ラテンアメリカ鉄鋼メーカー協会(Alacero)によると、米中の貿易摩擦激化の影響を受けて、2018年のラテンアメリカ地域では、750万トンに達する中国製鉄鋼製品の輸入を余儀なくされている。
昨年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品消費は6,700万トン、輸入鉄鋼製品は2,270万トンに増加、そのうちの中国製鉄鋼製品の輸入量は1/3に相当する750万トンに達している。
昨年下半期の中国製鉄鋼製品の輸入量は前年同期比9.0%増加、米中の貿易摩擦激化に伴って、ラテンアメリカ向け輸入が増加している一方で、同期間の他の地域の輸入は5.0%減少している。
ラテンアメリカ鉄鋼メーカー協会(Alacero)では、今年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品消費は6,900万トン、2020年は7,200万トンと2014年の水準に戻ると予想、特にブラジル政府が新社会保障改革並びに税制改革に漕ぎ着ければ更なる鉄鋼製品消費の拡大が見込める。
2018年のブラジル国内の自動車向け亜鉛メッキ鋼板の消費は310万トン、ナショナル製鉄所(CSN)は130万トンを生産したが、輸入亜鉛メッキ鋼板価格は国内製よりも15%安いために、国内メーカーにとっては脅威となっている。
昨年の亜鉛メッキ鋼板の国内消費の34%は輸入製品が占めるが、2013年は30%、ピークの2017年は37%を占めていた。また輸入圧延鋼板も34%から36%と輸入比率が上昇してきている。
2018年のラテンアメリカ地域の鉄鋼製品貿易は、前年比11.0%増加の1,290万トンの輸入超過、圧延鋼貿易ではブラジルが240万トン、アルゼンチンは80万トンの輸出超過を記録している。
一方メキシコの鉄鋼製品の貿易収支は660万トンの輸入超過、コロンビアは240万トン、チリは160万トン、ペルーは160万トンそれぞれ輸入超過を記録している。(2019年4月5日付けヴァロール紙)