事務局便り JD-078/19  事務局業務について

                          JD-078/19
                          2019年9月25日
会員各位
                          ブラジル日本商工会議所 事務局

               事務局業務について

会員の皆様には、常日頃多大なるご支援・ご協力を賜り、心より御礼申上げます。

昨日9月24日(火)は会議所のサーバーシステムに支障がありました関係で、メール交信や会議所サイトの更新が終日叶いませんでした。

会員企業の皆様にはご不便をお掛けし大変申し訳ありませんでした。

本日25日(水)は通常業務に戻っておりますので取り急ぎお知らせ申し上げます。

                                       以上

 

 

連邦公社民営化で今年8月の歳入は大幅増加

2019年8月の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、連邦公社の民営化による臨時歳入が牽引して前年同月比5.67%増加の1,199億5,100万レアルに達し、8月としては2014年以降では最高の歳入総額を記録している。

また今年初め8か月間の国庫庁のインフレ指数を差引かない名目歳入総額は1兆150億レアルを記録、ペトロブラス石油公社では、今年7月に同グループ傘下のBR DISTRIBUIDORA社の株価放出で80億レアルに達する資金調達していた。

BR DISTRIBUIDORA社の株価放出の影響が牽引して、今年8月の国庫庁の法人所得税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)は、前年同月比35.26%増加の52億レアルを記録、7月は32億レアルを記録していた。

今年8月の一般会計歳入総額は、前年同月比1.54%増加とGDP比2倍増加した一方で、ロイヤリティや特定財源などの臨時歳入総額は、8.98%減少の24億1,800万レアルに留まっている。

今年8月の鉱工業部門のGDP伸び率はマイナス1.69%であったにも関わらず、資本財部門は7.6%増加、サービス部門は1.8%増加、実質賃金は2.16%増加している。

今年8月の金融取引税(IOF)による歳入は、個人向け並びに法人向けクレジット増加が牽引して前年同月比15.07%と二桁台の増加率を記録している。またサンパウロ証券取引所での株価売買によるキャピタルゲイン増加で、個人所得税(IRPF)は18.15%と大幅に増加している。

8月の製造業部門ではドル高の為替の影響で輸入総額は前年同月比10.99%減少したが、工業製品税(IPI)は5.59%増加、輸入税(II)は8.81%と大幅に減少している。

国庫庁税収研究センターのClaudemir Malaquiasチーフは、8月の労働市場は依然と停滞しているが、労働手帳に記載されない非正規雇用は増加しており、8月の個人所得税(IRPF)は6.75%増加している。

今年8月の国庫庁の前金免除総額は前年同月比1億1,900万レアル増加の78億5,100万レアル、企業の従業員に対する社会保障費負担の軽減による国庫庁の名目歳入減少総額は、前年同月比2億2,700万レアル減少の6億9,800万レアルを記録している。(2019年9月25日付けヴァロール紙)

上院政府リーダーの家宅捜査で年金改革法案の採決先送り

連邦警察が上院議会政府リーダーであるフェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ上院議員(民主運動党 MDB)を対象とした家宅捜査を19日に実施したことに対して与党議員は不快感を示しており、年金改革法案採決を先送りして、ボルソナロ大統領が行った職権乱用防止法案の一部拒否の無効化の審議するための総会開催を優先する。

職権乱用防止法案の無効化並びに予算基本法の採決での上院議会調整のために、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパ州選出)は年金改革法案採決の先送りを余儀なくされている。

上院議会での第1回年金改革法案の採決は9月24日に予定されていたが、25日に先送りされ、また昨日、年金改革法案の最終採決は10月15日までに先送りが濃厚で、上院議会内での与野党間の調整が混乱している。

第1回年金改革法案の採決前に再度上院憲法・法務委員会(CCJ)の報告官のタッソ・ジェレイサッチ上院議員(民主社会党-PSDB セアラー州選出)の年金改革意見書テキストに見直しの影響で、今後10年間の歳出削減効果は8,767億レアルに留まる縮小案をダヴィ・アルコルンブレ上院議長は受け入れている。

ダヴィ・アルコルンブレ上院議長は、上院議会での第2回目の年金改革法案の採決を遅くとも10月15日までの終了を見込んでいるが、第1回年金改革法案の採決は10月1日で調整している。

上院議会での第1回年金改革法案の再度の採決先送りの影響で、昨日のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は、0.7%減少の10万3875ポイントまで減少していた。

犯罪捜査の行き過ぎを防ぐため、警察、検事、裁判官の権利を制限し、禁固刑まで含む罰則を定めた職権乱用防止法を下院議会で8月に承認されていたが、ボルソナロ大統領は45条文の19条文に拒否権を行使していた経緯があった。(2019年9月25日付けエスタード紙)

 

海外投資家は弱いGDP伸び率を警戒

ジャイル・ボルソナロ大統領は昨日24日に国連総会で演説し、熱帯雨林の大部分を占めるブラジル国内で発生している自然火災は、国内問題だと強調して反論している。

米航空宇宙局(NASA)はアマゾン川流域の世界最大の森林で今年に入ってから森林火災の件数が急増していると指摘、環境保護団体などは、農業や林業のために木々が焼き払われ、森林破壊が進行していると主張。ボルソナロ氏に対して、昨年10月の大統領選で勝利して以来、森林開発を奨励していると非難して平行線を辿っている。

継続する米中貿易摩擦による世界経済への影響、ドイツ並びに中国の経済停滞などの影響で、新興国の為替下落に伴って、海外投資家の新興国の株式市場からの逃避が顕著になってきている。

今年9月18日までのサンパウロ証券取引所からの資金逃避総額は224億レアルに達しており、2008年9月のリーマンブラザーズ破綻に端を発した世界金融危機の2008年の資金逃避総額248億レアルに迫っている。

海外投資家は年内の年金改革承認を予想しているにも拘らず、中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のブラジルのGDP伸び率は昨年の1.1%増加を下回る0.9%増加に留まると予想されている。

またブラジルのカントリーリスクEmergingMarketsBond Index Plus(EMBI+)は、225ポイントと昨年12月よりも18.0%相当下げているにも拘らず、海外投資家はブラジルへの投資に対して慎重になってきている。

今年初め7か月間の海外投資家による対内直接投資は450億ドルと昨年同期の384億ドルを上回っている。またレアルに対するドル高の為替で、海外と投資ファンドによるブラジル企業のM&A増加の可能性が大きくなっている。(2019年9月25日付けエスタード紙)

パラナ日伯商工会議所の原新会頭一行が訪問

パラナ日伯商工会議所の原新会頭(日伯文化科学研究所副会頭)並びに高村富士夫理事、Oscar Asakura氏、Mauricio Somekh氏が2019年9月24日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とそれぞれの商工会議所活動について紹介、活動内容について意見交換を行った。

左からパラナ日伯商工会議所の原新会頭(日伯文化科学研究所副会頭)/平田藤義事務局長/高村富士夫理事

 

家族向け並びに企業向け「安全対策セミナー」を午前と午後に開催

総務委員会安全対策チーム主催の家族向け「安全対策セミナー」は、2019年9月24日午前10時30分から正午過ぎまで30人が参加して開催、司会は安全対策チームの吉田茂則リーダーが担当、讃井慎一総務委員長は、毎年安全対策チームは企業向けの安全情報を発信しているが、今回は午前の第一部として家族向けセミナー、また午後は第二部として企業関係者向けセミナーには60人が参加して開催した。

在サンパウロ日本国総領事館の菊田 祥広領事は、「サンパウロの最近の治安情勢と対策」と題して、今回の家族向けセミナーは、駐在員夫人の目線の違いもあると思うが、ピンポイントでサンパウロの治安状況や被害防止について説明すると前置き、昨年邦人被害は30件に達しており、サンパウロ滞在中は一回は被害に遭う確率は高いと釘を刺し、被害のリスクを最小限に抑える方法は未然防止だけでは不足で、被害に遭った時の対処の重要性を指摘した。

2014年から殺人事件発生件数は減少傾向にあり、サンパウロ州全体の殺人件数は5000件から3000件に減少、サンパウロ州強盗事件は40万件から32万件に減少したにも拘らず、日本の500倍以上、また強盗事件はサンパウロ市などの大都市での発生件数が高く、大半がピストル強盗で、過敏になっている強盗犯人を刺激しない慎重な対応の必要性を強調した。

また昨年の邦人被害は30件、そのうち強盗事件は12件、窃盗事件18件、今年は既に殺人事件が1件発生、強盗事件6件、窃盗事件3件、スリ事件2件、特に駐在員居住区であるジャルジンス区やパライゾ区で多発している。

防犯に対する心構えや対策として、きょろきょろ動作による警戒心維持、ラフな服装と最小限の所持品の分散所持、ダミー財布の所持、通勤や通学路変更による日常行動の非パターン化、犯罪被害に遭遇した時の対処として、犯人の指示に従い、犯人の顔を見ない。抵抗などと誤解される素早い動きの禁止が特に重要と指摘。被害届の重要性として、警察は被害届を基に状況把握や分析、犯罪地域や拠点、犯罪発生地域の地図作成や防犯対策や捜査支援に役立つために、インターネットによる被害届や大使館・総領事館への連絡の重要性を強調した。

質疑応答では、ブラジルでは顔認識は犯人の重要な有罪判決に繋がるにも拘らず、犯人を刺激しないために班員の顔を見ない重要性。母の日やクリスマスを控えた数万人単位の囚人の一時帰宅による犯罪増加傾向、子供連れ時の対応、防弾車の利点並びにリスク、UBERやタクシー利用の注意点など菊田 祥広領事の貴重なアドバイスで、防犯に対する心構えの再認識に繋がる素晴らしい講演会であった。

在サンパウロ日本国総領事館の菊田 祥広領事

左から讃井慎一総務委員長/安全対策チームの吉田茂則リーダー

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

野口総領事講演会に出席

 9月24日(火)19時、ジャパンハウスで財界や日系人の要人を招いて野口 泰 在サンパウロ総領事が日伯関係及び東アジア情勢をテーマに講演を行った。

 米中貿易摩擦、英国のブレクジット(EU離脱)、中東情勢の先行きが見渡せない中で世界は今、東アジア情勢の動きに注目、時宜にかなった講演会に約170人が殺到した。会議所からは平田事務局長が参加した。

日伯関係の主なテーマ: 日伯首脳会議、アマゾン森林火災、ベネズエラ難民の周辺国への流入、第9回日伯賢人会議(4月)、ブラジルの巨大な貿易相手国である中国、2016年テメル政権下発足の日伯インフラ会合、第22回日伯経済合同委員会(7月末)、他国に劣後しない日メルコスールEPA早期交渉(日本にとって最後のメガEPA)、第4回日伯農業・食料対話(8月末)、ブラジルの日本進出企業推移およびメキシコとの比較、日本からの直接投資の推移、日伯両国間の貿易高(輸出入)の推移、JBICによる日本企業の投資したい国別ランキング、日系社会110周年と皇室来伯、日系4世ビザ(新システム)、現在と将来の日系社会110+10、在日ブラジル人に対する支援、帰伯子弟支援、30年に及ぶ出稼ぎの歴史、20以上の当地県人会がジャパンハウスを活用して各県のプロモーションを実施、都道府県人会連合会主催の日本祭りの経験をブラジル各地の日本祭り運営者との間で共有するイベントもジャパンハウスで実施、ジャパンハウス入館者数(17年5月開館後170万人)、ジャパンハウスでウォッシュレット・宮崎県産和牛紹介・北海道の雪だるま展示会、東アジア情勢における日本にとっての中国の重要性、北朝鮮問題、日米同盟を基軸にした地域の安定と発展、平和に日本が積極的に貢献していることなどを説明。

質疑応答も活発に行い講演会は21時に終了した。

公益財団法人 和歌山県国際交流協会の樫畑直尚理事長一行が訪問

公益財団法人 和歌山県国際交流協会の樫畑直尚理事長並びに同常任理事の出口博之事務局長、和歌山県企画部の北山徹国際担当参事、同国際課の岡本み佳主査、ブラジル和歌山県人会の谷口ジョゼ眞一郎会長が2019年9月23日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と2017年11月から施行されている労働改正法、年金・恩給改革、税制改正法の動向など多岐に亘って意見交換された。

左から和歌山県企画部国際課の岡本み佳主査/公益財団法人 和歌山県国際交流協会常任理事の出口博之事務局長/同樫畑直尚理事長/和歌山県企画部の北山徹国際担当参事/ブラジル和歌山県人会の谷口ジョゼ眞一郎会長/平田藤義事務局長

税制改革導入で年間の新規雇用は30万人

リオ工業連盟(Firjan)の調査によると、民主党(DEM)所属のロドリゴ・マイア下院議長が支持するエコノミストのBernard Appy氏が準備している税制改革案PEC45/2019年による税制改革案による経済効果は1227億レアルが予想されている。

またLuis Carlos Hauly元下院議員の税制改革案PEC110/2019年による税制改革案による経済効果は1221億レアルが見込まれており、工業製品税(IPI)並びに社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)、社会保障賦課金(Cofins)、純利益に対する社会納付金(CSLL)、金融操作税(IOF)、商品サービス流通税(ICMS)、サービス税(ISS)、一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)、Salario-Educação税を廃止して、州税の商品サービス税(IBS)並びに連邦税のサービス財税の創設を主張している。

税制改革案PEC45/2019年は、連邦税の工業製品税(IPI)並びに社会統合計画賦課金(PIS)、社会保障賦課金(Cofins)、州税の商品サービス流通税(ICMS)、市税のサービス税(ISS)を包含する商品サービス税(IBS)の税率は30%以上に達する可能性があり、世界でも最も高率の付加価値税(IVA)になる可能性がある。

税制改革案PEC45/2019年並びにPEC110/2019年では地方政府(州・市)の除いた連邦政府だけの消費効果は、390億レアルに達すると予想されている。またLuis Carlos Hauly元下院議員の税制改革案PEC110/2019年による経済効果はGDP伸び率5.0%~6.0%に相当すると予想されている。

2017年の製造業部門の税率は44.6%、公共関連サービス業部門は42.3%、商業部門は37.9%、平均税率は28.5%、サービス業部門は23.2%、農畜産部門並びに鉱業部門は6.1%であった。

税制改革案PEC45/2019年並びにPEC110/2019年の税制改革による地域別の経済効果として、北部地域ではPEC45/2019年採用で消費拡大は3.42%、PEC110/2019年では3.25%、前記同様に北東部地域では1.59%、1.36%、中西部地域では1.97%、2.09%となっている。

前記同様に南東部地域では1.3%、1.3%、南部地域では3.56%、3.71%、ブラジル全体では1.87%、1.86%がそれぞれ予想されている。(2019年9月22日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社は盗油対策でメキシコPemex社と協定か

ペトロブラス石油公社は、過去5年間に亘ってラヴァ・ジャット汚職事件の捜査で連邦警察に協力をしているが、増加傾向にある石油パイプラインからの盗油対策を強化している。

2014年のブラジル国内での盗油件数は1件であったが、2016年の盗油件数は72件発生、2018年の盗油発生件数は、犯罪組織による盗油件数の上昇に伴って261件と急上昇、そのうちサンパウロ州は151件、リオ州は69件発生している。

ペトロブラス石油公社の小規模の暴力組織や麻薬組織カルテル、貧困層住民による石油派生品などの盗油による損害額は、年間1億5,000万レアルに達し増加傾向を示しており、早急な盗油対策に迫られている。

盗油件数の40%はペトロブラス傘下の輸送ロジスティック会社Transpetro社の原油パイプラインからの盗油であり、盗油後は修理のために度々パイプラインの操業中止を余儀なくされる。

またパイプラインから漏れ出ていた石油を採集する住民は火災発生による危険にさらされる。同社では盗油対策として50人に従業員を充てており、年間の盗油対策費用は1億レアルに達している。

メキシコ石油公社(PEMEX)のパイプラインに穴をあけての盗油による年間平均の被害総額は30億ドルに達している。ペトロブラスでは盗油対策に経験の深いPEMEX社並びにコロンビアのEcopetrol社と盗油対策で協定を締結する。

ペトロブラスの盗油対策強化に伴って、今年7月までの盗油による損害は前年同期比33.0%減少している。またペトロブラスは、傘下のTransportadora Associada de Gas(TAG)の株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却したが、TAG社でも盗油対策を強化している。(2019年9月21日付けエスタード紙)