Covid-19パンデミック対応のための緊急給付金の支給再開にも拘らず、今年4月のブラジルの公的債務残高は、予想を下回る増加に留まり、中銀の発表によると、2021年4月のブラジルの公的債務残高は、3月のGDP比88.9%からGDP比86.7%と2.2%減少を記録、過去最低のブラジルの公的債務残高は、2013年12月に記録したGDP比51.5%であった。
4月からの緊急給付金の支給再開で今後数か月間に亘って、ブラジルの公的債務残高は、増加が余儀なくされると予想されている。連邦政府と国会は、歳出上限法と財政目標以外にcovid-19パンデミック対応のための緊急歳出として、1,250億レアルの承認で合意に達していた。
ブラジルの公的債務残高は、中銀並びに連邦公社を除く連邦政府並びに地方政府(州政府、市町村)で構成されている。公的債務残高は、その国のソルベンシー能力のグローバルリスク評価機関による評価のための参考に用いられ、公的債務残高のGDP比が上昇するほど債務不履行のリスクが上昇する。
中銀の発表によると、今年4月の外貨準備高を除いたブラジルの公的債務残高は、GDP比60.5%と3月のGDP比61.1%から若干減少の4兆6,550億レアルであった。過去1年間のブラジルの外貨準備高は3,500億ドル前後で推移している。
COVID-19パンデミックの第2位次感染拡大にも関わらず、ペトロブラス石油公社並びにラジル中央電力公社(Eletrobras)を除いた連邦政府並びに地方政府、連邦公社の今年4月の財政プライマリーは、242億5,500万レアルの黒字を計上、3月の財政プライマリーは49億8,100万レアルの黒字計上、昨年4月の財政プライマリーは、COVID-19パンデミックの直撃を受けて943億300万レアルの赤字を計上していた。
今年4月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、162億6,500万レアルの黒字を記録、3月の21億100万レアルの黒字収支の約8倍に増加していた。
また地方政府の財政プライマリー収支は69億7,200万レアル、そのうち州政府の財政プライマリー収支は、55億2,800万レアルの黒字計上、市町村の財政プライマリー収支は、14億4,400万レアルの黒字、地方政府公社は、10億1,900万レアルの黒字を計上している。
今年初め4か月間のブラジルの財政プライマリー黒字は、GDP比2.88%に相当する758億4,100万レアル計上、今年4月の過去12か月間の財政プライマリー収支は、COVID-19パンデミック対応の臨時財政出動を影響を受けて、GDP比7.08%に相当する5,445億2,600万レアルの赤字を計上している。
今年4月の利払いを含めた中央政府の財政プライマリーは、57億1,100万レアルの黒字を計上したが、今年3月は、495億1,000万レアルの赤字を計上していた。
今年初め4か月間の利払いは、GDP比4.31%に相当する1,134億4,200万レアル、4月の過去12か月間では、GDP比3.68%に相当する2,826億9,800万レアルであった。