回章 CIR-117/18    10月定例懇親昼食会開催のご案内

                                           CIR-117/18
                                           2018年10月2日
会員各位
                                           ブラジル日本商工会議所
                                           会頭         松永 愛一郎
 
                10月定例懇親昼食会開催のご案内
 
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。
 
当所ではこの度10月定例懇親昼食会を下記の通り開催致します。
 
この度の昼食会には、日本経済新聞社 米州編集総局長の篠原洋一氏をお招きし、現在世界中で注目を浴びている「米中間選挙後のトランプ政権」についてご講演頂きます。

この懇親昼食会にも日ポ、ポ日の同時通訳が付きますので、対会議所代表者以外の社員の方々も奮ってご参加下さいますようお願い申上げます。

当日は臨時総会(12時~12時15分、ブラジル日本商工会議所2019/2020年度理事・監事選挙結果報告・承認の件)も開催されます。案内は別途お送りいたしますので、その際こちらにもお申し込みの程よろしくお願いいたします。
                                                           敬具
                              ‐ 記 ‐

日時:2018年10月19日(金) 12時15分~14 時(カクテルは11時30分から)

会場:マクスードプラザ Maksoud Plaza (R. São Carlos do Pinhal, 424 – Bela Vista, São Paulo – SP   Tel.: (11) 3145-8000)

講演テーマ:「米中間選挙後のトランプ政権」

講師:篠原洋一氏 日本経済新聞社 米州編集総局長

講師略歴: 1987年3月 京都大学教育学部卒業
87年4月 日本経済新聞社に入社 東京本社編集局産業部に配属
91年9月 大阪本社編集局証券部
93年3月 同 経済部
96年3月 東京本社編集局産業部
2001年9月 米州編集総局(ニューヨーク)駐在
06年3月 東京本社編集局産業部次長
12年4月 同 産業部長
13年4月 同 日経産業新聞編集長
14年4月 同 編集局次長兼日経産業新聞編集長
15年4月 同 編集局次長兼企業報道部長
              17年4月 米州編集総局(ニューヨーク)総局長

参加費: お一人 R$ 235
 
申込み:下記申込書に参加費を添えて、10月17日(水)までに事務局宛お申込下さい(Av. Paulista 475、13階、担当:テイコ Tel: 3178-6233)。
 
なお、10月17日(水)以降に申込みを取消される場合、参加費は返金できませんのでご了承願います。
 
銀行振り込みの場合、E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br 又はファックス: (11) 3284-0932にて振り込み証明書をお送り願います。
 
ブラデスコ銀行の口座にお振込み願います。
口座番号
Banco Bradesco
Agência: 0895
C.c: 7966-9
CNPJ : 61.009.031/0001-06
Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil
 
定例行事:定例行事の際に代表交替(会社代表、対会議所代表)の挨拶をご希望の方は予め事務局まで御連絡下さい。(担当: カリーナ Tel:3178-6238)
お願い:会場の駐車場は有料につき、料金は使用者負担となります。
                                                         以上
 
 ……………….. 切り取り線 …………………..
 
10月定例懇親昼食会参加申込書
 
氏名:………………………………………………………………………………
 
会社名:……………………………………………………………………………

 

 

回章 CIR-116/18      臨時総会開催のお知らせ

                                            CIR-116/18
                                            2018年10月2日
会員各位
                                            ブラジル日本商工会議所
                                            会頭 松永 愛一郎

                   臨時総会開催のお知らせ

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。
 
さて、当所では定款第23条に基づき、下記の通り臨時総会を開催致します。
総会成立には会員の3分の1の出席を要しますので、万障お繰り合わせの上ご参加下さいますようお願い申上げます。

《代理者指名》
なお、法人会員で、本会議所に登録された対会議所代表者が出席出来ない場合は、定款第26条に準じ、対会議所代表者により指名された同企業所属の代理者が決議に参加可能です。

その場合は、代理者指名届け(下記モデル①に従い代表者署名入り書面を作成)を託送、郵送、ファックス或いはPDFファイルで会議所カリーナ宛て
(Av. Paulista, 475 – 13º. and., São Paulo-SP, CEP01311-908,  Fax: 3284-0932,  e-mail: secretaria@camaradojapao.org.br)に10月17日(水)迄にお送り頂きます様お願いします。

《委任状》
また、企業内に代理者がおらず欠席の場合、また個人会員が出席出来ない場合は、別紙モデルに沿った委任状 (下記モデル②) を10月17日(水)迄にお寄せ頂きます様、何卒ご協力の程お願い申上げます。(その際、特定の企業を指名されても、指名されなくてもいずれでも結構です)

総会後は、同会場で引続き10月定例昼食会に移ります。
                                                            敬具
                              - 記 –

日 時:2018年10月19日(金) 12 時 ~ 12 時 15分
会 場:Maksoud Plaza (R. São Carlos do Pinhal, 424 – Bela Vista, São Paulo – SP   Tel.: (11) 3145-8000)
議 題:
①       ブラジル日本商工会議所2019/2020年度理事・監事選挙結果報告・承認の件  
②     その他

ご出欠の確認を10月17日(水)までに事務局カリーナ宛
(Tel:3178‐6233   E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br)ご連絡下さい。
                                                         以上
 
モデル① 代理者指名届けモデル

( PAPEL TIMBRADO DA EMPRESA )

NOMEAÇÃO DE SUBSTITUTO

Pelo presente instrumento particular de nomeação, (NOME DO REPRESENTANTE PERANTE A CÂMARA) …………………………………………….., representante perante a Câmara da empresa (NOME DA EMPRESA) …………………………….. associada a esta Entidade, nomeia como substituto (NOME DO SUBSTITUTO DA MESMA EMPRESA)………………………………………………………, da mesma empresa, a fim de representar na Assembleia Geral Extraordinária da Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil, a realizar-se no dia 19 de outubro de 2018, sexta-feira, das 12h às 12h15, no Maksoud Plaza (R. São Carlos do Pinhal, 424 – Bela Vista, São Paulo – SP   Tel.: (11) 3145-8000), em São Paulo-SP, podendo, para tanto, praticar todos os atos quanto necessários, ao cabal desempenho deste instrumento.

São Paulo, de          de 2018.

_______________________________________________
Empresa

_______________________________________________
Nome por Extenso e Assinatura do Representante junto à Câmara (ou do Representante Legal da Empresa).

モデル② 委任状モデル

( PAPEL TIMBRADO DA EMPRESA )

P R O C U R A Ç Ã O

Pelo presente instrumento particular de procuração, a empresa (NOME DA SUA EMPRESA) ……………………………………………………………… associada a esta Entidade, nomeia e constitui nosso bastante procurador (NOME DA EMPRESA QUE A REPRESENTA ou, não havendo nomeação de um procurador específico mencionar: “…empresa participante desta Assembleia”.)…………………………………….., a fim de representar na Assembleia Geral Extraordinária da Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil, a realizar-se no dia 19 de outubro de 2018, sexta-feira, das 12h às 12h15, no Maksoud Plaza (R. São Carlos do Pinhal, 424 – Bela Vista, São Paulo – SP   Tel.: (11) 3145-8000) em São Paulo-SP, podendo, para tanto, praticar todos os atos quanto necessários, ao cabal desempenho deste instrumento.

São Paulo, de          de 2018.

_______________________________________________
Empresa

_______________________________________________
Nome por Extenso e Assinatura do Representante junto à Câmara (ou do Representante Legal da Empresa).

 

アルゼンチン金融危機で9月の輸出は32%減少

ブラジル商工サービス省(MDIC)の発表によると、2018年9月の1日当たりのアルゼンチン向け平均輸出額は、アルゼンチンの金融危機の影響を受けて前年同月比31.8%減少、今年初め9カ月間では2.9%減少している。

しかし今年9月のアルゼンチンからの輸入額は前年同月比19.0%増加、今年初め9カ月間では17.5%と大幅に増加、ブラジルの対アルゼンチンの貿易収支黒字は59億ドルまで縮小、また今年初め9カ月間の貿易収支は43億ドルを記録している。

今年9月のアルゼンチン向け完成品輸出では、自動車並びに自動車部品、トラック、トラクターなどの農業機械、ショベルカーやホイルローダーなどの建機などが大幅に減少している。

9月のアルゼンチン向け自動車輸出は前年同月比29.7%減少、今年初め9カ月間では13.8%減少、9月の完成品輸出は、アルゼンチン向けの輸出減少が牽引して4.2%減少したにも関わらず、半完成品は7.7%増加、第一次産品も21.1%増加している。

今年9月の輸出総額は191億ドル、輸入総額は緩やかな経済回復に伴って原油並びに天然ガス、自動車、肥料などの輸入が牽引して前年同月比10.2%増加の141億ドルを記録している。

9月のブラジルの貿易収支は前年同月比3.9%減少の49億7,100万ドルに留まったにも関わらず、9月としては過去2番目の貿易収支黒字を記録している。

また今年9月のブラジルからの輸出は国際コモディティ価格の上昇に伴って原油並びにパルプの輸出が好調に推移、今年初め9カ月間のブラジルの輸出総額は8.1%増加の1,780億ドル、輸入総額は21.6%増加の1,353億ドル、貿易収支は19.9%減少の426億ドルの黒字を計上している。

輸入は過去20カ月間連続で増加、輸出も5月のトラック運転手の国道封鎖ストライキを除いて好調に推移しているとブラジル商工サービス省(MDIC)貿易局のアブロン・アラビ・ネット局長は説明している。

今年初め9カ月間の完成品輸出は、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォーム輸出が牽引して8.8%増加している。

しかしプラットフォーム輸出を除外すれば今年初め9カ月間の完成品輸出は、僅か4.1%増加に留まると産業開発研究所(Iedi)工業開発課エコノミストのラファエル・カグジン氏は指摘している。

昨年のブラジルの対アルゼンチン貿易収支は80億ドルを記録したが、今年はアルゼンチン金融危機の影響を受けて大幅な黒字計上を予想、また来年は赤字に転落する可能性があるとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。

今年初め9カ月間の輸入総額は前年同期比21.6%増加の1,353億4,300万ドル、そのうち資本財は82.9%増加の213億1,600万ドル、中間財は12.3%増加の787億7,300万ドル、消費財は14.6%増加の193億5,000万ドル、燃料・潤滑油は25.3%増加の157億6,300万ドル。

前記同様に輸入総額は8.1%増加の1,779億9,100万ドル、そのうち第一次産品は12.1%増加の877億8,900万ドル、半完成品は3.7%減少の224億6,300万ドル、完成品は8.8%増加の644億300万ドルとなっている。(2018年10月2日付けヴァロール紙)

製造業部門経営者の景況感が過去12カ月間で最低

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)による製造業部門経営者対象の景況感調査によると、2018年9月の製造業部門経営者の景況感指数(ICE )は、景気回復の遅れ並びに不透明な大統領選挙の行方などの要因で、前月比1.9ポイント減少の89.5ポイントと昨年9月の87.8ポイント以降では最低記録となっている。

9月の製造業部門経営者の景況感指数(ICE )89.5ポイントは、6カ月連続で平均0.3ポイント減少を継続、また9月の製造業部門経営者の現状景況感指数(ISA)は、0.8ポイント減少の88.4ポイント、今後の見通し指数(IE-E)も1.3ポイント減少の95.4ポイントと3カ月連続で下げている。

しかし9月の建設業部門企業経営者の景況感指数(ICC )は0.9ポイント増加した一方で、製造業部門経営者の信頼感指数(ICI)は、3.6ポイントと大幅に減少している。

2018年9月の製造業部門経営者の49セグメント調査対象の景況感指数(ICE )では、5月末から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題、不透明感が上昇一途の大統領選挙、アルゼンチン金融危機などの外的不安定要因などの影響が牽引して、37%のセグメントで前月比割れが発生している。(2018年10月2日付けヴァロール紙)

トランプ大統領はブラジルの貿易政策を批判

10月1日ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ米大統領は、カナダとメキシコとの間で合意に達した北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は、米国の労働者にとっての勝利と強調している。

しかし通商二国間の貿易政策でインドとブラジルに批判の矛先を向け、特にブラジルは「米国に不都合な関税を課し」、「米国の企業経営者の中には、ブラジルは世界で最も強硬な国の一つだ」とトランプ米大統領は批判している。

米国はブラジルにとって中国に次ぐ貿易相手国であるが、過去10年間の両国の貿易収支は米国の900億ドルの黒字を記録しているとMDIC貿易局のアブロン・アラビ・ネット局長は指摘している。

2017年の米国のブラジルからの輸入総額は294億ドルに対して、米国のブラジル向け輸出総額は370億ドルで、米国の貿易収支黒字になっているとアブロン・アラビ・ネット局長は指摘している

ブラジルは煩雑なブロクラシーや税制などの要因で、世界で最もビジネスが難しい国であり、またブラジル人にとっても難しいが、決して米国人だけにビジネス障害になっているわけではないとBarral M Jorge社のコンサルタントのWelber Barral氏は指摘している。(2018年10月2日付けエスタード紙)

【DKWからEVへ】ZF・ド・ブラジル ウィルソン・ブリシオ南米担当社長インタビュー

ZFが、間もなくブラジル進出60周年を迎える。同社は1958年8月15日、サンパウロ州ABCパウリスタ地区のサン・カエターノ・ド・スル市にドイツ以外で初の工場を建設してブラジルに進出した。国内で初めて製造した製品は、ブラジル資本の自動車メーカー、ヴェマグ(Vemag)の手になる自動車DKWに組み込んだ変速機だった。

その後すぐ、ZF・ド・ブラジルは事業を拡大して商用車に対応、トランスミッションとステアリングの製造に乗り出した。工場は小規模で手狭になったために1981年にはサンパウロ州の地方都市ソロカバ工場を立ち上げ、1997年には同工場に生産を100%集約した。

現在、ZFが既にブラジルも含めて電動パワートレインの供給を視野に入れていることを、ブラジル滞在歴17年のウィルソン・ブリシオ南米担当社長がインタビューの中で明らかにした。同社長はブラジルの振興策を批判するだけでなく、ブラジルにとってより良い解決策はエタノールではないという考えも示した。その過程はどうであれ最終的には電気自動車(EV)化に向かうと同社長は確信しており、ブラジルは、EV時代への備えが必要になるという。以下は同社長とのインタビューである。

「ブラジルはビジネス環境ランキングで世界第129位だ。エコシステムはビジネスに不都合なもので、何から何まで高額で、非常に煩雑だ」

AUTO DATA(AD):ZFが、ブラジル進出60周年を迎えます。ブラジルにおいて自動車部品メーカーがこのような長寿でいられる秘訣は?

ウィルソン・ブリシオ(WB):忍耐と、ここには可能性があるという確信、さらに能力。これがなければ、ブラジルでこれほどの期間を生き抜くことはできない。ブラジルを理解することと、ニーズを把握すること、ここでどのように振舞うべきか、どのようにビジネスを管理するのかを、ZFは学んだ。ここ数年を含め、当社は虚を突かれたこともあったが、それにどう対処すべきかを学んだし、多くの技術を導入しただけでなく多くの専門家を送り出すこともした。ブラジルの自動車業界関連企業で働くことから得られる経営の教訓は、シリコンバレーでは得られない。現在の当社には、中国とアメリカで働くブラジル人エンジニアがいる。

AD:ブラジル工場がドイツ以外でZFの初めての工場だったとか…。

WB:そう。そして、そこで国際化を学び、最初の駐在員があちらからこちらへやって来て、その後、ブラジル人たちがこちらから向こうに駐在した。当社にとってブラジルは非常に大きな戦略的重要性があった。これは非常に豊かな企業史で、過去の歴史にとどまらず今も継続している。最近も、当社の農産物分野のエンジニアリング分野で、国際開発センターの1拠点をブラジルに立ち上げるという喜ばしいニュースを受け取ったばかりだ。

AD:TRWの買収が南アメリカにおけるZFのオペレーションに与えた変化とは何でしょうか?

WB:この買収は極めて補完的な展開だった。唯一、この買収でわずかながらバッティングした部門はステアリングで、当社はこのオペレーションをスピンオフした。残りのすべての事業、例えば電装品、エアバッグ、ブレーキ、アフターセール市場など、従来の事業展開を補完するものだ。2つの企業文化、アメリカ人気質とドイツ人気質を統合することが今後の大きな挑戦だ。すべてを記録的スピードでこなしており、初年には、事業のおよそ80%を既に統合した。最初はアフターセール、続いて調達、一歩一歩だが人的リソースも統合を進めている。2017年末にこのプロセスを完了し、当社はこのほど、この工場に近いサンパウロ州イトゥー市に初の共同倉庫を立ち上げた。

AD:2018年のブラジルはZFにとりどのような状況でしょうか?

WB:いくつかの事業は黒字を確保しており、残りは赤字を見込むがその理由は新製品のリリースには多額の開発コストが求められるためだ。厳しい状況ながらも、背筋が凍るような思いはしなくなった。過去数年は相次ぐ下方修正を余儀なくされ、2018年に関しても当初、その水準を引き継ぐと予想していた。ただ、設備稼働率が50%という水準にありながらも当社は、不況下でまだ回復の足音が聞こえない中で投資を進めていた。

AD:今後に関して、何か、明るい見通しがありますか?

WB:ブラジルはビジネス環境ランキングで世界第129位だ。エコシステムはビジネスに不都合なもので、会社を設立したり投資をしたりする場合、何から何まで高額で、非常に煩雑だ。多くの人が、この問題やあの問題に対処するための振興計画を導入すべきだと主張する。だが必要とされているのは、完全な、すなわち国全体に対する計画のリロードだ。政権が導入する単なる1つの計画ではない。そのようなものは役に立たない。ブラジルには、誰が権力の座にいるのかとは無関係に機能する、社会に根差した工業政策が必要だ。

AD:新自動車業界振興計画であるロッタ2030について、あなたはどのようにお考えでしょうか?

WB:何らかの形でこの計画が市場を改善するのであれば、興味深いものだと私は思う。当社は技術企業であり、研究開発(R&D)を促進する方向性は好ましい。当社は既に、初の電動パワートレインをブラジルに投入すべく努力しており、その計画はかなり進んでいる。私は、EV時代が幕を開ければ大都市を中心に急速に普及すると考えており、その流れを後押しするものは何であろうと興味深く受け止めている。政策がこの方向に効果を発揮するよう期待しているが、あのランキングで129位に甘んじるようではいけないと強調したい。好ましいビジネス環境が存在しないところでは、世界のどこを見渡しても持続的なR&Dが存在しえない。新しい技術に歩調を合わせつつ、私たちは国家の使命というものを見い出さなければならない。ブラジル資本の自動車メーカーはもはや存在しない。例えば、メルコスールと欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)が締結された後、輸出をはるかに上回る輸入を阻止しようと振舞うことをブラジルにとどまらせる要素とは、何だろうか?

AD:ブラジルの使命はエタノール燃料ではないでしょうか?

WB;私は難しいと考える。中国について話をしよう。あの国は、ゲームのルールを変えた。彼らはこう考えた。すなわち、「汚染問題を抱えているので、もし中国以外の世界とレシプロエンジンで戦えば排出する汚染の抑制技術で劣る我が国のメーカーが負けるだろう」と。そうしてEV化に向かって動き出した。エタノール燃料は、ブラジルに存在するだけだ。世界を相手にこれが良いものだと納得させられるだろうか? 中国は最大20%のエタノールをガソリンに混合するが、それは現在のことであって未来についてはノーだ。ブラジルは、レシプロエンジンの技術が下り坂にあることを理解しなければならない。恐らく、ロッタ2030のミスの1つは、EVに不利益を与えてハイブリッド車(HV)を優遇する部分だろう。現在、バッテリーで駆動する純粋なEVは確かに重量がかさんでいるが、EV軽視は、ロッタ2030の戦略ミスになり得る。バイオ燃料が都市モーダルで大きな成功を収める戦略のひとつとして明るい未来がある決定的要素と私は見なしていない。

「バイオ燃料が都市モーダルで大きな成功を収める戦略のひとつとして明るい未来がある決定的要素と私は見なしていない」

AD:ブラジルがこのゲームに参戦して、EV化という分野で何らかの競争力を確保することは可能でしょうか?

WB:私は、再生可能エネルギーを生み出すことについて何であれ重要視している。そこには大きなチャンスがある。エネルギーを生み出し蓄積することは、未来に対して戦略的に非常に重要だが、そこへ投資し、追及していく必要がある。EV化が、とりわけ大都市において実現するということを理解すべきだ。例えばここ、サンパウロ州ソロカバ市だ。サンパウロ市から80kmに位置する同市へは、途中に1か所の充電所があれば、余裕をもって移動できる。スタート時点で優れていると思えても実は縮小傾向で将来性がないかもしれない解決法を強制するよりも良いと思える。ハイブリッドのソルーションでここが孤島にならないだろうか? ブラジル資本でもないメーカーが、ブラジルのためだけにハイブリッド技術の改善に投資したいと考えるだろうか? バッテリーが改善する中で中期的には、製造コストがEVよりもHVの方が高くなるというのが潮流だ。

AD:ではサプライヤーはどのようになるでしょうか?

WB:このビジネスでプレーヤーとしてとどまろうと思うなら、それを良く考えるべきだ。それは、明日ではないし明後日のことでもないが、これから10年後あるいは20年後に事業を継続しようと考えるサプライヤーは、今、それを考え始めるべきだ。ここで新しいサプライヤーが出現する可能性は非常に大きい。私たちは他にも、FTAが盛んになる中、ブラジルが将来的に生産するものについて、考えを巡らせ始めなければならない。それがなければブラジルは、キューバのような状況に転じるだろう。恐らくブラジルは輸入品に対して国境を閉ざそうとしており、その殻に閉じこもって私たちは技術の開発をしようとしている。ほどなく、現在のキューバで起こっているのと同じように、40年あるいは50年前の自動車を使うことになるだろう。私は過度の愛国主義者ではないし、「みんながこの道に進むべくここで標語を作ろう」と言いだして国家を支えられるものでもないと考えるが、グローバリゼーションが現実にすぐそこに来ていること、我が国の経済を国際化しなければならないこと、経済を開放しなければならないこと、より競争力を高めなければならないこと、インセンティブを廃止しなければならず私たちもそれを必要としていないことを、しっかりと受け入れる必要があると考える。

AD:するとあなたは、何年かすれば国内工業が重要な役割を持たなくなると考えておられるのでしょうか?

WB:間違いなく。競争力こそ、ゲームのタイトルだ。現在のわれわれのどこに競争力があるだろうか? よく見よう。原材料の場合、我が国の鋼材は、物流コストを除外するとして、世界のどの場所よりも20%も割高だ。人件費の場合、世界の工業国の中でも生産性が低い国のひとつだ。エネルギーを見ても、工業部門にとって極めて高価だ。税制だと、世界の他のいかなる国と比較してもブラジルでは税務管理に10倍の時間を費やしている。よりシンプルにできれば、そしてそのコストをR&Dと製品開発、生産性の改善に回すことができるのなら、ブラジルはずっと良い国になるだろう。どんな奇跡を私たちは待ち続けているのか? 「私たちはひとかどの存在になる。我が国は輸出プラットホームになる」と誰かが言えば、私は、「はぁ?」と応じるよ。ブラジルがドルを管理できるか? これらすべての欠点を埋め合わせるために、どれだけレアルを切り下げなければならないだろうか? それを解決するための奇跡もなければ、インセンティブも、政府も、救世主も存在しない。

AD:ブラジルにおけるEV化は大型車両と農業分野で拡大するのでしょうか?

WB:農業には、電化することで生産性を大きく引き上げられる手段が多く存在する。ブラジルは、EV化するというだけでなく、むしろトラクターの自動運転のようにEV化を完成させるあらゆる要素を備えており、収穫はすでにかなり以前から人工衛星によって管理されている。

AD:ZFは、ブラジル国内で自動変速システムの供給が増加すると想定していますか?

WB;いいえ。当社は既にこの問題を評価済みで、ブラジル市場に対して当社は、よりシンプルな変速機、現在当社がラインナップしている非常に高価な製品をダウングレードすることになる。エントリー・クラスの車両に関心を持っていないZFにとり、ブラジル市場はそれほど魅力的な市場ではない。しかもこの種の変速機を採用している中型車両が将来的に輸入車になる可能性が非常に高い。変速機の工場を立ち上げるための投資ということで言えば、必要となる需要は100万台規模だ。60万台なら、当社はそれを、コストが非常に高い投資と受け止める。ブラジルは、変速機工場に投資するのを正当化する条件を備えていない。

「殻に閉じこもって私たちは技術の開発をしようとしている。ほどなく、現在のキューバで起こっているのと同じように、40年あるいは50年前の自動車を使うことになるだろう」

AD:例外的関税適用制度(エス=タリファリオ)に関するロッタ2030の新政策により、国産化比率の面から国内需要が生まれませんか?

WB:それが残された唯一の道だと思う。現在、輸入できないという理由からビジネスを失っている。工業製品も含めて、輸入に対する障壁は非常に高い。例を挙げよう。一定以上の大きさのアルミフレームだ。ブラジルでは誰も製造していないのに、現在、この製品に対するエス=タリファリオが検討されている。部品のコンポーネントの一部が単独で輸入できないという理由から当社は、部品全体を輸入せざるを得ず、従って競争力を持ちえない。私は、国内で製造されていないものの輸入税と煩雑な輸入手続きを廃止し、市場の調整に委ねるべきだと考えている。市場に競争が生まれれば、ブラジル国内でも製造が始まるだろう。

AD:ロッタ2030では、工業製品税(IPI)に対してエネルギー効率面で最大2パーセントポイント、安全装置に最大1パーセントポイントを減税するという恩恵がありますが、累積的に適用を受けられずに上限は2パーセントポイントです。この場合、企業に対してエネルギー効率だけに注力する傾向を生み出しませんか?

WB:コストとそれに対する恩恵、効率化だけで受ける恩恵を2パーセントポイント確保するために必要となるコストと安全性で1パーセントポイントを確保する場合のコストを比較した上での判断になるだろう。後者のコストは小さいがリターンは大きいものになり得る。ただ当社は、ブラジルが何を必要としているか、社会のニーズを考える。それは、効率だけ、あるいは安全性だけだろうか? 私は、両方だと確信している。(AUTO DATA誌 2018年9月号)
 

スペイン語堪能な久保出里佳さんが訪問

清水建設 現地法人 シミズ・ノースアメリカLLC メキシコ支社の5年半勤務した久保出里佳さんが2018年10月1日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と大統領選後のブラジル政治経済の動向などについて意見交換を行った。

久保出里佳さんは大阪外国語大学 外国語学部 地域文化学科 スペイン語専攻卒。1年間メキシコ国立自治大学 哲文学部 留学。3か月間スペイン・サラゴサ万国博覧会 日本館アテンダントを経験。3年間社団法人 国際交流サービス協会 在メキシコ日本国大使館勤務。

Rika Kubode e Fujiyoshi Hirata

(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

8月の公的債務残高はGDP比77.3%に達する

中銀の発表によると、2018年8月のインフレ指数を含むブラジルの名目公的債務残高は、社会経済開発銀行(BNDES)による国庫庁への700億レアルの供与金返済にも関わらず、GDP比77.3%に相当する5兆2,200億レアルに達している。

今年8月の名目公的債務残高は、前月のGDP比77.2%から374億レアルの赤字拡大でGDP比77.3%に上昇、特に8月の財政プライマリー収支赤字168億8,000万レアルが大きな要因となっている。

ソブリン格付けで投資適格級を維持していた2013年12月のブラジルの名目公的債務残高は、GDP比51.5%と現在よりも25%以上低率を維持していたが、投資適格級に戻るには、年金・恩給などの構造改革断行による財政プライマリー収支赤字の削減が必須となっている。

また今年8月の名目公的債務残高の上昇要因として、8月の財政プライマリー収支赤字168億8,000万レアル並びにレアル通貨に対するドル高の為替も名目公的債務残高の赤字をさらに悪化させている。

連邦政府の今年の財政プライマリー収支赤字は、1,613億レアルが見込まれているが、8月の社会保障院(INSS)の赤字は、180億2,000万レアルと統計を取り始めた2001年以降の8月の月間記録となっている。

また今年初め8か月間の社会保障院(INSS)の累計赤字は1,233億8,000万レアルに達しており、今年1年間のINSSの赤字は、今年の財政プライマリー収支赤字1613億レアルを上回る可能性が指摘されている。(2018年9月29日付けエスタード紙)

 

ブラジル銀行と連邦貯蓄金庫は過去2年間で2万1,200人の従業員カット

連邦政府管轄下のブラジル銀行と連邦貯蓄金庫は、過去2年間で2万1,200人の従業員を希望退職制度などの導入で削減して年間25億レアルの人件費削減に結び付いている。

2010年当初のブラジル銀行と連邦貯蓄金庫の従業員総数は11万4,000人に達していたが、ブラジル銀行は、希望退職制度の導入で1万6,000人を削減、過去2年間の希望退職制度活用で10.9%に相当する1万2,000人が退職している。

また連邦貯蓄金庫は、希望退職制度の導入で全従業員の9.7%に相当する9,200人の従業員を削減した一方で、過去2年間の民間大手3銀行であるイタウー銀行並びにブラデスコ銀行、サンタンデール銀行の従業員総数は、主にブラデスコ銀行によるHSBC銀行買収で1万1,300人増加している。

ブラジル銀行では、過去2年間のインターンシップ従業員は60%に相当する2,800人をカット、連邦貯蓄金庫も30%のインターンシップ従業員をカットして、人件費削減を図って競争力向上を図っている。

ブラジル銀行では、希望退職制度導入による9,400人の従業員削減で年間23億レアルの人件費を削減、連邦貯蓄金庫でも希望退職制度導入で9,200人が退職したが、今年は1,300人の従業員削減で年間2億4,850万レアルの人件費削減に結び付く。(2018年9月29日付けエスタード紙)

失業率低下も正規雇用は依然として低調

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2018年6月~8月の新規雇用は119万5,000人増加した一方で、15歳~64歳の労働人口のなかで完全失業者並びに不完全失業者総数は2,750万人に達している。

今年6月~8月の平均失業率は、前4半期に相当する3月~5月の平均失業率12.7%から12.1%と0.6%と数字上では大幅に減少しているにも関わらず、希望に反するサラリーや職種に従事している雇用者が増加している。

また今年6月~8月のハウスキーパーは、前年同期比19万1,000人増加したにも関わらず、労働手帳に記載される正規雇用は僅か1万9,000人、非正規雇用は17万2,000人に達している。

今年8月末の失業者総数は1,270万7,000人に減少した一方で、労働者人口は、非正規雇用などの増加が寄与して9,208万1,000人に増加している。(2018年9月29日付けエスタード紙)