中銀の発表によると、2018年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支赤字は1,203億レアルに留まり、財政プライマリー収支の許容最大赤字額1,590億レアルを大幅に下回った。
しかし国庫庁のマンスエット・アルメイダ長官は、2018年の中央政府の財政プライマリー収支赤字は5年連続の赤字計上を記録、1988年の新憲法制定以降では最長記録を更新している。
ブラジルは1980年代から1990年初頭にかけて未曾有のハイパーインフレと対外債務危機に見舞われていたが、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領の第一次政権では、財政フライマリー収支に関する規制はなかった。
しかし連邦政府は、1999年に国際通貨基金(IMF)から融資を受ける条件として、財政再建のための財政プライマリー収支に関する規制の受け入れを余儀なくされた経緯があった。
2018年の社会保障院(INSS)の名目赤字は、前年の1824億レアルから前年比7.0%増加の1,952億レアルに増加した一方で、国庫庁は前年比28.4%増加の757億レアルの歳出削減を記録している。
また国庫庁のマンスエット・アルメイダ長官は、昨年の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は前年比2.60%増加の1兆2,270億レアル、歳出総額は2.0%増加の1兆3,510億レアル、財政プライマリー収支赤字は7.20%減少の1,202億5,800万レアル、GDP比マイナス1.70%を記録している。
今年のGDP伸び率を2.5%予想、国内経済活性化政策の導入、156億レアルに達するプレソルト原油鉱区入札による臨時歳入、年金改革をはじめとして構造改革実施で、2019年の連邦政府の財政プライマリー収支は、赤字解消できるとパウロ・ゲーデス財務相は鼻息の荒い予想を立てている。
2018年の連邦政府の支出が法令などで義務付けられ、任意に縮減できない性質の経費である人件費・公債費・扶助費などの義務的歳出総額は、1兆2,410億レアルで前年の1兆2240億レアルから150億レアル増加している。
一方社会支援政策などによって柔軟に縮減できる裁量性の高い性質の裁量的歳出総額は、1,300億レアルで前年の1,500億レアルから200億レアルと大幅に減少している。(2019年1月30日付けヴァロール紙)