中銀の24日発表した四半期インフレレポート(RTI)によると、2020年のブラジルのGDP伸び率は前回予想のマイナス6.4%からマイナス5.0%と1.4%の大幅な上方修正を行った。連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の緊急救済策など一連の補助金制度導入で、ブラジルの経済回復は他の新興国諸国よりも早いと中銀は説明している。
今回の今年のGDP伸び率がマイナス5.0%と大幅な上方修正された要因として、連邦政府による一連のCOVID-19パンデミック対応策の導入で、今年第3四半期からの消費拡大による経済回復を予想している。
今月1日にジャイール・ボルソナロ大統領は、連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の月額600レアルの緊急補助金(auxílio emergencial)支給を12月までの延長を発表したが、今後の支給額は50%の300レアルに減少して支給されるために、今年の最終四半期の消費回復のペース減速に繋がる可能性が指摘されている。
中銀は20201年のGDP伸び率を3.9%増加と予想しているが、金融市場関係者の予想である3.50%増加を0.40%も上回る予想をしている要因として、一連の構造改革の進展並びに財政政策の見直しを見込んでいる。
中銀は今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を今後の政策誘導金利Selic並びにレアル通貨に対するドルの為替の安定見通しから前回予想の2.40%~2.10%に下方修正している。中銀の今年の2.10%のインフレのIPCA指数予想は、中央目標値4.00、インフレ指数の最低許容範囲の2.50%、最高許容範囲の5.50%の範囲内を外れている。
金融市場の今年のインフレ予想は1.99%、Selic金利は2.00%、前期同様に2021年は3.01%、2.50%となっている。一方金融市場のエコノミストは2022年1月のSelic金利は2.88%、2月は3.00%、3月も3.00%を見込んでいる。