米中貿易摩擦の煽りで中国製鉄鋼製品がラテンアメリカに流入

ラテンアメリカ鉄鋼メーカー協会(Alacero)によると、米中の貿易摩擦激化の影響を受けて、2018年のラテンアメリカ地域では、750万トンに達する中国製鉄鋼製品の輸入を余儀なくされている。

昨年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品消費は6,700万トン、輸入鉄鋼製品は2,270万トンに増加、そのうちの中国製鉄鋼製品の輸入量は1/3に相当する750万トンに達している。

昨年下半期の中国製鉄鋼製品の輸入量は前年同期比9.0%増加、米中の貿易摩擦激化に伴って、ラテンアメリカ向け輸入が増加している一方で、同期間の他の地域の輸入は5.0%減少している。

ラテンアメリカ鉄鋼メーカー協会(Alacero)では、今年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品消費は6,900万トン、2020年は7,200万トンと2014年の水準に戻ると予想、特にブラジル政府が新社会保障改革並びに税制改革に漕ぎ着ければ更なる鉄鋼製品消費の拡大が見込める。

2018年のブラジル国内の自動車向け亜鉛メッキ鋼板の消費は310万トン、ナショナル製鉄所(CSN)は130万トンを生産したが、輸入亜鉛メッキ鋼板価格は国内製よりも15%安いために、国内メーカーにとっては脅威となっている。

昨年の亜鉛メッキ鋼板の国内消費の34%は輸入製品が占めるが、2013年は30%、ピークの2017年は37%を占めていた。また輸入圧延鋼板も34%から36%と輸入比率が上昇してきている。

2018年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品貿易は、前年比11.0%増加の1,290万トンの輸入超過、圧延鋼貿易ではブラジルが240万トン、アルゼンチンは80万トンの輸出超過を記録している。

一方メキシコの鉄鋼製品の貿易収支は660万トンの輸入超過、コロンビアは240万トン、チリは160万トン、ペルーは160万トンそれぞれ輸入超過を記録している。(2019年4月5日付けヴァロール紙)

Sigma Mineração社は7,000万ドル投資でリチウム鉱開発

カナダ資本Sigma Lithium Resources社は、同社のブラジル子会社Sigma Mineração社がミナス州北東部のJequitinhonha渓谷のイチンガ市のリチウム鉱開発に7,000万ドルを投資して開発に着手する。

Sigma Lithium Resources社には投資ファンドのBlackRock社並びにブラデスコ銀行投資ファンド、Citrino社、Waratha社、CQS社、Votorantim社が投資を行っている。

また日本の商社も日本の自動車メーカー向けリチウム鉱確保のために資本参加、リチウム鉱生産の1/3を5年間に亘って確保するために、3,000万ドルの資本参加している。

リチウム鉱の本格的な生産は、環境ライセンス認可が下りる2020年中頃から開始予定となっているが、パイロットプラントは、バッテリーグレードのリチウム原料となるスポジュメン精鉱を毎時10トン、年間1万2,000トンの生産能力を有している。

リチウム鉱山の年間生産能力は22万トン、しかし2020年並びに2021年のリチウム生産はそれぞれ11万トンを予定、2022年には世界のリチウム鉱の需要に対応するために、生産能力を2倍に引き上げる計画となっている。

含有量が非常に高い同リチウム鉱山の埋蔵量は5,200万トンと膨大で日本並びに中国、米国の顧客にリチウムを供給する。最大のコンペティターはオーストラリア資本の鉱山会社となっている。(2019年4月5日付けヴァロール紙)

 

ソフトバンク社はGreditasとGrowに投資か

今年3月上旬に総額50億ドルに達するラテンアメリカ地域攻略する最先端テクノロジー向け投資ファンドを設立したソフトバンク社は、フィンテッククレジット部門のCreditas社並びに都市移動簡易システム関連のスタートアップ企業Grow社に投資すると予想されている。

Creditas社は、個人向けの保証付きの不動産並びに自動車向けクレジットは事業の柱で企業価値は5億ドルに達しており、当座の運転資金として2億ドルの資金調達を予定している。

ソフトバンク社は、総額50億ドルに達するラテンアメリカ地域攻略する最先端テクノロジー向け投資ファンドを設立後、Eコマース並びにデジタルファイナンスサービス、ヘルスケア、運輸業、保険業といった領域のスタートアップ企業に果敢に投資すると発表していた。

特にラテンアメリカ地域では、ブラジル並びにチリ、アルゼンチン、コロンビア、メキシコ市場で攻勢をかける。総額50億ドルのラテンアメリカ市場に特化したイノヴェーションファンドのうちソフトバンクは20億ドルを出資、残り30億ドルは海外投資家から調達を予定している。

ソフトバンク社は、企業価値が7億ドルと見込まれているGrow社向けに1億5,000万ドルの投資が予想されているが、同社のセルジオ・フリオ社長は詳細については一切コメントしていない。

自転車や電動スクーターのドックレス方シェアサービスを展開するブラジル資本Yellow社とメキシコの電動スクーターメーカーGrin社が合併して、2018年に企業価値が10億ドル以上のユニコーンとなっているGrow社を設立している。

イエロー社はブラジル初のマイクロモビリティ企業として注目を集め、昨年9月にはGGVキャピタルから6,300万ドルを調達、グロウモビリティはラテンアメリカの6各国で13万5,000台の車両展開に成功、今年3月までの半年間で270万件の乗車回数を達している。

ソフトバンク社は、既にブラジルで配車サービス会社99や配送アプリLoggi、フィットネスジムを横断的に使えるサブスクリプションサービスGympassなどに投資している。(2019年4月4日付けエスタード紙)

ヴェネズエラ政府とキューバ政府は23億レアルのBNDES銀行への返済遅延

ヴェネズエラ政府とキューバ政府は、ブラジル公立銀行である社会経済開発銀行(BNDES)対して、23億レアルに達するクレジット返済の遅延が発生しており、クレジット返済ができなければ国庫庁が負債をカバーしなければならない。

社会経済開発銀行(BNDES)では、ヴェネズエラ政府とキューバ政府が期日以内に負債を返済しなければ2018年の決算報告書には、44億レアルの不渡り計上を余儀なくされる。

当時の労働者党(PT)のルイス・イナシオ・ルーラ大統領は、当時友好関係にあったヴェネズエラのチャベス大統領やキューバのフィデル・カストロ議長の要請で、社会経済開発銀行(BNDES)からインフラ整備向けクレジットを積極的に供与していた経緯があった。

2014年に連邦警察のラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚で、労働者党(PT)政権時の積極的な海外でのインフラ整備プロジェクト向けクレジットが汚職の隠れ蓑になっている可能性が疑われている。

しかし社会経済開発銀行(BNDES)のジョアキン・レヴィ新総裁は、今後数年間の同銀行の新戦略として、インフラ整備部門向け長期クレジットは経済成長の牽引として除外できないが、ラヴァ・ジャット汚職関連の労働者党(PT)政権による伝統的な特定企業向けクレジットは削減すると明言している。

ヴェネズエラ政府の社会経済開発銀行(BNDES)向け負債返済が2017年9月から遅延し始めて16億レアルの負債返済遅延を記録、この中には首都ハバナ市から40キロメートルに位置するマリエル港湾コンビナート内の工業団地建設向けの総額6億8,200万ドルのクレジットが含まれている。

社会経済開発銀行(BNDES)のアルゼンチン政府に対する1998年以降のインフラ整備向けクレジット契約残高は65億5,260万ドル、クレジット残高は52億7,900万ドルに達している。

前記同様にアンゴラ政府向けは39億9,090万ドル、32億7,280万ドル、ヴェネズエラ政府は24億3,600万ドル、15億690万ドル、ドミニカ共和国15億7,830万ドル、12億1,510億ドル、エクアドル政府は7億1,270万ドル、68億5,000万ドル。

またキューバ政府は6億9,690万ドル、6億5,610万ドル、モザンビーク政府は4億4,500万ドル、1億8,810万ドル、ペルー3億9,870万ドル、3億4,770万ドル、グアテマラ2億8,000万ドル、1億6,780万ドル、ガーナ2億1,580万ドル、1億5,360万ドル、メキシコ9,000万ドル、8,990万ドル、パラグアイ7,700万ドル、7,690万ドル、コスタリカ4,420万ドル、4,260万ドル、ウルグアイ政府向けクレジット契約残高は3,090万ドル、クレジット残高は3,090万ドルとなっている。(2019年4月4日付けエスタード紙)

今年2月の燃料販売は前年同月比5.7%増加

ブラジル石油監督庁(ANP)の発表によると、2019年2月の燃料消費はディーゼル燃料並びにエタノール消費が牽引して前年同月比5.7%増加の108億リットル、今年初め2カ月間の燃料消費は前年同期比4.8%増加している。

今年2月の燃料消費は、農畜産部門並びに製造業門の消費は6.2%増加の44億リットルと大幅に増加、今年初め2カ月間では6.2%増加した一方で、ガソリン消費は昨年から減少傾向を示している。

今年2月のガソリン消費は5.6%減少の30億リットル、今年初め2カ月間のガソリン燃料消費は6.7%減少した一方で、今年2月のエタノール消費は39.2%増加の17億リットル、今年初め2カ月間では37.0%と大幅に増加している。

今年2月の一般家庭向けプロパンガス消費は0.3%増加、今年初め2カ月間のプロパンガス消費は0.7%減少、また火力発電所向け天然ガス消費は8.4%減少、今年初め2カ月間では17.7%と二桁台の減少となっている。

今年2月の国内便向けジェット燃料ケロシン消費は5.2%増加、今年初め2カ月間では4.5%増加している。今年2月のガソリンポストのディーゼル燃料販売は6.2%増加の43億7,800万リットル、ガソリンはマイナス5.6%の29億5,700万リットル、エタノールは17億2,900万リットル、ケロシンは5,630万リットルであった。(2019年4月4日付けヴァロール紙)

異業種交流委員会主催の平上博泰氏講演会開催

異業種交流委員会(長野 昌幸委員長)主催の平上博泰氏の講演会、テーマ:「日雇い労働者」から「りんご経営者」を経て「ゴルフ場経営者」への道(ブラジルで成功する秘訣を聞き出す会)は、2019年4月3日午後6時から7時過ぎまで40人が参加して開催、初めに長野 昌幸委員長が開催挨拶で平上博泰氏の略歴を紹介、進行役はユーモア溢れる根岸誠副委員長が務めた。

初めに弟さんの平上文雄氏が出演した日本のドキュメンタリー番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」のVTR上演で、平上家がサンタ・カタリーナ州の広大な農地で行っているリンゴ栽培やワイナリー事業、敷地が13ヘクタールで二世の奥さんと二人暮らしの住居を案内しながら移住時の苦労話などを語った。

平上博泰氏は小学6年中退で離婚した母親と3人兄弟でブラジルに移住したが、勉強しなくて済むとほんの子供だったので気苦労もなくブラジルの環境に溶け込めた。初めに入植したのは、パラナ州ウライ市のラミー栽培農場に日雇いとして、日の出から日没まで1日12時間労働。次いで同州アプカラーナ市の野菜農場で日雇いをしたが、農場主からブラジルで生活するには、フェジョンを食べなければならないと口酸っぱく言われたことが記憶に残っていると説明した。

次にサンパウロ州ボツカツ市の桃農園管理。新米移住者には土地分譲ができないと分譲地購入できずに、すぐに同州ジュンジャイ市に移転して桃農園の管理支配人となり、収穫期には寝る暇がないほど働いたが、母親の口癖で「他⼈様の仕事と思うな、自分の仕事と思ってやれ」と黙々と必死で働いた。

次にサンパウロ州マイリンケ市で農地購入、歩合制でも桃、プラムも栽培したが、栽培技術向上に専念。漸く1967年に14ヘクタールの土地を購入。1989年にコチア組合を脱退して、平上兄弟商会を設立した。

母親の教えとして、他⼈に使えておるときは自分の仕事と思ってやれば、 何時かは自分の物になる。“ なにくそ!” 糞にも良いのと良く無いのがあり。焼け糞、ええ糞は良く無いが、なに糞は良い。 人生は何時も上り坂、頂上に着いたと油断するな。「お前たち兄弟は右手と左手のようなもの。 父さんがいないので、二人で仲良く頑張らなければならないよ」といつも思い出しながら歯を食いしばって頑張った。

1970年代に入りサンパウロ近郊での狭い土地での農業に疑問を持ち、1971年に北伯地域のサンフランシスコ河流域バイア州とペルナンブッコ州の熱帯果実栽培視察に1カ月間参加したが、当時ブラジルのカリフォルニアとも云われ常に有望と思われたが、当地は想像もつかない程の貧困で、子供の教育を考えて再移住を断念した。

1972年かねてから後澤憲志博士の声掛かりであったサンタカタリーナ州のリンゴ栽培視察に、 コチア産業組合から十数人が出向き、カサドールやフライブルゴ、クリチバーノス等視察したが余り乗り気にならず、 最後にサン・ジョアキンの果実試験場(標高1400m)へ行きリンゴ樹の結実に目を疑ったが、土地は起伏状態、石だらけの岩山でどこに植え付け可能か途方に暮れていたが、後澤博士の「山や石は削り動かせられるが、気候は人間の力ではどうにもならない。」とのアドバイスで、サン・ジョアキンへの入植決定のいきさつを説明した。

しかし1974年に入植、 20ヘクタールを作付したものの最初の数年間は収入が無く サンパウロからの送金や当地でのジャガイモの種苗栽培で乗り切る。その後徐々にリンゴ、桃、プラム、キウイ等を拡張し、1978年度にコチヤ産業組合に見切りをつけて脱退して土地を購買、金融等を自力で行う。現在は300ヘクタールでリンゴ栽培してサン・ジョアキン市の発展に貢献している。

現在の平上博泰氏の教訓として、若い時の苦労は買ってでもせよ!自分の生涯は人生の学校で卒業は無い!年齢は60歳でストップ、付き合いは自分よりも年少者と!肝に銘じて邁進している。

サン・ジョアキン地域のブドウの特徴として、海抜が1300メートル以上と高く、収穫期間が他の栽培地域よりも1カ月間遅いために23度まで糖度が上昇する。またワイナリーにも微量投資して、日本にワインを輸出した経験はあるものの、100年のスパンでの投資ができなければ投資回収は難しいと説明。

サンパウロ市から西方のカステロ・ブランコ街道51キロ地点に300 ha の用地を購入して、バイーア州のIlha de Comandatubaゴルフ場を設計したアメリカ人のダンブランケン氏の監修でVista Verde Golf Clubを造成したが、分譲地の販売は未だ開始していないと説明。最後に講演に関したクイズ問題では参加者全員が足元を掬われて笑い転げていた。講演後には、平上博泰氏差入れのワインや非常に大きくて糖度の高いフジや軽食をつまみながら非常に楽しい懇談会となった。

               講演中の平上博泰氏

開催挨拶を行う異業種交流委員会の長野 昌幸委員長

平上博泰氏の移住の苦労話に感銘を受ける参加者

講演後の懇談会では参加者全員で記念撮影

 

回章 CIR‐036/19    法律委員会 月 例 会

                                        CIR‐036/19
                                        2019年4月3日
各位
                                        ブラジル日本商工会議所
                                        日 伯 法 律 委 員 会
                                        委員長     藏掛 忠明

                  法律委員会 月 例 会

拝啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

さて、当委員会では4月の月例会を下記の要領で行ないますので会員各位奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。会合はポルトガル語で行われ、日本語への通訳は付きませんが、経営に有用な情報交換が出来ますので、出来るだけ担当者にご出席いただき、後日社内報告させることをお勧めします。

なお参加ご希望の方は下記サイトページ(http://camaradojapao.org.br/evento/eventos/comissao-juridica-reuniao-mensal-10-04-2019)より必要事項を記入、ご連絡願います。

お申込は自動申込システムを採用することとなりましたのでご協力の程お願い申上げます。申込者には後ほど自動確認メールが届きます。 定員65名になり次第お申込み受付が終了となります。
                                                       敬具

日時: 2019年4月10日(水)16時~18時
場所: ブラジル日本商工会議所 大会議室 (Av. Paulista, 475, 13階)

議題

1.“訓令1861号/2018における新たな輸入業務規制について”
Machado Meyer (Machado Meyer Sendacz e Opice Advogados)のDIOGO MARTINS TEIXEIRAパートナー

2 “サンパウロ州に於ける税支払い請求書に関する補償について” .
Madrona Advogados税務担当のIGOR NASCIMENTO DE SOUZAパートナー

3.“ 社会保障関連クレジットX連邦税に関する補償について”
KPMGのJULIANA BROCHADOマネージャー

4.“訓令RFB 1.846/18並びにBEPSプロジェクト-ブラジルに於ける“MAP”プロセスについて”
EY移転価格税制担当のDANIEL BIAGIONIシニアマネージャー

 

 

 

経済加速プログラムとして4パッケージを準備

今年1月1日のジャイール・ボルソナロ大統領就任や新社会保障改革の実施などの要因で、今年のGDP伸び率は2.5%を上回ると非常に明るい予想であったにも拘らず、昨日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は、前回予想の2.00%を更に下回る1.98%に下方修正されている。

また今年のGDP伸び率は今後も更なる下方修正が予想されており、新社会保障改革の国会での承認と並行して経済活性化プログラムの早期導入が不可欠となっている。

今年の国内総生産伸び率を引き上げるために、特に製造業部門の脱ブロクラシー化、生産性向上・規制緩和、雇用拡大、全バリューチェーンをプラットフォームで繋ぎ、設計から製造までをシームレスで行う製造業部門のデジタル化を目指したプログラムを経済省では発表を予定している。

経済省では、今後90日後並びに180日後、360日後の予定で4パーケージの発表を行うが、今月中にSimplifica(脱ブロクラシー化) 並びにEmprego  Mais(雇用拡大)、 Brasil4.0 (デジタル化)、Pro-mercados(生産性向上・規制緩和)の詳細を発表する。

Simplifica(脱ブロクラシー化)プログラムでは、ブラジル政府管轄のSPEDシステムの一部であらゆる事業活動を管理する目的で設計された統合システムのe-Socialの見直し、マナウスフリーゾーン向け基礎生産プロセス(PPBs)の採用、生産及び在庫管理デジタル化システムのBloco Kの調整、港湾業務迅速化プログラムのPortal Unicoの建設業界向け制度導入などが検討されている。

またmprego  Mais(雇用拡大)プログラムでは、Facebookを利用して位置情報を使った雇用サービスを提供するアプリケーションソフトウェア「Tinder」のようなプログラム開発による新国家雇用システム(Sine)の開発、従業員の技術力やノウハウ向上向けクーポン制度の導入などが検討されている。

Pro-mercados(生産性向上・規制緩和)プログラムでは、上下水道部門並びに石油・天然ガス、医薬品、健康保険プラン、銀行並びに通信業界向け規制緩和が検討されている。

Brasil4.0 (デジタル化)プログラムでは、経済協力開発機構(OECD)が推奨する30万社対象のデジタル化並びにコンピュータ化によるイノベーションプログラムの導入を検討している。(2019年4月3日付けエスタード紙)

今年2月の鉱工業部門伸び率は前月比0.7%増加

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2019年2月の鉱工業部門生産は前月比0.7%増加して、1月のマイナス0.7%を打消す生産伸び率を記録した。

また今年2月の鉱工業部門生産は前年同月比2.0%増加、昨年11月~今年1月まで3カ月連続での落ち込みから反転して増加に転じ、今年初め2カ月間の鉱工業部門生産は0.2%増加、2月の過去12カ月間では0.5%増加している。

今年2月の鉱工業部門の調査対象の26セクター中で16セクターは増加、特に自動車・トラックセクターは前月比6.7%増加、食品セクター3.2%増加、石油派生品・バイオ燃料セクター4.3%増加、飲料セクター1.1%増加、医薬品・化学製品セクター1.6%増加、金属セクター0.6%増加、紙・パルプセクター0.9%増加、その他の輸送機器セクターは2.8%増加している。

しかし10セクターでは前月比減少しており、鉱業セクターはヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故の影響で、鉄鉱石生産が大幅に減産した影響でマイナス14.8%を記録している。

また衣類・アクセサリーセクターはマイナス4.8%、金属セクターマイナス2.0%、家具セクターマイナス4.1%、嗜好品セクターマイナス8.5%、情報機器・光学器械・電気機器セクターはマイナス1.5%であった。

今年2月の資本財セクターは前月比4.6%増加、耐久消費財セクターはトラック生産記録更新、新車販売が好調に推移して3.7%増加、非耐久消費財セクターは0.7%増加、中間財セクターは、マイナス0.8%と前月のマイナス0.1%に続いて2カ月連続で落ち込んでいる。

昨年12月~今年2月の四半期の鉱工業部門生産伸び率は、前年同期比では26セクター中17セクターで増加を記録、今年2月の営業日数が2日間多いことも増加要因となっている。

昨年12月~今年2月の四半期の鉱工業部門の自動車・トラックセクターの生産伸び率は前年同期比16.4%増加、石油派生品・バイオ燃料セクター6.8%増加、食品セクター4.2%増加、金属セクター6.1%増加、飲料セクター5.0%増加、機械・装置セクター3.5%増加、非鉄金属セクター4.6%増加、機械・装置、電気材料セクター3.7%増加、機械・装置据付・保守セクターは6.1%増加、その他の生産セクターは8.0%増加を記録している。

一方鉱業セクターはマイナス9.9%、紙・パルプ転用しセクターはマイナス7.5%、金属セクターマイナス1.6%、情報機器・光学器械・電気機器セクターはマイナス3.1%であった。

今年2月の耐久消費財セクターは前年同月比12.2%増加と二ケタ成長、資本財セクター7.0%増加、非耐久消費財セクター3.2%増加と平均の2.0%増加を上回ったが、中間財セクターはマイナス0.4%を記録している。

今年2月の耐久消費財セクターは、前年同月比12.2%増加して昨年7月の17.0%増加に次ぐ増加率を記録、特に白物家電は17.6%増加、二輪車セクター21.5%増加、その他の家電セクターは11.1%増加が牽引した一方で、家具セクターは僅か0.25増加、卓上ポータブルタイプの茶色家電はマイナス5.7%を記録している。

今年2月の資本財セクターは、7.0%増加を記録して昨年10月の10.5%増加以来の伸び率を記録、特にトラックなどの輸送機械セクターが12.6%増加して牽引、高付加価値の資本財セクターは3.6%増加した一方で、電力エネルギーセクターはマイナス2.6%、農業セクターはマイナス0.5%を記録している。

今年2月の非耐久消費財セクターは、3.22%増加して過去3か月間のマイナスから反転して昨年4月の9.8%増加以来の伸び率を記録、食品・飲料が牽引した国内消費が5.5%増加している。

今年2月の中間財セクターはマイナス0.4%と過去6カ月連続でマイナスを記録、特に鉱業セクターマイナス9.9%、紙・パルプセクターマイナス4.2%、金属セクターマイナス1.6%、食品セクターマイナス0.8%、その他の化学品セクターマイナス0.7%を記録している。

一方石油派生品・バイオ燃料セクターは8.6%増加、自動車・トラックセクターは11.3%増加、非鉄金属セクターは4.7%増加、金属製品セクター3.6%増加、繊維セクター2.0%増加、機械・装置セクター1.1%増加、ゴム・プラスティック席品セクター0.5%増加、建材セクター3.9%増加、梱包・包装セクターは4.5%増加している。(2019年4月2日付けブラジル地理統計院(IBGE)サイトから抜粋)

ロドリゴ・マイア下院議長は新社会保障改革と並行して税制改革案を準備

ロドリゴ・マイア下院議長はエコノミストの都市税制センター(CCiF)のBernardo Appy氏と会談、新社会保障改革と並行して税制改革案の国会での審議を進める。

元経済政策長官のAppy氏は、商品流通サービス税(ICMS)並びに社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)、サービス税(ISS)、工業製品税(IPI)を10年間かけて統合して簡素化した新しい付加価値税(IVA)を提唱している。

この新しい付加価値税(IVA)は、ブラジル民主運動党リーダーのバレイア・ロッシ議員(MDB―SP)が発表したが、ブラジルの国内総生産(GDP)並びに所得向上には不可欠な税制改革案と強調している。

国庫庁のマルコス・シントラ長官は、最終的な税制改革案をまとめているが、パウロ・ゲーデス経済相は、初めに新社会保障改革の国会承認後に税制改革案の国会提出を予定している。

しかし昨日ロドリゴ・マイア下院議長は、税制改革案の国会提出は新社会保障改革の国会通過には障害にならないと強調、両者には大きな不協和音が生じている。(2019年4月3日付けエスタード紙)