平川広之渉外広報委員長(専任理事:ブラジル・トヨタ)の帰国壮行会

12月17日(月)正午、同氏の渉外広報活動の功績を称え、トップセンタービル内のレストランで送別会を行った。渉外広報委員会は事務局と一緒に会議所歴史の中で初めて会議所PRビデオ(日本語、ポル語バージョン)を作成、今年の新年会でお披露目した。定例昼食会やその他、政府関連イベントおよび会議所訪問客に対し、当会議所の存在感について紹介している。

この3分間ビデオには十数年間の会議所活動などの実績・成果等が集約され、社会的な認知・貢献度が高まっている。当所の存在感が隣国にも認知され、日メルコスールEPAに先駆けた企業ミッション派遣の依頼が相次いでいる。

先週ブラジリアでブラジル・トヨタによるフレックス・ハイブリッド車の開発や市場投入の発表直後に帰国の途に就く同氏へ、土屋信司次期会頭はじめ参加者全員が別れを惜しむ他、同氏の色々な功績に対し感謝の意を表明した。

土屋次期会頭他、植田環境委員長(副会頭)、安田日伯交流委員長(副会頭)、大久保企画戦略委員長(副会頭)、蔵掛日伯法律委員長(専任理事)、平田事務局長が参加した。

平田事務局長は事務所に戻り、トヨタの歴代常任理事による会議所活動への特別な貢献を振り返り以下の思いを語った。

『13日午前10時に、大統領府で行われたフレックス・ハイブリッド車に関する発表は我が会議所にとって非常に栄誉な事だ。自動車は国家の基幹産業であり、トヨタが1958年、サンベルナードに第一号として海外進出以来、ブラジル国家の産業開発・貿易・サービスをはじめ雇用の拡大等々に於いて、どれだけ多大な貢献を果して来たか、心から敬意を表する。同社の進出60周年の機会に、現時点においては、最もエネルギー効率が高く、環境に最も優しく、且つ当国に最も適した、世界に誇れるフレックス・ハイブリッド車の投入は、次期自動車政策Rota 2030の中核に位置するものと確信している。昨年末ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)に提案した国家政策の一部にも繋がり、この実現がトヨタ・グループの世界最先端技術により、当国の発展に寄与、併せてブラジル・トヨタのより一層のご活躍とご発展を心から祈りたい。』

フレックス・ハイブリッド車に関する発表はHPの会員情報を参照。http://jp.camaradojapao.org.br/news/press-release/?materia=19102

外国人名義の土地所有面積はリオ州に匹敵

外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の土地所有面積は、リオ州に匹敵する361万7,000ヘクタール、そのうち個人名義の土地面積は129万3,000レクタール、法人企業名義の土地面積は232万4,000レクタールとなっている。

外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の所有土地は、全国の市町村5,500市の約60%に相当する3,205市に及んでいると全国農業信用システム(SNCR)並びに国立農地改革院(INCRA)の統計から割り出されている。

中国企業は、2009年から電力エネルギー部門を中心にブラジル国内の基幹産業部門に対して、ハイリスク・ハイリターンにも関わらず、積極的に企業買収などで投資を継続している。

2009年以降の中国企業によるブラジル国内への投資は、総額539億6,000万ドルに達している。そのうち投資総額の47%は電力エネルギー部門への投資、石油・天然ガス開発部門への投資は29%、鉱業部門8.0%、自動車部門4.0%、農畜産部門4.0%、金融サービス部門は3.0%、その他は5.0%となっている。

「我々はEletrobras公社をどの国に対しても譲渡してよいのか? 貴方はEletrobras公社が中国資本の傘下に入っても容認できるか? 我々ブラジル人にとって川中のEletrobras公社の配電事業分野の民営化は心配ないが、川上のエネルギー発電事業の民営化は非常に危険で断固反対」とボウソナロ大統領候補は、特に中国企業による基幹産業部門の買い占めを警戒していた経緯があった。

ブラジル農村協会(SRB)では、ボウソナロ次期大統領の積極的な外資導入の一環として、農畜産業界の輸出拡大のための外資系企業に対する農畜産部門投資解放政策に期待している。

中国の国営企業Chongqing Grain Group(CGG)は、大豆生産を目的としてブラジルのバイア州西部の農地10万ヘクタールを約3億ドルで購入する計画を進めていたにも関わらず、連邦総弁護庁(AGU)が待ったをかけていた経緯があった。

中国人並びに中国企業によるブラジル国内と所有土地は、664カ所で総面積は僅か1万126ヘクタールにしか過ぎないが、日本人の土地所有は6912カ所で、総面積は外国人の所有面積の10%に相当する36万8,873ヘクタールとポルトガル人に次いでいる。

外国人の耕作地所有比較では、ポルトガル国籍が外国人所有の耕作地面積の約25%を占めてトップ、次いで1970年代にセラード開発で土地所有を拡大した日本国籍の10%、スペイン国籍、ドイツ国籍、米国籍、アルゼンチン国籍、レバノン国籍が上位を占めている。

外国人の州別の耕作地所有比較では、サンパウロ州内の539市に38万6,417ヘクタールを所有、パラナ州は332市に24万4,507ヘクタール、ミナス州は488市に65万2,798ヘクタール、南大河州は280市に13万115ヘクタールを所有している。

またブラジルの穀倉地帯に変容しているマット・グロッソ州は96市に46万7,032ヘクタール、南マット・グロッソ州は70市に26万9,425ヘクタール、熱帯雨林の違法伐採が拡大しているアマゾナス州は285市に10万2,810ヘクタール、トカンチンス州は67市に8万8,494ヘクタールを所有している。

外国人の土地所有の利用状況として、畜産業部門は全体の25%を占めてトップ、農業生産部門は14%、植林事業部門は11%、鉱業部門6%、製造業部門2%、水資源利用部門は1%となっている。

1971年の法令5709号で外国人によるブラジル国内の農耕地所有は禁止されていたにも関わらず、形骸化していたため2010年に連邦政府が外国人による自由な土地購入に対する制限強化、ブラジルに本拠を置く企業を設立することで既存の制限をかいくぐる抜け道を塞ぐことを決定して制限されていたが、しかし外国人による農耕地購入による投資は、ブラジル国内経済を活性化させる利点のほうが制限するよりも多いと議論されてきた経緯があった。

ジウマ政権では長らく外国人への耕作地所有に関する議論は棚上げされていたが、外国人による農耕地の購入で植林事業や農畜産事業への投資を活性化する動きがでてきており、また外国企業グループによる農耕地購入は最大10万ヘクタールまでに制限すれば問題は発生しないと議論されていた経緯があった。(2018年12月17日付けエスタード紙)

事務局便り JD-084/18    「大使館情報」第127号(2018年12月号)送付

JD-084/18
2018年12月11日
________________________________________

—–Original Message—–
From: KAWAHASHI TENCHI [mailto:tenchi.kawahashi@mofa.go.jp]
Sent: Monday, December 10, 2018 5:27 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 【送付】「大使館情報」第127号(2018年12月号)について

サンパウロ商工会議所会員の皆様へ

平素より大変お世話になっております。
在ブラジル日本国大使館の川橋です。

            「大使館情報」第127号(2018年12月号)を送付いたします。
今月号のトピックスは、在ブラジル大使館の「山田大使とジャイル・ボルソナーロ次
期大統領との懇談」,「山田大使とエルネスト・アラウージョ次期外務大臣との懇
談」,「山田大使とキン・カタギリ次期下院議員との懇談」及び在リオデジャネイロ
総領事館の「国際柔道デーにおける日本文化紹介」等となっております。

送付致します情報は、日本政府の立場を代表したものではなく、公表された情報を中
心にとりまとめたものであり、皆様へのご参考として送付させていただくものです。
なお、転写、引用等を希望される場合には、あらかじめ当館にご相談下さるようお願
い致します。

また、今後、更に皆様のお役に立てるよう内容を充実させていきたいと思いますの
で、ご意見・ご要望等ございましたら、下記連絡先までご連絡いただければ幸いで
す。
皆様,今後とも引き続き宜しくお願い致します。

※大使館情報の最近のバックナンバーを大使館ホームページに掲載しましたので、そ
ちらもご覧下さい。
在ブラジル日本国大使館 www.br.emb-japan.go.jp

【問い合わせ・連絡先】
在ブラジル日本国大使館
三等書記官(経済班) 川橋 天地
電話:(61)-3442-4215
FAX:(61)-3242-2539
Email:tenchi.kawahashi@mofa.go.jp

 

回章 CIR-083/18    2019年度第1四半期会費ご依頼の件

                                            CIR-083/18
                                            2018年12月10日

会員各位
                                            ブラジル日本商工会議所
                                            会頭 松永愛一郎
                                            財務委員長 讃井慎一

                    2019年度第1四半期会費ご依頼の件

拝啓

時下益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます。

各位におかれましては、常日頃より当会議所事業にご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

2019年度第1四半期の会費に就きましては、2018年第4四半期と同額でお願い致します。

                             記

なお、お支払に就きましては別途ブラデスコ銀行の方から請求がまいりますので、2019年01月10日までに請求書が届かなかった場合にはTEL.3178-6243又はcobranca@camaradojapao.org.br、アレシャンドレまでご連絡下さい。

時下益々ご繁栄の事とおよろこび申し上げます。

                                                         敬具

 

日伯医療協力プロジェクト閉会セレモニー

2018年12月14日、午前9時~13時過ぎまで、サンパウロ大学のオーディトリアムにて、日伯医療協力プロジェクト閉会セレモニーが開催され、関係者を含め約80名が招待され、事務局からは、平田事務局長、吉田調査員が参加した。この日伯医療協力プロジェクトは、フジフィルムの画像通信/保存/管理ソフトウェア(PACS)を媒体として、サンパウロ大学病院、サンタ・クルズ病院、アマゾニア病院の3病院を結び、それぞれの放射線科医が、実際の症例に対する診断について、「遠隔診断」を行ない、2017年6月から毎月開催され、当日が18回目最後の遠隔診断となる。

セレモニー開会挨拶で、シントラサンパウロ大学代表は、サンパウロ大学の事業を説明、JICA斉藤所長は、医療分野における研修プロジェクト、日系病院連携協議会、日系企業との連携、またフジフィルムブラジルの田川社長は、病院でのPACS導入や今回18回目となる「遠隔診断」について説明した。

セレモニー招待者挨拶で、大使館の藤原書記官は、民間企業と連携して、日本の優れた技術を紹介しブラジルの健康の向上に努め、またメディカル分科会と一緒に、ANVISAやINMETROへの政策提言活動を支援していると述べた。次に、平田事務局長は、2013年のメディカル分科会の発足当初の活動目標、その直後に行われた貿投委にての医療機器承認審査の迅速化の提言、2014年の安倍総理訪伯の際に開催された第1回日伯医療規制分野セミナー、2015年の外交関係樹立120年記念「日伯医療連携の未来」セミナーについても触れ、節目節目のイベントについて語り、ブラジル国内の医療無料サービスの課題を述べ、その解決策の一つとなる遠隔診断や新技術導入とフジフィルムの更なる発展を祈願した。最後にジオバニ サンパウロ大学放射線科医は、ブラジルの医療システムの課題解決には、第4次産業、IT医療、AI医療などの時代の変化についていく必要があり、そのための日本の協力は不可欠であると話した。

当日は、18回目の「遠隔診断」が実演され、サンパウロ大学病院、サンタ・クルズ病院、アマゾニア病院の放射線科医がそれぞれ、実際の患者症例を通信上の画像に映し出し、それぞれの特殊ケースを説明、各病院の医師が他病院のケースについての各自の見解を述べた。その実演の中には、日本九州大学の医師ともライブでつながり、通訳を介しての実演も行なわれた。

その後、サンパウロ大学病院、サンタ・クルズ病院、アマゾニア病院より、このプロジェクトに関する発表が行なわれ、実際の現場でこのシステムを日々活用している医師、看護師、学生などからもプロジェクトについてのコメントがあり、プロジェクトの成功と、いかに効率向上に寄与してきたかが見て取れた。更に、日伯友好病院やフジフィルム本社よりも発表が行なわれ、最後に、サンパウロ大学病院のカンピ医師による閉会の挨拶によりセレモニーが終了した。

Pdf会議所としてゲスト挨拶

(写真提供 フジフイルムブラジル)

230人が参加して来年に向けての英気を養う忘年会開催

2018年度の商工会議所忘年会は、2018年12月13日午後7時から10時までチボリホテルに230人が参加して開催、日本語の司会は相互啓発委員会佐藤智哉副委員長、ポルトガル語は前田カリーナアシスタントが務め、ボルソナロ新大統領のあだ名をブラジルのトランプと話し、カードのトランプを使った一芸を披露して会場を笑わせ忘年会は始まった。

初めに相互啓発委員会の松崎治夫委員長が、来賓を含めた多くの参加者に感謝の意を表し開会宣言を行った。次に松永愛一郎会頭は、会議所活動1年間の総括として、日メルコスールEPAタスクフォース活動を説明、計8回の勉強会、意識調査、その結果も踏まえ10月に経団連と日商の連盟による「日メルコスールEPA早期開始を求める」提言書を菅官房長官に手交したと述べた。また、各種・セミナー行事、定例昼食会、3カ所の視察ミッション、5月の河野外務大臣のブラジル訪問、7月の眞子さまも臨席されたブラジル日本移民110周年記念式典などのイベントについて報告をした。また、会頭、理事会社、監事会の選挙にて、土屋現副会頭が会頭に選出されたと説明。そして、「平成30年外務大臣賞」、ブラジルにおいて産業・貿易及びサービス分野の発展に寄与した方々に贈られる「バロン・デ・マウア勲章」を受け賜り、また当会議所の第13代会頭を務めた貞方賢彦様が平成30年秋の叙勲を受賞したと述べた。最後に、5年間の駐在を終えてブラジルを離れることになりこれまでの感謝を伝え、土屋新会頭のもと、会議所がさらに発展していくことを祈念していると挨拶を終えた。

山田彰特命全権大使は、日系移民110周年の今年を振り返り、皇太子さま、眞子さまの訪伯を迎えるなど、日伯の関係を強化する重要なイベントがあった年だと話した。また、今年は大統領選挙の年で、ボルソナロ大統領候補が当選、近日のブラジルの各地方訪問で日系社会を含むブラジル人と話し、国際メディアの心配とは裏腹に、日系人への期待が高いことが読み取れ、特に経済界からの期待が高いと述べた。また、ボルソナロ次期大統領と面会した際には、手続きなどの簡素化を目指し、脱官僚制への移行を要請、今年2月に日本を訪問したボルソナロ次期大統領は、日本に好印象を抱いており、今後も経済関係を含めた日伯関係強化に力をいれていくと話した。そして来年は、G20閣僚会議が日本で開催、大臣クラスも日本を訪問する機会が増えるため、一層の日伯関係強化に努めていくと説明した。また来年ブラジルで開催されるコパアメリカに日本代表も参加することが確認され、日本からもブラジルは注目されることになるとした。

野口総領事は、ここ数年ブラジル経済は思ったより伸びていないこともあるが、新政権が明るい展望であると話し、日本移民110周年の今年の成功を祝し、ビバ、サウジ、乾杯と忘年会を盛り上げた。

今年のアトラクションは、サンパウロ州アチバイヤ市の川筋清流太鼓「わだん」と呼ばれる太鼓演奏団体。司会者が、「和の団体」という意味を含み、太鼓を通じて世界への段階を少しずつ上がっていこうと思いも込められていると紹介されると、太鼓を叩きながら入場。大太鼓、笛、チャッパを使った力強いパフォーマンスが行なわれ、会場を圧倒させた。

太鼓演奏の後は、恒例のプレミアム大抽選会に移り、会員企業24社より合計39個の景品が提供された。一つ一つ提供企業代表者から、当選者に景品が渡され、写真撮影も行なわれ、会場は歓喜に包まれた。最後に「蛍の光」を参加者全員で合唱して最後を締めくくり忘年会は成功裏に閉会した。

山田彰特命全権大使

松永愛一郎会頭

平成30年度官民合同会議に出席

 平成30年度官民合同会議が2018年12月13日(木)13時から15時45分までジャパン・ハウスで開催され、山田大使、高橋 外務省中南米局審議官をはじめとする官側からの出席者と、民側からブラジル各地の商工会議所代表が参加し、それぞれ発表と意見交換が行われた。

山田 彰大使による冒頭挨拶で、日伯移民110周年を迎えた今年、第8回世界水フォーラムにおける皇太子殿下のご来伯、眞子内親王のご来伯、オリヴェイラ上院議長の訪日,5月のヌネス外務大臣の訪日と河野外務大臣の訪伯、ボルソナーロ次期大統領の訪日、など多数の要人往来に関し、一連の行事への日系企業の協力に改めて謝意を表した。また2018年のブラジル経済は予想程の回復には至らなかったものの、ボルソナーロ次期大統領政権への期待感、特に日本への評価が高いことや、産業強化のための施策を行うビジネスフレンドリーな姿勢など、年金改革、税制改革の実現を含め明るい兆しがある、とした。日伯賢人会議、日伯経済合同委員会、日伯貿易投資・産業協力合同委員会、インフラ作業部会、日伯農業対話など、引き続き日伯間の対話の枠組みの中で、日系企業と連携しながら2国間関係強化に努めていきたいとし、挨拶を締めくくった。

 続いて高橋 克彦 外務省中南米局審議官による外務本省からの報告では、ボルソナーロ次期大統領新政権との関係構築強化に向け、就任式への特使派遣を検討していること、また来年2019年に日本がホスト国となり開催される大阪G20でのハイレベル交流をどのように進めていくかを検討中であることが述べられた。また日本メルコスールEPAに関して、日本やメルコスール各国の産業界から強い期待があること、また重要なアジェンダであることは日本側でも承知しており、関係省庁と経済界で協議を行いながら見極めている時期、とした。また最後にアルゼンチンG20で発表された日・中南米「連結性強化」構想について説明し、2014年の安倍総理来伯時に提唱した「3Juntos」の次なるステップとしての構想であり、「自由で開かれた経済システム」、「ルールベースの多国間主義」、「SDGsの実現」の3本柱を掲げ、各国で積み上げた「3 Juntos」の成果を地域全体として改めて総括し次なる協力の段階へと深化させるものである、とした。具体的な施策については今後検討が進められていく。

 在ブラジル日本国大使館からの報告では、池田 英貴参事官と大田 啓書記官より説明があり、第2回日伯インフラ協力会合の評価、自衛隊記念品レセプション、天皇誕生日レセプションなどにおけるジャパン・ブランドのPR、日本の農林水産品・食品の輸出促進、大使館による日本企業の支援体制について説明を行った。

 続くJICAの活動説明では、都市問題と環境・防災対策、投資環境改善、三角協力支援を重点をおく援助分野としており、特に投資環境改善に力を入れていることを説明。会議所インフラワーキンググループでAGIR提言活動も行っており、ブラジルのどのようなルールが投資の阻害となっているかなど企業からの積極的な情報提供を求めた。日本との経済関係強化に資するインフラへの投資、日本の技術やノウハウが活用できる事業に供与する円借款、海外投融資の説明の他、民間連携事業の一環として「中南米日系社会との連携調査団」の派遣を過去5回行っておりその成果として連携事業が複数件実現していることを説明。企業や団体との協働型事業では企業や団体との連携事業を紹介し、引き続き企業活動に寄り添った活動をしたいきたい、として締めくくった。

 JBIC片山 周一駐在員によるブラジルにおけるJBICの活動説明では、JBICのミッションとして「日本にとっての重要な資源の海外における開発および取得の促進」、「日本の産業の国際競争力の維持および向上」、「地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業の促進」、「国際金融秩序の混乱の防止またはその被害への対処」の4つがあり、具体的な金融メニューを紹介。またブラジル連邦政府との年次政策対話の枠組みや日伯賢人会議への参加、BNDESとの連携、インフラ事業の事例、ブラジルの主要資源会社との連携など活動実績を報告した。

 JETROからの報告では、大久保 敦JETROサンパウロ事務所長が今後の取り組み基本方針として「日本企業への変貌するブラジル情報の提供」、「変化が期待されるビジネス環境整備への対応」、「日系社会をハブとした日本企業のビジネス支援体制の強化」、「貿易投資分野における新政権との関係づくり」を挙げ、具体的な取り組み活動案として「対日投資」、「農水輸出」、「海外展開」、「イノベーションの創出支援」、「通商政策・調査」事業へ注力していくことを説明した。

 ここまでの発表に関する意見交換の部では、ボルソナーロ新政権の閣僚人選と日本企業への影響、中国企業勢進出の影響、アメリカとの関係性、ブラジルの芋焼酎輸入規制改善などについて意見交換が行われた。

 後半の商工会議所からの報告の部では、まずはじめにアマゾナス日系商工会議所 後藤 善之会頭より報告があり、眞子内親王もご参加された日伯移民110周年企業式典の開催、会員企業の推移と内訳、サッカーワールドカップ需要やトラックスト、税関ストの影響、工業団地内での安全対策、マナウス総領事館と連携したインフラ整備、また日系企業の安全性確保やより良い企業活動のため会員企業同士のチームワークの重要性を重視した活動を行っていることが説明された。

 続いて和田 好司 南伯日本商工会議所会頭が報告を行い、南伯会議所の設立の経緯、会員企業数推移、日本との姉妹都市提携への取り組みについて説明を行った。

 パラナ日伯商工会議所の大城 義明会頭は、JICAやJETRO、大学研究機関との連携、スマートインテリジェンス、都市開発事業、健康・環境事業、小商業の発展等を目指し活動を行っていることを報告した。

続く旭 俊哉 リオデジャネイロ日本商工会議所会頭は、会員企業推移と活動実績、安全対策委員会の取り組み、ビジネス環境整備への取り組みなどについて説明を行った。

 パラー日系商工会議所の山中 正二副会頭は、ブラジル政権の交代を好機ととらえ治安対策、森林破壊への対策と環境事業などについて報告、提案を行った。

 最後にブラジル日本商工会議所から「日メルコスールEPA活動について」発表を行い、冒頭の松永 愛一郎会頭挨拶で日メルコスールEPAにまつわるこれまでの日伯間の取り組み経緯を説明し、日メルコスールEPA準備タスクフォースの発足と構成、メルコスール全土の日系企業を対象に行った意識調査結果を踏まえた形で「日本メルコスールEPAの早期交渉開始を求める」提言書が菅 官房長官へ手交されたことを報告。続いて二宮 康史 企画戦略副委員長からタスクフォースの活動説明があり、今年2月から10月までアルゼンチン、サンパウロで実施されたEPAに関する知識の啓蒙と情報提供目的とした勉強会、また今年5月にブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイのメルコスール4か国に進出する日系企業を対象に実施したEPAに関する意識調査で、74%の回答率のうち実に84%が日メルコスールEPAの必要性を感じているとの結果がでており、その結果を第21回日伯経済合同委員会および第25回日亜経済合同委員会において共有し、それぞれ共同声明として日メルコスールEPA交渉開始を推進することが合意された旨説明している。その結果を踏まえ経団連と日商の連名による「「日本メルコスールEPAの早期交渉開始を求める」提言書が菅 官房長官へ手交されており、現地企業の声を日本に届けるタスクフォースの活動を日本側と連携する形で引き続き活動を続けていくことが報告された。Pdf平成30年度官民合同会議 会議所発表資料

 後半の部の意見交換では、来年はアマゾン入植90周年にあたり日伯交流強化のためのまた一つよい機会になるであろう、と山田大使より発言があり、また環境保護・農業開発の分野ではボルソナーロ新政権において産業の発展と環境保護が両立されるような施策が行われていくことを期待する旨、日伯2国間EPAを示唆するような発言もボルソナーロ次期大統領からあったがいずれにしても今の時点では何ら明確に決定されていない旨述べられた。高橋審議官からは先日提言書の手交を日本側でも真剣に受け止めており適切な時期に活動が始められるよう動きを進めて行きたい、また外務省内で官房審議官危機管理担当も兼任していることから安全対策についても引き続き尽力していきたい旨が述べられた。また併せて安倍首相による日・中南米「連結性強化」構想については必ずしもEPAに限らず租税条約や投資協定、TPPへの新規参入などあらゆる可能性をオープンにした構想であることも説明された。2018年の民間による日メルコスールEPA推進の動きは大変意義があるものであり、日本政府としてもビジネス環境整備について粘り強くブラジル政府側へ働きかけを行っていく旨山田大使から述べられたのをうけて、ブラジル日本商工会議所 平田事務局長より、仮に日メルコスールEPAを締結したとしても日系企業の進出増加へと直結するものではなく、むしろ年金改革、税制改革などのブラジル国内の諸改革も同時に進め投資環境、ビジネス環境を整えていくことの重要性が指摘された。また平田事務局長は、当所メディカル分科会が進めるリオのInmetro(ブラジル国家度量衡・規格・工業品質院)、ブラジリアのAnvisa(ブラジル国家衛生監督庁)との積極的な政策対話を紹介し、特にInmetroにおける星野リオデジャネイロ総領事の協力へ謝意を表し、またブラジルの産業・サービス分野の発展に大きく貢献した者へ授与されるバロン・デ・マウア勲章を当所松永会頭が前日に綬章したことを報告、山田大使にもご参加頂いたセアラ州ZPE(輸出加工特区)への視察などの会議所活動が高く評価された結果であると説明を行った。

 最後の野口サンパウロ総領事によるまとめの挨拶では、日伯110周年記念事業における日系企業の協力への謝意、ブラジルの治安状況についての説明、日系社会との連携による人材育成等の活動、日メルコスールEPA推進に関する県連からの要望書などを含む各県の動き、ジャパン・ハウスの入場者推移や企業活動のプロモーション、サンパウロ州マリリア市と大阪府泉佐野市の姉妹都市協定について報告を行い閉会とした。

Pdf平成30年度官民合同会議 議題

Pdf平成30年度官民合同会議 参加者リスト

( fotos: Seidi Kusakano)

ボルソナロ政権の発足でEUとメルコスールのFTA交渉が難航するとメルケル首相がコメント

メルコスールとEUの担当者らがモンテビデオで2018年内に合意する「最後のチャンス」として交渉を進めている中、ドイツのメルケル首相がコメントした。

メルコスールと欧州連合(EU)がモンテビデオで自由貿易協定(FTA)を取りまとめるための決定的な交渉に挑む一方で、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が、早急に合意を取りまとめるよう求めるとともに、2経済圏が貿易協定を取りまとめるために残された時間はわずかしかないと警鐘を鳴らした。ドイツの国会議員に対してメルケル首相は今回、ブラジルの大統領選でジャイール・ボルソナロ候補が次期大統領に選出されたことを受け、新政権の発足後は合意に対するハードルが高くなるとコメントした。

両経済圏は、2週間前にメルコスールの交渉担当者が10日にわたってブリュッセルに滞在、対立している条件の重要部分の幾つかを克服できるとの期待がもたれたものの、基本合意に踏み込めずにいる。メルケル首相は今回、「EUとメルコスールが貿易協定で合意に至るために残された時間は、いよいよわずかになった。極めて迅速に合意にこぎつける必要がある。さもなければ、ブラジルで新政権が誕生することによりこの目標の達成は容易なものではなくなる」とコメントした。

外交官らは去る月曜日、12月10日から、今度はウルグアイで協議を再開しており、これが2018年年内に合意できる「最後のチャンス」と受け止めている。EUだけでなくメルコスールの間にも、これまで交渉で積み上げてきた成果がボルソナロ政権の発足によってちゃぶ台返しにされる可能性があると懸念する声がある。

次期政権の経済スタッフは既に、アメリカとのより緊密な関係の構築を優先すべきで、部分的にはメルコスールを無視することも厭わないという考えを示唆している。EUの懸念は、エルネスト・アラウージョ氏が次期外務大臣に指名されたことで決定的なものになった。同氏は様々な著述の中で欧州を、「文化的に空虚な」大陸と評し、アメリカを自身がより好んでいるということを明確に示している。

EUにとって基本合意に至らないことは、中期的に、ブラジルがアメリカ企業に対して譲歩し欧州が活動の足場を奪われることを意味しかねないと受け止める。

ただしメルコスール側も、EUが主に農業分野で柔軟性を欠き譲歩を避けていると警鐘を鳴らしている。

14日(金)までに進捗がない場合、アルゼンチンは、既に19年にわたって交渉してきたこの問題で、メルコスールとEUが基本合意を交わすべく閣僚級会議を開催する予定だ。この「政治的」交渉が、ブラジル産のエタノールと食肉に対する割当量の拡大といった幾つかの問題で、互いに譲歩するための最後のステップとなる。

従ってメルケル首相の発言について外交官は、依然としてドイツが2018年内の合意を希望しており、それだけに譲歩を厭わないという明確なサインと解釈している。

ただし、合意に対する最大の障害は、政府が強い圧力にさらされ譲歩の意思を見せていないフランスだ。12月初旬に行われたG20でフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、メルコスールとの合意は、ボルソナロ政権が気候変動に関するパリ協定で加盟国としての立場を維持する場合に限られると警告している。

EU内では、マクロン大統領が持ち出したこの条件はフランスが、基本合意を締結しないための圧力と、農業分野を中心に市場の開放はどのようなものであれ遅らせるための方便だと受け止められている。

ブラジルは既に決断していると財務大臣がコメント

エドゥアルド・グアルジア財務大臣によるとブラジルは、基本合意を締結すると決断しているが、そのためには双方が関心を寄せる必要があるという。

グアルジア財務大臣はマスコミに対し、「我々は、(EUとメルコスールの貿易協定に向けて)非常な努力を払ってきた。アロイージオ・ヌーネス外務大臣は交渉において、決断を迫られている。私は、関係する様々な問題に関して、極めて密接に見守ってきたし、合意締結をブラジルが心から希望してその心づもりがあることを、あらゆる手を尽くして示してきた。だが、双方がいずれもこれを希望する必要がある」とコメントした。

ブライロ・マジ農務大臣は、メルコスール側はEUとの貿易協定締結の心づもりはできているとした上で、依然として基本合意に至らないのはEU側が合意したがらないからだとコメントした。「メルコスールとEUが合意に至らないのは、メルコスールがそれを希望しないからではなく、EUが希望しないからだ」と農務大臣は言う。

この農務大臣のコメントは、ドイツ首相の発言を受けたものだ。さらにマジ農務大臣は、メルケル首相の立ち位置を批判。「ブラジルは、可能な限り条件を柔軟にして対応した。国内の幾つかの業界が損害を被るような形でも主張を後退させたのだ」と同大臣はマスコミにコメントした。

なお、ボルソナロ次期大統領は既に、メルコスールのように多国間のグループとして条件をすり合わせるよりは、二国間で交渉することが好ましいという考えを示している。(2018年12月13日付けエスタード紙)

世界の食肉貿易に占めるブラジルのシェアが低下

食肉輸出に関連して、記録を更新したという話題が報道をにぎわせているものの、過去10年でブラジルは、世界の食肉市場におけるシェアを縮小させている。2007年の場合、ブラジルは、牛肉と豚肉、鶏肉で見た世界の食肉輸出の23.5%、111億ドルを担う最大の輸出国だった。だがそれから10年が経過し、ブラジルのシェアは17.4%に縮小、アメリカに次ぐ第2位の輸出国に転落した。金額では153億ドルを輸出しており、2007年から2017年にかけてブラジルの食肉輸出は38%拡大した格好だ。だが、食肉の国際貿易は、同じ期間に86.4%も成長したのである。

 ブラジル農村ソサエティー(SRB)のペドロ・デ・カマルゴ・ネット副会長が、国際貿易センター(ITC)のデータをもとに調査し、結果を発表した。

 今回の調査で同副会長は、アメリカと欧州連合(EU)が輸出を伸ばしてきたと指摘する。ただし、より大きな成長を達成したのは、インドのような小規模の輸出国、さらに、統計に表れない輸出量の小さな国々だという。カマルゴ・ネット副会長は、仮にブラジルがシェアを維持していれば、この10年間で300億レアル以上の食肉輸出を上乗せしていたと指摘した。

 また同副会長は、「データからわかることは、私たちの対応が良くなかったという点だ」という。この10年で世界の食肉輸入は、2007年の473億ドルから2017年には881億ドルへ大聞く成長した。ブラジルは重要な役割を担っていたが、世界の食肉市場の成長がこれを上回ったのだ。

衛生問題

 ブラジルがシェアを縮小させた理由について、カマルゴ・ネット副会長は衛生問題を挙げる。例として、最近になって市場を失うことになった衛生問題として、3つの例を挙げた。そのうちの1つは、アメリカ向けの非加熱処理(生鮮、冷蔵及び冷凍)牛肉問題で、口蹄疫ワクチンの接種に伴う膿瘍の発生だ。

 市場が失われたもうひとつの例はロシア向けの豚肉輸出で、同国で使用が禁止されている薬品であるラクトパミン残基が確認された。最後のひとつは、鶏肉からサルモネラ菌が発見された問題で、EUがブラジルサンケイ肉の輸入を停止した。「問題は、信頼性。こうした問題がなければ、ブラジルの輸出はさらに大きかったはずだ」という。

 農業省によると、衛生問題は複雑な課題だという。保護主義が世界的な潮流になっていると同省は受け止めており、その中で、「消費者の健康を守るためという大義から衛生対策が、非効率的な国内生産者の保護のための方便として利用されている」のだという。

 次期政権で農務大臣に就任が予定されるテレーザ・クリスチーナ下院議員(DEM:民主党)は、検査体制が業界の需要に応じきるには不十分だと認める。今後、ブラジル産食肉に対する国際市場での信頼を回復するため検査システムと防疫システムの近代化を進めるとしている。

 ブラジル肉類輸出事業者協会(Abiec)は12月11日、2018年の牛肉輸出が過去最高記録を更新する見通しだと発表した。だが、SRBが示した調査に関しては、利用可能なデータを入手していないとしてコメントを避けた。同様にブラジル動物蛋白協会(ABPA)も、ノーコメントと回答した。(2018年12月13日付けエスタード紙)