第1四半期GDPの発表を受け市場では2021年に最大で+5.5%の成長を予測

生産活動

 

農畜産物と鉱産物の輸出が牽引してブラジル経済が2021年1―3月に前期比+1.2%の成長を達成。ただしパンデミックの第3波と電力不足が依然として懸念材料。

2021年第1四半期に国内総生産(GDP:当該期間に経済活動によって生み出されたすべての価値)は、農業と鉱業などの輸出が後押しして2020年第4四半期との比較で+1.2%の成長を達成した。ブラジル地理統計院(IBGE)が6月1日に発表したもので、IBGEによると+0.7%前後だった市場の予想を上回るもので、今回の結果を受けて一部の金融機関は2021年に最大で年間+5.5%の成長も有り得ると見通しを上方修正させた。とは言え、国内で新型コロナウイルス(COVID-19)感染の第3波が発生しかねないことと電力不足に陥る可能性がある点は、経済活動に対する最大のリスクだと複数のアナリストが指摘している。

 

2021年1―3月の成長を受けてブラジルのGDPは、パンデミックが発生する前の2019年第4四半期の水準まで持ち直した。だがブラジル経済がピークを記録した2014年第1四半期との比較では、この水準を依然として3.1%下回っている。

 

今回の結果について連邦政府は経済政策の正しさを裏付ける指標のひとつと位置付けており、パウロ・ゲデス経済大臣は、予算で凍結していた財源の開放にも言及した。一方、証券取引市場では6月1日にサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が3日連続で最高値を更新し、企業が収入を拡大させるとの期待感から12万8,200ポイントを記録した。

 

エスタード紙のオンライン・サービス「ブロードキャスト」が金融機関22社から集めた予測でも、2021年のGDPに対する見通しは改善している。公式発表前の段階で平均+4.2%だった予測は、発表後には+5.0%に上昇した。現時点における予測のばらつきを見ると、下は+3.3%で、上は+5.5%。最も楽観的な見通しを示している金融機関のグループには、ゴールドマン・サックスとBNPパリバが含まれる。更にブラデスコ銀行とイタウ・ウニバンコ銀行がそれぞれ、+4.8%と+5.0%と予想している。

 

このように高い成長率を達成するシナリオが現実化するには、依然として、パンデミックの感染状況の推移といった問題から労働市場と所得が活況を取り戻せるかどうかといったリスクまで前途に横たわっている。食品の高インフレと高い失業率、連邦政府による緊急所得支援の不在(4月になって支払いを再開)といった要因が影響して2j021年第1四半期の民間最終消費支出は前期比-0.1%とわずかなマイナス、実質的に横ばいだった。

 

しかも水不足は、電力の供給不安だけでなく電気料金への適用が見込まれる値上げを原因とするインフレによって、経済成長への脅威となる。ブラジル国内でクレディ・スイスのチーフエコノミストを務めるソランジェ・スロー氏は、「パンデミックの悪化だけでなく水不足も、コストの移転や補助により、歳出拡大を迫るために財政(のバランス)にとって脅威になる」と話す。

 

農業

 

第1四半期の経済成長を牽引したのが農業で、当期、農業は大豆の豊作などで前期比+5.7%という成長を見た。また工業も資源業界が+3.2%を記録したことに後押しされて当期は+0.7%だった。支出面からは、石油・ガス産業に対する課税基準の変更を受けて人為的にこの分野が押し上げられたという側面はあるものの、総固定資本形成(GFCF)が+4.6%増を記録して経済成長を牽引した。

 

パンデミックの影響をより強く受けたサービス業は、生産から見たGDPの柱であるが、当期は前期比+0.4%にとどまり、回復の足取りが依然として緩やかなことを示した。サービス業は、2020年第1四半期と比較した場合は-0.8%だった。

 

ABCブラジル銀行のエコノミスト、ダニエル・シャビエル氏は「農業は当期も絶好調で工業とサービス業は再適応に取り組んでいるところだ。第2四半期に目を向けると、先行指標は、ほぼ全て高い確度でいずれも好調だ。そしてモビリティーも地域ごとに実施されたロックダウンの影響が色濃く表れるということはなかった」と話す。

 

LCAコンスルトーレスはレポートの中で、パンデミックが発生した当初は、接触に対する制限が製造ラインや販売、サービスが過去に例を見ないほど停止して経済活動を崩壊させたと指摘。それから数か月が経過する中で、経済指標に現れるモビリティー低下の影響は縮小していったと分析する。そして「技術の集中的な活用と労働における(対面方式とオンライン方式の)ハイブリッド・システムの導入、eコマースの拡大」により「経済がパンデミックに適応した」ことを示唆した。(2021年6月2日付けエスタード紙)

 

再適応

「農業は今第1四半期に絶好調の状態が続いたが、工業とサービス業は再適応に取り組んでいる」 ダニエル・シャビエル氏/ABCブラジル銀行エコノミスト

 

今年4月の鉱工業部門生産はマイナス1.3%(2021年6月2日付けエスタード紙)

 ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年4月の鉱工業部門生産は、3ヶ月連続でマイナスを記録、COVID-19パンデミック前の昨年2月の水準を依然として1.0%を下回っている。   

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、今年4月の鉱工業部門生産は、前月比マイナス1.3%を記録、調査対象の26セクターのうち18セクターでマイナスを記録、特に石油派生品・バイオ燃料セクターは、マイナス9.5%と大幅に落ち込んでいる。

今年初め4か月間の鉱工業部門生産は、前年同期比マイナス10.5%と二桁台の落込みを記録、4月の過去12か月間ではマイナス1.1%、今年4月の鉱工業部門生産は、ピーク時の2011年5月の生産レベルよりも17.6%減少している。

鉱工業部門生産は、今年2月~4月迄3か月間連続で前月比マイナスを記録、今年1月の鉱工業部門生産は、COVID-19パンデミック前の昨年2月の水準を3.5%上回っていたが、今年4月の鉱工業部門生産は、依然として昨年2月を1.0%下回っている。

今年4月の鉱工業部門の食品セクター生産は、トウモロコシなどの飼料価格上昇による牛肉並びに鶏肉の生産コスト上昇が牽引して、前月比マイナス3.4%を記録している。

また今年4月の印刷・録音再生セクターはマイナス34.8%、金属生産セクターはマイナス4.0%、皮革・旅行用品・履物セクターはマイナス8.9%、紙・パルプセクターはマイナス2.6%、衣類・アクセサリーセクターはマイナス5.2%、繊維セクターはマイナス5.4%、家具セクターはマイナス6.5%を記録している。

また今年4月鉱工業部門生産は、COVID-19パンデミックの影響が直撃していた前年同月比では34.7%と大幅増加して、統計を取り始めた2002年1月以降では最大の増加率を記録したが、昨年4月の鉱工業部門生産は前年同月比マイナス27.7%の過去最大の落込みを記録していた。

今年4月のブラジル国内の石油生産は4.6%増加(2021年6月1日付けヴァロール紙)

ブラジル石油監督庁(ANP)の月間石油・天然ガス生産レポートによると、2021年4月のブラジル国内の1日平均当たりの石油生産量は、前月比4.6%増加の297万4,000バレルを記録している。

また今年4月の1日当りの天然ガス生産は、4.2%増加の1億3,100万立方メートルを記録。BOE換算の1日当りの石油・天然ガス生産は、380万1,000BOEを記録している。

また今年4月の石油生産は、前年同月比0.5%微増に留まった一方で、天然ガス生産は、前年同月比6.0%と大幅な増加を記録している。

今年4月のプレソルト油田の1日当りの石油生産は217万7,000バレル、天然ガスは9,220万立法メートル、BOE換算の1日当りの石油生産は275万6,000BOE、前月比では3.8%増加、前年同月比では6.3%増加、プレソルトの122カ所の油田の石油生産は、既にブラジル国内生産の72.7%を占めている。

ブラジル石油監督庁(ANP)の発表によると、今年4月の天然ガスの生産量に対する利用率は97.8%に達し、1日当り5,350万立方メートルを商業化している一方で、天然ガス燃焼は、280万立方メートルで前月比9.0%減少、前年同月比では6.0%減少している。

 

今年5月の貿易収支は、92億9,000万ドルで5月の月間記録更新(2021年6月1日付けGlobo G1紙)

経済省通商局(Secex)の発表によると、2021年5月のブラジルの貿易収支は、92億9,100万ドルの黒字を計上、統計を取り始めた1989年以降の5月の貿易収支黒字を更新している。

今年5月の貿易収支が92億9,100万ドルの黒字を計上した要因として、食料品や鉄鉱石などの国際コモディティ商品の需要並びに価格の上昇、レアル通貨に対するドル為替の上昇に伴って、輸出額が大幅に増加した。

今年5月のブラジルの輸出総額は、269億4,800万ドルに対して、輸入総額は176億5,700万ドル、貿易収支は92億9,100万ドルの黒字計上で、過去最高記録の昨年5月の68億3,700万ドルの黒字を約25億ドル上回っている。

今年5月の農畜産製品の平均輸出価格は、前年同月比31.4%増加した一方で、鉱業部門の平均輸出価格は119.5%高騰、製造業部門の平均輸出価格は、19.1%増加を記録している。

今年初め5か月間のブラジルの貿易収支黒字は、前年同期比74.3%増加の275億2,900万ドル、昨年同期の貿易収支黒字157億9,300万ドルを約120億ドル上回っている。

今年初め5か月間のブラジルの輸出総額は、前年同期比31.1%増加の1,090億6,500万ドル、輸入総額は、20.9%増加の815億6,300万ドルを記録している。今年5月の農畜産部門の製品輸出は43.0%増加、鉱業部門は85.8%増加、製造業部門の輸出は34.6%増加している。

今年5月の農畜産部門の製品輸出では、大豆は前年同月比48.8%増加、原綿82.5%増加、果物・非油性ナッツ・乾燥ナッツ類41.2%増加、天然はちみつは129.4%増加している。

今年5月の農畜産部門の製品輸入は前年同月比36.8%増加、鉱業部門は107.5%増加、製造業部門は、56.5%増加とそれぞれ大幅に増加を記録している。

今年初め5か月間の輸出相手国のトップは、中国、香港並びにマカオ向け輸出で前年同月比36.0%増加の380億8,000万ドルを記録、ヨーロッパ連合は16.3%増加の140億7,000万ドル、米国は25.4%増加の106億7,000万ドル、アルゼンチン向け輸出は、54.9%増加の47億9,000万ドルを記録している。

経済省通商局(Secex)では、今年の貿易収支黒字は、世界経済の回復による需要拡大に伴って、国際コモディティ価格やドル高の為替が牽引して、前年比75.0%増加の894億ドルと過去最高記録を更新すると予想している。

経済省通商局(Secex)では、今年の輸出総額を前年比27.0%増加の2,666億ドル、輸入総額は、11.6%増加の1,772億ドルを見込んでいる。中銀の今年のブラジルの貿易収支黒字を700億ドル、金融市場では680億ドルの貿易収支黒字を予想している。

回章  CIR-056/21  「第2回SDGsセミナー 」

                        CIR-056/21
                        2021年6月3日(木)
会員各位
                        ブラジル日本商工会議所
                        環境委員会

この度環境委員会では、2021年2月に引続きJICAとの共催でオンラインセミナーを実施する運びとなりましたのでご案内申し上げます。
前回開催の「SDGsセミナー」では、SDGs及びESGの取り組みご紹介し、各会員様から大変ご好評の声をいただきました。
その後、4月にはボルソナーロ大統領が気候変動サミットで「違法伐採ゼロ」を掲げるなど、SDGs (Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))やESG (環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))への各企業の取組みがブラジルで加速度的に進んでいく可能性もあり、皆様のブラジルにおける事業においてより意識されていることと思います。。
会員企業の皆様がブラジルで事業を行うにあたって参考となる情報提供ができればと思い以下の通りにセミナーを開催いたします。
会員企業の代表者様だけでなく、従業員の皆様にも広くお声掛けいただき、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

セミナートピック: 「第2回SDGsセミナー 」

日時: 2021年6月17日(木) 午前9時から午前10時30分

セミナー方式: ZOOMによるオンラインセミナー

プログラム案(当日プログラムが変更となる可能性もあります)
1. 開会挨拶
2. ブラジルにおける気候変動・環境保全分野の取組み JICAブラジル事務所
3. ブラジル政府によるESGの動向update、ESG Tech、及び各ブラジル企業の森林保護へのESG取組例 KPMGブラジル
4. 質疑応答
5. 閉会挨拶

言語: 日本語(同時通訳無し)

参加申込:
以下のリンク先よりお申し込み下さい。
https://zoom.us/webinar/register/WN_PPmwHfXhQvSzL2joMqr1ig

なお、申込時にSDGsに関し皆様が気になる点や興味のある点がございましたらコメント記載欄を用意していますのでそちらにご記入頂けますようお願いいたします。

ご不明な点がありましたらカマラ事務局(secretaria@camaradojapao.org.br)までお問い合わせ下さい。
多くの方にご参加頂けますこと楽しみにしております。

事務局便り  JD-082/21  「フジタ・ニノミヤチェア「日本の近代化を知る7章」ポルトガル語版完成記念シンポジウム)」

                          JD-082/21
                          2021年6月3日
会員各位
                          ブラジル日本商工会議所 事務局

JICAより以下の通り「フジタ・ニノミヤチェア「日本の近代化を知る7章」ポルトガル語版完成記念シンポジウム)」についてご案内をいただきましたので共有いたします。

 シンポジウム参加登録 https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZUvduisrzIjGtcCj0sQ08u71cudNLHPqbyq

 

 

 

 

回章 CIR-055/21 「安全対策セミナー」開催のご案内

                                                                CIR-055/21
                                                                2021年6月2日
会員各位
                                                                ブラジル日本商工会議所
                                                                総務委員会 
                                                               委員長 佐々木 達哉
                                                               総務委員会 安全対策チーム
                                                               リーダー 河崎 宏一

                       「安全対策セミナー」開催のご案内

ブラジル日本商工会議所(安全対策チーム)主催の「安全対策セミナー」を、下記のとおり開催致しますので、皆様奮ってご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

この度は、当地の治安状況と安全対策に加え、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチンを中心とした最新情報をサンパウロ日本国総領事館のご協力を得てご提供させていただきます。

Zoomのウェビナーにて開催いたしますので、会員のご家族の方も含め、是非この機会をご活用頂ければと存じます。

                                                       –  記 –

1.日 時  :     2021年6月24日(木) 18時00分~19時30分 (ブラジル、サンパウロ時間)
     ・18時00分~18時40分(サンパウロの治安情勢と安全対策 講演と質疑応答)
     ・18時50分~19時30分(新型コロナウイルス感染症対策 講演と質疑応答)

2.開催形式  : Zoomウェビナーにて配信

3.講 師  :     講演テーマ:『サンパウロの治安情勢と安全対策・新型コロナウイルス感染症対策』

講師:
仲谷 嘉行 在サンパウロ日本国総領事館 領事
原田 信治 在サンパウロ日本国総領事館 医務官
渡邊 聡太 在サンパウロ日本国総領事館 副領事

4.内 容  :     ①講師によるプレゼン
                        ②質疑応答
                   
*使用言語は日本語です。

5.参加費  :    無料

6.申込要領 :  6月18日迄にこちらのリンクよりご登録願います→ https://zoom.us/webinar/register/WN_SqZlyMzMR6O5U6fOFrquEA 
(登録後、Zoom自動メールで当日のアクセス先が送信されます)

[問い合わせ] ブラジル日本商工会議所事務局 secretaria@camaradojapao.org.br  
 
                                                                                                 以上 

今年第1四半期のGDP伸び率は1.2%増加(2021年6月1日付けヴァロール紙/IBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年第1四半期のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前四半期比1.2%増加、前年同期比では1.0%増加を記録、Valor Data社の平均GDP伸び率0.7%増加の予想を大幅に上回っている。
 
今年第1四半期は、COVID-19パンデミックの再活性化と、特に3月に国内の色々な地域での経済活動制限措置で大きな影響を受けた。またCOVID-19のcovid-19の第二の波による死亡者急増にも拘らず、ロックダウンや厳しい外出自粛要請の増加に伴って、予想を下回る経済活動へのダメージに留まった。
 
今年第1四半期のGDP伸び率の先行指標となる中銀発表の経済活動指数(IBC-Br)は、前四半期比2.30%増加、前年同期比2.27%増加が予想されていたが、実質のGDP伸び率はそれぞれ予想を大幅に下回っている。
 
今年第1四半期のブラジルのGDP伸び率は前四半期比1.2%増加、前期同様に農畜産部門のGDP伸び率は大豆生産が牽引して5.7%増加、鉱工業部門0.7%増加、サービス業部門0.4%増加、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は3四半期連続増加で4.6%増加、一般消費部門は2四半期連続増加から一転してマイナス0.1%、公共支出部門はマイナス0.8%を記録している。
 
前期同様に今年第1四半期のブラジルのGDP伸び率は前年同期比では1,0%増加、 5,2%増加、3,0%増加、マイナス0,8%、17,0%増加、マイナス1,7%、マイナス4,9%であった。
 
また前期同様に今年第1四半期のブラジルの過去1年間の累計GDP伸び率は前年同期比マイナス3,8%、2,3%増加、マイナス2,7%、マイナス4,5%、2,0%増加、マイナス5,7%、マイナス5,7%であった。
 
今年第1四半期のブラジルのGDP総額は2兆レアル、そのうち農畜産部門2088億レアル、鉱工業部門3486億レアル、サービス業部門1兆2000億レアル、FBCF部門3975億レアル、一般消費部門1兆2000億レアル、公共支出部門は3595億レアルであった。
 
2020年第1四半期の前四半期比のGDP伸び率は、3月からのCOVID-19パンデミックの影響を受けてマイナス2.2%、第2四半期は、外出自粛要請や必需品以外の生産や営業自粛の影響を受けてマイナス9.2%を記録、第3四半期は一転して7.8%増加、第4四半期も3.2%増加、今年第1四半期のGDP伸び率も1.2%増加を記録している。
 
2015年のGDP伸び率は経済リセッション入りでマイナス3.5%、2016年も経済リセッションでマイナス3.3%を記録、2017年のGDP伸び率は1.3%増加、2018年は1.8%増加、2019年は1.4%増加していたが、2020年はCOVID-19パンデミックで世界的な経済リセッションの影響を受けて、ブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は、過去3番目の最悪となるマイナス4.1%を記録、1990年のコロールプラン以降では最悪のGDP伸び率を記録している。今年3月末の過去12か月間の累積GDP伸び率はマイナス3.8%となっている。

5月に新車販売は前月比7.0%増加の17万6,200台に回復(2021年6月1日付けヴァロール紙)

2021年5月のトラックやバスを含む新車販売は、前月比7.0%増加の17万6,200台を記録して回復傾向を示しているが、COVID-19パンデミックの直撃を受けた昨年5月は、過去28年間で最低の販売台数を記録していたために、今年5月は3倍以上に増加している。

今年初め5か月間の累計新車販売台数は、新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足による各自動車メーカーは生産調整を余儀なくされた影響で、前年同期比僅か0.27%増加の84万800台に留まっている。

今年6月の新車生産は、特に世界的な半導体供給問題が足かせとなっているために、減産による新車販売の減少を余儀なくされると自動車業界関係者は予測している。

ワーゲン社は、半導体供給不足の影響でサンパウロ州タウバテ工場並びにパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピンニャエス工場の生産ラインの従業員に対して、10日間の集団休暇を与える。

またGeneral Motors社は、サンパウロ州サン・カエタ―ノ・ド・スール工場並びに南大河州グラヴァタイ工場での新車生産を6週間に亘って停止するが、グラヴァタイ工場は、今年4月から操業停止を余儀なくされている。

日産も自動車向け半導体の供給不足で、リオ・デ・ジャネイロ州レゼンデ工場の新車生産を5日間に亘って操業停止を発表している。

今年5月の新車販売トップは、フィアット社のArgo車で販売台数は、1万900台で初めてベストセラーカーを獲得、2位はStrada車の9,900台、3位はMobi車の7,400台、JEEP社のRenegade車は7,300台、現代自動車のHB20車は7,230台であった。

今年初め5か月間の新車販売トップは、Strada車の5万1,400台、Chevrolet社のOnix車の3万9,000台、現代自動車のHB20車は3万7,800台、 JEEP社のRenegade車は3万3,100台であった。

今年5月の新車販売のマーケットシェアは、Fiat社は21.3%でトップシェア、Volkswagen社17,1%, General Motors社13,4%, 現代自動車9,4%e、Toyota社は7,4%で5位となっている。 

 

外資系企業による初めてのプレソルト油田開発に80億ドル投資(2021年6月1日付けヴァロール紙)

ノルウエー資本の石油・天然ガス開発企業Equinor社は、サントス海盆の岩塩層下(プレソルト)のバカリヤウ油田(旧カルカラ)に80億ドルを投資して、石油・天然ガスの開発・生産を行うと発表した。

外資系企業によるプレソルトのバカリヤウ油田の開発・生産は初めてであり、ExxonMobil社は権益の40%、Petrogal Brasil社は20%、Pré-sal Petróleo SA(PPSA) 社は20%の権益を擁している。 

Equinor社は、2024年からの石油生産を予定しているが、COVID-19パンデミックの影響で石油開発プラットフォームでのCovid-19感染防止プロトコル導入や安全性確保などの問題で生産開始の遅れも否定していない。

バカリヤウ油田の開発・生産は、2021年3月にブラジル石油監督庁(ANP)から許可を得ている。Equinor社では、バカリヤウ油田の原油生産の損益分岐点(break-even point, BEP)を1バレル当たり35ドルを見込んでいる。また同油田の原油生産可能な埋蔵量は10億バレル以上と予想している。

バカリヤウ油田の原油生産を行う浮遊式プラットフォームは、海底から石油や天然ガスを掘削・生産するために19井戸に接続されており、1日当りの原油生産は22万バレル、貯蓄能力は200万バレルを擁している。