7月の懇親昼食会は2011年7月8日正午から午後2時までマクソウドホテルに100人が参加して開催、在ウルグアイ日本国大使館 佐久間健一 特命全権大使並びに熱帯森林保護団体(Rainforest Foundation Japan)の南研子代表が講演を行った。
佐久間健一 特命全権大使は「ウルグアイ概況とビジネスセミナーのお知らせ」と題して、日本でのウルグアイの知名度が低くて関心度も低かったが、最近はメルコスール加盟国でブラジルの隣国ウルグアイは税制面でブラジルよりも優れた面が多いために、日本企業の関心が増加してきており、今年は外交関係開設90周年を迎える節目の年であるために、ビジネス関係を促進したいと強調した。
在ウルグアイ日本大使館では日本企業支援及び日・ウルグアイの経済交流の強化を目的に、2011年9月~11月までの間に開催予定の「ウルグアイ・セミナー(仮)」へ向けてブラジル日本商工会議所を通してアンケート調査行っていることに対してお礼を述べ、また今後はウルグアイの情報を積極的に発信したいと説明、南米ではブラジルを中心に中国や韓国が政府と共に積極的に投資を展開、アルゼンチンでは中国の大豆の作付面積が拡大して積極的に食糧確保に動いており、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領は日本移民と共に花作りを経験したことがあって、よく日本の事を理解していることも地上デジタル方式が日伯方式になったのも、一つの要因ではないかとコメントした。
ウルグアイは汚職が少なく政治が安定して治安が良く、教育レベルも高くて良質な労働力があり、経済環境指数は南米で最も優れ、所得水準も高くて優遇税制が整っており、ウルグアイはメルコスールの中心に位置するために加盟各国との通信の最適な拠点であり、モンテ・ビデオには世界クラスの倉庫と施設を持つ自由貿易港を擁し、ラテンアメリカで最も高速道路網を擁しており、電力エネルギー源は水力発電、エネルギー源を多様化するために太陽光パネル関連などの投資を拡大、2030年までには風力発電などの再生可能エネルギー比率を1/3に引き上げる計画であることなどを説明した。
続いて熱帯森林保護団体の南研子代表はシングー先住保護区にはすでに25回視察しており、電気やガスはもちろん何もないところであり、トイレと川辺での水浴が特に緊張すると説明、トイレ中にすぐ近くで蛇が鎌首を持ち上げていたが、日本語で私は怪しいものではないと言うと遠ざかって行ったが、毒蛇のジャララッカであった。
先住民にはノイローゼになる人もなく、悩みがないせいか白髪の人もおらず、日本では多くの人が自ら命を絶つことを説明すると、人はいずれ死ぬのになぜ急いで死ぬのかと理解できない様子であり、先住民からは人間の原点とか日本人が何か大切なものを失っているように考えさせられると説明、南代表が視察する保護区はマット・グロッソ州とパラ-州の中間にあり周囲の熱帯雨林の森林伐採が進んでおり、伐採するための野焼きの煙で先住民は健康的にも被害をこうむっており、大豆やサトウキビ畑の拡大、金採掘による水銀中毒は水俣病よりもひどく、またシングー河のベロ・モンテ水力発電所建設による自然破壊など非常に憂慮していることを強調していた。
司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストの在ウルグアイ日本国大使館 佐久間健一 特命全権大使、熱帯森林保護団体(Rainforest Foundation Japan)の南研子代表、サンパウロ総領事館の小林雅彦首席領事を紹介、連絡事項ではコンサルタント部会の都築慎一部会長が大阪商業大学総合経営学部の古沢昌之教授によるブラジル進出企業における「日系人の活用」等に関するアンケート調査では現在40社から回答、あと20社の回答を集めたいので協力を依頼、着任挨拶では三菱商事常務執行役員の白木清司中南米統括は着任100日が過ぎたのでアクションプランを準備中であるが、ブラジル経済の勢い、将来に対する自信に感心、また日本移民に対するブラジル人の信頼感を感じていると説明、南米新日鐵の廣瀬孝社長は新日鐵はウジミナスの50年の歴史とブラジルの鉄鋼業界と共に歩んでおり、厳しい時でも「上を向いて歩こう」と希望を持って事業に取り組んでいくと説明した。
3分間スピーチではブラジル銀行名古屋支店のエジミルソン・ミラン支店長は日本では1972年に営業開始、7支店を擁しており、日本での主要サービスとして両国間の貿易業務に関する融資業務、ブラジル進出へのサポート、日本国内の資産運用、将来のブラジルでの投資ニーズとして岩塩層下原油開発、ワールドカップやオリンピックやインフラ部門投資なども説明した。
新入会員紹介ではEquipa Maquinas e Utensilios para Escritorios Ltdaのケンゾー・サカモト代表はIBM機種、バーコードやプリンタの販売、アウトソーシング事業展開などを説明、Manhães Moreira Advogados Associadosのフェルナンド・ボルジェス代表は会社設立16年、従業員は130人、そのうち65人の弁護士を擁して日本語でも対応可能であることを説明した。

講演中の在ウルグアイ日本国大使館 佐久間健一 特命全権大使(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

講演中の熱帯森林保護団体の南研子代表

講演者と共に記念撮影

100人が参加した昼食会

左から後藤隆元会頭/熱帯森林保護団体の南研子代表/近藤正樹会頭

左から記念プレートを受取る在ウルグアイ日本国大使館 佐久間健一 特命全権大使/贈呈する近藤正樹会頭