ブラジル地理統計院(IBGE)では、2017年10月からブラジルの国内農業国勢調査を開始、2020年のブラジル国勢調査完結には、延べ30万人の臨時職員の動員予定。ブラジル地理統計院による最後に実施された農業国勢調査は、2006年で10年以上経過している。
農業国勢調査では、農業従事者の人口並びに農地面積、恒久的農地、一時的農地、自然牧草地、人口牧草地、自然林、植林、主要な農畜産物及び作付面積、輪作性作物、永続性作物、種苗生産、体系的農業生産調査(LSPA)などが調査される。
昨日ブラジル地理統計院(IBGE)は、農業国勢調査2017の中間発表として、2006年から2017年にかけてブラジル国内の農畜産向け耕作地は1,657万3,000ヘクタール拡大している。
この新たな耕作地面積1,657万3,000ヘクタールは、ポルトガル並びにベルギー、デンマークを合わせた面積拡大に相当。ブラジル国内の農畜産従事者は500万人、耕作面積は3億5,025万3,000ヘクタールに達している。
Amazônia legalと呼ばれるアマゾン河流域のアクレ州並びにアマパ州、アマゾナス州、マット・グロッソ州、ローライマ州、パラー州、ロンドニア州、トカンチンス州、マラニョン州の一部で構成され、ブラジル国土の61%に相当する5.21万平方キロメートルを擁している。
2006年から2017年にかけのAmazônia legal地域では、962万5,000ヘクタールの耕地面積が拡大されているとブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)での衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査で判明している。
そのうちパラー州並びにマット・グロッソ州の耕地面積拡大要因として、牛放牧目的の牧草地拡大のための熱帯雨林伐採で、ブラジル全土の65%に相当する6,233万ヘクタールに達しているとブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)では発表している。
しかし2006年~2017年にかけての穀物栽培目的による耕地面積拡大は、僅か5.0%増加に留まっているにも関わらず、穀物生産は1億1,720万トンから2億4,060万トンと約倍増している。
2006年~2017年間の僅か5.0%の穀物栽培面積増加に対して、特に中西部地域を中心に穀物生産量が倍増した要因として、トラクター導入台数が49.7%増加による生産性の拡大の一方で、150万人の雇用削減となっている。
過去11年間での北東部地域の農産物栽培面積は、バイア州並びに北大河州を中心に5年間連続での旱魃の影響で990万ヘクタール減少、特に北大河州では5万2,800キロ平方メートルの農産物栽培面積が減少している。
2006年のブラジル国内の農産物栽培面積は3億3,370万ヘクタールであったが、2017年にはポルトガル並びにベルギー、デンマークを合わせた面積に相当する僅か5.0%増加の3億5,020万ヘクタールに留まっている。
地域別農産物栽培面積比較では、2006年の北部地域の農産物栽培面積は5,550万ヘクタール、2017年は19.1%増加の6,610万ヘクタール、前記同様に北東部地域は7,610万ヘクタール、7.1%減少の7,060万ヘクタール、中西部地域は1億530万ヘクタール、5.0%増加の1億1,060万ヘクタール、南東部地域は5,490万ヘクタール、9.2%増加の5,990万ヘクタール、南部地域は4,170万ヘクタール、2.6%増加の4,280万ヘクタールを記録している。
2006年の恒久的農地面積は1,170万ヘクタール、2017年は790万ヘクタールに減少、前記同様に一時的農地面積は4,890万ヘクタール、5,540万ヘクタールに増加している。
また自然牧草地面積は5,760万ヘクタール、2017年は4,680万ヘクタールに減少、人工牧草地面積は1億240万ヘクタール、1億1,170万ヘクタールに拡大、自然林面積は9,530万ヘクタール、1億620万ヘクタール、植林面積は470万ヘクタール、850万ヘクタールに拡大している。(2018年7月27日付けエスタード紙)