回章 CIR-104/19   「移転価格の観点からのブラジルOECD加盟に向けて」セミナーのご案内

                         CIR-104/19
                         2019 年9月13日
ブラジル日本商工会議所 会員各位
                         ブラジル日本商工会議所 政策対話委員会
                         課税・通関ワーキンググループ長 吉田幸司

      「移転価格の観点からのブラジルOECD加盟に向けて」セミナーのご案内

平素より、当ワーキンググループの活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

ブラジルは現在、OECD加盟への意思表明を行っており、2018年2月にブラジル移転価格税制をOECDガイドラインに整合させていく可能性を探るべく、共同のプロジェクトを開始しました。15ヶ月間に及んだこのプロジェクトの結果が2019年7月11日に実施されたブラジルとOECDとの共同イベントにて公表されました。(http://www.oecd.org/tax/transfer-pricing/joint-statement-oecd-brazil-transfer-pricing-project-july-2019.pdf

このプロジェクトの結果、ブラジルの移転価格制度がOECDガイドラインへ整合するための課題等が公表され、また、今後の対応として2つ選択肢が示されております。
そこで、当ワーキンググループではこの度、移転価格税制の専門家をお招きし、この公表されたプロジェクトの結果についての説明会を開催することといたしましたのでご案内いたします。

セミナーは、基本的に英語で実施させて頂きますが、OECD加盟に向けての移転価格税制の現在の検討状況に関する情報が得られる大変貴重な機会になるかと存じますので、日本人駐在員の方を中心に奮ってご参加いただければと思います。(必要に応じて日本語補足致します。)

皆様ご多忙の折かと存じますが、ご関心のある方は下記リンクよりお申込頂き、多くの方にご参加承りますようご案内申し上げます。
                                         敬具
                     記

日時:2019年10月9日(水)午後4時~5時30分
場所:ブラジル日本商工会議所大会議室(Av.Paulista 475, 13º andar, São Paulo)
内 容:  「移転価格の観点からのブラジルOECD加盟に向けて」
講師:Edson Costa (KPMG Brazil 移転価格グループ ダイレクター)
費 用: 無料
定 員:  60人(先着順ですが、1社にて2名以上の参加をご希望の場合、事務局までご一報ください)
言 語:  原則英語(必要に応じて日本語にて補足)

申込み: http://camaradojapao.org.br/evento/ja/eventos/kazeiwg-transferprice-oecd20191009

[問い合わせ] 政策対話委員会担当事務局 Tel.: (11) 3178-6233
                                      以上

 

 

武蔵精密工業(Musashi do Brasil Ltda.)のElton Baggio Vieira General Directorが訪問

武蔵精密工業(Musashi do Brasil Ltda.)のElton Baggio Vieira General Directorが2019年9月13日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長に入会申込書を手渡した。

操業1938年の武蔵精密工業株式会社は自動車の環境負荷低減に貢献する製品開発に取り組んでおり、自動車・汎用機器部品の製造及び販売。資本金は53億円、売上高は2600億円、従業員数は1万6839名、本社は愛知県豊橋市、国内6工場、子会社は国内2社、海外35社(13か国)、南米拠点は1997年設立のMusashi do Brasil Ltda. (MSB)(ブラジル ペルナンブコ州)並びに2002年設立のMusashi da Amazonia Ltda. (MDA)(ブラジル アマゾナス州)を擁している。

またMSBでは従業員向けに、交通安全に関する教育キャンペーンを実施。期間中、交通事故により障害を負った方の講話や、呼気テストの体験、酔った人の視界の疑似体験プログラムの実施を通じ、従業員への交通安全意識啓発を積極的に行っている。

Elton Baggio Vieira e Fujiyoshi Hirata

Hirata recebe de Elton Baggio Vieira a ficha de inscrição associativa da empresa Musashi do Brasil Ltda.

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

歳出上限法活用で来年の2,026億レアルに達する義務的歳出緩和か

2020年度の連邦予算基本法では、歳出上限法の活用で国庫庁の歳入増加並びに公共負債削減で2,026億レアルに達する義務的歳出の緩和政策導入が検討されている。

ペドロ・パウロ下院議員(DEM:民主党=リオ州選出)は、今週火曜日にパウロ・ゲーデス経済相に2,026億レアルの歳出削減に繋がる予算案を提示したが、来年の予算編成に向けて義務的歳出削減を目指しているパウロ・ゲーデス経済相は歓迎している。

2020年の予算の内1,096億レアルは、「政府や各省庁の予算は基本的に前年度の予算にインフレ率をかけた以上の拡大はできない」テーメル政権時代に憲法改正の形で成立した歳出上限法の予算となっている。

しかしペドロ・パウロ下院議員の予算案では、連邦公務員の勤務時間短縮やサラリー削減、2最低サラリーまでのサラリーマンが年1回ボーナスとして受け取っているサラリーボーナスの支給停止などの検討が含まれている。

60億レアルに達する現役連邦公務員並びに年金受給の公務員向け支払い徴収による歳入、189億レアルに達する労働者支援基金(FAT)から社会経済開発銀行(BNDES)への送金禁止、連邦ファンドの681億5,000万レアルの公共負債の切り離しの可能性などが検討されている。

国庫庁では、連邦政府の財政プライマリー支出の67.7%はインフレ指数連動型支出であり、特に最低サラリーに連動している社会保障院(INSS)の年金・恩給支出による赤字は雪だるま式に増えていると指摘されている。

また最低サラリー以上の年金・恩給支払い調整はインフレ指数連動、サラリーボーナス並びに失業保険、勤労不可能な高齢者および障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)などのインフレ指数連動で調整されている。

インフレ指数連動型支出比率は、連邦政府の財政プライマリー支出の67.7%に達するが、特に年金・恩給支出比率は44.7%で圧倒的な比率を占めて連邦政府の赤字拡大を牽引している。

年金・恩給支出比率44.7%に次いで、BPCは4.2%、サラリーボーナス並びに失業保険は4.0%、衛生・保健関連分野は8.3%、教育関連分野は3.7%と占めている。

2019年のインフレ連動指数調整比率比較では、全国消費者物価指数(INPC)は3.43%、広範囲消費者物価指数(IPCA)4.39%、過去2年間のGDP伸び率と前年のインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)をもとに計算される最低サラリー調整4.61%、実質歳入調整は4.55%となっている。(2019年9月13日付けエスタード紙)

上院CCJのタッソ・ジェレイサッチ報告官は年金改革テキスト内容変更

今月4日の上院憲法・法務委員会(CCJ)では、報告官のタッソ・ジェレイサッチ上院議員(民主社会党-PSDB セアラー州選出)の年金改革意見書テキストは賛成票18票、反対票7票をもって可決された。

しかし昨日ジェレイサッチ報告官は、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパ州選出)と会合を持ち、上院議会での否決の可能性のあるテキスト除外で合意、追加法案に組み込む。

上院では年金改革の早期承認のため、上院修正案を二つに分け、まずは下院再承認の必要のない年金改革の基本法案の審議を先行して進める方針であり、残された憲法改正を伴う上院修正案については、上院は追加法案の形で並行審議する。

除外されたテキスト案では、地方政府(州・市)が財政再建のための地方公務員に対する臨時税率の決定権の除外、もう一つテキストは、労働手帳に記載されない低所得層向け非正規雇用者に対する年金に対する優遇クオッタ導入を停止であった。

この2案件テキストは州及び市の地方公務員に対する定年及び老齢年金は別の憲法改正案(PEC)に含まれ、初めに上院議会で審議、最終的には下院本会議で承認される。

年金改革法案は上院の憲法司法委員会、本会議においてそれぞれの審議・承認(上院本会議では6割以上の賛成、投票は2回)を経て成立するが、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパ州選出)は、上院本会議の第1回年金改革審議・承認は今月24日、第2回は10月10日を予定している。(2019年9月13日付けエスタード紙)

アルゼンチンの経済危機は今年のGDP伸び率を0.5%削ぎ取る

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2018年のアルゼンチン経済危機によるブラジルのGDP伸び率はマイナス0.2%に達していたが、今年は更に自動車関連の大幅な輸出減少に伴って、ブラジルのGDP伸び率はマイナス0.5%に達すると予想している。

2014年第2四半期~2016年第4四半期まで継続したブラジル国内の深刻な経済リセッションによるこの期間のブラジルのGDP伸び率は1.0%に留まっていたが、アルゼンチン経済危機によるブラジルへの影響は非常に大きい。

ブラジルのアルゼンチン向け輸出の90%は工業製品であり、昨年第4四半期のアルゼンチン向け工業製品輸出はマイナス44%、今年第1四半期はマイナス45%を記録、ブラジルの工業製品輸出でアルゼンチンは中国ならびにヨーロッパ連合、米国について4位となっている。

今年初め8か月間のアルゼンチン向け中間財輸出は全体の57.4%を占めたが、そのうち付加価値工業製品向け材料は31.5%、輸送機器関連部品は15.7%、基礎工業製品向け材料は3.5%、その他は6.7%を占めた。

また今年初め8か月間のアルゼンチン向け消費財輸出は全体の30%を占めたが、自動車関連消費財は21.2%と大半を占め、非耐久消費財は3.1%、半耐久消費財は1.7%、その他は4.0%。前記同様に資本財輸出は全体の12.5%を占めたが、輸送機器関連を除く資本財は6.4%、輸送関連機器は6.1%を占めていた。

2018年第1四半期のブラジルの世界向け輸出は2.4%増加、アルゼンチン向けは13.0%増加、前記同様に昨年第2四半期は7.2%増加、マイナス2.0%、昨年第3四半期は8.6%増加、マイナス26.0%、昨年第4四半期は3.1%増加、マイナス44.0%、今年第1四半期はマイナス6.3%、マイナス45.0%、今年第2四半期はマイナス4.5%、マイナス34.0%を記録している。(2019年9月13日付けヴァロール紙)

回章 CIR-103/19   異業種交流委員会―女子ラグビー元日本代表・井上真理恵さんトークショーのご案内

                            CIR-103/19
                            2019年9月13日
会員各位
                            ブラジル日本商工会議所
                            異業種交流委員会
                            委員長 長野 昌幸
 
    異業種交流委員会―女子ラグビー元日本代表・井上真理恵さんトークショーのご案内

ブラジル日本商工会議所異業種交流委員会にて下記の通り開催致します。
皆さんのご参加をお待ちしています。

                      記

講演者:井上 真理恵さん(旧姓:山口 真理恵さん)
(プロフィール)
・2007年 7人制ラグビーU-23日本代表として香港セブンスに出場。また、15人制ラクビーユースとしてニュージーランド遠征を経験。
・2009年 オーストラリアに留学。7人制ワールドカップ、東アジア大会にも出場。
・2014年 アジア競技大会での7人制日本代表にも選ばれ銀メダルを獲得。
・2016年 『サクラセブンス』としてリオリンピックップに出場。同大会後に引退し、現在はサンパウロ在住。パーソナルトレーナーとして活躍。
                                                                                                                                                                                         
進行役 : 大野 美夏さん
(プロフィール)
・1992年にJICA(国際協力機構)の日本語教師としてブラジルに渡航。本場のサッカーに魅了されサッカージャーナリストに。
・サッカー専門誌などで執筆、翻訳に携わり、スポーツ新聞の通信員も務める。これまでに数々の大物選手、監督のインタビューをする。
・日系2世の夫と大学生の娘の3人家族。
・著書『彼らのルーツ』~サッカー「ブラジル」「アルゼンチン」代表選手の少年時代~

講演内容 : 9月20日よりラクビーワールドカップ日本大会が開催されます。
元日本代表の井上真理恵さんにラグビーとの出会いからリオオリンピック出場までのご経験、エピソードに加え、初心者でもワールドカップを
          楽しんで観戦できるようラグビールールの解説や本大会の見どころ等、幅広くお話頂きます。
ご家族の方も楽しんで聞いていただける内容となっておりますので、是非お誘いあわせの上、お申し込みください。

日時 :2019年10月2日(水) 18:00~19:00 講演後、懇親会がございます。
 
場所 :ブラジル日本商工会議所 大会議室
住所Av. Paulista, 475 – 13º. Andar – São Paulo/SP
  (但し、収容人数50人に達した場合、お申し込み受付を締切らせていただきますので予めご了承願います)

参加費 : お一人40レアル(カクテル代含む)
 
お申込み: 9月27日(金曜日)までに下記申込サイトからお申込みください。
•         参加者お一人、一回ずつリンクにアクセスしご記入願います。                  
•         ローマ字でご記入願います。
リンク→ http://camaradojapao.org.br/evento/ja/eventos/igyoushu20191002

 

 

 

ZERO GYMの鈴木友紀菜氏が会議所を訪問

2019年9月12日(木)、ZERO GYMの鈴木 友紀菜氏が会議所を訪問し、ビジネスパーソンのための疲労回復専用ジム「ZERO GYM」の紹介を行った。

ZERO GYMは独自のメソッドを開発し、頭と体の疲労をリセットし、心身を整え仕事のパフォーマンスを最大化することをミッションに日本でオープンし、ここサンパウロにも支店が開かれた。

詳細はFacebook: @zerospから。

日本のサイトはhttps://zerogym.jp/から。

左から平田藤義事務局長/ZERO GYMの鈴木 友紀菜氏

【CPMF案で連邦収税局局長を罷免 連邦政府は連邦収税局執行部を入れ替えへ】

新税の導入案が下院の各党リーダーから批判の集中砲火を浴びた後、ゲデス経済大臣が連邦収税局のマルコス・シントラ局長を罷免。

税制改革案を公式に明らかにしたことのない連邦政府であるが、ボルソナロ政権の発足から9か月を経て、この問題で大統領の経済スタッフ内から最初の犠牲者が出た。

パウロ・ゲデス経済大臣が9月11日、租税の簡略化を目的とした税制改革の交渉が閉塞状況にあるのを打開するため、連邦収税局のマルコス・シントラ特命局長を罷免した。廃止された金融取引暫定賦課金(CPMF)と同様の金融取引に対する課税を基本モデルにした新税導入を支持していたことから批判を浴びたシントラ局長は、これ以前、ジャイール・ボルソナロ大統領による連邦収税局への介入に対する抗議として同局執行部が辞任も辞さないと表明して圧力をかけたことから、政府内でも孤立を深めていた。

シントラ局長の罷免を利用して、ゲデス経済大臣は連邦収税局の組織再編と局執行部の刷新を進める見通し。ただし同局の改革は「その場の思い付き」で進められるわけではない。同局長の罷免は、11日のエスタード紙がオンライン記事で配信した。

シントラ局長の退場で、政府が提案する税制改革からは「CPMFの看板」が取り払われる見込みだ。CPMFを熱狂的に支持するシントラ局長は、税制改革に関する政府の対話窓口になることを下院の各党リーダーから拒否され衝突。上院の各党リーダーと連邦最高裁判所(STF)、連邦会計検査院(TCU)も同様に、同局長を更迭するようゲデス経済大臣に強く求めていた。

後任として税制改革の交渉を担当すると目されているのが社会保障及び労働局のロジェリオ・マリーニョ局長である。同局長は2017年に可決した労働制度改革の担当者であり、年金制度改革を2019年内に上院で可決するよう強く訴えている人物でもある。マリーニョ局長は既に、改革の最終案を準備するための政府作業部会の内々の協議にも参加している。ゲデス経済大臣はこれまでにも、仮にシントラ局長が新CPMFの設立に道を開くことができなければ税制改革の交渉で政府を代表する条件を満たさないと出席者らに伝えていた。

事の発端

シントラ局長の身辺が騒がしくなってきたのは1か月前、ボルソナロ大統領が連邦収税局のリオデジャネイロ地方長官の更迭を求め、家計に対する「無断の立ち入り」監査だと監査官たちを批判したことを受けて連邦収税局役員らが辞任をちらつかせたことからだ。当時、連邦組織において最も重要な機関のひとつである連邦収税局を管理できていないことは、経済大臣にとって明らかだった。

罷免の引き金となったのは、連邦政府の税制改革案の要点についてマルセーロ・シルバ次官補が公式発表を待たずに10日にリークし、下院の各党リーダーらの怒りを買ったことである。

下院では連邦政府の提案書が提出されるのを待ち受け、かつ、改革の主導権を巡って上院と「乱闘」を繰り広げている状況だった。同日夜には、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)が経済省に足を運び、ゲデス経済大臣とマリーニョ局長と協議するに至った。

エスタード紙の取材に基づくとマイア下院議長はゲデス経済大臣に対して、金融取引に対する新税の導入に対して公式に反対を表明すると伝えた。この協議前、下院で行われた協議で各党のリーダーらはマイア下院議長に対し、仮に下院議長がリークされた政府の提案に反対する態度を表明しない場合にはあらゆる国会審議が空転することになると伝えた。

罷免前の11日朝、マイア下院議長とダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパー州選出)が、CPMFを復活させるという案を非難した。

非公式な情報を公表する形となった次官補の発言に関してゲデス経済大臣は、当該の改革案に対する国民の理解を毀損したと受け止めた。ゲデス経済大臣はCPMFを否定する立場ではなかったが、その公表方法に問題ありと判断した。

これ以前、CPMFをモデルにした新税の導入に対してゲデス経済大臣は既に賛意を示し、この新税を導入する代わりに給与税の廃止につながり多くの雇用が生まれると主張して大統領からも賛同を得ようと根回ししていた。

罷免前日

罷免前日の夜にシントラ局長は、ゲデス経済大臣とマイア下院議長の協議を待ち受けるために翌11日の始業後数時間の予定をキャンセルした。同局長は既に、次官補が新CPMFに言及し、導入すると認める発言を行ったことで多くの議論が沸き起こり、自身の進退にもかかわってくることを認識していた。

政界やソーシャルネットワーク上では、CPMFの復活を批判する声が広がった上に、批判の矛先はとりわけ、大統領選の選挙キャンペーンを通じてこの税金に反対を表明していたボルソナロ大統領自身に向かうこととなった。

11日にボルソナロ大統領はツイッターで、消滅したCPMFをモデルとする新税の導入という考えがシントラ局長を「罷免に導いた」とコメントした。大統領によるとゲデス経済大臣は、「要請に対して直ちに」シントラ局長を「税制改革案に対する見解の不一致」を理由に罷免した。ボルソナロ大統領は、「CPMFの再導入あるいは増税」という手法は税制改革案から外すという決定が下されたと明らかにした。

見解の不一致

税制改革は、あらゆる面から見解の一致が見られない批判の対象になっており、経済省によるこの問題への対処が雑然と進められていることを示唆している。

連邦政府が提案に二の足を踏んでいる間、上院と下院がそれぞれに異なる憲法改正案(PEC)を提出して先に進んでいる。(2019年9月12日付けエスタード紙)
 

連邦収税局の組織改編で査察調査部門を分離する可能性も浮上

ジャイール・ボルソナロ大統領とSTF、査察調査を受ける政治家が連邦収税局の組織改革を要求。

金融取引暫定賦課金(CPMF)の新バージョンを導入することに広く反発の声が上がっていることを利用する形で、パウロ・ゲデス経済大臣が連邦収税局のマルコス・シントラ特命局長を罷免し、同大臣が検討してきた税務当局の組織改編プロセスに着手する。

連邦収税局には港湾業務と空港業務、租税の課徴業務に携わる職員がおり、彼らがその業務を停止するだけの交渉能力を備えていることから、この改変は、連邦収税局内で新たな亀裂を発生させないためにも即断実行はしないと見られる。

そこで浮上している案の1つは、税収業務と査察調査業務を切り離すことである。ただし、現時点では何らの判断も下されてはいない。

連邦収税局に対する改革は、連邦最高裁判所(STF)の判事らと、査察調査を受けている政治家らが要求している。同様の圧力は、ジャイール・ボルソナロ大統領もかけている。

2019年8月にボルソナロ大統領は、連邦収税局のマリオ・デホン地方長官(リオデジャネイロ州)とリオデジャネイロ州ポルト・デ・イタグアイー税務署長及びバーラ・ダ・チジューカ税務署長の更迭を決定した。大統領は当時、「彼らはバーレ・ド・リベイラに住む私の家族の財務状況に対する無断の立ち入り調査を行った」とコメントした。

イタグアイー港の連邦収税局関税税務署は、港湾の水際で密輸と違法コピー品、製品価格の過少申告といった不正だけでなく、民間の武装組織の非合法活動や麻薬取引への対策を進める戦略拠点と位置付けられている。

連邦収税局に対する政治任用により、税務当局を統括するより高いポジションにいる税務監査官らはこのように任用が行われた場合に解任されるリスクにさらされている。大量のスタッフが辞表を提出する事態を避けるため、シントラ局長は8月、連邦収税局の「ナンバー2」であるジョアン・パウロ・ラモス・ファッシャーダ副局長を罷免した。

Sindifisco

全国税務監査官労組(Sindifisco)は11日、シントラ局長の罷免後に声明を発表し、特命局長が任を解かれたことが税務当局にとっては「組織の方向を正しく修正する機会」を示すものだとコメントした。同労組によるとReceitaは、歴史的に最も混乱したと数えられる状況のひとつに置かれている。こうした状況に対処するため、「技術的かつ客観的、特定の人の意見に左右されないガバナンス」が求められていると強調した。

さらに声明でSindifiscoは、当局が進める税務監査調査は、社会の期待に応えるための「貴重な資産」になると宣言した。

なお2018年末にシントラ氏が局長に指名された際に同労組は、財務を司る大臣が税務監査官から連邦収税局のトップを指名するという2002年から続いてきた決まりを破るものだと、この人事を批判した。(2019年9月12日付けエスタード紙)
 

 

 

事務局便り JD-076/19   「大使館情報」第136号(2019年9月)を送付

                              JD-076/19
                              2019年9月12日
________________________________________
商工会議所会員,関係者の皆様へ

平素より大変お世話になっております。

「大使館情報」第136号(2019年9月)を送付させていただきます。
今月号のトピックスは,「年金制度改革に関する憲法修正案の下院承認」,「メルコスールEFTA・FTA交渉の完了」等となります。

大使館情報9月号

ブラジル経済概観(2019年8月)

※大使館情報(2019年9月号)のバックナンバーをホームページに掲載しましたので,そちらもご覧下さい。
www.br.emb-japan.go.jp

———————————–
在ブラジル日本国大使館 経済班 津守直
Tadashi TSUMORI(Sr.)
Segundo Secretário/Adido Financeiro
Embaixada do Japão no Brasil
Tel   : +55-61-3442-4200 (Ramal 230)
Fax   : +55-61-3242-2539
————————————-

 

 

連邦政府は150億レアルを各省庁に分配か

今年7月並びに8月の国庫庁の歳入総額は、予想の50億レアルを上回る80億レアルに達して嬉しい誤算となっており、150億レアルに達する各省庁への分配・交付金の可能性が出てきているが、公式な発表は9月20日に発表される。

国庫庁の予想を上回る80億レアルの歳入総額には、ペトロブラス石油公社グループ傘下の子会社放出、中銀によるブラジル再保険院(IRB Brasil Re)の持株放出、連邦貯蓄金庫(CAIXA)や社会経済開発銀行(BNDES)の配当金が寄与している。

入院中のボルソナロ大統領に替わるハミルトン・モウロン臨時大統領は、200億レアルに達する予算解除の可能性を示唆している一方で、経済省担当者はその他の臨時歳入は確認されていないと説明している。

11月6日に総額1,065億レアルに達する岩塩層下(プレソルト)石油・天然ガス鉱区のメガ入札が予定されているが、入札公示は連邦会計検査院(TCU)の承認を得なければならない。

連邦政府では歳入減少に伴って、各省庁に対する340億レアル以上に達する分配・交付金の支払遅延を余儀なくされ、連邦政府の13省庁は予算凍結措置で、9月末までに政府機関の一部閉鎖を意味するシャットダウン状態に陥る可能性が濃厚となっていた経緯があった。

各省庁への分配・交付金総額は110億レアル~150億レアルと見込まれているが、経済省担当者は150億レアル前後の可能性が高いと見込んでおり、13省庁は9月末、その他の9省庁は10月~11月にかけてシャットダウン状態に陥る可能性があった。

今月4日にボルソナロ大統領は、歳出上限法の緩和政策の導入が避けられないために、義務的歳出の公務員給与、新規の職務や雇用増加の禁止、新規の公務員雇用や新規の公務員試験実施の禁止、新規の義務的歳出事項の禁止、新規の優遇税制政策導入禁止などの導入政策を強調していた。

しかしパウロ・ゲーデス経済相は、ボルソナロ大統領に対して「政府や各省庁の予算は基本的に前年度の予算にインフレ率をかけた以上の拡大はできない」テーメル政権時代に憲法改正の形で成立した歳出上限法の必要性を説得して、歳出上限法改正の中止につなげた経緯があった。(2019年9月12日付けエスタード紙)