今年の化学業界の貿易収支赤字は291億ドル予想

2018年のブラジルの化学業界の貿易収支は、化学製品向け国際コモディティ価格上昇に伴って、前年比24.0%増加の291億ドルに達するとブラジル化学工業会(Abiquim)では予想している。

今年の化学業界の貿易赤字の要因として、主にブラジル工業界のアキレス腱と呼ばれている農業向け肥料や農薬向け化学製品輸入が牽引しており、2019年の化学製品輸入は、ブラジル国内経済が好調であった2013年並びに2014年並みの310億ドルに達すると見込んでいる。

今年の農業向け化学肥料の輸入では、輸入量は前年比1.6%減少予想にも関わらず、化学肥料の国際コモディティ価格上昇に伴って輸入金額は13.8%増加が予想されている。

ボルソナロ次期大統領が「経済のことはゲーデスに任せる」と言明している次期財務相のパウロ・ゲーデス氏は、ブラジルコスト削減を謳って過度な自由貿易推進に傾くことをブラジル化学工業会(Abiquim)では憂慮している。

昨年のブラジルの化学工業製品の36%は輸入製品占めているが、化学製品に対する輸入関税は欧米諸国よりも非常に高い上に、ブラジル国内の電力エネルギーや原材料価格、ブロクラシーや煩雑な規制などブラジルコスト削減を指摘している。

ブラジル化学工業会(Abiquim)は、今日開催される第23回化学工業会総会(Enaiq)で、業界のブロクラシー削減プログラムを発表するが、環境部門に対するブロクラシーの支出は年間10億レアルに達している。(2018年12月7日付けヴァロール紙)

古河電気工業株式会社社長レセプションに平田事務局長が参加

古河電気工業株式会社の小林敬一代表取締役社長レセプションは2018年12月6日夜にTransamérica BERRINIホテルで開催、初めにFURUKAWA ELETRIC LATAM.S.AのFOAD SHAIKHZADEH社長が同社のラテンアメリカ戦略について説明、続いて古河電気工業株式会社執行役員の宮本聡 総務・CSR本部長並びに同小林敬一代表取締役社長は、古河電気の世界戦略について説明した。商工会議所から平田藤義事務局長が参加した。

平成30年秋の叙勲伝達・祝賀式典に出席

2018年12月6日正午より、在サンパウロ日本国総領事公邸で平成30年秋の叙勲伝達・祝賀式が執り行われ、会議所から平田 藤義事務局長が出席し祝賀を行った。また同日夜7時30分より文協においても平成30年度秋の叙勲祝賀会が行われ、平田事務局長が出席し、100名程の参加者とともに授賞者への祝賀が行われた。

授賞者は元山 光男氏(元アラサツーバ日伯文化協会会長、元ノロエステ連合日伯文化協会副会長)、貞方 賢彦氏(元ブラジル日本商工会議所会頭、元ブラジルヤクルト商工㈱代表取締役社長)、石井 千秋氏(石井道場塾代表、元サンパウロ州柔道連盟強化育成コーチ)、西尾 義弘 ロベルト氏(現 伯日文化社会統合協会会長、現 ブラジル日本文化福祉協会副会長)、岩原 勝一氏(元 スザノ文化協会会長、元 汎スザノ文化体育農事協会評議委員会委員長、元 サンパウロ日伯援護協会常任理事)。

貞方氏は当所の第13代会頭であり、日本企業のブラジル進出をサポートすることで日伯経済交流を大きく促進させ、またブラジルヤクルト商工の設立メンバーとして来伯し、法制度や商習慣の違いから生ずる諸問題の解決に尽力することで、同社の発展及びブラジルでの日本企業のイメージ向上に大きく貢献したことが高く評価された。その他、長崎市がサントス市に路面電車を寄贈した際の輸送支援やイビウナ市での野球教室の開催などを通じて、草の根レベルでも日伯交流促進に貢献している。

また西尾ロベルト氏は、当所を含む日系主要5団体が関連する伯日文化社会統合協会の会長として活動に尽力し、当所の活動にも精力的なサポートを頂いている。上記協会において日系団体の諸活動を支援するほか、ブラジル日本文化福祉協会および移民資料館にて日本人移住史の史料保全、宮坂国人財団にて日系団体の活動支援および日伯文化交流促進に尽力している。

 

 

Unidos Co., Ltd. (Kyodai Remittance) / Nippon Academy (Nippon & Trinity)一行が訪問

Unidos Co., Ltd. (Kyodai Remittance) 営業・マーケティング担当ブラジルチーム/ Nippon Academy (Nippon & Trinity)海外営業部ブラジル・南米室長の早田幸太郎アントニオ氏並びに同ブラジルエージェンシーの早田ルシアーノ氏、/Nippon Academy (Nippon & Trinity)の秋元光ヴィニシウス海外営業部ブラジル・南米室長が2018年12月6日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長に同グループの事業活動を紹介した。

Vinícius Hikaru Akimoto, Antonio Kotaro Hayata, Luciano H. Hayata e Fujiyoshi Hirata

Vinícius Hikaru Akimoto, Fujiyoshi Hirata, Antonio Kotaro Hayata e Luciano H. Hayata

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

市役所は財政責任法(LRF)改正で人件費の規定枠超過可能

地方政府公務員(州・市)の財政責任法(LRF)では、職員給与の支出総額は歳入総額の60%までに制限されているが、昨日の下院議会では、賛成多数で市役所職員に対する歳出限度を撤廃した。

昨日の下院議会での財政責任法(LRF)の変更採決は賛成票が300票、反対票は46票、棄権は5票で、圧倒的多数で財政責任法(LRF)改正が承認、上院議会では既に承認されており、テーメル大統領のサイン待ちとなっている。

昨日の財政責任法(LRF)改正採択では、ジャイール・ボウソナロ次期大統領の社会自由党(PSL)並びにミッシェル・テーメル現政権のブラジル民主運動党(MDB)は、各下院議員の自由採決となっていた。

昨日の市役所の財政責任法(LRF)改正承認で、10%以上の歳入減少が発生した市町村では、職員給与の支出総額は歳入総額の60%までの制限枠を外されるが、市町村向け交付金分配ファンド(FPM)の減少並びにロイヤリティ収入や特別分配金削減の可能性がある。

人口が2万人以下の市町村で自前の歳入で、市役所職員の給与をカバーできるのは僅か9.7%で、90%以上は連邦政府や州政府の地方交付金で賄っており、多くの地町村で市役所職員給与の0.5%も満たせない。

地方統一選挙が行われて今後4年間の市政を担う市長選挙が2016年10月に実施されたが、ブラジル全国5,500都市のうち2,000都市以上が財政責任法(LRF)を果たしていないとリオ工業連盟(Firjan)の調査で判明している。

またブラジル全国の市町村の12.7%に相当する575都市では、財政責任法(LRF)の支出総額の60%までに制限されている市役所職員の給与総額が限度の60%を超えていたとリオ工業連盟の調査で判明していた。(2018年12月6日付けエスタード紙)

昨年ブラジル国民197万人が貧困層に下落

2017年の世界銀行が貧困層と認定している1日の一人当たりの所得が5.5ドル以下のブラジルの貧困層は、前年よりも197万人増加しているとブラジル地理統計院(IBGE)の所得格差調査で判明している。

昨年のブラジルの貧困層197万人増加は、全人口の約1/4に相当する5480万人に達しており、1カ月の一人当たりの平均所得は、406レアル以下での生活を余儀なくされている。

経済リセッションからの回復途上にも拘らず、昨年のブラジルの失業率が増加傾向を示していた影響で、貧困層増加につながったとブラジル地理統計院(IBGE)社会格差担当のアンドレ・シモエス部長は説明している。

2017年のブラジルの失業者総数は1,311万人に達しており、ブラジル人の所得の73.8%がサラリー収入だけのために、失業すればサラリー収入が途絶えるために貧困層入りを余儀なくされる。

昨年のブラジルのサラリーマンの平均所得は前年比0.7%減少の2,039レアル、しかし所得ピラミッドの最下層10%の昨年の所得減少は、18.0%に達して更なる貧困生活に結び付いている。

またブラジル国内の地域格差も拡大しており、昨年のブラジルの貧困層5,480万人の44.8%に相当する2,560万人は、北東部地域に集中している一方で、南部地域の貧困層は、人口の12.8%に相当する380万人に留まっている。

黒人並びに褐色男性の34.1%は貧困層カテゴリーに入っており、ブラジル平均よりも7.6%多い。また世帯主が黒人又は褐色女性で、未婚や14歳以下の子供を抱えている女性の64.4%は貧困層となっている。(2018年12月6日付けエスタード紙)

ペトロブラスは今後5年間で269億ドルの資産売却

昨日ペトロブラス石油公社は、2019年~2023年の5か年の投資計画を発表、負債軽減並びにコア事業への投資拡大のために、ポートフォーリオ資産を中心に総額269億ドルに達する自社資産売却を発表している。

また同社は2020年にEBITDA有利子負債倍率1.5倍までの引き下げを目標にしているが、2019年のEBITDA有利子負債倍率は2.0倍以下、今年は2.5倍近辺まで下げる目標にしている。

2019年~2023年の5か年投資計画では、投資総額841億ドルのうち石油・天然ガス開発・生産向け投資は688億ドルと大半の投資が集中、次いで石油製油所・配給・販売向けは82億ドル、社内向け投資は14億ドル、天然ガス・エネルギー部門は50億ドル、石油化学工業は3億ドル、風力発電・太陽光発電、バイオ燃料発電向け投資は4億ドルとなっている。

今後5年間の石油・天然ガス生産は年間平均5.0%増加、2019年の1日平均当たりの石油店天然ガス生産は前年比3.7%増加の280万バレル、そのうちブラジル国内生産は230万バレルを見込んでいる。

同社では2023年末までに石油・天然ガス開発のためのプラットフォーム14基の設置を予定、2019年にはサントス海盆の岩塩層下原油開発向けプラットフォームP-68並びに P-76、 P-77の据え付けを予定している。(2018年12月6日付けヴァロール紙)

ボウソナロ次期政権の年金・恩給改革案は二転三転か

ジャイール・ボウソナロ次期大統領は、早急な財政再建のため政権誕生の来年早々に年金・恩給改革着手を余儀なくされているにも関わらず、改革案が二転三転して、未だに暗中模索状態と見られている。

昨日ボルソナロ次期大統領は、すでに国会に送られているミッシェル・テーメル政権の年金改革案の修正並びに男女均一でない最低年金受給年齢案など分割した年金改革案を検討している。

ジャイール・ボウソナロ次期大統領は、政権担当の4年間で最終的な年金改革実施を目論んでいる様子であるが、初めの年金改革の焦点は、女性53歳、男性55歳の年金受給最低年齢を今後20年間かけて、女性62歳、男性65歳に引き上げる法案承認を優先する。

またボウソナロ次期大統領は、最終給与が年金受給金額となる公務員の特権についても修正の必要性を強調しているにも関わらず、下院や上院での承認の見込みのない理想的な年金改革案では意味がないと説明している。

ボウソナロ次期大統領は、ミッシェル・テーメル政権の年金改革案の修正案の他に、Ufifesp大学のArthur Weintraub並びにAbraham Weintraub兄弟教授案、ボウソナロ新政権で社会保障院総裁就任が有力なレオナルド・ロリン氏が支持している元中銀総裁のアルミニオ・フラガ氏の年金改革案、年金・恩給スペシャリストでエコノミストのFabio Giambiagi氏の年金改革案の採用が検討されている。(2018年12月5日付けエスタード紙)

今年10月の製造業部門生産は前月比僅か0.2%増加に留まる

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、5月末から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題発生の後遺症やアルゼンチンの為替危機、不透明な大統領選挙の影響が相乗効果となって、2018年10月の製造業部門生産は、前月比僅か0.2%増加に留まっている。

今年7月~9月の製造業部門生産は3か月間連続の落込みを記録していたが、新大統領が決まっていなかった10月は、漸くプラスに転じたものの僅か0.2%増加に留まっており、3年継続した経済リセッションから脱出したものの力強い経済回復サイクル入りになっていない。

今年初め10カ月間の製造業部門生産は前年同期比1.8%増加したものの、今年初め4か月間の4.4%増加を大幅に下回っている。また10月の製造業部門生産は昨年12月比では3.5%下回っている。

今年10月の食料品部門生産はマイナス2.0%、金属部門もマイナス3.7%した一方で鉱業部門生産は3.1%、機械・金属部会は8.8%、自動車部門は3.0%とそれぞれ大幅に増加している。

メルセデス・ベンツ社では、トラック増産のために600人の新規雇用を発表しており、2014年以降では初めての新規雇用を記録、ジャイール・ボウソナロ新政権が誕生する2019年以降の製造業部門活性化が期待されている。

2018年10月の製造業部門生産は前月比0.2%増加、前年同月比1.1%増加、今年初め10カ月間では1.8%増加、10月の過去12カ月間では2.3%増加、前記同様に資本財部門生産は1.5%増加、10.7%増加、8.7%増加、8.8%増加、中間財部門はマイナス0.3%、マイナス0.3%、0.8%増加、1.4%増加している。

また消費財部門生産は0.2%増加、1.6%増加、2.3%増加、2.7%増加、そのうち耐久消費財部門は4.45増加、6.8%増加、11.0%増加、12.1%増加、非耐久消費財部門はマイナス0.2%、0.2%増加、0.0%、0.3%増加している。(2018年12月5日付けエスタード紙)

今年11月までの貿易総額は既に昨年を上回る3,880億ドルを記録

アルゼンチン為替危機による完成品輸出減少しているにも関わらず、米中貿易摩擦の激化に伴って第一次産品の輸出拡大の影響で、今年11月間の貿易総額は既に昨年を上回る3,880億ドルを記録している。

今年1月~11月までの貿易総額は前年同期比14.3%増加、昨年の貿易総額を既に5.4%上回っていると商工サービス省(MDIC)のアブラン・ネット長官は説明している。

11月の貿易収支は前年同月比14.7%増加の40億6,200万ドルと11月としては2016年に次ぐ貿易収支黒字を記録、11月の輸出総額は25.4%増加の209億ドル、輸入は28.3%増加の169億ドルを記録している。

今年初め11カ月間の輸出総額は前年同期比9.4%増加の2,200億ドル、輸入総額は21.3%増加の1,683億ドル、11月の輸出では、農畜産の国際コモディティ価格上昇に伴って第一次産品輸出が40%増加、今年初め11カ月間では15.7%増加している。

今年初め11カ月間の大豆輸出は、生産記録更新に伴って前年同期比27.0%増加、原油輸出は47%、パルプ輸出も31%とそれぞれ大幅な増加を記録している。

また今年初め11カ月間の完成品輸出は前年同期比8.5%増加、特に石油派生品、航空機エンジン、自動車エンジン輸出が牽引、半完成品輸出は粗糖並びに皮革製品、銑鉄が不振でマイナス3.2%を記録している。

ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、今年の貿易総額は4,250億ドルと昨年の3,680億ドルを上回るにも拘らず、貿易支黒字は、ペトロブラス石油公社のRepetroプログラムによる石油・天然ガス開発用プラットフォームの150億ドルに達する会計処理の影響で、昨年を下回ると予想している。(2018年12月4日付けヴァロール紙)