ウォーレン・バフェット氏所有の投資会社バークシャー・ハサウェイ社は、ラテンアメリカ地域で最も急拡大しているブラジルのフィンテックNubank社の5億ドルの株式を取得した。
バークシャー・ハサウェイ社以外にも他の海外投資家グループがNubank社の2億5000万ドルの株式取得で今月4日に交渉が成立、Nubank社の時価総額は300億ドルに達している。
顧客数とアプリダウンロード数では、世界で最も大きなデジタルバンクに成長してきているNubank社の顧客総数は、既に4000万人に達している。また今年初め5か月間の1日平均の新規顧客は4万5000人のペースで増加している。
Nubank社は2013年にサンパウロ市で設立、ラテンアメリカ地域で最大のフィンテック企業に成長、事業展開しているブラジル、メキシコ並びにコロンビアで4000万人の顧客を獲得している。また同社は既に20億ドルの資金調達に成功している。
バークシャー・ハサウェイ社は、Nubank社に対して過去最大の投資を行っているにも関わらず、バークシャー・ハサウェイ社は、投資の詳細はコメントしていないが、Nubank社のDavid Vélez社長は、これ以上の資金調達の必要性はないとコメントしている。
今のところ新規株式公開による上場は考えていないが、将来的には上場の可能性を否定していないにも拘らず、同社の現状計画には含まれていない。特に既に事業を展開している3カ国の投資および保険支店の拡大を継続するが、企業買収による事業拡大も否定していないとNubank社のDavid Vélez社長は説明している。
人口が2億1300万人を擁するブラジルの銀行システムは、数行の大銀行のマーケットシェア寡占状態が続いており、人口の多くが銀行口座を持っていないために、ブラジルのデジタル銀行の急速な拡大に繋がっており、デジタル銀行にとって顧客獲得のチャンスとなっている。
直接的クレジット組織(SCD)に認定されたフィンテック企業は、スマートフォンなどの電子プラットフォームで、従来型の金融機関と同等のサービスを単独で提供することが可能となるブラジル中央銀行の規制緩和により、大手金融機関による独占市場にフィンテクのスタートアップ企業の参入余地が生まれ、スタートアップ企業の手が届くサービスを提供することで金融市場が競争し、活性化させることができるようになった。