今年のブラジルの世界競争力ランキングは59位

スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)は、今月28日に2019年版の63ヵ国対象の「世界競争力ランキング」を発表、ブラジルは2018年の60位から59位と1ランクランクを上げている。

今年の「世界競争力ランキング」首位は、前年の3位からトップにランクアップしたシンガポール、前年同様に香港は2位、米国は前年トップから3位に後退している。

スイスは4位、アラブ首長国連邦は前年の7位から5位に上昇、オランダは前年の4位から6位に後退、アイルランドは12位から7位に上昇、デンマークは6位から8位に後退、スエーデンは前年同様に9位、10位には前年14位のカタールがトップテン入りしている。

アジアでは中国が前年の13位から14位、台湾が16位、マレーシアが22位、タイが25位、韓国が28位、日本の前年の25位から30位と大幅に競争ランキングを下げている。

国際競争力を判断する基準は大きく4つ分けられ経済のパフォーマンス、政府の効率性、ビジネスの効率性、インフラであり、ブラジルはラテンアメリカ地域で唯一アルゼンチンの61位を上回ったが、チリの42位、メキシコ50位、コロンビア52位、ペルーの56位を下回っている。

調査対象項目でブラジルの競争力が特に低いのは、公共金融のクレジットコストであり、僅かにギリシア並びにアルゼンチンのみがブラジルのクレジット金利を上回っていた。

またブラジルの競争力が特に低い項目として、国際貿易、制度的枠組み、租税対策、生産性・エフィシエンシー、教育、社会的枠組み、ビジネス法制となっている。(2019年5月29日付けヴァロール紙)

株式会社グローバルトラストネットワークス一行が訪問

株式会社グローバルトラストネットワークス社事業開発室の佐藤章室長並びに経営企画部のスティーブ・リー氏、同営業部の国常ロペス氏が2019年5月28日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長並びに日下野成次総務担当に人材活用やブラジルの政治経済など多岐に亘って意見交換した。

同社は「外国、または外国人との互恵関係による発展を目指していく」を企業理念に掲げて外国人専門の賃貸住宅保証並びに生活サポート、賃貸住宅仲介、同検索サイト、国際人材紹介、留学事業を行っており、池袋本店並びに大阪支店、ハノイ支店、ホーチミン支店、韓国支店、モンゴル支店を擁している。

Fujiyoshi Hirata, Seidi Kusakano, Akira Sato, Lopes Kunitsune e Steve Lee

Seidi Kusakano, Akira Sato, Fujiyoshi Hirata, Lopes Kunitsune e Steve Lee

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

日系主要5団体会議に岡本将紀日伯交流副委員長が参加

日系主要5団体会議は2019年5月28日正午から文協貴賓室で開催、商工会議所から岡本将紀日伯交流副委員長が参加。司会は文協の中島 エドアルド 剛 事務局長が務め、初めに石川レナト文協会長が開催挨拶を行い、アリアンサ新会長吉田エドワルドが日系社会の統合と日本文化の普及、2019年4月30日 ( 火 )19時より開催された新天皇ご即位 新元号『令和』祝賀晩餐会収支報告、7月25日開催予定の春の叙勲祝賀会などのついて意見交換を行った。

稀代の詐欺師エイケ・バチスタ氏に5億3,600万レアルの罰金支払い命令

昨日有価証券取引委員会(CVM)は、満場一致で自社が所有する石油鉱区の原油生産予想を金融市場の想定外の産油量を発表してOGX社の株価を操作、投資家に損害を与えたと認定した。

石油採掘会社OGX社のオーナーのエイケ・バチスタ氏は、一時は世界の10指に入る大富豪に上り詰めたが、リオ州政府高官との政治取引やインサイダー取引、情報操作など相次ぐ不正が明らかになっており、稀代の詐欺師のレッテルが張られている。

昨日有価証券取引委員会(CVM)は、エイケ・バチスタ氏に対して総額5億3,650万レアルの罰金支払いを満場一致で決定、この罰金額はサントス銀行の元オーナーのエジマール・シド・フェレイラ氏の2億6,450万レアルの倍以上の罰金を科せられている。

エイケ・バチスタ氏に対する罰金の対象として、カンポス海盆のツバロン・アズール油田並びにツバロン・チグレ油田、ツバロン・ガット油田、ツバロン・アレイア油田の産油量を操作していた。

2013年7月のOGX社は市場に対して、カンポス海盆のツバロン・アズール油田の1日当たりの産油量は10万バレルと発表してOGX社の株価を操作していたが、その後同社は企業再生法を申請していた。

国立石油庁(ANP)の2007年の第9回石油・天然ガス鉱区入札では、巨大石油埋蔵量が確認されたサントス海盆ツピー鉱区周囲の41鉱区は入札から外されたために、石油メジャーは入札に参加しなかった。

しかしエイケ・バチスタ氏が率いるOGX社は、第9回石油・天然ガス鉱区入札で入札売上の66%に相当する14億レアルを投資、サントス沖、カンポスやエスピリット・サントとなどの有望な21鉱区を落札、ペトロブラスの1億9,500レアルの投資を大幅に上回った。

2013年の会社更生法を申請、2017年からアトランタ・カンポス鉱区並びにオリーヴァ・カンポス鉱区、サントス海盆のとバロン・マルテーロ油田、カンポス海盆のツバロンアズール鉱区で1日当たり5,000バレルの原油を生産している。(2019年5月28日付けエスタード紙)

Embrapaはセラード地帯での小麦生産奨励

ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)では、1970年代からセラード地帯の土壌や気候に適応した小麦の品種改良を手がけているが、セラードはブラジル中西部から北部に分布するサバンナ地帯であり、そのアルミニウムを含むやせた強酸性土壌は農耕には不適とされていた。

アルゼンチンからの小麦輸入では生産の不安定や政治的な問題も絡んでブラジル政府の頭痛の種であったが、収穫期が6月~7月と端境期に当たるために価格が高い有利さも備えている。

日本政府がこれまで手がけた数多くのODAプロジェクトの中でも、ブラジル政府が主導したセラード農業開発事業への大規模な技術協力と資金協力が並行して実施、資金協力は「日伯セラード農業開発協力事業」(プロデセール)と呼ばれ、開発の最前線では多くの日系人が事業に参加した。

相次ぐ小麦の品種改良で灌漑施設がない標高の高い乾燥地帯でも小麦栽培ができ、2019年のゴイアス州の小麦栽培面積は記録更新、ミナス州並びにバイア州でも小麦栽培を奨励している。

ミナス州小麦生産者協会(Atriemg)のエドアルド・エリアス・アブラヒム会長は、昨年5月中旬のセラード産の1当たりヘクタール当たりの小麦の純益は1,000レアル、1トン当たり1,200レアルとパラナ州産600レアルの2倍に達したと説明している。

昨年のミナス州の小麦栽培面積は8万ヘクタールであったが、今年は10万ヘクタールに拡大、ゴイアス州は1万3,000ヘクタールから3万ヘクタールと2倍以上、バイア州並びにブラジルア連邦直轄地では小麦の栽培用種子不足が懸念されている。

昨年のセラード地帯での小麦栽培は降雨に恵まれて1ヘクタール当たり平均35袋を収穫、灌漑施設のある小麦栽培は100袋に達した一方で、設備コストが非常に高い。

今年のバイア州の小麦生産は昨年同様の3万トン、ゴイアス州は昨年の7万200トンから11万800トン、ブラジリア市は9,400トンから1万1,400トン、ミナス州は20万7,200トンから21万400トン、今年のブラジルの穀物生産は前年比0.7%増加の550万トンを国家配給公社(Conab)では予想している。

バイア州の1ヘクタール当たりの小麦生産は6,000キログラム、ゴイアス州5,514キログラム、ブラジリア市3,787キログラム、ミナス州は2,514キログラムと灌漑施設の有無で大きな開きが出ている。(2019年5月28日付けヴァロール紙)

州政府公務員の時短制度導入で388億レアルのコストカット

国庫庁の試算によると、各州政府が州公務員に対して勤務時間短縮制度を導入すれば年間388億レアルの人件費カットに結び付くと説明、連邦最高裁判所(STF)は時短によるコストカットにゴーサインを出している。

連邦政府との間で約束が交わされている財政責任法(LRF)の支出総額の60%までに制限されている州政府公務員の給与総額限度を超えて、財政責任法(LRF)を果たしていない州政府が増加の一途を辿っている。

国庫庁の発表によると、2018年に州政府公務員の給与総額限度を超えて財政責任法(LRF)を果たしていない州政府は、連邦政府からの交付金を受けられない可能性がある。

州政府の行政関連公務員給与総額は、支出総額の49%が給与総額限度、司法関連公務員給与総額は6.0%、立法関連公務員給与総額は3.0%、州検察庁関連公務員給与総額は2.0%と取り決めされている。

2017年の支出総額の60%をオーバーした州政府は14州政府に達しており、特にミナス州政府の行政関連公務員給与総額は、支出総額の49%を上回る79.2%、南マット・グロッソ州政府76.8%、北大河州政府72.1%、リオ州政府70.8%、南大河州政府は69.1%とそれぞれ限度額をオーバーしている。

連邦総弁護庁(AGU)のIzabel Vinchon de Andrade長官は、州政府の財政再建政策としては、勤続勤務が保障されている州政府公務員に対する希望退職制度や解雇を避けることが可能な時短制度を認めている。(2019年5月28日付けエスタード紙)

外国人のブラジル国内の土地所有議論が再燃

Iraja Abreu上院議員(PSD:社会民主党=トカンチンス州選出)は、先週21日に農畜産部門の投資活性化の一環として、外国人の個人及び法人企業に対するブラジル国内の土地所有を認める要請書を提出した。

1971年の法令5709号で外国人によるブラジル国内の農耕地所有は禁止されていたにも関わらず、形骸化していたため2010年に連邦政府が外国人による自由な土地購入に対する制限強化、ブラジルに本拠を置く企業を設立することで既存の制限をかいくぐる抜け道を塞ぐことを決定して制限されていたが、しかし外国人による農耕地購入による投資は、ブラジル国内経済を活性化させる利点のほうが制限するよりも多いと議論されてきた経緯があった。

またジウマ政権では長らく外国人への耕作地所有に関する議論は棚上げされていたが、外国人による農耕地の購入で植林事業や農畜産事業への投資を活性化する動きがでてきており、また外国企業グループによる農耕地購入は最大10万ヘクタールまでに制限すれば問題は発生しないと議論されていた経緯があった。

2012年に外国人によるブラジル国内の土地所有に関する法令が変更されて国会に提出されたにも関わらず、塩漬けとなっていた。2016年に、ニュートン・カルドーゾ下院議員(MDB:ブラジル民主運動党=ミナス州選出)は、外国人が購入できる土地面積を各市町村の25%までに限定すれば問題はないと強調している。

またカルドーゾ下院議員は、外国人によるブラジル国内の土地所有容認で毎年500億レアルに達する投資に結び付いて、ブラジルの農業が飛躍的に発展すると強調している。

外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の土地所有面積は、リオ州に匹敵する361万7,000ヘクタール、そのうち個人名義の土地面積は129万3,000レクタール、法人企業名義の土地面積は232万4,000レクタールとなっている。

外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の所有土地は、全国の市町村5,500市の約60%に相当する3,205市に及んでいると全国農業信用システム(SNCR)並びに国立農地改革院(INCRA)の統計から割り出されている。

ブラジル農村協会(SRB)では、ボウソナロ次期大統領の積極的な外資導入の一環として、テレーザ・クリスティーナ農務相の農畜産業界の輸出拡大のための外資系企業に対する農畜産部門投資解放政策に期待している。(2019年5月25日付けエスタード紙)

今年第1四半期の小売販売は閉店が開店を上回った

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の調査によると、今年第1四半期の小売販売は閉店が開店を39店舗上回ったが、昨年末の予想では、今年の小売販売回転数は閉店を2万2,000店舗上回ると予想されていた。

サンパウロ市西部のピニェイロス区テオドーロ・サンパイオ街では、多くの小売販売は閉店に追い込まれて通り全体の活気がなくなっていると同商店街協会のロベルト・フェリアス理事は憂慮している。

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした調査では、今年第1四半期の小売販売では衣類・履物関連小売はマイナス388店舗、薬局・化粧品はマイナス196店舗、家具・家電マイナス192店舗、建材マイナス151店舗、燃料・潤滑油関連小売はマイナス67店舗を記録して閉店に追い込まれている。

一方今年第1四半期のスーパーマーケット関連小売は645店舗増加、自動車ディーラー・自動車部品関連253店舗増加、情報通信関連167店舗増加、日用品・身の回り品関連小売は57店舗増加している。(2019年5月27日付けエスタード紙)

今年4月の正規雇用は12万9,000人で2013年以降では最高

就労・失業者管理センター(Caged)の発表によると、2019年4月の労働手帳に記載される正規雇用は12万9,601人を記録して、2013年4月の19万6,900人に次いで6年ぶりの正規雇用を創出している。

金融市場関係者の今年4月の正規雇用は80万人前後と予想されていたにも関わらず、前年同月の11万5,800人を11.8%上回り、伝統的に4月の正規雇用は増加傾向を示している。

しかし経済リセッションが始まった2014年4月の正規雇用は10万5,300人増加したが、経済リセッション真っただ中の2015年4月の正規雇用はマイナス9万7,800人、2016年4月はマイナス6万2,800人、経済リセッションから脱出した2017年4月は5万9,800人増加、昨年は11万5,800人を記録していた。

経済成長か継続していた2010年4月の正規雇用は30万5,000人で記録更新したが、2011年4月は27万2,200人増加、3012年4月は21万6,000人増加、2013年4月は19万6,900人増加と徐々に減少傾向を示していた。

今年初め4か月間の正規雇用は31万3,835人増加、4月の過去12カ月間では47万7,896人増加、今年の正規雇用は年金・恩給改革が国会で承認されれば加速度的に増加すると予想されている。

今年4月の正規雇用を牽引したのは、サービス部門の6万6,290人増加と約50%を占めたが、製造業部門も2万479人増加、建設業部門は1万4,067人増加、農畜産部門1万2,291人増加、公務員1,241人増加、鉱業部門は454人増加している。(2019年5月25日付けエスタード紙)

中山マネジメント・パートナーズ株式会社の中山立夫代表取締役が訪問

中山マネジメント・パートナーズ株式会社(NMPC)の中山立夫代表取締役が2019年5月24日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジルのビジネス環境の現状やジャイール・ボルソナロ新政権下の刑事経済状況などについて意見交換した。NMPC社は日本国内では自動車業界を中心に6社と顧問契約を結んでおり、また海外勤務の長い経験を生かして海外6カ国(米国並びにブラジル、チリ、タイ、ベトナム、ミヤンマー)でコンサルタント事業を展開している。ブラキチの中山氏はブラジル駐在中の2010年から2011年にかけ第16代会頭として当所の会頭を務め、会議所活動活性化に大いに貢献した。

Fujiyoshi Hirata e Tatsuo Nakayama

Tatsuo Nakayama e Fujiyoshi Hirata

Fotos: Rubens Ito / CCIJB