コンサルタント部会懇談会開催

今年の部会のトップを切ってコンサルタント部会(天野義仁部会長)のオンライン懇談会は、2023年1月31日午後4時から5時まで日本とブラジルから13人が参加、司会は天野部会長が務めた。

初めに天野部会長は今年度の執行部として、部会長に天野義仁氏が再任、副部会長に柏健吾氏、西口阿弥氏が再任され、また新たに池谷裕一氏の選任が承認された。続いて2023年度のコンサルタント部会の活動方針及び活動計画について説明した。

直近の状況やトピックスでは、OECDガイドラインに沿った税改正、労働法や社会保障制度改正、アマゾン基金の復活、気候変動局の設立、ブラジルとアルゼンチン政府の共同通貨導入、キューバやベネズエラとの国交回復、BRICs、カーボンクレジット、人材交流の活性化、ルーラ新政権誕生100日の評価、新政権によるマクロ経済安定化、民営化、中国政府との関係強化、経済安全保障、台湾問題、新政権での人脈構築、中国通の幹部登用、累積ICMSクレジット問題、メルコスールEPAなどが挙げられた。また3月21日の部会長フォーラムでの発表内容について意見交換が行われた。

コメントを求められた村田事務局長は、3月21日の部会長フォーラム発表ではコンサルタント部会の知見、ネットワークをフルに活用した貴重な情報を会員に還元していただければ嬉しいを結んだ。

参加者
KPMG  天野氏
KPMG  三上氏
KPMG      Henry Murata氏
個人会員 平田氏
CESCON 柏氏
TODA Inv 酒井氏
BBBR  倉智氏
ヤコン   山下氏
在ブラジル大使館 林氏
ジェトロ・サンパウロ  古木氏
JICA 江口氏
サンパウロ総領事館 吉田氏
事務局 村田氏

 

1月の労働問題研究会会開催

企業経営委員会(島田領委員長)の労働問題研究会は2023年1月24日午後4時から5時30分まで104人が参加して開催、司会は鈴木ワグネル委員長が務めた。

初めにMadrona AdvogadosのFERNANDA OLIVEIRA DA SILVA 弁護士とANNA HERNANDES 弁護士は、テーマ『従業員及び企業のソーシャルネットワークやIT機器における情報の監視』“Monitoramento de informações em equipamentos e redes sociais dos empregados e empresas”について、EY の TATIANA CARMONA パートナーは、テーマ『eSocial 環境における新たな必須情報 – 労働安全・衛星並びに労働に関するクレーム』“Novas informações obrigatórias no ambiente do eSocial – Segurança e medicina do trabalho e reclamatórias trabalhistas”について講演を行った。

セミナーのビデオ視聴は右クリック→Acesse aqui

PDF anexos:
1. “Monitoramento de informações em equipamentos e redes sociais
dos empregados e empresas”
2. “Novas informações obrigatórias no ambiente do eSocial – Segurança e medicina do trabalho e reclamatórias trabalhistas” 

 

2023年新年会開催

2023年のブラジル日本商工会議所新年会は、2023年1月20日正午から午後2時30分までブルーツリーモルンビーホテルに130人が参加して開催。司会は1月に就任したばかりの会議所活動発展に尽力した前会頭の村田俊典事務局長は、司会進行を台本なしの即興のアドリブで難なく務めた。

司会は村田俊典事務局長

初めに特別参加者として西森ルイス連邦下院議員、桑名良輔総領事、南東部軍本部参謀長のエジソン・マサユキ・ヒロシ少将、ヘナト石川文協会長、援協のジュン・スザキ副会長、日伯文化連盟(アリアンサ)のエドアルド吉田会長が紹介された。

続いて小寺勇輝新会頭は、最近のブラジルの状勢に触れながら所信表明として、1月初めにブラジルでは新政権が発足したにも関わらず、8日には前大統領支持者が暴徒化し、連邦議会などへの襲撃で激震が走ったが、抗議活動は当局に抑制され、現在は落ち着いているにも拘らず、前大統領の支持層の不満は燻り続けており、社会情勢の不安定化や治安悪化に伴う経済活動鈍化、海外からの投資減速等への悪絵影響が懸念されている。カマラとして、出来ることは限られているが、皆様の安全・安心が第一であり、情報発信を通じて注意喚起をしてゆきたい。しかし今回の襲撃事件発生で、中道派のみならず右派の一部議員や知事も連帯を示しルーラ新政権の公約実現に好影響を与える見方も出ている。今後は不透明な状況は続くが、会員のニーズにこたえるべく努力を惜しまない。会頭としてCamaraの会員間の融合促進として、会員間の融合、ブラジルとの融合、日本とブラジルの融合の一助となる3つの融合を進めていきたいと強調した。

所信表明する小寺勇輝新会頭

新年挨拶としてサンパウロ総領事館の桑名良輔総領事は、昨年は村田会頭及び平田事務局長には大変お世話になったが、Camaraでは1月から新執行部が立ち上がり、村田新事務局長、平田新理事として二人とも新体制で新たに力を発揮して頂けることが嬉しい。昨年は大統領選挙で二極化が鮮明になり、今年1月初めに混乱が見られたが、今では右派の一部を除き上手くいっており、今後は融和する方向に進んでほしい。今年初めに来伯した日本政府の政治家との意見交換会では、日伯との関係強化やブラジルコスト削減につながるビジネス環境整備などの要請を説明した。またサンパウロ総領事館は、敷居ゼロをさらに下げた敷居マイナスで対応するのでどんな些細なことでも相談してほしいと説明。また治安が悪化しているサンパウロ市内での慎重な安全な行動を促した。

新年挨拶をするサンパウロ総領事館の桑名良輔総領事

鏡開きは桑名総領事、小寺会頭、木坂副会頭、ワグネル鈴木副会頭、田辺副会頭、西森下院議員及びブルーツリーホテルの青木智恵子社長が壇上に立ち、西森下院議員が日系社会慣例の乾杯の音頭を取って、ウサギのような跳躍の年になるようにテーブル席の皆と乾杯した。

鏡開きの様子

昨年末の地方統一選挙で4期連続の下院議員に当選した西森下院議員は、ブラジルや日系社会の役に立ちたいのでブラジリアやパラナ州に来たときは気軽に声をかけてほしいと要請。今年初めに来伯した日本政府要人とは、日伯間の課題として〇日伯自由貿易促進〇日系若者に対するワーキングビザなどの観光ビザ発給〇日系四世ビザ〇技能研修〇日本への牛肉輸出などの提案を説明した。

乾杯の音頭を取る西森ルイス下院議員

連絡事項では、総務委員会安全対策チームの近藤繁也チームリーダーは、昨年8月のオンライン安全対策セミナー実施で注意喚起を促しているが、年末年始から邦人が被害に遭っているので、改めて出張者にも注意喚起を促したい。また今後も安全対策セミナーなどの開催を予定しているので協力を要請した。

総務委員会安全対策チームの近藤繁也チームリーダー

2023年度新副会頭・新理事の所信表明では、田辺靖副会頭は2018年末に赴任して4年経過。広報委員会を通して会議所活動をしてきたが、今後は副会頭として会議所発展に貢献したいと述べた。根本篤新理事は2016年8月赴任して6年。トータル16年間のブラジル勤務、日伯交流・地場企業推進副委員長として日伯関係強化に貢献したいと述べた。

続いて古賀貴新理事は、化学品部会長及びシンポフォーラム副委員長として恩返しをしたいと述べた。滝本智巳新理事は総務副委員長を拝命、Camaraの発展に貢献したいと述べた。平田藤義新理事は、後任の村田新事務局長を紹介。今後も二人三脚で会議所に貢献したい。ライフワークとして日伯関係強化に貢献したいと強調した。江口雅之新理事は、異業種交流副委員長としてCamaraの発展に貢献したいと抱負を述べた。

写真左からMasayuki Eguchi, Fujiyoshi Hirata, Tomomi Takimoto, Takashi Koga, Atsushi Nemoto e Yasushi Tanabe

JCA Brasil-JapãoのHugo・Teruya会頭は自身は34歳で弁護士。青年会議所の一層の活動活性化に全力を尽くすと表明した。最後に村田新事務局長は、昼食会開催を支えている旅行社、通訳のアルベルト鈴木氏、会議所事務局員など今まで決して表面に出なかった裏方の苦労やサポートに対して真摯に心から湧き出る感謝の意を述べた。

JCA Brasil-JapãoのHugo・Teruya会頭

日本の本場のおせち料理をも凌駕するレストラン藍染提供のお節料理

左からブルーツリーホテルの広瀬純子取締役、お節料理提供のレストラン藍染オーナーシェフの白石テウマさん

 

1 月の法律委員会月例会開催

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2023年1月18日午後4時から5時30分まで58人が参加して開催、司会はCláudio Augusto Vaz副委員長が務めた。

初めにMachado Meyer AdvogadosのDIOGO MARTINS TEIXEIRA パートナーは、テーマ『関税評価の法改正と注目点』、続いてEYのÉRICA PERIN パートナーは、テーマ『ESG アジェンダにおける税務上の課題』についてそれぞれ講演を行った。

セミナーのビデオ徴収は右クリック→Acesse aqui

PDF anexos:
1. “Valoração aduaneira – Inovações legislativas e pontos de atenção”
2. “Desafios da área tributária na agenda ESG”

「ブラジル法制度の第2回基礎セミナー」開催

写真は講師のTMI総合法律事務所の柏健吾氏

コンサルタント部会(天野義仁部会長) 主催は、2023年1月18日午前9時から10時30分までハイブリッド 形式で100人以上が参加して開催。進行役は天野義仁部会長 が務め、講師に現在Cescon, Barrieu, Flesch & Barreto Advogados出向中のTMI総合法律事務所の柏健吾氏を迎え、テーマ「ブラジル法制度の第2回基礎セミナー」について日本語による素晴らしい講演をして頂いた。

セミナーでは初めに労働法について、ブラジルコストに繋がる労務関連では複雑な労働法制、給与以外のコスト負担、労働者保護色の強い裁判実務、日本と比較できない労働裁判件数、ブラジル労働法の留意点、雇用形態では2017年の労働法改正によるパートタイム・アルバイト、アウトソーシング形態の導入、2022年改正のテレワーク形態の導入、労働時間、業務内容、賃金や残業代について詳細に説明した。また有給休暇や集団休暇、解雇特に留意点、非定年制、労働裁判の原因TOP10、秘密保持義務、競業避止義務などを説明した。

続いて個人情報保護法では、概要、刑罰、個人情報保護法対応事項、競争法では、カルテル、個人及び法人に対する重い罰則、違反行為、リニエンシー制度及びTCC制度について説明。腐敗防止法では、汚職に関する法律の理解、違反行為、罰則、営業秘密では漏洩問題、営業秘密の不正取得、インサイダー取引では不正取引例、罰則などについて詳細に説明した。

質疑応答では、日系人従業員の労働裁判訴訟例、有給休暇の支払、事前通知解雇のリスク、残業代支払い、定年制度導入の可能性、ルーラ新政権による労働法の再度改正の可能性、解雇時の特別補償金支払による和解の可能性、労働裁判での和解のメリット、デメリット、分割有給休暇、テレワークなどの通勤手当などが挙げられた。

セミナーのPDF資料 →ブラジル法制度の基礎2

動画はこちら

進行役の天野義仁部会長

小寺勇輝会頭が新年祝賀会に参加

2023年1月13日午後7時から文協で、在サンパウロ日本国総領事館をはじめ、日系主要5団体(文協、援協、県連、アリアンサ、会議所)の他日系団体から150人が参加して新年祝賀会を開催、商工会議所から小寺勇輝会頭が参加、更なる日系社会との関係強化を強調、万歳三唱を行った。

 

 

170人が参加して盛大に忘年会開催

ブラジル日本商工会議所の2022年度忘年会は、12月15日午後7時から10時過ぎまでチボリホテルに170人が参加して開催、司会は相互啓発委員会の小林さんと西口さんが軽快なテンポで盛り上げた。

初めに特別参加者として桑名良輔総領事、農林水産省輸出・国際局の吉岡孝参事官を紹介。村田会頭は会頭メッセージとして、流暢な日本語とポルトガル語でCovid‐19パンデミックの影響で、3年ぶりの忘年会を楽しんでほしいと挨拶。2015年~2016年を含めた通算5年3カ月の会頭職を年末に終了するが、退任する20年勤務の平田事務局長とは、二人三脚で会議所活動に邁進してきた。来年は小寺新会頭が舵取りをするので、会員の積極的な協力を要請した。

続いて桑名総領事もまた、村田会頭同様に流暢な日本語とポルトガル語で、2年4カ月前に着任。コロナパンデミック改善で対面で会えるのはうれしい。来年のカマラは小寺会頭の新体制となるが、村田会頭及び平田事務局長の長年の会議所活動に対して丁寧に労い、最大限の感謝を述べた。今年はロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射、台湾問題など世界情勢は緊迫状態が続いているが、日本にとっては、世界最大の日系社会を通して、食糧や天然資源の計り知れないポテンシャルを擁しているブラジルとは補完関係にあり、パートナーシップの更なる強化、価値観の共有などについて説明。乾杯の音頭を取った。

今年の忘年会のアトラクションとして、テレビや各種イベントで活躍しているマリオ・カミアさんのマジックショウではトランプ、ロープ、棒刺し箱マジックなど盛り沢山のマジックで、参加者は拍手喝采でマジックを堪能した。続いてプレミア大抽選会では、会員企業提供の素晴らしい景品抽選会では、司会者の絶妙な話術でかつてないほどの盛り上がりを見せていた。

平田事務局長の退任挨拶では、過去20年間でこれほど楽しい忘年会はなかった。20年間無事に務めることができた。走馬灯の如く色々な記憶が蘇ってきた。自分が印象に残ったことを65枚のスライドにした。色々な知人から退任を惜しむメールをいただき感謝に堪えない。日伯両政府にビジネス障害となっている問題除去について声を大にして要請してきた。会議所の中で一番毒舌を吐く私が令和2年度外務大臣表章を貰ったのは、裏方に徹してくれた事務局員達のおかげであり、大変感謝している。今の心境はまさに「老兵は死なず、単に消え去るのみ」です。来年からは理事の一員として、微力ながら会議所の更なる発展に貢献できたらと念じていると説明した。

最後に相互啓発委員会の南委員長は、Covidで中断していた3年ぶりの忘年会に170人が参加、会議所事務局の協力で成功裏に終了。抽選会への多くの景品提供に感謝を述べ、退任する村田会頭及び平田事務局長に対して丁寧に感謝の意を述べた。

忘年会写真集は右クリック→acesse aqui

 

西森ルイス連邦下院議員のオンライン講演会開催

異業種交流委員会主催の西森ルイス連邦下院議員のオンライン講演会は2022年11月25日午前10時から11時まで75人が参加して開催。司会は湯原慶副委員長が務め、吉田伸委員長は開催挨拶で講演者の西森ルイス連邦下院議員の略歴などを紹介した。

西森下院議員は、テーマ「今後のブラジル政治経済及び日伯関係」について、初めに両国の政治経済の現状及び課題として、政治家は土日もないほど忙しくあちこち飛び回る必要があり、ハードワークで体が資本。最近の選挙はソーシャルネットワーク活用の重要性が増してきている一方で、フェイクニュースが多くて苦労している。パラナ州の下院議員選挙では600人が立候補、そのうち日系人は5人が立候補したが、倍率20倍の選挙を勝ち抜いた。知名度の高い人の当選確率が高く、私は選挙中は日系社会や日本進出企業の重要性を強調してきたと説明した。

日本の製造業は中小企業が貢献しており、ブラジルでも中小企業への支援及び工業化が重要。選挙ではルーラ候補とボルソナロ候補の二極化が顕著であった。ブラジルは三権分立が確立しているが、司法権が強い傾向にある。労働組合が支援しているルーラ新大統領はボリビア、ベネズエラ、キューバや中国との友好を深めて、資本主義国が赤くなる可能性がある。またルーラ政権が国会で色々な法案を通すにはセントロン(Centrão:中道多数派)を取り込む必要があり、簡単に事は運ばないと説明した。

カリスマ性の強いルーラ新大統領は、日本との関係は今後も大切に継続。日伯議員連盟などを通して両国の政治経済関係をさらに深めていくが、日伯FTAが締結されていないことを憂慮しており、2024年のG-20はブラジルで開催されるために、日伯FTA締結をターゲットにしたいと説明した。

続いてブラジル人の観光ビザの免除、若者のワーキングホリディ―で日本での技術取得、日系四世枠の拡大、日系若者のネットワークプロジェクト支援、日系人の技術研修について説明。またブラジルはアマゾン地域の環境破壊でパッシングされているが、世界でも類を見ない素晴らしい森林保護法案が可決されており、納得がいかない面もあるが、ブラジルは世界に対して自国のアピールが下手で損をしている。

ブラジルは世界9位の経済ポテンシャルの上に、人口が2億人以上の消費大国で昔のハイパーインフレを経験している名残りか、貯蓄の習慣がない。ルーラ政権は連立政権を組んでも国会の審議通過は困難で行政改革や税制改革は難しい。また折角成立した労働法改正はルーラ政権で見直しの動きがあるが、阻止する必要があると説明した。

質疑応答では、日伯の自由貿易協定の締結の可能性。ブラジルの競争力を引き上げるために日本からの中小企業誘致、税制の簡素化、経済特区、ビザフリー。来年のブラジル経済予想。ブラジルの森林保護法のアピールの仕方。日本とのカーボン取引。PT政権下では反日的な対応が多かったが、新政権の対日政策。新政権による労働法改正の可能性。最高裁判所メンバーのすげ替えの可能性。統一地方選挙での日系議員のプレゼンスの低さなどが挙げられた。

講演者:西森ルイス連邦下院議員(プロフィール)
連邦下院議員、社会民主党 PSD-Partido Social Democrático
政治歴:           ブラジル連邦下院議員(2011~)、パラナ州議会議員(2003~)
社会活動:        パラナ日伯商工会議所理事、日本移民110周年記念式典会長(2018)、他
公式使節団による訪日: ブラジル国会議会日伯経済外交使節団団長(2011~2019年実施)、大統領一行と大阪G-20サミットに出席(2019)、他

11月のオンライン労働問題研究会開催

企業経営委員会(島田領委員長)主催の11月のオンライン労働問題月例会は、2022年11月23日午後4時から5時30分まで57人が参加して開催、司会は三原フェルナンド副委員長が務めた。

初めに Gaia, Silva, Gaede AdvogadosのMARIA BEATRIZ RIBEIRO DIAS TILKIAN パートナーとCRISTIANA ALLI MOLINEIRO 弁護士は、テーマ『雇用契約におけるLGPDの実務的側面』“Aspectos práticos da LGPD nos contratos de trabalho”、続いてAbe Advogados のBIANCA MARTINS JULIANI弁護士は、テーマ『有能な人材を維持する方法としての戦略的報酬形態』 “Formas de remuneração estratégicas como forma de retenção de talentos”についてそれぞれ講演した。

ビデオ視聴は右クリック→ acesse aqui

PDF anexos:
1. “Aspectos práticos da LGPD nos contratos de trabalho” 
2. “Formas de remuneração estratégicas como meio de retenção de talentos”

フォーラム委員会主催の「初の左派政権を迎えたコロンビアの今」セミナー開催

写真は講演中のジェトロボゴタ事務所の豊田哲也所長

フォーラム委員会(森谷伸晃委員長)主催のオンラインセミナーは、2022年11月22日午後2時から3時まで約60人が参加して開催。進行役はジェトロサンパウロ事務所の古木勇生ディレクターが務めた。

講師はジェトロボゴタ事務所の豊田哲也所長、テーマ「初の左派政権を迎えたコロンビアの今」について講演。初めに豊田所長は、ペトロ新政権の動向として、2022年6月の決選投票で、グスタボ・ペトロ氏が50.44%の得票率で勝利。8月7日就任。長年、右派と中道右派が政権を担ってきたコロンビアで、初の左派政権が誕生。主要閣僚に実務経験者を配置する人事と評されるオカンポ大蔵・公債相指名について産業界からは歓迎の声。閣僚18名中、半数の9名が女性閣僚が占めている。

3月に実施された議会選挙では、自由党と保守党という伝統的な2大政党が支持を伸ばした一方、左派のパクト・イストリコが大幅に躍進。ペトロ氏の大統領選勝利以降、保守党、U党、自由党、緑の党が次期大統領を支持すると表明。上院、下院ともに与党が約9割を占める構成となっている。。

新政権の基本政策は、社会的正義、環境正義及び経済的正義で大統領選から公表している政策コンセプトは大統領就任後も一貫。公約キーワードは「和平」「対話」「地域」。ペトロ大統領は、2018年以降中断されていたELNとの停戦協議を、キューバ、ノルウェー、ベネズエラの仲介の元で再開すると発表。新政府は、武装組織・犯罪組織と「対話」をすることで、コロンビアの「完全な平和(Paz Total)」を実現する考えと説明した。。

税制改革では、オカンポ大蔵・公債相は、ペトロ大統領の就任翌日、「平等と社会正義のための税制改革」と名付けた法案を提出。法人税は据え置く一方、原油、石炭部門、水力発電部門への上乗せ課税を導入。外国企業の配当金に対する源泉徴収税率は、現行の10%から20%へ引き上げ。健康税の対象となる超加工品には、醤油などの調味料を含まれる。富裕層から実質的により多く徴税。エネルギー・環境関連政策では、石油探査を停止するとの大統領公約について閣僚間で見解に相違が生じている。フラッキングによる採掘については禁止の意向。今年11月のCOP27においてアマゾン環境保全に年間2億ドルを拠出すると宣言。欧州投資銀行(EIB)とグリーン水素等を含むエネルギー転換での協力を発表している。

ベネズエラとの関係改善では、ペトロ政権はマドゥロ政権をベネズエラの正当な政権と認定。ベネズエラとの関係は急速に改善。コロンビア国内には約180万人のベネズエラ移民が存在。コロンビア経済動向では実質GDP成長率推移。今年第3四半期は7.0%の成長。民間最終消費支出、投資、輸出が堅調。今年のGDP成長率予想は4~8%と幅広い。来年は2~3%の成長が見込まれている。物価、金利では今年1月以降、単月で1%超が常態化。今年は年間で10%を超える見込み。今年10月末に政策金利を11.0%まで引き上げ。為替は昨年平均は3,744ペソ。今年10月の月間平均は4,715ペソ。貿易では 今年上半期は輸出入ともに前年同期比2桁増。貿易収支では今年の輸出は石油、コーヒーなど一次産品価格の上昇により1~9月で前年通年を上回る。経常収支では、2020年に貿易収支が改善したこと等により一時的に経常収支赤字が減少。

対外債務残高は2020年以降、対GDP比50%超。今年の財政赤字を対GDP比6.2%と見込む。格付けでは Moody’sは格付けを変更せず、2021年10月6日、見通しを「Stable」。格付け機関S&P、Fitchtはそれぞれ2021年5月、7月に格付けを1段引き下げ。「投資適格」外となる。

日本企業関連の状況では、80社の日本企業が進出、そのうち約40社が駐在員を派遣。2021年の営業利益は前年と比べ「改善」が44%。半数は「横ばい」。最大の改善理由は「現地市場での売り上げ増加」。今後1~2年で事業展開を「拡大」するとの回答は55%と中南米有数。EPA実務者間での交渉が停滞。租税条約は2018年12月署名も漸く今年9月4日発効。最後に豊田所長は、外面イメージの良くないコロンビアですが、ビジネスチャンスの大きなコロンビアには実施に来て肌で感じてほしいと要請した。

質疑応答では、現在のコロンビアではコカインは合法化されたのか。脱炭素に対する現地企業の対応は。砂糖及び塩の入った食品に対する課税措置は既に開始されたか。ラーメンも多勢対象になるのかなどが挙げられた。

PDF コロンビアの政治経済動向(2022.11)ジェトロボゴタ事務所の豊田哲也所長