BRFと Marfrig合併で世界4位に食肉会社誕生か

サジア並びにペルジゴンの有名ブランド製品を擁するブラジル資本Brasil Foods (BRF)社と同じくブラジル資本Marfrig社の合併話が持ち上がって、両社の株価が上昇している。

両社の合併が実現すれば売り上げが760億レアルに達して、ジョエズレイ・バチスタ並びにウエスレイ・バチスタ兄弟が所有するJBS社、米国資本のタイソン・フーズ社、中国資本Smithfield社に次ぎ世界4位の食肉会社の誕生となる。

新合併会社は世界中に136カ所の食肉加工工場の所有で従業員13万7,000人を擁する食肉工場が誕生、BRF社は株式の85%、Marfrig社は株式の15%所有で、合併調整している。

昨年末BRF社はアルゼンチンの食肉加工会社Quickfood社並びにマット・グロッソ州の食肉加工会社をMarfrig社に譲渡、Marfrig社はBRF社にハンバーグなどの原料となる加工食肉を供給していた。

両社の合併劇を成立させるために、CitiBankがBRF社の主幹事会社として舵を取り、またJP Morgan銀行がMarfrig社の主幹事会社を務めると予想されている。

29018年のBRF社の売上は345億レアル、時価総額は236億レアル、企業価値は401億レアル、Marfrig社は414億レアル、時価総額は42億レアル、企業価値は173億レアル、両社合わせた売上は759億レアル、時価総額は278億レアル、企業価値は574億レアルとなっている。

また両社は負債軽減のために自社資産売却を接触的に進めてきたが、BRF社の純負債総額は45億レアル、総債務/金利·税金·償却前利益(Ebtida)は5.64倍、Marfrig社の純負債総額は22億レアル、Ebtidaは2.76倍であった。

Marfrig社は、米国資本National Beef社の株式51%を9億6,900万ドル(33億レアル相当)で取得、同じくブラジル資本JBS社に次ぐ世界2位の牛肉加工メーカーが誕生していた。

連邦警察は、BDF社に対して2017年初めに第3弾カルネ・フラカ作戦(規格外混入食肉作戦)として「トラパッサ作戦」と命名された捜査を実施、同年3月中旬にカルネ・フラカ作戦で発覚した食肉偽造事件では、農畜産省(APA)の職員が賄賂を受け取って、衛生検査を行わずに許可証の発行疑惑、食用期限切れを隠すための化学薬品使用、増量のための水注入、ダンボールや期限切れ食肉の混入など発覚して国際的な信用が下落していた経緯があった。(2019年5月31日付けエスタード紙)

連邦政府は経済活性化でFGTS預金引出を検討

2019年第1四半期のGDP伸び率は、前四半期比ではマイナス0.2%と8四半期ぶりのマイナスを記録してブラジルの国内経済の停滞が堅調となっている。また前年同四半期では0.5%増加、過去12カ月間では0.9%増加、今年のGDP伸び率は、昨年並みの1.1%増加前後に留まる可能性が否定できない。

パウロ・ゲーデス経済相は、年金・恩給改革の国会承認の6月末までの実現を目指しているが、年金・恩給改革の承認直後にブラジル国内経済を活性化するために、現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金引出を検討している。

2015年末までに正当な理由で解雇されたり、辞任を申し入れたりして会社を辞めた人が、退職後も引き出せずにいた勤続期間保障基金(FGTS)に積み立てられた凍結預金の引き出しが2017年3月10日から開始され、7月31日で終了。440億レアルの凍結預金引出を記録、負債軽減や資本財購入に結び付いていた経緯があった。

また年金・恩給改革の承認直後にブラジル国内経済を活性化するために、勤続期間保障基金(FGTS)預金の引出と同時に社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)の引出許可も検討している。

しかし現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金の引出許可の影響で、金利が最も低い勤続期間保障基金(FGTS)の住宅購入向けクレジットが減少する可能性があり、建設業界への資金停滞が憂慮されている。

経済省ではインフレ指数以下の金利のために、サラリーマンが鵜の目鷹の目で引出を図っている勤続期間保障基金(FGTS)の預金の対する金利について、インフレ指数以上の金利への見直しについても検討している。(2019年5月30日のUOLサイトより抜粋)

日伯経済合同委員会及び日伯インフラ協力会合について

2019年5月30日午後1時から、経団連の大前孝雄企画部会長と日メルコスールEPA準備タスクフォースの共同幹事委員長らによる会合が商工会議所大会議室にて行われた。今回は主に本年7月末サンパウロ市で開催予定の日伯経済合同委員会の要領やEPAセッションなどについて意見交換が行われた。

また、午後2時からは政策対話委員会のインフラワーキンググループメンバーがジョインし、来る6月10日及び11日東京で行われる第3回日伯インフラ協力会合においての会議所からのプレゼンテーションについて説明が行われた。

参加者(敬称略/順不同)は大前孝雄 経団連企画部会長(三井物産特任顧問)、早川宣広(三井物産)、村田俊典(双日ブラジル/会頭)、佐藤真吾(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進委員長・政策対話委員長)、大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、芦刈宏司(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進副委員長・政策対話副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長・日伯経済交流促進副委員長・政策対話副委員長)、佐橋拓哉(伯国三菱商事/政策対話副委員長)、大塚未涼(ブラジル三井物産/政策対話委員)、事務局から平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐、近藤千里アシスタント。
午後2時、インフラワーキンググループからは佐藤洋史(JICAブラジル事務所所長/ワーキンググループ長)、池谷裕一(デロイト/副グループ長)、幕田潤(TozziniFreire/インフラ会合発表者)、事務局から吉田章則調査員

Shingo Sato, Toshifumi Murata, Takao Omae e Nobuhiro Hayakawa

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

 

西森ルイス下院議員が訪問

西森ルイス下院議員(共和党-PR パラナ州選出)は2019年5月30日に商工会議所を訪問、西森ルイス下院議員は、応対した村田俊典会頭並びに平田藤義事務局長に対して、日本移民111年周年記念事業の一環として、伯日議員連盟は6月11日にブラジリア市でのプレナリー講演で各界からスピーチを予定、商工会議所の代表者へのスピーチを要請、また直近のブラジルの政治経済など多岐に亘って意見交換を行った。

Fujiyoshi Hirata, Luiz Nishimori e Toshifumi Murata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス0.2%

ブラジル地理統計院(IBGE)は、今日30日に2019年第1四半期の正式なGDP伸び率を発表、前四半期比ではマイナス0.2%、前年同四半期では0.5%増加、過去12カ月間では0.9%増加を記録している。

今年第1四半期のGDP総額は1兆7,140億レアル、部門別GDP伸び率比較では、農畜産GDP伸び率は前四半期比マイナス0.5%、鉱工業部門マイナス0.7%、サービス部門0.2%増加、住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率はマイナス1.7%であった。

今年第1四半期の鉱工業部門のGDP伸び率がマイナス0.7%を記録した要因として、今年1月25日のヴァーレ社ミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故発生の影響による鉄鉱石生産の大幅な減少で、鉱業部門のGDP伸び率はマイナス6.3%と足を引っ張った。

前記同様に期待に反するジャイール・ボルソナロ新政権の年金改革の遅れによる投資家の景況感の停滞などの要因で、建設業部門のGDP伸び率はマイナス2.0%、製造業部門マイナス0.5%を記録、しかし電力・都市ガス・上下水道・清掃業部門のGDP伸び率は1.4%増加している。

また今年第1四半期のサービス部門のGDP伸び率0.2%増加はその他のサービス部門が0.4%増加、金融・保険仲介部門が0.4%増加、公共教育・保健管理部門は0.3%増加、情報通信部門は0.3%増加、不動産関連部門0.2%増加した一方で、輸送・倉庫・郵便部門はマイナス0.6%、商業部門はマイナス0.1%を記録している。

国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率はマイナス1.7%と大幅に落ち込んでいるにも関わらず、公共支出は0.4%増加、一般消費0.3%増加、財・サービス輸出はマイナス1.9%、財・サービス輸入は0.5%増加している。

今年第1四半期のGDP伸び率は前年同四半期比0.5%増加、そのうち農畜産部門はマイナス0.1%、鉱工業部門は鉱業部門がマイナス3.0%と牽引してマイナス1.1%を記録、建設部門もマイナス2.2%を記録している。

前記同様に製造業部門のGDP伸び率は、輸送機器部門並びに医薬品部門、機械・装置部門、食品部門生産停滞が牽引してマイナス1.7%を記録した一方で、電力・都市ガス・上下水道・清掃業部門のGDP伸び率は4.7%と大幅に増加している。(2019年5月30日のIGBEサイトから抜粋)

今年4月の財政プライマリー収支は65億3,700万レアルの黒字計上

2019年4月の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は65億3,700万レアルの黒字を計上したにも関わらず、4月としては1998年以降では最低の黒字額計上、昨年4月は86億8,400万レアルの黒字であった。

しかし今年3月の中央政府の財政プライマリー収支赤字は211億レアルに達して、統計を取り始めた1997年以降では2番目の大幅赤字を計上していた。

今年初め4か月間の中央政府の財政プライマリー収支は27億4,800万レアルの赤字を計上しているにも関わらず、2015年以降では最低の赤字額に留まっている。また昨年同期の財政プライマリー収支赤字41億8,700万レアルから大幅に減少している。

国庫庁のマンスエット・アルメイダ長官は、今年4月の財政プライマリー収支が65億3,700万レアルの黒字を計上したのは喜ぶほどのものではないと釘を刺している。

昨年の中央政府の財政プライマリー収支赤字は5年連続の赤字計上しており、財政プライマリー収支が黒字化するには数年間を要するとマンスエット・アルメイダ長官は慎重に説明している。

4月の過去12カ月間の中央政府の財政プライマリー収支はGDP比1.71%に相当する1,218億レアルに達しており、今年の中央政府の財政プライマリー収支赤字を許容上限値1,390億レアルに接近してきている。

今年初め4か月間の社会保障院(INSS)は、既に650億9,800万レアルの赤字を計上している一方で、国庫庁では公共投資などの支出を極力抑制して623億5,000万レアルの支出を削減している。今年の連邦政府の公共支出はGDP比0.5%に留まると予想されている。(2019年5月30日付けエスタード紙)

アルゼンチンはマクリ政権で5回目のゼネストで国家機能マヒ

昨日29日、アルゼンチン国内ではアルゼンチン労働総同盟(CGT)が主導して、首都ブエノスアイレスをはじめとした主要都市での公共交通機関や空港、港湾、教育機関、銀行など全ての国家機能がマヒした。

インフレが55%に達して、貧困層が国民の32%まで達する結果となった中道右派のマウリシオ・マクリ政権の経済政策に反対するゼネストが昨日全国で実施された。10月の大統領選挙を前に既に与野党の政策非難合戦を展開、労組が支持する左派陣営は、マクリ政権の開放的な経済政策が不況の原因だとして攻勢を強めている。

ペロン主義の流れをくむアルゼンチン労働総同盟(CGT)は、50%のインフレに相応するサラリー引き上げを要求、またこれ以上の貧困層の増加阻止に繋がる経済政策への転換を要求している。

2018年のアルゼンチンの失業率は9.1%に達しているが、過去3年間で人口が4,400万人のアルゼンチンで29万人が職を失っていると指摘してゼネストに発展している。

2015年12月のマクリ政権の発足以降のゼネストは5回発生しており、マクリ政権が進める財政健全化のための政府支出削減や国際通貨基金(IMF)との合意撤回を要求してゼネストに突入している。(2019年5月30日付けエスタード紙)

事務局便り JD-044/19   ブラジル日本移民111周年記念行事案内

                            JD-044/19
                            2019年5月29日
会員各位
                            ブラジル日本商工会議所
                            事務局

文協(ブラジル日本福祉協会)より6月~7月にかけて行われるブラジル日本移民111周年記念行事へのご案内を以下の通り頂きました。

ご参加ご希望の方は直接文協あてにお問い合わせ下さいます様お願い申し上げます。(TEL.: 11 3208-1755 E-mail:eventos@bunkyo.org.brまで)

 

今年第1四半期の住宅販売件数は前年同期比9.7%増加

2019年第1四半期の住宅販売軒数は、前年同期比9.7%とほぼ二桁台の増加を記録したにも拘らず、前四半期の3万5,358軒から2万8,676軒と20%以上落ち込んでいるとブラジル建設工業会議所(Cbic)では発表している。

今年第1四半期の住宅販売リリース軒数は、1万4,680軒と前年同期比4.2%増加しているが、前四半期の住宅販売リリース軒数3万9,108軒との比較では40%未満に留まっている。

今年初めのブラジル国内の経済成長率は2.57%が予想されていたにも関わらず、月曜日発表された中銀の最終フォーカスレポートでは、13週連続の下方修正で1.23%と年初の半分以下の経済成長率に減速している。

またジャイール・ボルソナロ新政権とメディアとの蜜月期間の100日が過ぎたにも拘らず、年金・恩給改革が足踏み状態で、政治や経済の膠着状態が継続していることも、今年の住宅販売軒数は当初予想を大幅に下方修正されると予想されている。

昨年11月から今年2月までは住宅販売件数は、ジャイール・ボルソナロ新政権による早々の構造改革への期待で好調に推移していたにも関わらず、与党の稚拙な政治駆引きで年金改革が足踏みしているために、一般消費者並びに企業経営者の景況感が停滞して景気回復ムードに程遠い。

Setin不動産のAntonio Setin社長は、昨年の住宅販売総額(VGV)は7億レアルであったが、今年は年金改革が国会で承認されれば加速度的に住宅販売は上昇して大幅に上回ると楽観的な見方をしている。

ブラジル国内の住宅販売の大半は長期の住宅ローン販売であり、年金改革並びに税制改革が国会で承認されれば現在の過去最低の政策誘導金利(Selic)6.5%を基にした低金利の住宅ローン販売が大幅に拡大するとEven社のVinicius・Mastrorosa取締役は楽観視している。

サンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の調査によると、今年第1四半期のサンパウロ市内の住宅販売は前年同期比17.0%増加の6,790軒、新規住宅リリース軒数は21.0%増加している。

サンパウロ市内の住宅販売は、経済リセッション真っただ中の2016年が底であったが、今年初め4か月間の建設業界の新規雇用は、昨年1年間を上回っているとSecovi組合チーフエコノミストのCelso・Petrucci氏は説明している。(2019年5月29日付けエスタード紙)

国債の償還期間集中で4月の対内債務残高は1.0%減少

2019年4月の連邦政府の対内債務残高は前月比1.0%減少の3兆8,790億レアルを記録、国庫庁の年間ファイナンスプラン(PAF)の今年末の対内債務残高は、4兆1,000億レアル~4兆3,000億レアルに留まると予想されている。

2019年のブラジル国内の償還期間は上半期に69.0%集中しており、またブラジル国債発行は今年下半期に集中すると国債管理オペレーション担当のLuiz・Felipe・Vitalコーディネーターは説明している。

今年4月の国庫庁によるブラジル国債償還総額は1,266億9,000万レアルに対して、ブラジル国債発行総額は565億5,000万レアル、政策金利(Selic)の水準に応じて金利が変動する政策金利連動型国債(LTF)の比率は、前月の35.86%から36.95%に上昇している。

また今年4月のインフラ指数連動国債(NTN-B)比率は、前月の28.01%から28.70%に増加した一方で、購入時に利回りが決定している固定金利国債(LTN)は、32.01%から30.16%と僅かに減少している。

今年4月の金融ヴォラティリティ指数は、年金・恩給改革の国会承認期間の短縮予想で減少したと国庫庁の国債関連関係者は説明、5月は米中貿易摩擦悪化にもかかわらず、ブラジル国債発行金利は減少している。

今年4月の海外投資家によるブラジル国債の所有比率は、前月の12.24%から12.50%に相当する4,653億3,000万レアルに達して国債買い越し傾向になっている。

今年初め4か月間の海外投資家によるブラジル国債買い越し総額は470億レアル、4月は46億レアルを記録、年金改革の国会承認後は大幅な買い越しが予想されている。

4月の今後12カ月間のブラジル国債が償還期間を迎えるのは3月の16.73%から16.23%に減少、平均償還期間は前月の4.02カ月から4.09カ月に伸びている。(2019年5月29日付けヴァロール紙)