労働ワーキンググループ会合開催

2019年10月16日(水)16時45分から政策対話委員会(佐藤真吾委員長)労働ワーキンググループ(山崎一郎グループ長)会合が開催された。

まずは山崎グループ長より前回会合のおさらいと今後の活動予定確認が行われた。次のイベントとしては「ブラジル訴訟対策セミナー」来る12月4日(水曜日)16:00から開催されることが発表された。

続いてKPMGの寺出俊也シニアマネジャーとValter Shimidu労働法・社会保障担当パートナーによる「ブラジル社会保障改革」についてのプレゼンテーションが行われた。現行社会保障制度の概要では社会保障制度改革の必要性、ブラジル社会保障制度の歴史的変遷、現行社会保障制度の問題点、社会保障改革が成立するまでの流れ、また、給付の計算方法、拠出料、遺族年金、障害年金や移行ルール、その他、想定される企業へ与える影響などについて詳しく説明され、その後質疑応答セッションも行われた。

参加者は、山崎一郎氏(グループ長、ブラジル味の素)、景山和行氏(副グループ長、ブラジルトヨタ自動車)、深江堅允氏(ブラジルトヨタ自動車)、加藤周平氏(南米日本製鉄)、石川耕介氏(コマツブラジル)、三宅康司氏(ホンダサウスアメリカ)、森井健太氏(ホンダサウスアメリカ)、坂本宇廣氏(損保ジャパン日本興亜)、森雄太氏(丸紅ブラジル)、吉川信彦氏(住友商事)、大谷直之氏(東レ)、吉田幸司氏(KPMG)、寺出俊也氏(KPMG)、Valter Shimidu氏(KPMG)、Henry Murata氏(KPMG)、上田基仙氏(在サンパウロ総領事館)そして事務局からは、平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐が参加した。

 

Foto: Rubens Ito / CCIJB

田中経済産業審議官と会議所幹部が意見交換

2019年10月15日(火)夜、田中繁広審議官主催の意見交換会が市内のホテルで行われた。

意見交換会に参加した企業各社のビジネス状況以外にボロソナーロ新政権の優先課題(年金、税制改革)およびその進展状況、ブラジルのOECD加盟、中南米諸国との通商関係、ブラジル国内における各種インフラ(鉄道、道路、港湾、電力、オイル・ガス等々)事業、コンセッションや民営化における日本企業および他国籍企業の参入状況、ブラジルの優先産業分野におけるビジネスチャンス他、低金利・低インフレ下傾向における銀行・保険業界の現状と将来展望、社会開発銀行(BNDES)の分野別融資状況、インターネットやスマホの普及度やカード社会、スタートアップ企業の現状、製造業の衰退と中小・中堅企業強化策等々について、活発な情報交換となった。

参加者は、経済産業省から田中繁広審議官、中山保宏 通商政策局中南米室室長補佐(企画調整)、宮地 慧 通商政策局中南米室係長、他、岩瀬恵一ジェトロサンパウロ次長( 経済産業省大臣官房参事)、上田基仙 在サンパウロ日本国領事また会議所からは村田俊典・会頭(双日ブラジル)、佐藤真吾・副会頭(ブラジル三井物産) 、安田篤・副会頭(SOMPO SEGUROS)、大久保敦・副会頭(JETROサンパウロ事務所所長)、平田藤義・事務局長。

2022年までブラジル国内のIPO並びにM&Aは活性化

不透明な大統領選挙で2018年のブラジル国内の新規株式公開(IPO)並びに企業の合併・買収(M&A)は低調に推移した一方で、年金改革や税制改革の進展で今年から2022年にかけて活性化すると米国のBaker McKenzie弁護士事務所並びにコンサルタント会社Oxford Economics社は指摘している。

昨年のブラジル国内のIPO並びにM&A総額は350億ドルであったが、今年1月にFeffer一族が所有するブラジル製紙業界2位のSuzano Papel社は、業界トップのFibria社を278億レアルの株式交換で吸収合併に成功、時価総額で世界最大の短繊維パルプメーカーが誕生した。

またペトロブラスは、傘下のTransportadora Associada de Gas(TAG)の株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドルで売却が牽引して、今年のIPO並びにM&A総額は419億ドルに達すると予想されている。

2020年のブラジル国内のIPO並びにM&A総額は380億ドル、2021年は453億ドル、2022年は507億ドルが予想されているが、世界のM&A比率の僅か1.4% 、IPOsは僅か1.0%に留まっている。

2018年のラテンアメリカ地域のIPO並びにM&A案件は政治スキャンダルで低迷していたが、2021年にかけて年金改革や税制改革、過去最低の金利、コントロールされているインフレ指数、民営化促進、インフラ整備プロジェクト入札などで海外からの投資増加に伴ってIPO並びにM&A案件は増加すると予想している。

今年の世界のIPO並びにM&A案件は2兆9,000億ドルに達すると予想されているが、加熱する米中貿易摩擦などで世界経済のボラティリティ上昇で、2020年の世界のIPO並びにM&A案件は2億1,000億ドルに留まると予想されている。(2019年10月15日付けヴァロール紙)

地方政府並びにペトロブラスへの支払でプレソルト入札の国会承認要請

連邦政府は地方政府(州・市)への交付金並びにペトロブラス石油公社への負債返済のために、11月6日に予定されている2回目の岩塩層下(プレサル)石油・天然ガス入札並びに商業的な原油埋蔵量が確認されていない11月7日の第6回プレサル石油・天然ガス入札の国会での早急な承認を経済省のWaldery Rodrigues特別局長は要請している。

ダヴィ・アルコルンブレ上院議長並びに与党リーダーのフェルナンド・ベゼーラ議員は、プレサル石油・天然ガス入札の国会承認を入札前に行うために、与野党間で調整している。

11月6日の石油・天然ガス入札では、総額1,065億レアルの臨時歳入のうちペトロブラス石油公社に差額の336億レアルを返済する予定であったが、ペトロブラスへの負債は政策誘導金利(Selic)で調整されるために、今では345億レアルに達している。

連邦政府は2010年にペトロブラス石油公社に50億バレルの原油開発を許可の代わりに、ペトロブラスは連邦政府に748億レアルを支払っていた経緯があった。11月に入札にかけられるプレソルト鉱区の石油・天然ガスの埋蔵量は60億バレル~150億バレルが見込まれている。

連邦政府は11月6日の石油・天然ガス入札にかけられる埋蔵量が非常に大きいBuzios鉱区並びにItapu鉱区、Sepia鉱区、Atapu鉱区は、熾烈な落札合戦が展開されると予想されている。

昨日経済相は、2019年の予算のうち11月22日までに73億レアルの歳出承認を発表したが、今年11月上旬までに予定されている3回の石油・天然ガス開発向け入札のトップを切って、今月10日に第16回岩塩層上(ポスサル)石油・天然ガス開発入札が実施され、連邦政府の臨時歳入総額は、最低入札設定価格を322%上回る89億1,500万レアルを記録していた。

11月6日の石油・天然ガス入札では、総額1,065億レアルの臨時歳入のうち524億7,000万レアルは予算に編入されるが、一部はペトロブラスによる投資金の返済に充てられる。(2019年10月15日付けエスタード紙)

今年8月のIBC-Br指数は前月比0.07%増加も第3四半期はプラスか

四半期ごとの正式な国内総生産(GDP)は、ブラジル地理統計院(IBGE)から発表されるが、中銀はIGBEのGDP伸び率の発表前に、先行指標として経済活動指数(IBC-Br)を発表、2019年8月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比0.07%の微増に留まった。

今年7月のIBC-Br指数は前月比マイナス0.07%から一転して微増に転じたが、前年同月比ではマイナス0.73%、今年初め8か月間では0.66%増加、8月の過去12カ月間では0.87%増加を記録している。

今年8月の鉱工業部門生産は前月比0.8%増加した一方で、小売部門並びにサービス部門はそれぞれマイナス0.2%を記録していた。今年8月のIBC-Br指数はピーク時の2013年12月よりも7.0%減少、経済リセッション真っただ中の2016年12月よりも4.5%増加に留まっているとゴールドマン・サックス銀行は指摘している。

今年9月の自動車生産は前月比5.7%増加、前記同様に自動車販売は3.1%増加、トラック交通量も1.4%増加、段ボール箱生産は0.2%増加しているとLCA Consultores社エコノミストのヴィトル・ヴィタル氏は説明している。

FGTS預金は9月13日から500レアルまでの預金引出が開始される一方で、社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)の引出は8月から開始、今年8月から12月末までの引出総額は300億レアルが見込まれているが、第3四半期の経済活性化にはほとんどつながらないために、LCA社では今年第3四半期のIBC-Br指数は0.4%増加に留まると予想している。

しかしLCA社では、FGTS預金や社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)の引出効果は、今年第4四半期から来年末にかけてGDP伸び率を0.55%押し上げる効果を予想している。

今年9月の電力エネルギー消費は前月比1.5%増加、トラックの通行料も1.4%増加、クレジット相談件数も1.1%増加、製造業部門企業主の信頼感指数は同率、設備投資指数はマイナス0.4%、ブラジル・クレジット保護サービス(SPC Brasil)への相談件数はマイナス1.6%、オートバイ生産はマイナス5.3%であった。

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)では、今年のクリスマス商戦向け臨時雇用は、9万1,000人と過去6年間で最高を予想、昨年の8万7,500人を4.0%上回ると予想している。

イタウー銀行では今年のGDP伸び率を前回予想の0.8%から1.0%増加に上方修正、また2020年のGDP伸び率も1.7%から2.2%増加に上方修正している。(2019年10月15日付けヴァロール紙)

KEYENCE BRASIL社の山本良一社長が訪問

ファクトリー・オートメーション総合メーカーKEYENCE BRASIL社の山本良一社長は、2019年10月14日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と商工会議所活動やブラジル市場について意見交換した。

株式会社キーエンス(英:KEYENCE CORPORATION)は、大阪府大阪市に本社を置く、自動制御機器(PLCと周辺機器)、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業。海外売り上げ比率は50%を超える。現在、世界44カ国・200拠点で事業を展開。

Roy Yamamoto e Fujiyoshi Hirata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

 

経産省 田中審議官と機械金属部会企業が意見交換

2019年10月14日(月)経済産業省の田中繁広審議官と当所の機械金属部会企業がブラジル、メルコスールの産業、経済について意見交換を行った。ブラジル及びメルコスールでの機械金属業界の課題、ポテンシャル等について活発な情報、意見交換となった。

参加者は、経済産業省から田中繁広 審議官、中山保宏 通商政策局中南米室室長補佐(企画調整)、宮地 慧 通商政策局中南米室係長、他、岩瀬恵一 ジェトロサンパウロ次長、上田基仙 在サンパウロ日本国領事。会議所からは、山田佳宏 伯国三菱重工社長(機械金属部会長)、酒向克輔 IHIブラジル社長、岡田俊郎 コマツ・ブラジル・インターナショナルブラジル総代表、北原健二 ヤンマーサウスアメリカ社長、三好康敦 日立南米社社長、また事務局から平田藤義 事務局長、日下野成次 総務補佐、近藤千里アシスタントが参加した。

Kei Miyaji, Yasuhiro Nakayama e Shigehiro Tanaka

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

回章 CIR-117/19   第54回Camaraゴルフ会開催について

                             CIR-117/19
                             2019年10月14日
会議所会員および会員企業社員の皆様へ
                             ブラジル日本商工会議所
                             相互啓発委員長 篠崎 幸男

           第54回Camaraゴルフ会開催について
 
第54回Camaraゴルフ会を下記の通り開催いたします。初参加、女性の方も大歓迎ですので奮ってご参加下さい。
 
                     <記>

1.開催日時 : 2019年11月16日(土) 7時15分スタート(第1組目)
 
2.場所 : PLゴルフクラブ LILY-PANSY(白ティー)
 
3.参加費 : R$170
*会費には表彰式での飲食代・賞品代が含まれます。プレー費・キャディー費は各自負担となります。
 
4.参加対象者 : 会議所会員、会員企業社員およびその家族
 
5.参加申込要領 : お名前、連絡先(個人のメールアドレス)、ハンディキャップ、役職を記載してお申し込みください。
E-MAIL:secretaria@camaradojapao.org.br チサト宛て
 
<1>下記内容を必ずご記入の上、会議所メールへ送付願います。
お名前              
組み合わせ表送り先(E-MAILアドレス)          
ハンディキャップ(HC)
役職                
※LILY-PANSY(白ティー)のHCでお申し込みをお願いします。
※オフィシャルHCがない場合は、自己申告でお申し込みをお願いします。
 
<2>参加費を銀行振込でのお支払いの場合、E-MAIL: secretaria@camaradojapao.org.br 又はファックス:(11)3284-0932 にて振り込み証明書をお送り願います。
 
(口座番号)
Banco Bradesco
Agência: 0895
C.c: 7966-9
CNPJ : 61.009.031/0001-06
Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil

6.申込締切日:11月6日(水)。但し定員(56名程度)になり次第締め切らせていただきます。尚、11月6日(水)より後に申込みを取消される場合、参加費は返金できませんので予めご了承願います。

注意:参加費の返金について
1. 11月6日までのキャンセル―ご参加のキャンセルの際、お支払されている方には参加費の返金が行われます。
2. 11月6日より後のキャンセル―参加費支払済みの場合は、参加費の返金は行われません。もしキャンセルの際に、参加費のお支払が未納の場合には、参加費をお支払いただきますのでよろしくお願い申し上げます。

                                         以上

 

高等教育卒業者の11%は最低サラリーに留まっている

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)の統計を基にしたIDados社の調査によると、今年第2四半期の大学卒業若しくは大学中退の11%の月収は最低サラリーの998レアル相当となっている。

今年第2四半期の大学卒業若しくは大学中退の11%に相当する277万人は、最低サラリーの月収を余儀なくされているが、経済リセッションの影響で過去5年間で107万人増加している。

経済リセッション前の2014年の今年第2四半期の大学卒業若しくは大学中退の8.9%が最低サラリー受給者であったが、2015年は8.4%に減少、経済リセッション突入の2016年は9.6%、2017年は10.6%と二桁台に上昇、削減は10.3%と若干減少したが、今年第2四半期は10.9%に上昇している。

基礎教育卒業の46.4%は最低サラリー受給者、中等教育卒業若しくは中退の29.6%も最低サラリー受給者であり、今年8月の失業率は12.6%と依然として高水準を記録している。

今年8月の過去1年間の労働手帳に記載されない非正規雇用は140万人に達している一方で、正規雇用は僅か40万3,000人に留まっており、経済リセッションから脱出したにも関わらず、依然として二桁台の失業率が継続して、実質賃金が低下傾向を示している。(2019年10月13日付けエスタード紙)

経済のデジタル化で課税問題発生

ブラジルでもデジタル改革に伴って課税関係が曖昧で問題が発生しており、サービスアプリケーションや3Dプリンターサービス、ロボット、仮想通貨、マーケットプレイスで課税問題が発生している。

リアルタイムでメッセージの交換ができるスマートフォン向けのインスタントメッセンジャーアプリケーションのWhatsAppは、電話に取り替わるツールとなってきており、今年上半期のデーターによる使用料金は77%と電話料金の23%を大幅に上回っている。

2000年の通信関連業界による商品サービス流通税(ICMS)は10.4%を占めていたが、2017年には7.8%まで減少してきており、将来的にどのような課税方法が採用されるのか不透明となっている。

またブラジル国内経済の低迷で失業率が高止まりして源泉徴収個人所得税の大幅上昇は見込めない一方で、一般のドライバーが空き時間と自家用車を使って行うタクシーのようなサービスのUberや2015年にコロンビアで創業された宅配アプリRappi関連で働く人が増加している一方で、個人所得税や社会保障院(INSS)の積立金の増加には繋がっていない。

ソフトウエアやアプリケーションなどのサービス輸入に関する社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)、サービス税(ISS)、個人所得税(IROF)の課税が曖昧となっている。

10月9日経済協力開発機構(OECD)事務局は、高収益を上げている多国籍大企業(デジタル企業を含む)の消費者向け活動の拠点がどこにあるか、どこで収益を上げているかにかかわらず、確実に納税するために、国際交渉を進める提案を発表した。

この提案は、一部の利益とそれに対する課税権を多国籍企業の市場がある国・地域に割り当てることを提案しており、多国籍企業が物理的に所在していない地域で重要な事業を行っている場合、(1) どこで納税すべきか(「ネクサス」ルール)、(2) 利益のどのくらいの割合に課税されるべきか(「利益配分」ルール)を明確にした新たなルールを創設することで、企業はその国で課税されるべきだと説明している。(2019年10月14日付けエスタード紙)