新車の法人販売が約50%近くに達している

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)では、2019年の新車販売は当初予想の前年比11.15%増加から8.37%増加と大幅な下方修正を余儀なくされている。

Fenabrave連盟による今年の新車販売の下方修正は、自動車メーカーからレンタカー会社やタクシー会社への直接販売が大幅に増加している一方で、一般消費者向けのディラー販売は、国内景気の低迷で僅かな増加に留まっている。

今年上半期のバスやトラックを含む新車登録台数は前年同期比12.12%増加したが、特に自動車メーカーからレンタカー会社やタクシー会社への直接販売は23.59%増加した一方で、一般消費者向けのディーラー販売は僅か2.15%増加に留まっている。

今年6月の新車販売は21万3,400台、そのうち自動車メーカーから法人向け直接販売は10万2,000台と全体の47.8%に達しているとFenabrave連盟のアラリコ・アスンプサン・ジュニオール会長は指摘している。

自動車メーカーから自動車販売ディーラーを通さない法人向け直接販売は、大量注文のため20%~30%の割引が行われるために、レンタカー会社やタクシー会社は自動車ディーラーよりも低価格で中古車を販売できる。

Fenabrave連盟では今年の国内の新車販売を前年比8.37%増加の278万台と年初予想の285万台から約7万台下方修正している。また今年初めのトラックやバス販売は前年比15.90%増加の11万700台を見込んでいたが、4月には16.36%増加、6月末には17.88%増加の11万2,600台に上方修正している。

2018年のトラックやバス販売は9万5,500台、今年上半期の販売はトラックの買替向けクレジット拡大が牽引して、前年同期比49.77%増加の5万9,200台に達している。(2019年7月3日付けヴァロール紙)

経団連の大前孝雄企画部会長と日メルコスールEPA準備タスクフォースWG会合

経団連の大前孝雄企画部会長並びに日メルコスールEPA準備タスクフォースWGは2019年7月4日午後4時から6時まで8人が参加して日伯経済合同委員会に於いての商工会議所からの発表内容について意見交換を行った。

参加者(敬称略/順不同)は大前孝雄 経団連企画部会長(三井物産特任顧問)、佐藤智明(経営企画部グローバル業務室次長 三井物産)、大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、芦刈宏司(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進副委員長・政策対話副委員長)、佐橋拓哉(伯国三菱商事/政策対話副委員長)、大塚未涼(ブラジル三井物産/政策対話委員)、事務局から平田藤義事務局長、日下野成次総務担当。

Takao Omae

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

事務局便り JD-055/19   「日本産食材活用促進セミナー」

                         JD-055/19
                         2019年7月3日
会員各位
                         ブラジル日本商工会議所 事務局

この度、農林水産省より「ヘルシーな日本食」をテーマにしたセミナー・シンポジウム「日本産食材活用促進セミナー」へのご招待を頂きましたのでお知らせ申し上げます。
是非皆様奮ってご参加ください。

お申し込み・お問い合わせは直接こちらのメールアドレスまでお願いいたします:seminario.maff@welcomepro.com.br

(添付) ポルトガル語版案内状
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各位
農林水産省
ジャパン・ハウス サンパウロ

この度、農林水産省とジャパン・ハウス サンパウロは、「ヘルシーな日本食」をテーマにしたセミナー・シンポジウムを開催いたします。

近年、ブラジルでは日本食・日本産食材が、「ヘルシー、からだに優しい」イメージをもたれており注目を浴びてブームとなっています。
この機会を通じて、皆様の日本食・日本産食材をアピールする新たな切り口となれば幸いです。

第1部では、日本食の基本である「一汁三菜」に秘められた健康・栄養バランスの機能や、日本酒、お茶の新たな楽しみ方などをご紹介いたします。
第2部では、シェフ、医師、唎酒氏、ディストリビューター等様々なジャンルのスペシャリストによる日本食の魅力を掘り下げたディスカッションを行います。
第3部交流会においては、お集まり頂いた日本食事業関係の皆様同士のネットワークを広げて頂き日本産品の更なる輸入拡大を目指すと共に、日本食材の効果的な使い方など、見識を深めて頂ける機会となれば幸いに存じます。

ご来場を心よりお待ちしております。

開催概要
タイトル:「日本産食材活用促進セミナー」
開催日時:2019年7月8日(月)15:00~19:00
第1部セミナー15:00~ 第2部パネルディスカッション 16:30~ 第3部交流会 17:40~
開催会場:ジャパン・ハウス サンパウロ セミナールーム / 日本食レストランAIZOME
登壇者:日本食の普及親善大使 白石 佑佳 テルマ 氏、
酒サムライ・唎酒師 飯田龍也アレシャンドレ 氏、
サンタクルス病院 脳外科部長  西国 幸四郎 氏、
ディストリビューター・給食事業者、
主催:農林水産省、ジャパン・ハウス サンパウロ

●ジャパン・ハウス サンパウロ
https://www.japanhouse.jp/saopaulo/

●問い合わせ先
seminario.maff@welcomepro.com.br
お問い合わせはこちらのメールアドレスまでお願いいたします。

 

 

回章 CIR-065/19   7月定例懇親昼食会開催のご案内

                           CIR-065/19
                           2019年7月3日
会員各位
                           ブラジル日本商工会議所
                           会頭      村田 俊典
 
            7月定例懇親昼食会開催のご案内

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

当所ではこの度7月定例懇親昼食会を下記の通り開催致します。

今回の講演にはセーザル・サンパイオ(César Sampaio)元ブラジル代表サッカー選手にJリーガーとしてのプレーを含む20年に渡る同氏の経験などについてご講演頂く予定です。

また、ヤエコ・ヤマシタ(Profª Drª Yaeko Yamashita)ブラジリア連邦大学シニア調査員をお招きし「エレクトロモビリティー議員戦線とその課題」についてご講演頂きます。同教授を中心としてブラジルにおける電気自動車、電動バス等の電気で駆動する車両の活用を推進するため同議員戦線を結成すべく準備中。

この懇親昼食会にも日ポ、ポ日の同時通訳が付きますので、対会議所代表者以外の社員の方々も奮ってご参加下さいますようお願い申上げます。
                                     敬具

                   ‐ 記 ‐

日時: 2019年7月19日(金曜日)12時~14 時30分 (カクテル11時30分~)

会場:ホテル チヴォリ サンパウロ モファレッジ(Tivoli São Paulo Mofarrej – Alameda Santos, 1437 – Tel: (11) 3146-5900)

講演テーマ:『追ってお知らせいたします』
講師 :セーザル・サンパイオ(César Sampaio)元サッカー選手
講師略歴 :1986年、ブラジルのクラブチーム・サントスでプロキャリアをスタートする。1991年、パルメイラスに移籍し大活躍。20年間のキャリアでサンパイオ氏は様々なブラジルサッカーチームやブラジル代表チームで大活躍した他、日本でもプレーし有名になった。1995年~1998年横浜フリューゲルス、2002年に再び日本へ戻り柏レイソルでプレー、2003年~2004年にはサンフレッチェ広島で活躍。引退後は、スポーツ解説者として活動している。また、ジャパン・ハウス サンパウロ運営委員でもある。

講演テーマ:『エレクトロモビリティー議員戦線とその課題』
講師 :ヤエコ・ヤマシタ教授-ブラジリア連邦大学シニア調査員
講師略歴 :ヤエコ・ヤマシタ氏は30年以上に亘ってブラジリア連邦大学教授や輸送工学関連コンサルタントを歴任。鳥取県地域開発向けコンサルタント勤務経験、ブラジル輸送調査協会(ANPET)設立に参加。ブラジリア連邦大学輸送関連修士課程プログラムの輸送関連人材育成教育センター(CEFTRU)設立に参加。運輸省地上輸送庁向けプロジェクトや文部省国家教育促進基金(FNDE)のコーディネーター。土木工学博士。鳥取大学土木工学修士号、英国ウェールズ大学博士号取得、名古屋技術協会の輸送・環境博士研究員。

参加費: お一人 R$ 235 (昨年と同額となります)

申込み:下記申込書に参加費を添えて、7月17日(水)までに事務局宛お申込下さい(Av. Paulista 475、13階、担当: カリーナ Tel: 3178-6233)。

なお、7月17日(水)以降に申込みを取消される場合、参加費は返金できませんのでご了承願います。

銀行振り込みの場合、E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br又はファックス: (11) 3284-0932にて振り込み証明書をお送り願います。

ブラデスコ銀行の口座にお振込み願います。
口座番号
Banco Bradesco
Agência: 0895
C.c: 7966-9
CNPJ : 61.009.031/0001-06
Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil
 
定例行事:
•         代表交替(会社代表、対会議所代表)の挨拶をご希望の方は予め事務局まで御連絡下さい。お一人或いはお二人の場合も合計3分程度になるよう何卒お願い申し上げます。
•         3分間スピーチ ご希望の方は事務局の準備もございますので昼食会2週間前までにご連絡ください(既にプログラムが埋まっている場合は次回昼食会に回していただくこともありますので予めご了承願います)。「3分間」の時間を厳守いただくべく、パワーポイントを用いる場合スライドは5枚程度、動画を流す場合はスピーチの時間もご考慮頂き、全て3分間で終了できるようにプレゼンを準備願います。(担当: カリーナ Tel:3178-6238)

お願い:会場の駐車場は有料につき、料金は使用者負担となります。
                                     以上
……………….. 切り取り線 …………………..

7月定例懇親昼食会参加申込書

氏名:………………………………………………………………………………
 
会社名:…………………………………………………………………………

 

 

湘南日本語学園浜松校の北角秀和理事長が訪問

湘南日本語学園浜松校の北角秀和理事長並びにフォレストブラジルのイヴァン・ヤマサキ営業担当取締役は2019年7月3日に商工会議所を訪問、北角秀和理事長は応対した平田藤義事務局長に、丁寧な指導と安心して学べる日本語学校をモットーにしている湘南日本語学園浜松校のスタッフは学校生活を通じて、日本語の習得は勿論、学生が体験する日本での暮らしを精一杯のおもてなしの心をもってサポート。当学園で培った経験を活かし、日本社会や世界で活躍する人材の育成を願って、学習できる環境を整え、日本文化を楽しむレクリエーションを多様に取り揃えていることなどを説明した。

湘南日本語学園浜松校では、価値のある留学のために安心できるサポート体制を整えており、進学と実生活の即戦力となる実践的な学習で、大学・短大・専門学校下の進学率は95%。東南アジア留学生の多くを進学への排出している。湘南日本語学園浜松校は3階建ての校舎に図書室を完備、ワンルームマンション型学生寮にはエアコン・冷蔵庫・照明器具などを完備しており、快適な留学生活ができるように学校スタッフがサポートしている。

Fujiyoshi Hirata, Hidekazu Kitakado e Ivan R. Yamasaki

Fujiyoshi Hirata e Hidekazu Kitakado

農業大国フランスはメルコスールとのFTAに反対表明

ヨーロッパの農業大国であるフランス政府のSibeth Ndiaye報道官は、マクロン仏大統領が賛成表明しているにも拘らず、先週6月28日の欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスール)の自由貿易協定(FTA)の暫定的に合意に反対している。

Sibeth Ndiaye報道官は、フランス政府は今現在メルコスールとの自由貿易協定(FTA)の締結承認は、欧州の輸出企業に機会をもたらす一方で、フランスの要求を満たすかどうか不明と説明している。

アイルランドのMichael Creed農務相は、メルコスールとの自由貿易協定締結は、ヨーロッパ連合域内の牛肉生産者にとって悪い合意であると強調、域内の農業国であるフランス並びにベルギー、ポーランドなどは不満を抱いている。

ヨーロッパ連合国(EU)とメルコスールは自由貿易協定(FTA)合意で、ブラジル市場では、今後15年間に輸出品目の91%が免税、一方ヨーロッパ連合国の工業製品の87%は免税になる。自動車並びに機械・装置、化学品、医薬品などの付加価値の高い完成品の輸入関税は徐々に引き下げられる。

ヨーロッパ連合国からメルコスールへの農産品の95%が輸入関税免除の対象ととなり、オリーブ油並びにウイスキー、チョコレート、ビスケットなどは価格低下が見込まれている。

一方メルコスールからヨーロッパ連合国への輸出は今後10年間で92%が免税となり、10年後にはメルコスール産の農産品の82%は免税となり、オレンジジュース並びにレモン、果実、コーヒー加工品、魚類、植物油などの輸入関税撤廃、工業製品は100%免税となる。

ブラジル産業財産庁(INPI)では、Vinhos Verdes並びに Vinhos do Porto、Cognac、 Champagne、 Quijo Roquefortなどは既に商標登録されており、一方カシャ―サParatyや Salinas 、チーズCanastraはヨーロッパ連合国ですでに登録されている。

ヨーロッパ連合(EU)とメルコスールは自由貿易協定締結で合意したが、双方の農畜産分野や製造業部門の輸入急増に対して、セーフガード措置や関税割当てに相当する臨時関税措置が適用できる条項を設けており、この臨時関税措置はFTA協定発効後18年間有効。

農畜産製品で輸入枠が設けられているのは、牛肉9万9,000トン、鶏肉18万トン、豚肉2万5,000トン、砂糖18万トン、エタノール45万トン、米6万トン、蜂蜜4万5,000トン、鶏卵3,000トン、スイートコーン1,000トンとなっている。(2019年7月3日付けエスタード紙)

新社会保障改革案テキストでは10年間で1兆710億レアルの歳出削減

昨日社会保障年金改革特別委員会のサムエル・モレイラ報告官発表された新社会保障改革案テキストでは、改革案発効後10年間で前回の新社会保障改革案による9135億レアルの歳出削減を大幅に上回る1兆710億レアルが見込まれている。

この新社会保障改革案テキストによる1兆710億レアルに達する歳出削減は、農産物輸出に関する社会保障関連免税の終了並びに教育者に対する年金条件の緩和、銀行に対する収益率の非常に高い銀行業界に対して、純益に対する社会納付金(CSLL)の税率を15%から20%に引上げ等が含まれている。

しかし新社会保障改革案テキストによる農産物輸出に関する社会保障関連免税の終了に対して、農村族議員団は不満を抱いて抵抗すると予想されており、社会保障年金改革特別委員会の採決は来週になる可能性が出てきている。

マイア下院議長は、新社会保障改革の下院議会での投票を国会が休会する7月18日までにするために与野党と調整を行ってきたが、政治駆引きではなく野党議員もブラジルの経済回復の必要性に賛同して、先週まで賛成票が増える傾向となっていた。

また新社会保障改革案テキストでは、連邦公務員や教職員の年金条件緩和に結び付く一方で、連邦警察や交通警察、看守などの治安関係職員の年金入り条件は男女ともに55歳で30年間の年金積立期間、そのうち最低25年間は治安関係職員が不可欠となっている。

特に連邦治安関係職員の年金入り条件の緩和を要求しているのは、ジャイール・ボルソナロ大統領の御膝元の下院議会で54議席を占める社会自由党(PSL)議員であり、反旗を翻す可能性を示唆している。

連邦治安関係職員の年金入り条件として、軍関係者並みの年金入りの最低年齢制限の除去、最終サラリー並びに現役同等の年金調整率の維持を要求していたが、扶養家族の恩給条件だけが認められている。

連邦教職員並びに民間教職員の年金入り条件として、男性教職員の最低年齢は60歳、女性は57歳、最低年金積立期間は男女ともに25年、連邦教職員は、最低10年間は連邦職員で5年間は教職員関係に従事していることで、最終サラリー並びに現役同等の年金調整で年金受給が可能となる。

昨日、連邦政府と同一の新社会保障案に賛同する地方政府(州・市)の州知事一行はロドリゴ・マイア下院議長と会談を持ったにも拘らず、新社会保障改革案テキストに織り込むことはできなかった。

純益に対する社会納付金(CSLL)の税率を15%から20%に引上げによる臨時歳入は、535億レアルに繋がる一方でサンパウロ証券取引所(B3)に対して、CSLL税率を20%から17%に引き下げている。

昨日サムエル・モレイラ報告官発表された新社会保障改革案テキストの投票は、今日若しくは明日に予定されているが、49人で構成される社会保障年金改革特別委員会の投票では、最低25票の賛成票が必要となっている。

エスタード紙の調査では、特別委員会メンバーのうち新社会保障改革案テキストに賛成は22票、反対は12票、5人のメンバーは無回答、8人のメンバーは行方不明であった。

ボルソナロ大統領は、アマゾナス州選出議員8人の新社会保障改革の賛成票を確保するためのロビー活動として、今年第4四半期の期間にマナウスフリーゾーン域内のコカ・コーラ社などのソフトドリンクメーカーに対する工業製品税(IPI)の税制恩典を8.0%から10.0%に引き上げる。

ミッシェル・テーメル前大統領時に、昨年5月下旬から11日間継続したディーゼル燃料価格値下げ要請を発端とした、全国規模のトラック運転手の国道封鎖の抗議デモの緩和政策として減税政策導入による歳入削減を補うために、マナウスフリーゾーン域内のソフトドリンクメーカーの工業製品税(IPI)に税制恩典税率を20%から4.0%と大幅に引き下げていた経緯があった。(2019年7月3日付けエスタード紙)

 

Iglecias Famá AdvogadosのTiago Trentinellaパートナーが訪問

Iglecias Famá AdvogadosのTiago Trentinellaパートナー(PhD)は2019年7月2日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と日本やブラジルの環境規制に基づく環境問題や木材トレーサビリティ、違法伐採対策に関するForestry Codeなど多岐に亘って意見交換した。

Tiago Trentinella e Fujiyoshi Hirata

 

Foto: Rubens Ito / CCIJB

【メルコスールとEUがFTAで合意 - ただし発効には国会の承認が必要】

20年に及んだ交渉の末、メルコスールと欧州連合(EU)が6月28日、両経済ブロックで自由貿易圏を構築する協定に合意した。本紙サイト「Estadao.com.br」が他に先駆けて報じた。今回の自由貿易協定(FTA)では、10年以内にブラジルがEUに輸出する品目の90%に対して輸入税を免除することを想定している。現在、EUが輸入税の非課税対象としているのは、ブラジルがEUに輸出する品目全体の24%である。これに伴ってブラジルとメルコスール加盟国(アルゼンチンとパラグアイ、ウルグアイ)は、その他の競合国と比較して優位性を確保してEUへの輸出を拡大をすると期待している。

連邦政府の説明によると、このFTAによりブラジルの対EU輸出が、今後15年で1,000億ドル拡大する可能性がある。ブラジルは2018年、EU加盟28か国に対して421億ドルを輸出した。ブラジルの輸出相手国・地域として見るとEUは、中国に次ぐ第2位の市場である。

さらに経済省は、今回の合意について、GDPへの経済効果として今後15年で1,250億ドル、この期間にブラジルに投下される投資は1,130億ドルに達する可能性があるとしている。コラム系ブログのジレット・ダ・フォンテ(Direto da Fonte:1次情報の意味)でソニア・レイシー氏は、5月16日の時点で交渉がまとまる準備が整っていたとコメントしていた。

今回の合意に伴い、オレンジジュースと各種フルーツ、インスタントコーヒー、魚介類、植物油といったブラジル産農産物のEU向け輸出で、関税が撤廃される。反対にメルコスールは、自動車と機械、化学品、医薬品、その他のEUから輸入する製品に対して関税を撤廃する。

ただし協定のこうした効果が実感できるまでには、協定の批准に対する長期の手続きを踏む必要がある。FTAが立ち上げられるのは、欧州議会と、南米4か国の国会がこれを承認した後である。しかも、EUを構成する28か国の国会がそれぞれ承認してからの発効となる。

今回の合意はブラジルの輸出に弾みをつける可能性があるものの、同時に、ブラジル国内市場に対する欧州製品の参入を容易にもする。ただこの場合、完全に非関税となるまでの期間はより緩やかな足取りとなる。一部の業界に関しては、完全に市場を開放する、すなわち完全を撤廃するのが発効から15年後になる。そうした業種には、例えば自動車業界がある。

ワイン業界も同様に、市場の開放に向けた足取りは緩やかで、関税を撤廃するまでに12年をかける。だがブラジル政府によるとこうした業界、品目は例外的なものだ。大部分の品目が、この年数に至る前に税率がゼロに引き下げられる。合意の最終版はまだ詳細な文言に関してレビューが行われており、数日内の発表が予定されている。

交渉がまとまったことに、両経済ブロックの代表者らが喜びを表明した。ジャイール・ボルソナロ大統領は6月29日朝、G20に出席するために滞在していた日本の大阪市内で、「私自身は国家統制主義者だということを告白するが、それでも、私たちの誰もが前に向かって歩みだした」と記者団を前に認めた。

メルコスールとEUを合わせると人口は約7億8,000万人で、経済規模は世界のGDPのおよそ25%を占める。FTAが発効すれば、世界最大の自由貿易圏が誕生することになる。

交渉

 ブリュッセルで行われエルネスト・アラウージョ外務大臣が出席した協議の最終ラウンドで、EU側はいくつかの部分で譲歩の姿勢を新たに示した。同外務大臣によると農産物のセーフガードに関する提案もその一例であり、EUの提案には含まれていなかったもので、最終稿から削除された。

またテレーザ・クリスチーナ農務大臣は、EU側が牛肉とエタノール、砂糖といった分野で「数量及び税率」で譲歩したことを強調した。これらの品目に関してEUは、輸入枠の拡大に強く抵抗していた。「農業分野で我々は、フルーツから食肉に至るまで、より多くの品目を確保するだろう。ブラジルの生産者は、EUというこの巨大な市場にアクセスする様々な選択肢が盛り込まれたメニューを手にすることになる」と同農務大臣はブリュッセルの共同記者会見でコメントした。

同じく、EU側も今回の合意を祝意を示した。EUは声明で、域内の企業がメルコスール域内国の関税撤廃だけで40億ユーロ以上の支出削減効果を確保するとコメント。EUは、交渉終結に向けた交渉の最終ラウンドで、これまで以上に意欲的な姿勢を示した。EUから離脱するというイギリスの決定は、自由貿易と多国間交渉の推進の可否に関して域内諸国の議論を活発化させた。

その一方で、アメリカのドナルド・トランプ大統領に端を発した貿易戦争でEUは、これを圧力と受け止めカナダや日本、メキシコといったアメリカ以外の貿易パートナーと関係強化を加速させ、ここへきてブラジルとアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイとのブロック形成に至ったのである。

メルコスール加盟国もまた、今回のFTA交渉をまとめるにあたって、同様に、チャンスの扉が開かれると受け止めている。今回の署名は、2019年に同国の経済史上で最悪のもののひとつに数えられる経済危機に見舞われているアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領だけでなく、ボルソナロ大統領にとっても成果のひとつとして利用されるだろう。

これは史上最も重要な貿易協定のひとつとなり、我が国の経済に巨大な恩恵をもたらすだろう」(ジャイール・ボルソナロ共和国大統領)

(2019年6月29日付けエスタード紙)

【コラム】 メルコスール=EU自由貿易交渉 最後に妥協したのはブラジル

メルコスールと欧州連合(EU)の合意に向けて最後のガイドラインを大阪滞在中のジャイール・ボルソナロ大統領が示す

連邦政府は、メルコスールと欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)に関する交渉の最後の数時間に緊張が高まると受け止めていた。ただ、タイムゾーンが全くの正反対だった。G20の首脳会議でジャイール・ボルソナロ大統領が滞在していた日本のタイムゾーンは、FTAの交渉チームが滞在していたベルギーのブリュッセルのタイムゾーンよりも7時間、早かった。交渉妥結に向けた最後の、そしてよりデリケートな争点で合意に至る頃、大統領は就寝していた時間帯だ。ブリュッセルと連絡を取るため、大阪からは、大統領の訪日に随行したフィリペ・マルチンス国際問題担当大統領府特別補佐官が夜を徹して最後のガイドラインを示して調整した。必要な場合には就寝中の大統領を起こす権限も、マルチンス特別補佐官には与えられていた。

その権限を行使する必要に迫られた状況だった。エルネスト・アラウージョ外務大臣とテレーザ・クリスチーナ農務大臣が率いるブリュッセルの交渉チームは、最後の争点をまとめるたことに苦戦していた。欧州ではすでに午後、大阪では未明の時間帯に、アルゼンチンとパラグアイ、ウルグアイの交渉チームは条件を飲んだ。ゴーサインを出していないのはブラジルだけ。だがボルソナロ政権にとっては、合意内容をブラジルの希望に沿うものに修正する必要があった。交渉が袋小路に入った時、ボルソナロ大統領を起こすことが検討された。だが最終的に、大統領を起こす必要はなかった。

交渉に参加した関係者の情報によると、合意には日本滞在中のブラジルのミッションとブリュッセルの交渉チームの連携が決定的に重要な役割を果たした。メルコスール=EU自由貿易協定では、持続的な開発に関する条項を想定していたが、ドイツとフランスは、森林伐採に関してブラジル政府とこの問題について協議するまでこの問題の協議を保留する判断を下した。

そして大阪でボルソナロ大統領は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談したが、それは関係者によると、フランスのエマニュエル・マクロン大統領との会談が「極めてハード」で時には「手厳しい」とまで評されたと比較して、より落ち着きを取り戻したものになった。マクロン大統領との会談でボルソナロ大統領は、パリ協定の批准を継続すると繰り返しコメントし、国外のアグリビジネスに関して反対したPRを撤回することと環境保全に関して着実に取り組むことも厭わないと発言した。さらには、フランス側にアマゾン地域を訪問するよう招待もしたのだった。(2019年6月29日付けエスタード紙)
 

 

 

 

事務局便り JD-054/19   ジェトロビジネス短信ご案内 (2019年6月)

                              JD-054/19
                              2019年7月2日
会員各位
                              ブラジル日本商工会議所 事務局

         ジェトロビジネス短信ご案内 (2019年6月)

ジェトロサンパウロ事務所より「ジェトロビジネス短信」のメルコスール関連記事一覧(2019年6月)
を頂きましたので別添の通り送付させていただきます。

ジェトロではビジネス短信にてブラジル含む世界主要国・地域の政治・経済に関する制度、統計、
市場動向などを発信しておりますが、別添の通りメルコスール諸国に関する短信をお送りいたします。
(閲覧は全て無料です)

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【メルコスール関連記事(2019年6月1日~7月1日)】
2019年7月1日
JETROサンパウロ事務所
JETROブエノスアイレス事務所
メルコスール
2019年7月1日    メルコスール事務局、EUメルコスール間の自由貿易協定(FTA)の概要を公表(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/31a49b6fe5539b0c.html

2019年7月1日    ブラジルはG20のタイミングでの合意意義を強調、メルコスールEUのFTA交渉合意(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/e772114005867212.html

2019年7月1日    EUとのFTA、7月16日のメルコスール首脳会議で締結の承認目指す(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/e7c50c811bf0874a.html

2019年7月1日    EU環境政党はEU・メルコスールFTAに難色(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/50d8cd856cf7b7dc.html

2019年7月1日    EU・メルコスールFTAの政治合意、欧州産業界から支持相次ぐ(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/89fe8e88f5fee666.html

2019年7月1日    EUとメルコスール、FTA締結で実質的な合意(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/8caec9966b9a73c5.html

2019年6月26日    メルコスール・EFTA、第9回FTA交渉を実施、ほぼ合意に達する(アルゼンチン、ブラジル、欧州、南米南部共同市場<メルコスール>、欧州自由貿易連合<EFTA>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/6e1296b1c7266d3d.html

2019年6月14日    ブラジルのボルソナーロ大統領、初のアルゼンチン公式訪問(アルゼンチン、ブラジル、EU、南米南部共同市場<メルコスール>、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/36efb5c4afb3f297.html

ブラジル
2019年7月1日    官民がブラジル・アグリテックの重要性を認識(ブラジル)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/9ce96ee6a5e50617.html

2019年6月26日    アルゼンチンと周辺国で大規模停電、約5,000万人に影響(アルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/057953a6b74c99b2.html

2019年6月19日    ゼネコン最大手オデブレヒトが裁判上の再生手続きを申請(ブラジル)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/609201f1913e962d.html

2019年6月13日    「第3回日伯インフラ会合」で関税などの各種制度改革を紹介(日本、ブラジル)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/14c5a184d1e53607.html

2019年6月13日    「第3回日伯インフラ会合」、東京で初めて開催(日本、ブラジル)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/1ed23279282bee58.html

2019年6月13日    第1四半期のGDP成長率は前年同期比0.5%(ブラジル)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/22c4c3784516df5a.html

アルゼンチン
2019年6月28日    マクリ大統領が来日、首脳会談に続きトップセールスも(日本、アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/4b03721bff8e22b5.html

2019年6月28日    アルゼンチン大統領選挙、候補者9人が出そろう(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/e9be4eb0c6e4070a.html

2019年6月27日    第1四半期のGDP成長率はマイナス5.8%(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/c733b2f4a34aa839.html

2019年6月27日    州知事選挙、ペロン党の地方での支持基盤の強さは顕著(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/1ea2ec3824350cdb.html

2019年6月26日    5月のインフレ率は3.1%、3月から漸減(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/d6488356d78b1057.html

2019年6月26日    アルゼンチンと周辺国で大規模停電、約5,000万人に影響(アルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/057953a6b74c99b2.html

2019年6月18日    第1四半期の家電販売、価格高騰で販売台数は大幅減(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/98d7925953b1e8a5.html

2019年6月17日    4州の州知事選挙を実施、現職が全員再選(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/6c4537b486d81f0d.html

2019年6月14日    マクリ大統領が大統領選挙に向け、副大統領候補を決定(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/77f0b3a85e4b5042.html

2019年6月13日    1~5月の自動車生産、販売ともに低迷続く(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/36369387fa2fdde9.html

2019年6月11日    民間エコノミスト、2019年の実質GDP成長率予測をマイナス1.5%に下方修正(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/c4a35052d3066ce5.html

2019年6月11日    低迷する自動車産業の回復図り、新車の販売促進プログラムを発表(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/791e1f6a43b97174.html

2019年6月6日    サンフアン州とミシオネス州知事選、中道左派ペロン党候補が勝利(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/0b32a08ebb95bb59.html

2019年6月6日    ブエノスアイレス市、使い捨てプラスチック製ストローの使用禁止を決定(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/55611dc176c2afaa.html

2019年6月4日    ゼネスト決行で960億円相当の経済損失が発生(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/e212e7474a2f451a.html

2019年6月3日    3月の産業活動指数は前年同月比、前月比ともにマイナス(アルゼンチン)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/ec69a576973bc55a.html

パラグアイ
2019年6月26日    アルゼンチンと周辺国で大規模停電、約5,000万人に影響(アルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/057953a6b74c99b2.html

ウルグアイ
2019年6月26日    アルゼンチンと周辺国で大規模停電、約5,000万人に影響(アルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/057953a6b74c99b2.html

2019年6月17日    日本産和牛、ウルグアイに初めてお披露目(日本、ウルグアイ)    https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/fa25c3d6edad380c.html

 

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2018年4月1日よりジェトロの「海外ビジネス情報」ページでは、これまでの「通商弘報」や「ジェトロ・センサー」を刷新し、新たに「ジェトロ・ビジネス短信」と「ジェトロ地域・分析レポート」の二つのコーナーを設け、日々刻々と変化する世界主要国・地域の動向を、網羅的に、分かりやすくスピーディに提供して参ります。

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