サンパウロ総領事館後援のマリンクラブ油絵回顧展(篠又幸市郎代表、中島岩雄画伯指導)オープニング式が2009年11月4日午後5時30分からサンパウロ総領事館3階多目的ホールで開催、商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。
同回顧展は11月5日から6日まで開催、出品者(ABC順)は江坂雅雄氏/後藤隆氏/後藤田信行氏/林浩氏/中野晃治氏/西村允之氏/荻野保男氏/篠又幸市郎氏/故西川悦治氏
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サンパウロ総領事館後援のマリンクラブ油絵回顧展(篠又幸市郎代表、中島岩雄画伯指導)オープニング式が2009年11月4日午後5時30分からサンパウロ総領事館3階多目的ホールで開催、商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。
同回顧展は11月5日から6日まで開催、出品者(ABC順)は江坂雅雄氏/後藤隆氏/後藤田信行氏/林浩氏/中野晃治氏/西村允之氏/荻野保男氏/篠又幸市郎氏/故西川悦治氏
国土交通省並びに(社)日本モノレール協会主催の「サンパウロ都市交通・都市整備セミナー~わが国官民が有する軌道系交通や都市整備における技術・経験を紹介~」が2009年11月3日午前9時から午後1時までルネッサンス・ホテルに130人が参加して開催された。
初めに東京大学の家田仁教授「都市構造、交通、持続可能性 ~世界最大の公共交通都市東京~」と題して世界の大都市圏(メガロポリス)リストで世界最大の人口の東京都市圏は3,360万人、7位のサンパウロは2,060万人、巨大都市のメリットとして集積経済、デメリットとして渋滞や環境の脆弱性、メガロポリスの輸送システムでは東京の鉄道比率が高く、二酸化炭素の排出量はソウルなどと共に低いが、広大な国土を擁している車社会の米国、オーストラリアやカナダの大都市の一人当たりの車のエネルギー消費が高いと指摘した。
東京都23区の鉄道利用率は都市交通全体の73%と圧倒的に高く、自動車は9%、バスは2%にとどまり、発達した鉄道ネットワーク、品質の高いサービスを提供、東京の鉄道の総延長距離は2,300キロ、民間鉄道会社25社、1日あたりの鉄道利用者は3,560万人に達している。
東京の輸送効率は世界でも飛びぬけてトップ、地下鉄は80年前から開通して総延長距離は300キロメートル、1960年代から路面電車区間を地下鉄に替えだした。
輸送システムの速度比較では郊外電車が最も速く、地下鉄、モノレールと続き、バスが最も遅く、東京並びにコペンハーゲンの交通網は放射線状に延びる「手のひらと指」と呼ばれるが、車社会のロスアンゼルスは道路と駐車場が大きな比重を占めている。
日本の大都市は郊外電車の延長と共に沿線の都市開発やニュータウン造成、テーマパーク、駅構内のステーション・ルネッサンス開発などで大都市のネガティブ面の解決を図ってきたが、日本の都市整備の経験をサンパウロ市の都市再開発の参考に役立ててほしいと強調した。
国土交通省都市・地域整備局整備室の有安敬室長は「日本における軌道系交通システム整備とまちづくり」と題して、1950年代から70年代の日本は現在のブラジル同様に高度経済成長を達成、都市の区画整理、路面電車の廃止、1964年の東京オリンピックに伴う新幹線や東京モノレールの開通、多摩ニュータウンの造成など急速に発展した。
しかし1970年から90年代は1973年のオイルショックや国鉄の民営化など急速に都市交通の環境変化を余儀なくされ、インフラコストの安い多摩モノレールやゆりかもめの開通、2000年以降は人口減少、ワールドカップ開催、二酸化炭素排出が最小限の環境にやさしい軽量軌道輸送(LRT)や次世代型路面電車(BRT)の導入、 沖縄や福岡の都市モノレール、大阪や神戸のガイドウエイ輸送システムの導入など各地のモノレールについて説明した。
国土交通省鉄道局総務課国際業務室の平石正嗣課長補佐は「世界各国に貢献する日本の軌道系交通技術」と題して、初めにモノレールが導入されたのは1901年のドイツ、日本は1957年からと大幅に出遅れたが、今では世界全体の50ヵ所の20%に相当する10ヵ所で導入、急勾配や半径の小さなカーブなど不利な条件化でも建設可能であり、環境にやさしくて建設コストやメインテナンスコストが安いと有利な点を述べた。
日本のモノレールはシンガポール、中国、韓国やアラブ首長連合国でも導入されており、重慶市は交通緩和や大気汚染改善のために導入、2号線はJICAが融資して2005年から開業、3号線は都心と空港を結んでいる。
シンガポールのモノレールはカーブの半径が35メートル、最高勾配が57.9%の悪条件下で建設されて2007年に開業、ピーク時には4,000人が利用、高温多湿のドバイのモノレールは海岸沿いを走るために塩害防止が施されており、2009年4月から開業している。
東京都都市整備局の座間充部長は「多摩都市モノレール整備と沿線まちづくり」と題して、1950年代から開発に着手された東京都の多摩ニュータウンの核都市を結ぶモノレールの概要と重要性、利用者の内訳、核都市のモノレール駅周辺の土地利用状況、飛躍的に伸びる駅周辺の商業活動などについて説明した。
東京モノレール株式会社 技術・企画部の田村隆文部長は「東京モノレール45年間の運営と概要」と題して、浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールは開通45年間で無事故、時刻表通りの発着、運河や鉄道上に建設可能で駅のスペースは最小限、モノレール内からの良い眺めと安全性、低い環境汚染や振動性、来年10月からの国際線ターミナルへの乗り入れで24時間営業や利便性などについて説明した。
午後2時30分からJICA、サンパウロ市交通局並びにサンパウロ交通機関公社(SPTrans)共催のサンパウロ市都市交通整備事業準備調査の公聴会が開催、初めに芳賀克彦JICAブラジル所長はサンパウロ市内を流れるチエテ川の洪水対策事業「チエテ川流域環境改善計画」への円借款、ポルト・アレグレ市において日本製車両を運行しているポルト・アレグレ都市内鉄道会社はJICAの集団研修に多数の研修員派遣などを説明、サンパウロ市へのモノレール導入に積極的な姿勢を示して、償還期間が長くて金利の低い円借款などこのワークショップで明らかになると開催挨拶を行った。
サンパウロ市のジルベルト・カサビ市長代理のルイス・マシャード技師はサンパウロの地下鉄は1974年に開通、旧CMTCのSPTransはサンパウロ市交通局の管轄下におかれているバス運行管理会社は70年以上バスを運行、2年前には地下鉄のない市内南部の貧困地域ボイ・ミリン地区にバス回廊を検討、しかし日本移民100周年をきっかけにJICAの支援でモノレール建設のための議論を展開していると説明している。
ラウリンド・ジュンケイラSPTrans交通計画監査役は「サンパウロ都市交通」について、サンパウロ市はGDPの28%の経済規模を擁してブラジル経済を牽引、またサンパウロ市並びにゴイアス市以外の大都市は海岸部に位置、サンパウロ州、メトロポリタン並びにサンパウロ市の交通管理局、ブラジルの中西部は食料基地であるが、輸出するための道路や港湾のインフラ整備の必要性、進展しない太平洋と大西洋を結ぶハイウエーや鉄道プロジェクト、サンパウロ市内は混雑する地下鉄や道路、汚染、トラック規制、人口増加、高齢化、犯罪多発など多くの問題を抱えているが、工事の進んでいるサンパウロ都市圏環状線、2014年には111キロメートルまで延長される地下鉄、市内のバス回廊などが計画、チラデンテス・エクスプレス、セルソ・ガルシア・エクスプレスやボイ・ミリン地区へのモノレール導入などサンパウロ市内も東京同様に地下鉄、モノレール導入や鉄道ネットワーク構築のためにJICAや日本の協力が不可欠であると強調した。
JICAの江口雅之ブラジル事務所次長は「JICAからの支援」について政府開発援助(ODA)として技術協力(技術協力プロジェクト、個別専門家派遣、研修員受入など)、有償資金協力(円借款)及び無償資金協力(贈与)などについて説明、ブラジルは50年前に農業支援分野で開始、昨年は150カ国向けに90億ドルを融資、日本への技術研修は260人で合計9,000人、エキスパートは40人で合計2,300人、国際協力銀行(JBIC)の円借款担当部門と統合した新JICAのシナジー効果、輸送部門の支援としてキャパシティ・ビルディング、各国にあった交通システム、都市部の生活レベルアップのための持続的な開発、ベトナムのホーチミン市の都市鉄道、バンコクの大量輸送システムプロジェクト、ニューデリーの大量高速輸送システムなどの円借款を説明、日本でモノレールの視察を行ったカサビ市長はモノレール導入を優先しており、円借款の可能性を受ける可能性を述べた。
最後にサンパウロ年交通政治事業準備調査についてジャイカの奥津明男調査団長は調査団18人、トンネルエキスパート1人の19人で11月は2回目の調査、来年5月に調査結果の取りまとめをして建設費の積算、また2号線のモノレール建設ルートのイメージビデオを見せながら代替ルートチェック、システムの選定、モノレールの適正乗客数、救援列車との連結に適切な先頭車両の形状、自由自在な座席配置、事故の発生が殆どない日本の優れたモノレール技術のアドバンテージを強調、今後もSPTransや市交通局と協力して日本のモノレール導入を進展させていくと強調した。
開催挨拶の芳賀克彦JICAブラジル所長
左は国土交通省の松谷春敏同省大臣官房技術審議官/テーブルの左から3人目は飯星ワルテル下議/大部一秋総領事/デウスビッチ・デ・ソウザ都市交通部長
サンパウロ年交通政治事業準備調査に講演するジャイカの奥津明男調査団長
日伯社会文化統合協会とブラジル日本移民百周年記念協会共催の「日本移民百周年評価シンポジウム」が2009年10月26日に国際交流基金日本文化センターホールで開幕、26日と27日の二日間に亘って開催される。
各部会では
テーマ:以下の9つ
1) 100周年とミディア
2) 日本人移民の団結精神と日系社会組織とその将来
3) スポーツや文化活動の分野に於ける日本移民とその子孫の貢献
4) 知識分野に於ける日本移民とその子孫の貢献
5) 農業及びその他経済部門に於ける日本移民とその子孫の貢献
6) 出稼ぎと日伯関係、その光と影
7) 食事と料理に於ける日本移民の貢献
8) ブラジルに於ける日本文化の将来
9) シンポジュームの総括
島内憲大使、大部一秋総領事、渡部和夫同シンポ実行委員長、上原幸啓百周年記念協会長、中矢レナット日伯社会文化統合協会会長、飯星ワルテル下議、ウイリアム・ウー下議など100人以上が参加、同シンポジウム後援のブラジル日本商工会議所からは平田藤義事務局長が参加した。
田中信会頭は2009年10月26日午前10時30分からアニェンビー展示パビリオンで開催された第17回国際輸送展示会(Fenatran)のオープニングセレモニーに参加、同展示会は10月26日から30日まで午後1時から9時まで開催、15カ国から355社が出展する。
田中信会頭は2009年10月26日正午からサンベルナルド・ド・カンポ市の市立美術館で開催された同市役所国際課主催の第1回多国間国際経済・貿易フォーラムのオープニング式に参加。このフォーラムには各国の大使、領事、海外ミッション担当者、商工会議所会頭、有力者、企業家などが参加して26日と27日の2日間にわたって開催、ローカルの関心あるテーマについてディスカッションを行う目的で行われる。
同市のルイス・マリーニョ市長がテーマ「歓迎並びに同市の紹介」、ジウマ・ロウセフ官房長官が「岩塩層下原油開発とインフラ整備の連邦政府の政策」、外務省のサムエル・ピニェイロ大使が「ブラジル国際政策と特赦」について講演を行う。
南米地区在外公館知的財産権担当者会議では外務省経済局知的財産室の貴志首席との意見交換会が2009年10月24日正午過ぎからレストラン新鳥で開催、パナソニックの倉橋登志樹企画戦略部長、加藤秀雄領事、田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。
食品部会(齋藤孝之部会長)主催の「三井アリメントス焙煎工場見学会」に参加して2009年10月22日午前8時にマクソウド・ホテル前を出発、サンパウロ市近郊のアラサリグアマにある三井アリメントス焙煎工場に9時過ぎに到着、早々,淹れたて美味しいコーヒーを試飲後、同社の島田社長から会社の歴史、増改築などの説明を受けた。
続いて草間氏から「コーヒー入門」のビデオでコーヒーはアカネ科多年生植物、主なコーヒーの3原種として世界の生産の70%を占めるアラビア種、苦味の強く約30%を占めるカネフォラ種(ロブスタ)、病害に弱く品質面でも劣るため現在では全生産量の1%未満にすぎないリベリカ種がある。
栽培適地としてアラビア種は標高800メートルから1500メートルで温度は20度から22度、ロブスタ種は平地から標高800メートルで22度から28度、降霜なし、年間雨量2000ミリ以上、精選方法は4種類でブラジルではコーヒー豆収穫時に降雨がないために非水洗式(Unwashed Arabica)でコストが安い。
コーヒー生豆の品質決定要素として品質、標高、土壌、樹勢、完熟度、精選方法、欠点混入率、生豆の品質判定基準として概観上の選別度合い、Cup Test(風味の官能検査)、世界のコーヒー生産はブラジルが30%で世界トップ、ベトナム13%、コロンビア10%、コーヒー消費は米国に次いでブラジルは世界2位、ドイツや日本が続いている。
同社のリナウド氏の工場の製造フロー説明ではサントス港やミナス州の農場からのコーヒー生豆の受け入れチェック、ブレンド方法、異物排除や均質選定、粉砕、焙煎の処理能力、サイロの保存能力、品質管理について説明後に3グループに分かれて製造銀場を視察、コーヒー生豆の搬入部門以外は大半がオートメーション化され、その処理能力やラボラトリーの厳しい品質管理体制に感嘆、質疑応答の跡で齋藤部会長から島田社長に記念プレートが贈呈され、お土産に焙煎コーヒーパックが提供されて、見学者一向はサンパウロに正午過ぎに到着、非常に充実した見学会となった。
左から歓迎挨拶をする三井アリメントス社の草間氏/島田社長
左から記念プレートを贈呈する食品部会の齋藤部会長/受取る三井アリメントス社の島田社長
三井アリメントス社の有名ブランドコーヒー「カフェ・ブラジレイロ」配送車の前で参加者一同記念撮影
今年第3四半期の業務・会計監査が2009年10月21日正午から2時まで監事会から山田監事会議長、中村敏幸監事、藤井敏晴監事、財務委員会から米倉立二郎財務委員長が参加して開催した。
初めに平田事務局長からこの期間中の業務の推移について説明、次いで会計事 務所が作成し、提出した貸借対照表、損益それに事務局が準備して米倉財務委員長並びに常任理事会によって承認された月別会計種目別収支明細書、予 算、実績対比表、財産目録、会費滞納現況表並びに2009年度第3四半期の各委員会や部会の予算と実績について、逐一会計担当職員も加えての事務局サイド からの報告があり、それに対する監事側からの質問などで相互間で活発な討議が行なわれて審議された結果、監事会は「2009年度第3四半期の会議所の業務 の遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。監事会は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは平田藤義事務局長、エレーナ・ウエダ会計担当、日下野成次総務担当が参加した。
左手前から日下野成次総務担当/エレーナ・ウエダ会計担当/平田藤義事務局長/山田唯資監事会議長/米倉立二郎財務委員長/中村敏幸監事/藤井敏晴監事
第23回(平成21年度)貿易会議が2009年10月20日午前9時から午後5時30分までサンパウロ市内インターコンチネンタル・ホテルに社団法人日本産業機械工業会代表、経済産業省、サンパウロ総領事館、数多くの日本企業の代表者が参加して開催、田中信会頭初め7人のブラジル日本商工会議所関係者が日伯経済関係やブラジルでのビジネス展開などについて講演した。
〔10月20日(火)〕
09:00~09:20
挨拶 日納 義郎 社団法人日本産業機械工業会 会長
挨拶 米村 猛 経済産業省製造産業局産業機械課 課長
挨拶 大部 一秋 在サンパウロ日本国総領事
挨拶 ウェウバー・バハウ ブラジル開発商工省 貿易局長
09:20~10:00
講演 田中 信 ブラジル日本商工会議所 会頭
「日伯経済関係の変遷について」
10:00~10:40
講演 佐々木 光 ジェトロ・サンパウロ・センター 所長
「ブラジルの景気動向と同国市場の魅力について」
10:40~11:00
Coffee break
11:00~11:40
講演 伊藤 友久 ブラジル住友商事 社長
「ブラジルでのビジネス展開について-事業経験から-」
11:40~12:20
講演 峯川 尚 ホンダ サウス アメリカ 社長
「ブラジルでのビジネス展開について-事業経験から-」
12:20~13:30 昼食
13:30~14:10
講演 西岡 勝樹 日立製作所 ブラジル事務所 所長
「ブラジルでのビジネス展開について-事業経験から-」
14:10~14:50
講演 松田 雅信 パナソニック ド ブラジル 社長
「ブラジルでのビジネス展開について-事業経験から-」
14:50~15:30
講演 鈴木 雅雄 ブラジル三井物産 副社長
「ブラジル新幹線の概要」
14:50~15:30
講演 鈴木 雅雄 ブラジル三井物産 副社長>
「ブラジル新幹線の概要」
15:30~15:50
Coffee break
15:50~16:40
講演 ファビオ・マルティン・ファリア ブラジル開発商工省
海外開発計画部長
「世界同時不況下におけるブラジル経済の回復状況」
16:40~17:30
意見交換(質疑応答)≪30~50分≫委員会総括挨拶 同会議貿易委員会委員長 安元 豊
所感 米村課長
18:00~20:00 レセプション
10月19日(月)9時30分から午後5時30分までブラジル日本大使館講堂で恒例の合同会議が久々ブラジリアで開催された。
外務本省から佐藤悟中南米局長、在ブラジル日本大使館の島内 憲大使、國方俊男公使、宮下匡之参事官以下8名、在サンパウロ総領事館の大部一秋総領事はじめ全伯地域の総領事やポルトアレグレ出張所の所長を含め7名、JBICやJICAの政府関係者3名、官側計22名、また民間側から計22名、合計44名が参加し活発な合同会議となった。
アマゾナス日系商工会議3名、パラー日系商工会議所3名、リオデジャネイロ日本商工会議所1名、パラナ日伯商工会議所4名、南伯日本商工会議所1名、当ブラ ジル日本商工会議所からは田中 信会頭、中山立夫副会頭、近藤正樹専任理事、和田亮専任理事、前田一郎専任理事、伊藤友久専任理事、江上 知剛、倉橋登志樹、末 一義、小林雅志諸氏および平田藤義事務局長の11名が参加した。
本合同会議は近年、ブラジルの経済・金融センターであるサンパウロに於いて開催されるのが普通となっているが、今回の会議は去る16日リオで開催された日伯賢人会の日程に合せブラジリア開催となった。
日本から昨年の合同会議同様、佐藤中南米局長が駆けつけ冒頭挨拶を行ったのに続き島内大使、田中会議所会頭の挨拶と続いた。佐藤中南米局長は昨年9月のリーマンショック直後に開催された平成20年官民会議を回顧、昨年は移民100周年関連が主要テーマであったと前置き。
今年は又アマゾン入植80周年記念と相次ぐ中、来年2010年がブラジリア遷都50周年を迎えるブラジルは、2014年にサッカーワールドカップ、2016年にはリオオリンピック開催と世界的イベントが目白押し、力づいたグローバルプレイヤーのブラジルを賞賛した。
民主党への政権交代にも触れ、対伯政策には変更が無い事を強調、国連総会に於ける鳩山、ルーラ首脳会談に於いて、リオ-サンパウロ間の高速鉄道案件に触れた事に対し大いに期待を表明、今後の日伯関係は益々強化されて行くと語った。
島内大使は先ず、本合同会議のプログラムに予定していた日伯賢人会メンバーとの懇談会が、突然中止になったことを伝え、同メンバーによる大統領表敬訪問先が 大統領官邸からサンパウロに変更になった事による不可抗力的理由を説明、佐藤中年米局長同様、本会合を中座せざるを得ない苦しい状況を説明し、参加者全員 の理解を求めながら深くお詫びした。
今年のブラジル経済は昨年の官民会議での予想通り危機からの回復が早く、来年は4~5%、或いは6%成長もあり得ると期待を込め述べた。2014年のサッカーワールドカップから16年のリオオリンピック開催に向け、日伯関係には天恵の追い風になると歓んだ。
特に高速鉄道(TVA)や都市交通システムなど国家的なインフラ・プロジェクトが動き出している一方、ようやく日本経済にも明るい兆しがさしつつある景況がその背景にあるとした。地上デジTVの分野はブラジルに日伯方式が橋頭堡を築き中南米が導入対象地域に拡大、また民主党への政権交代後も国内問題が山積している中、ブラジルのTVA導入には特別、非常に高い関心を持っていると付言。
日伯関係はモメンタムが強いとし、3年間の赴任期間を回顧、日伯首脳レベルの往来が劇的に増えている中、途中リーマンショックや新型インフルエンザの影響もあったが、最近は10名を越えるトップビジネスマンが来伯、ますます勢いを盛り返したと満足を表明。
日伯方式の地上デジTVはここ2年間の南米普及努力が功を奏し、既に南米4カ国(ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチン)が同方式の採用を決定、現在ヨーロッパ方式とするコロンビアとウルグアイも近隣諸国に同調追随、やがて日伯方式への変更見直しは時間の問題とその可能性を示唆した。
先週、両国のトップリーダーがリオに集まり開催された賢人会会議も大成功裏に終り、リオとサンパウロ間のTVA、プレサルの石油採掘プロジェクトに対する今後の協力のあり方など具体的な討議が行われた事を報告。
昨年の官民合同会議はリーマンショックのインパクトに関し活発な討議が行われたが、今年も中味の濃い会議になる事に期待を寄せ挨拶を結んだ。
田中会頭は久々の開催地ブラジリアに遠路はるばる来伯の佐藤中南米局長はじめ島内大使および在外公館の方々に対し、官民揃って自由に意見の交換が出来る討議の場を設定頂いた事に謝辞を述べた。
本合同会議が回数を重ねる毎に、従来の業界・業種別の状況報告形式から、ビジネス環境整備に向けた最も重要かつ実現可能なテーマを選び、協議を行い、アクションする場として大きく変化した事を評価。
その背景には2007年からスタートしたサンパウロ総領事館と会議所による定例フォローアップ会合の成果があるとし、その後から特に島内大使の強力なリーダーシップで大使館が本格的に加わった経緯を説明。
フォローアップ会合はさらに年々充実、議題によっては経産省からも参加、懸案の重要課題については当地進出企業へアンケート調査を実施、実態の詳細把握、さら に分析した上、両国政府レベルの貿易投資促進委員会会合の俎上に載せ、民間も参加しながら解決策を見つけ出す重層的な深化が見られると絶賛した。
さらに今回の議題案には地球規模で取り組むべき「エコビジネス」をはじめ「食糧・資源・エネルギー」、やブラジルにおいては「PAC/インフラ」と言った喫緊且つ前向きなテーマが設定されている事を踏まえ、今まで以上に官民連携の必要性を強調、積極的な協力を約束した。
冒頭挨拶の後、国方公使からブラジル政治経済情勢(危機からの脱却:今後の展望)と題して総論報告があった。以下にその概要を示す。
政治情勢に関しては2010年の10月大統領選挙に向けた各党陣営の動きが活発化している事に触れ、次期大統領候補としてルーラ大統領が擁すジルマ現官房長 官対セーラ現サンパウロ州知事の戦いを軸足に置き、ジルマ陣営による追い上げ強化策が本格的に始動した事を各地方の遊説や他党との連携交渉などを具体例に 挙げた。副大統領、州知事、上院議員など政界進出を狙う著名なビジネスマンの登場も次期選挙の特徴であると説明。
国際情勢とブラジルについては今回の危機を一早く克服、国際社会の信頼を確保、G20に於ける発言力、国連安保理改革の推進、WTO、気候変動、軍縮などグローバル・アーキテクチャー改革において主導的役割を担うブラジルを高く評価。また積極的な新興国外交を展開、その具体例としてBRICsの枠組みを巧みに活用、良識派としてのブラジルがBRICs諸国で唯一の非核兵器国で民主主義が定着し政治リスクはゼロと絶賛。
政治的な安定に加え抜群の経済力を誇るブラジルはルーラ大統領の指導力で南米統合の動きも活発。ホンジュラスのセラヤ大統領の無条件復帰を支持、ブラジル大 使館に保護した事も指導力の一例と解説。現政権はベネズエラや他の南米左派国をはじめ、イラン、北朝鮮、キユーバとの外交で、時としてかと過度な寛容政策 との批判も受ける中、対米関係も良好に維持、今回のリオオリンピック招致にも成功を納め、ブラジルの国力向上の現れと評価した。
経済情勢の報告では今回のリーマンショックから一足早く回復、グローバル経済における相対的優位性を実証した事を挙げた。その根拠として第2四半期の前年同 期比成長率が1.9%(年率換算7.8%)、金融緩和で一桁台の利下げ、物品工業税や所得税の時限的な減免措置により耐久消費財分野を中心に回復が顕著、 投資も急速に拡大、外資の流入が大幅に増え株価は危機前の水準に戻り、投資適格を獲得、外貨準備高は危機前に比べ逆に約300億ドル増え現在2300億ド ル。金融緩和は一段落したが、2009年のプラス成長は確実視され2010年には3.5~5.0%成長を予測。
日伯経済関係については伝統的な分野に新規分野も加わり多様な分野でビジネスチャンスを提供していると述べた。
日本の対伯投資は2008年に著しく拡大、前年比8倍(41億ドル、投資国第4位)貿易も45%増えた事を強調。ブラジルの比較優位が日本国内で認知されるにつれ、2010年からの明るい展望を予測、停滞期を利用して日本から企業関係者が殺到していると報告、日本が比較優位とする「先端技術+資金」がブラジルの ニーズにマッチした、即ち「互恵型経済協力」の時代になったとズバリ的確なフレーズで表現した。
伝統的な分野である鉱山、鉄鋼、紙パルプ、アルミ、自動車、食糧が両国経済の関係の基盤として日伯貿易を牽引、新規分野においては新たな協力モデルとして日伯方式のデジタルTVが 中南米地域に普及拡大(ペルー、チリ、アルゼンチン、ベネズエラ諸国が同方式を決定済み、他の中南米・アフリカ諸国も制覇対象地域)している現状を説明、 その他かつて大型のナショナル・プロジェクトを彷彿させる様なリオ・サンパウロ間の高速鉄道、岩塩層下のプレサル油田開発、およびエコビジネスを挙げた。
このうち、史上最大の日伯協力案件として、国際入札が迫りつつある新幹線方式の売込みがいよいよ佳境に入った事に触れ、ファイナンシングでは課題も大きい が、世界的な大イベントである2014年開催のワールドカップやオリンピック開催を2016年に控え、経済波及効果として期待される景気・雇用対策の重要性を 説いた。
深海油田開発を通じた石油関連投資としてブラジル石油公団(ペトロブラス)の5ヵ年1774億ドル投資計画、一隻あたり10億ドル規模の掘削船・生産設備、 100億~200億ドル規模の精油所建設など代表的な大型プロジェクトの例や、政府が約5千億ドル規模の経済成長加速計画(PAC)とする高速鉄道、バイオ燃料、インフラ整備にオリンピック開催がPAC2構想への弾みになる他、さらに環境・省エネ技術大国日本とクリーン・エネルギー大国ブラジルの相乗効果に期待を寄せ、気候変動/温室効果ガス削減対応策としての太陽光発電、省エネ家電、バイオ燃料、植林産業が有望な分野であると位置づけた。
今後の課題として①構造的な要因とされる複雑かつ高負担の税制や各種法制度の不備、インフラ未整備および人材育成、②景気対策、貧困者対策、ワールドカップ やオリンピック支出圧力の増大、来年の選挙に向け支出圧力増に絡む財政悪化③輸出産業を直撃、貿易収支の黒字減少傾向、廉価な中国産品の市場席捲の源の一 つとなっている現地通貨レアル高を懸念材料として挙げた。
また経済をはじめ二国間関係強化をより拡大・再活性化を図る日伯経済の枠組みには賢人会議、日伯経済合同会議、貿易投資促進委員会の三層構造が確立されているが、一度各々の相互関係を整理、検討する必要性も示唆した。
分野別枠組みとしてデジタルTV作業部会、バイオマスWG、科学技術合同委員会、日・メルコスール協議、社会保障作業部会、領事当局者協議、環境対話などがあると総論報告を行った。
経済回復の現状について各地域の会議所代表者から報告があった。
最初にリオデジャネイロ日本会議所の井上惣太郎会頭から過去1年間の環境の変化について全般的にリオの失業率の低下、IMFのGDP予 測、自動車販売が好調に推移、輸入車の増加を挙げ、ペトロブラスの5カ年計画、2013年までに1774億ドルの投資計画がある事やこれから議会に掛ける新 石油法について説明。またヴァレの鉄鉱石生産量が回復基調にある事やリオデジャネイロに日本企業2社が新規に事務所を開設している事を紹介。
ビジネス展望としてペトロブラス関連の精油所稼動計画(マラニョン/セアラー州)、Pre-Salt生産用のFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)、Supply Boat等やヴァレが国内造船所に発注も視野に入れている40万トン級の鉄鉱石運搬船の新造計画など足元の動きを説明。新規分野であるワールドカップ、オリンピックを睨んだインフラ整備またリオ市の港湾区域の再開発などがあることを説明。
今後の課題に中国国家開発銀行のペトロブラスへの100億ドル融資や中国鉄鋼大手の武漢鋼鉄によるMMX(Mineração e Metálicos S.A)鉄鉱石会社に出資の件や韓国企業によるリオ州以外に石油絡みの造船業界進出を挙げた。
引き続いてパラナ日伯商工会議所のヨシアキ・オオシロ会頭、井上誠氏、川添英世氏、パラー日系商工会議所のフェルナンド・ヤマダ会頭、山本陽三第3副会頭、 南伯日本商工会議所の和田浩司副会頭、アマゾーナス日系商工会議所のユキオ・アシベ副会頭、マリオ・オオクボ副会頭等が各地域の経済情勢を報告した。
各地域の会議所報告が終わった後、自由討議に入り在ベレン名井総領事は移民80周年を記念、州政府に働きかけ移民の日を制定を実現したフェルナンド・ヤマダ会頭に謝辞を表明。またJICAの芳賀所長からは都市交通の分野で1990年から現在まで20年間係わり、新JICAに なって円借款について州政府と検討を続け最終段階に入ったと説明、次回の州議会を通過すれば正式に日本政府に要請がある旨示唆した。また環境問題では森林 伐採を取り上げ、膨大な荒廃地を環境を維持しながら生産可能地にして行く為には、技術以外に資金協力も必要だと見解を述べた。
今回のメインテーマの1つである「危機後を見据えた新たな日伯経済関係の展望」の中、エコビジネスについてブラジル日本商工会議所の近藤正樹専任理事(三菱商事)がPPTを 駆使し分り易くプレゼンを行った。電気自動車についてはエタノールとガソリンの混合比率がどんな割合でも走行可能なフレックスカー(新車販売の9割)先進 国のブラジルは、時期尚早と、誰もが異口同音だろうが意外にもブラジル政府関係者の関心が高く、イタリアFIAT社の計画が先行している実情に注目を引い た。
今年12月コペンハーゲンで開催されるCOP15に向け日本は25%の削減の具体策を検討中であるが、ブラジルも削減が義務付けられていないものの何らかの目標を提示すると予想される。去る10月14日、サンパウロ州政府が 2005年比20%削減目標を掲げており、連邦政府そして他州の同行が注目される。日伯官民連携ではブラジルにて先行しているエタノール関連の技術開発・ 協力を推進すると共に、日本の省エネ、新エネルギーの技術導入を更に図ることが必要であり、またその技術が差別化されたものであれば、大変なビジネス機会 にも繋がるはずであると説明。温室効果ガス排出量(全世界289億トンのうち日本4%、ブラジル1%)や太陽光および風力発電の動向について盛んな質疑応 答があった。
食糧安保が世界的な課題になっている中、当会議所の前田一郎専任理事(丸紅)は【ブラジル・食糧の現状と課題】と題して「増加する世界人口と限られた耕作面 積」、「大豆・とうもろこしの需給逼迫」、「シカゴ定期過去20年の動き」、「需給逼迫の要因」、「世界の中でのブラジル農業の位置づけ」、「ブラジル農 業の可能性」、「日本の食糧・買い負けの危機」、食糧安全保障確保への日伯官民連携」について、古くは60年代に遡り、統計的な分析を加え、2045年頃 の世界総人口90億人の胃袋は満たせるのか、過去セラード開発の苦い経験を通じ将来、日伯官民連携で何を如何するべきか壮大な具体案を呈示した。
終始迫力ある発表に対し官を代表、芳賀JICA所長が生産地から積み出し港までの1パックで無かった事への反省に加え、灌漑インフラへのファイナンスをはじめとする海外投融資の拡大、円借款によるインフラへの投資、技術協力の推進、また進出日本企業に対しても投融資を拡大す事やJICAとして食糧安保はブラジルから作って行きたいと抱負を述べた。
JICA、JBIC以外にサンパウロを含む各地域の総領事の大半が、特に買い負けの危機、食糧安保を切口に関心度は極限に達し議論百出となった。以下主な項目を拾ってみると「魚の養殖にはとうもろこしか」、「牛の飼育」、「食料/飼料としての輸出割合」、「近い将来に中国/インドはとうもろこしの輸入国に転落」、「作付け資金インフラ融資に誰がリスクを取るのか」、「商社連合に政府参加の可能性」、「ブラジルでは農業融資に伯銀が、インフラにはBNDESと言う棲み分けがある」、「官は民にどれだけ関与すべきか、アメリカは基本的に民間主導、巨大資本のため港の倉庫まで独占」、「ブラジル農業に喰い込んだ日本移民の活用」、「環境と食糧をどのように両立させるか」など活発な討議が展開された。
資源エネルギーについて当会議所の伊藤友久専任理事(住友商事)が発表、鉄鉱石や金属材料および原油を例に資源・エネルギーとも日本にとって必要、中国など による資源買いとの競合には日本による差別化や新たなビジネスモデルが必要なことを説明。又ペトロブラスの輸出余力やバイオエタノールの日本アジアでの需 要増があり得るのかを中心に発表した。同グループの住友金属がフランスのヴァレロックと共同出資したミナスジェライス州の鋼管工場が持つ特徴や深海油田掘削に使われるシームレス油井管の特殊構造について付加価値化、差別化の一例として図解入りで説明した。
討議の中には「ブラジルの国家戦略の軸足はプレサルの原油採掘なのかエタノール生産なのか」、「ブラジルは水力エネルギーが豊富、広大な土地故に色々な資源 からエネルギー確保が可能な国、しかし一人当たりのエネルギー消費は相対的に低いので、増えて行けば当然ながらプレサル原油も必要になり、エタノールもバ ランスをとりながら共存する。
警戒すべきは資源ナショナリズムに走らないか、プレサルに政府の関与が大きすぎないか、外資参入の規制が大きくなれば油田採 掘資金も不足する事態が起こる」など、又「ブラジルは70年代、既にエタノールからエチレンを製造、グリーンプラスチックが生産されているグリーン化学先 進国だ」と参加者の江上知剛氏(双日)が説明を加え、食糧同様に活発な議論となった。
PAC/インフラについては当会議所の中山立夫副会頭が報告、概要は以下の通り。
国家経済成長加速化計画(PAC)の目的として雇用の拡大、GDP増加、生活水準の向上3点を挙げ、2007年から2010年度までのインフラ投資額の合計は6,460億 レアイスの規模。①運輸・交通(道路、鉄道、港湾、空港など)②エネルギー(電力、石油、ガス、リサイクル燃料など)③社会・環境整備(衛生施設、住宅、地 下鉄や近郊鉄道の市内交通、電気設備など)の重点3分野に各々、960億レアイス、2950億レアイス、2550億レアイスの構成額。
高速鉄道プロジェクト案件の概要を示すとルートはリオ~サンパウロ~カンピーナスの約510Kmの距離で8~11駅を予定、運行最高速度は250Km~300Kmで所要時間は2時間以下。2015年の年間需要は3400万人、2024年には4600万人になる予測。総建設費は346億レアイス、日本円に換算すれば約1兆7300億円の規模と説明した。
高速鉄道プロジェクトの公開情報を整理、2007年11月13日に大統領令6256号が発布、2008年5月9日暫定措置427号発布、2009年7月23 日需要予測と運営収入予測調査、ルート調査、運行と技術に関する調査、初期投資費用調査などの情報公開、9月3日に財務経済調査・モデリングに関する報告 書、10月末入札図書公開を経て入札締め切りは2010年第1四半期、2010年6月末までに事業権契約締結を行い、2015年完工予定に至るまでのスケ ジュールを一覧表に纏め、事業モデルはピュアコンセッション式で40年の期間である事を簡潔に発表した。
資金計画は総建設費346億レアイスのうち資金の源泉割合はデッドが7割の242億レアイス、エクイティが3割の104億レアイス。デッドのうちBNDES融 資が209億レアイス、輸出信用機構融資が33億レアイスの構成比。エクイティはブラジル政府が34億レアイス、民間が70億レアイス。リスクシェアリン グは土地収用とインフレリスクをブラジル政府が負い、その他環境認可、地質リスク、工事完工、乗客需要、為替リスクについてはコンセッショナリーとの事。
討議においては当初予算を2倍上回るコストにならないか危惧する声もあったが、エコビジネスの興隆、環境負荷が極めて少ない高速鉄道の建設をはじめワールド カップやオリンピックに絡む他の大型プロジェクトによる経済波及効果に併せて、特にこれからの10年はブラジルに再び黄金時代が来るのではと楽観派が大多 数の様だった。
来年2010年はリオからブラジリアへの遷都50周年、環境と開発に関するリオ宣言から20周年になるのが2012年、 ワールドカップ2014年、オリンピック2016年、ブラジル日本移民110周年が2018年にあたる等、2029年までブームを呼ぶ時代が到来すると大 部総領事は自説を披露した。
官民合同会議の発表資料-2009年10月19日 ブラジリア
危機後を見据えた新たな日伯経済関係の展望(三菱コーポレーション 近藤正樹社長)