシニア弁護士並びにGreen EletronのHENRIQUE MENDESマネージャーはリバースロジスティクス - 現状、対策、傾向ついて』それぞれポルトガル語で講演した。

PDF anexos: 
1. "Alterações legais e societárias trazidas pelas novas medidas de liberdade econômica" 
2. "Logística reversa: cenário atual, desafios e tendências" 
3. "Logística Reversa de EEE" 

Fernando Seiji Mihara (Stüssi-Neves Advogados), Renata Andrade Vilarinho (Souto Correa Advogados), Henrique Mendes (Abinee / Green Eletron) e Roberto Pary (Cescon Barrieu Advogados) 
(Fotos: Rubens Ito / CCIJB)