第61回定期総会が2011年3月11日12時から12時30分までマクソウドホテルに130人が参加して開催、平田藤義事務局長は総会前に参加者全員に起立をお願いして、未曽有の東北関東大震災の犠牲者に対して1分間の黙祷を捧げた。
初めに中山立夫会頭は第61回定期総会の挨拶で業務多忙にもかかわらず、多数の出席に対して厚くお礼を述べ、本日は通常の定期総会議題に入る前に、先程の定例理事会に於いて提案された会議所定款並びに選挙規則の部分的な改定について審議していただきますと挨拶した。
続いて松田雅信総務副委員長は最初に定款および規則変更にあたって昨年同様、外部の有識者として今回も助言や指導していただいた渡辺高等判事、西尾弁護士および変更案作成担当委員会の総務委員、また最終的な照査に協力していただいた当会議所顧問弁護士のジョージ佐伯氏、ミッシェーリ弁護士に対し厚くお礼を述べ、配布資料の定款、理事・幹事選挙規則、会頭選挙規則の部分的な改正案について説明、定款および会頭選挙規則の変更案として 部分改定の背景:現行定款や規則では任期終了前6ヶ月以内であれば副会頭による互選で会頭を選べるが、それ以外の時期には30名で構成する理事による選挙が必要と説明。
またBRICSの忙しい時代、任期終了前の激しい人事異動の発令が今後も予想され、会議所活動のスムーズな運営を行う観点から、昨年7月に大々的に改定したばかりの定款や選挙規則の極一部の見直しを行い、迅速かつ柔軟な対応が求められていることも説明した。
そのためには以下の3ステップを踏む必要があると説明。
① 執行部である本常任理事会は本日の定期理事・総会に向け、先ず総務委員会の部分 改定案を公式に審議・承認の手続きを踏む。
② 次に同常任理事会は本日の総会に先立ち開催される理事会宛に改定案を呈示、審議承認を得る。
③ 直ちに同理事会は定款第35条第Ⅲ項C号に従い本日の定期総会に諮り承認を得ると説明した。
定款、理事・監事選挙規則、会頭選挙規則の部分的な改定
中山会頭はブラジル日本商工会議所定款改定及び選挙規則改定についての承認を挙手で行い、賛成多数で承認された。
中山会頭は2010年度事業報告を下記の報告書から抜粋して説明した。
ブラジル日本商工会議所2010年度事業報告書
中山会頭は2011/12年度事業方針案については会議所方針そのものであり、手元の資料をご覧いただき詳細な説明は省略すると説明、特段、今年の方針として強調致したい箇所はアンダーライン「経団連およびCNIと重層的な連携を深め、両国政府間のハイレベル協議に参加し、日伯貿易投資促進の更なる加速を図る。」の部分であり、昨年同様引続き一致団結して、当会議所の発展に一層の御協力をお願いしますと説明。
2011/12年度ブラジル日本商工会議所活動方針
続いて村田俊典財務委員長は2010年度収支決算報告について、2010年度の収入は会員社数が2009年末の306社から2010年末時点で321社と伸びた事による会費収入が増加したことに加えて、出版物の委託販売が好調に推移した為、予算対比約10万レアルの上ブレとなる177万レアルになったとことを報告。
支出については物価高騰を背景に活動費用項目の一部で上昇があったが、事務局強化を目的とした人の採用の遅れから人件費の予算は未消化となり、また引き続き経費抑制に努めた運営を行って、支出は予算以下となる160万レアルとなり、収入が支出を上回った結果、2010年度は約17万レアルの余剰金が発生、次年度繰越金は約95万レアルとなったことを報告。
2010年度収支決算報告
続いて、2011年度収支予算計画では先ず、特別事業費と事業活動費を含めた総事業活動費は、足許の消費者物価指数IPCAの6%と、会場となるホテル側からの見積もりをベースに予算立てたことを説明、また、支出の約半分を占める人件費については、8月以降ベアで8%の調整、また前年採用に至らなかった事務局員1名の新規採用、そして下期に予定されている勤続24年の職員1名の退職に伴う慰労金を織り込み、費用計上、以上のことから支出は前年比18%増の188万レアルを見込んでいると説明した。
次に、収入は会費は支出同様に足許のIPCA、消費者物価指数に鑑みて6%での値上げを想定、因みに、会員数は、2010年12月末の321社を前提としており、収入の8割弱を占める会費の値上げによって、収入は約190万レアルを見込みんでおり、収入が支出を上回る予算案としたが、その額は僅かでありほぼ収入と支出が均衡する2011年度予算計画案とした。尚、2011年、今年度、会議所の会計原則を、これまでの現金主義から、一般的な会計標準である発生主義への変更の了解を説明した。
2011/12年度事業方針および2011年度収支予算計画
中山会頭は2011/12年度事業方針および2011年度収支予算計画についての承認を挙手で行い、賛成多数で承認された。
続いて中村監事会議長は2010年度の監事会意見ではブラジル日本商工会議所の2010年度の事業報告書並びに貸借対照表、収支決算書、財産目録、什器及び造作を検査したところ、適性であったと認めたことを報告した。
監事会意見書
最後に中山会頭は以上で第61回定期総会はこれで終了とさせていただきますと閉会の挨拶を行った。
尚、第61回定期総会を前に定期理事会に24人が参加して開催、定款・選挙規則の変更部分の審議および総会に対する変更提案、2010年度事業報告及び2011年度事業方針、2010年度収支決算報告及び2011年度収支予算計画、監事会意見、以上に対する承認などが行われた。
その後で3月の懇親昼食会が正午過ぎから2時まで130人が参加して開催、大部一秋 在サンパウロ日本国総領事/ブラジル日本商工会議所名誉顧問が2月開催の官民合同会議の反省会も含め官民連携の在り方について「官民連携」と題して講演した。
大部総領事は初めに11日に発生した東日本大震災の被害について非常に心配していることを述べ、最近の官民連携の動きとして「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ」として21の国家戦略プロジェクトがあり、パッケージ型インフラの海外展開、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を通した経済提携戦略、「環境未来都市」構想、森林・林業再生プラン、「訪日外国人3000万人プログラム」を紹介した。
またパッケージ型インフラの海外展開では昨年9月からスタートした関係大臣との毎月の会合、個別重点プロジェクトの支援、重点分野の戦略策定、横断的・構造的問題などの改革、経済外国では4つの柱として「自由な貿易体制」、「インフラ海外展開」、「資源・エネルギー・食糧の安全供給確保」、並びに「観光」、政府による企業支援方策、ビジネス環境整備、最近の具体的な動きとしてラテンアメリカ諸国やアフリカ諸国へのデジタル放送普及、日伯モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プログラム、PPPインフラ事業の採択案件例、BOPビジネス連携促進調査並びに支援センターの設立などについて説明、中山立夫会頭から記念プレートが贈呈された。
司会は平田藤義事務局長が務め、第61回定期総会/昼食会の前に参加者全員で東北関東大震災の犠牲者に対して1分間の黙祷を捧げ、初めに特別参加者の大部一秋氏 在サンパウロ日本国総領事 /ブラジル日本商工会議所名誉顧問、カズオ・ワタナベ元サンパウロ高等裁判所判事、元サンパウロ大学法学部博士教授並びにロベルト・ヨシヒロ・ニシオ弁護士を紹介した。
連絡事項では前田一郎 日系社会委員長がリオ州水害に対する寄付ご協力へのお礼として6314万6000円の寄付・義捐金が集まっていることを報告、また11日に発生した東日本大震災についても寄付協力のお願いを予定していることを説明、澤田吉啓 ジェトロ・サンパウロセンター所長は経済産業省およびNEDOの事業公募案内について、商工会議所の事務局便り JD013/11で経済産業省およびNEDOの事業公募を下記の要領で案内していることを説明した。
「平成23年度地球温暖化対策技術普及等推進事業(FS調査)」のご案内
経済産業省および独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)は、我が国の優れた低炭素技術・製品を活かし、途上国との具体的な排出削減プロジェクトの発掘とその形成、温室効果ガス排出削減量や測定方法に関する調査、支援スキームの検討を目的としたフィージビリティースタディ(FS)を公募(企画競争)による委託形式で実施いたします。
■事業目的
2013年以降の国際枠組みをにらんで、我が国の低炭素技術・
製品の普及を促進し、二国間の枠組みによる温室効果ガス削減とそれによる
クレジットを活用する「二国間クレジット」制度の構築を図るものです。
■予算規模
52.0億円(平成22年度:8.3億円)
■調査内容
以下の(1)、(2)のいずれか、もしくは双方について調査を実施。
(1)協力案件の発掘に向けた調査
(2)協力案件の組成に向けた調査
※詳細は、「公募スケジュール」に記載の公募予告URL(NEDOウェブサイト)
をご確認願います。
■公募スケジュール
○2月9日:NEDOによる公募予告開始
https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/koubo/EX/nedokoubo.2011-02-07.6044983670/
○3月中下旬:公募開始
○4月中(予定):公募締切
○5~6月(予定):NEDOによる審査及び採択・契約
※2次公募も予定しております。
■募集内容等その他詳細
上記公募予告URLおよび公募要領(3月中下旬発表予定)をご確認ください。
■問合わせ先
経済産業省
産業技術環境局 京都メカニズム推進室 石井、山家
TEL:03-3501-1757
FAX:03-3501-7697
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
京都メカニズム事業推進部 田中、本橋、原田、平川、飯嶋、栗林
FAX:044-520-5196
帰国挨拶ではパナソニックの松田雅信社長はブラジル勤務5年で帰国後は本社のロジスティック本部に勤務予定、2006年から商工会議所の副会頭を務めたが、出張の連続で余り協力できなかったと述べたが、平田事務局長はパナソニックから事務局に電子レンジや最新型の冷蔵庫の寄贈に対して丁寧にお礼を述べ、またブラジル勤務の労をねぎらった。
日本航空の小西弘恭南米地区統括支店長はブラジル勤務2年9カ月、経営再建中の同社は昨年9月に成田-サンパウロ路線の廃止に伴って今年2月にサンパウロ支店廃止、3名が今後も継続して勤務してサポート、また社員の再就職先確保では皆様からご協力を頂き感謝していることを述べた。
対会議所代表者交替では安田南米保険 米倉立二郎社長はブラジル勤務5年、帰国後は損害ジャパンの顧問に就任、世界でも最も魅力的で二桁成長を続けるブラジルで仕事ができ、また会議所では財務委員長として財務体質強化できたと説明、後任の遠藤秀憲新社長を紹介、ブラジル勤務4年のMARUBENI-ITOCHU STEELの伊藤光明社長から後任の柴山誠新社長にバトンタッチされた。
新入会員紹介ではミナス州ベロ・オリゾンテ市の小川事務所の小川俊治代表、
エヌエスサンパウロ・コンポーネント・オートモーティブ社(日本精機)の高橋博文代表、工業用刃物メーカーの兼房社の神谷美起生代表がそれぞれ挨拶、二宮弁護士事務所の二宮正人代表が進出企業関係者にとって難解なポルトガル語の医学用語を3カ国で掲載している便利なポ日英医学用語辞典の出版並びに出版パーティーを3月15日に援護協会で開催、また会議所でも委託販売を行うことを報告、アイセック・ジャパン東京大学委員会送り出し事業局の山中晴生氏がアイセックの活動の説明並びにブラジル企業と独自に提携を結び、多くの研修生を送り出そうと新たなプロジェクトを開始、日本人学生にブラジルで学ぶ機会を提供したいので日系企業に協力を依頼した。
カズオ・ワタナベ元サンパウロ高等裁判所判事、元サンパウロ大学法学部博士教授並びにロベルト・ヨシヒロ・ニシオ弁護士から中山立夫会頭に日本移民100周年記念事業の一環の500ページに及ぶ100周年記念誌20冊を商工会議所に寄贈した。

左から「官民連携」と題して講演した大部一秋総領事/記念プレートを贈呈する中山立夫会頭

左から100周年記念誌20冊を商工会議所に寄贈するカズオ・ワタナベ元サンパウロ高等裁判所判事、元サンパウロ大学法学部博士教授/記念誌を受取る中山立夫会頭/寄贈するロベルト・ヨシヒロ・ニシオ弁護士

120人が参加した懇親昼食会

第61回定期総会の様子

第61回定期総会/懇親昼食会前に参加者全員で東北関東大震災の犠牲者に対して1分間の黙祷を捧げた

第61回定期総会の様子