労働問題研究会に35人が参加して開催

企業経営委員会(松田雅信委員長)の労働問題研究会が2009年10月15日午後4時から6時まで35人が参加して開催、初めにマットス・ケステネール弁護士事務所のアナ・ヴァレリア・ロガヴァソレール弁護士が「障害者のための法律及び雇用難の件」と題して、8213号/1991で100人以上の従業員を擁する企業は身体障害者雇用が義務付けされ、100人から200人の従業員を擁する企業は従業員の2.0%、201人から500人は3.0%、501人から1000人は4.0%、1001人以上の企業は5.0%の雇用が義務付けされている。


企業には地方労働局による定期的な監査、違法に対する罰金、トレーニング、障害は1) 視覚障害、2) 聴覚障害・平衡機能障害、3) 音声・言語障害、4)肢体不自由、5)精神障害に大別される。


しかし身体障害者の雇用は非常に難しい問題を抱えており、トレーニングや長期勤務の割合が非常に少なく、雇用確保に各企業の人事担当者は頭を抱えていると説明した。


アーネスト&ヤング法律事務所のルシエニ・フェレイラ弁護士、マリア・カルバーリョ弁護士は「災害防止ファクター:社会福祉税徴収への影響」と題して、特別年金用ファイナンス、社会保障院(INSS)への納付金比率、労働環境改善インセンチブ、コンセプト、計算奉納などについて説明した。

左から司会のフランシスコ・パウロ・ネット氏/講演者のアナ・ヴァレリア・ロガヴァソレール弁護士/ ルシエニ・フェレイラ弁護士/マリア・カルバーリョ弁護士/司会のラエルテ・エレロ氏

 

質疑応答も盛んに行われた講演会


 

10月の異業種交流委員会議事録

開催日 2009年10月15日午後7時から9時
場所  ブラジル日本語センター
講演者 坂尾英矩氏
テーマ『ブラジルの音楽の歴史とその流れ』

参加者名
南夫妻(建設不動産部会) / 中井氏( 運輸 )/ 坂尾氏( 講師 ) / 原田氏(機械・金属)/小西氏(運輸サービス)/ 川上氏( オブザバー)/ 西岡氏(機械・金属) / 大野氏(食品) / 桟氏(金融)/ 大滝氏(建設・不動産)/ 和田氏(運輸サービス)/


伊豆原氏( オブザーバー) /山口氏( 運輸サービス ) /関根氏(コンサルタント)/小池氏(電気・電子)/永田氏(コンサルタント) / 今井氏(運輸サービス)/ 山下氏(コンサルタント) /皨昇氏(オブザーバー)/倉橋氏(電気・電子)/林氏(建設)/地上氏(コンサルタント) 計 23名

 

ブラジルアステラス製薬がオープン式

10月14日、午後7時からサンパウロ市ROSA ROSARUMでブラジルアステラス製薬の開設記念式典が開催された。同社は昨日、入会申請書を携え、米州のUS LLCの樫井正剛社長兼CEO、アステラス ファーマ US Inc.(販売)のMARTIN MERCERラテンアメリカ担当副社長及びブラジルの代表者DEVANEY BACCARINの3人が会議所を表敬訪問したばかり。

アステラス製薬株式会社(Astellas Pharma Inc. 野木森 雅郁代表取締役社長)は山之内製薬と藤沢製薬が2005年4月1日に合併、世界の製薬分野では20大企業にランク、世界約30箇所で事業を展開、連結売上高が約9千7百億円を誇るグローバル企業である。

アステラスの名称は星を意味するラテン語、ギリシャ語、英語から派生した造語、シンボルには皆の幸せを込める赤色が、また信頼を意味する灰色が使われ、未来に向かって進む美しく輝く星を表すデザインとの事だ。

野木森社長はアステラスの前進の藤沢薬品、山之内製薬との合併の経緯を説明、グローバル企業として今回BRICsの一角ブラジルに進出できた事を慶び「世界の人々の健康を守る」と力強く宣言した。

同社サイトの社長メッセージ(以下)を地に行く実践振りである。
【私たちアステラス製薬は、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っています。
私たちは、研究開発へのあくなき挑戦を通じて、未だ治療満足度が低い疾患領域において、革新的で有用性の高い新薬を継続的に生み出し世界中に届けることで、病気と闘う患者さん一人ひとりの力になりたいと願っています。(以下省略)】


野木森社長に続きMARTIN MERCERラテンアメリカ副社長が挨拶、医薬品分野で有望なブラジル市場の進出経緯を説明、グローバルパートナーとして常にビジョンを掲げ事業に邁進、ブラジル政府とも対話をしながら国の発展に寄与したいと結んだ。


ブラジルの代表者DEVANEY BACCARINは先ず、本社から野木森雅郁代表取締役社長、米州の地域本社機能を持つアステラス US LLCの樫井正剛社長兼CEO、またアステラス ファーマ US Inc.(販売)のMARTIN MERCERラテンアメリカ担当副社長にブラジル進出に対する真心のこもった感謝の意を表明、患者への思いやりのあるアステラス・ブラジルを目指し泌尿器領域や臓器移植の拒絶反応抑制剤等アステラスが得意とする分野に注力したいと語った。


開所式にはブラジルの大学関係者をはじめ、主なクリニック、病院或いは医薬・医療機関の関係者等、約300人が参加した。オープン式には会議所と馴染み深いJOÃO CARLOS DE SOUZA MEIRELLES氏(前サンパウロ州知事アルキミンの右腕、科学技術・商工開発・観光局長)やフランコ・モントーロ元サンパウロ州知事の息子ANDRÉ FRANO MONTORO FILHO氏など有名人が大勢駆けつけた。会議所からは田中信会頭と平田藤義事務局長が参加した。

ブラジル最大手のテレビ局、グローボがゴールデンアワーにラテンアメリカ向け放映した連続ドラマCAMINHO DAS ÍNDIASに出演した有名な俳優リーマ・ドアルテ氏が終始、式典の司会役を務め、アトラクションには著名なミュージシャンROBERTO MENESCALとWANDA歌手がボサノバを歌い又3人の日系人による和太鼓も披露された。


 

10月の懇親昼食会はエンブラエルの横田聡前副社長が講演

10月の定例懇親昼食会は2009年10月9日正午から午後2時までチボリ・モファレジホテルに90人が参加して開催、平田藤義事務局長が司会を務め、初めに特別ゲストのエンブラエル社コンサルタントで前企画戦略・技術開発担当の横田聡前副社長、元ブラジル中銀知事並びにサンタ・クルース病院理事長で経済学者の横田パウロ氏、サンパウロ総領事館の小林雅彦主席領事が紹介された。

着任挨拶では小林雅彦主席領事、ジャイカ・ブラジル事務所の江口雅之次長、ブラジルNGKの林恭平社長、ブラジル前川製作所の大井直樹社長、日曹の町井清貴社長がそれぞれ挨拶を行った。

代表者交代では島津製作所の三分一克則社長が帰国挨拶、後任の加藤彰彦社長が着任挨拶を行い、新入会員紹介ではポジュカSA(チボリ・モファレジホテル)のクリスティアン・ベルナルデ氏、ブラジル・カンジコ社の林槇太郎氏、ブラジル・ボイデン社のジョエル・ガルビ氏が挨拶を行い、3分間スピーチでは海外品業コンサルタント協会(JOFCA)の豊田貴樹研究部長がサンパウロ州クーニャ市における日本農林水産省調査事業総合推進対策事業について紹介した。

田中会頭は横田聡氏の”ブラジルにおけるハイテク企業の歴史”の講演を前に歓迎の辞を述べ、横田氏はエンブラエルは1969年にブラジルの国営企業として誕生、ブラジル空軍の航空技術研究所の技術者の力によって優秀なプロペラ機バンデランテス、ブラジリアを立て続けに発表、小型旅客機として日本を含む世界中の数多くの航空会社で運航され、成功を収めたが、国営企業のために赤字経営が継続、連邦政府は根本的な解決としてエンブラエルの民間売却、民営化に踏み切った。

国営時代の90年代から開発していた50人乗りの小型ジェット機「ERJ145」の販売と同時に35人乗りの短胴型「ERJ135」も開発、これが小型旅客機を望んでいた各国の航空業界の目にとまり、まさに飛ぶように売れ4年後には黒字に回復、2000年には半年で欧米の航空会社17社と契約を結ぶなど驚異的な成長を遂げた。

その後すぐに、一回り大きな70人乗り「ERJ170」、98人乗り「ERJ190」、108人乗り「ERJ195」の開発、今ではヨーロッパのエアバス、米国のボーイングに次井でカナダのボンバルジエ社と肩を並べる世界3位の航空機メーカーになっており、JALはエンブラエル社のリージョナル向けジェット旅客機「エンブラエル170」を日本で初めて導入している。

商業ジェット機、社用のエグゼクチブジェット機や軍用機など多機種揃えており、2007年のエンジニアは3838人、欧米各国に80コースの研修に参加、大卒は社員の29%、修士4.0%、博士2.0%で技術力向上や開発に投資を集中している。

90人が参加した10月の懇親昼食会の様子

左から講演者のエンブラエル社の横田聡元副社長/田中信会頭

                                 

                                  講演者のエンブラエル社の横田聡元副社長

日伯法律委員会に41人が参加して開催

日伯法律委員会(松田雅信委員長)が2009年10月8日午後4時から6時まで41人が参加して開催、ブラガ&マラフォン弁護士事務所のジュリアナ・ダ・シルバ・シニア役員は「RAT(労働災害リスク、旧SAT (労災保険))及びFAP(災害防止ファクター)への分担金:評価と該当性の必要」、フェルスブルグ弁護士事務所のカミーラ・カツンダ弁護士は「連邦国税庁訓令900/08号:裁判上、租税が非債弁済と決定した場合の行政相殺手続き」について講演した。

続いてカブラウ弁護士事務所のルッカス・ブリット弁護士は.「2009年11.941法の施行後、セキュリティ負債にて不適切な社員責任:法学での革新」、副委員長でアーネスト・ヤング法律事務所のクラウジオ・ヤノ部長は「会計監査コントロール」についてそれぞれ講演を行った。

左からフェルスブルグ弁護士事務所のカミーラ・カツンダ弁護士/ブラガ&マラフォン弁護士事務所のジュリアナ・ダ・シルバ・シニア役員/アーネスト・ヤング法律事務所のクラウジオ・ヤノ部長/カブラウ弁護士事務所のルッカス・ブリット弁護士

熱心に講演を聴く参加者

YKKのサッシ工場見学会

10月07日(水)、建設不動産部会(鈴木ワグネル部会長、本見学会にはホス建設の大滝守氏が代行)によりソロカバ市YKKアルミサッシ工場の見学会が30名参加の大盛況で実施された。

バスはサンパウロ市内から予定通り8時半に出発、車内ではYKK社の西村良二事業部長が懇切丁寧に同社の企業紹介を行った。途中ソロカバ市工業団地に立地する当所会員企業NIPRO MEDICAL社の横を通り、風力発電用風車を製造、ヨーロッパ諸国にも輸出する地場ベンチャー企業のWOBBEN社をバス車内から見学後、定刻通り10時にYKKのAP(建材)工場に到着。ソロカバ市には他の会員企業のKYOCERA(旧ヤシカ)、やIHARABRÁS等もある。

サッシ部門は1988年、サンパウロ州ジアデマ市で操業を開始、1999年に現在地に移転。300種類ものアルミ押し出し材を使って多種にわたるサッシ製品を扱っており、サッシ枚数で月間1万~1万2千枚の生産量を誇る。従業員はサンパウロの営業・施工管理・事務職員を含め約100人。西村氏及び同社スタッフ2名が、主に高層アパートで使われている窓枠サッシの製造工程を素人にも分かりやすく説明。工場内は整理整頓が行き届き全工程が一望出来る。

工場見学後、会議室にてビデオによる企業紹介が行われた。YKKグループの経営は創業者の吉田忠雄が唱えた「善の循環(他人の利益を図らずして自らの利益はない)」を企業精神とし、また「更なるCORPORATE VALUEを求めて」を企業理念として、ファスニング事業、工機事業、建材事業を主体としてグローバルに事業が展開され、その中で建材事業の成功の鍵は高品質、迅速性及び創造性にあるとしている。

また、サッシやガラスに対するメンテナンス方法など、日常の知識にも大変有利な情報を参加者は得ることができた。説明会の後、会議所の建設不動産部会を代表し大滝氏から西村氏へお礼の記念プレートが贈呈された。

工場内の食堂でYKK社提供の昼食を終え、予定通りの時間に同工場を出発、サンパウロ市内の出発地点、マクソードホテルに15時30分到着して今回の見学会を無事終了した。見学会は他業種からも大勢が参加し大盛況、事務局からは平田事務局長と私ALICEが同行した。

 

平田事務局長談話
 

素晴らしい5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)が行き届いた工場を久し振りに見学させて頂いた。

 

会議所事務所に戻ったら、正面玄関で参加者全員揃って撮った記念写真が先に到着、そのサービス・気配りには感激するばかり。

 

素人が見れば単なるアルミ鋼材に見れるが、顧客の好みで数百種に及ぶ組合せ仕様のある中で、見る見るうちに切断・組立・出荷と淀む無く流れ、人手を伴うニンベンが付く自働化には感服した。トラック運搬による納入時、時間規制のあるサンパウロ市条例への対応や顧客サービス体制に、現場の工夫と知恵が活かされていている。

 

文化や生活習慣の違う市場に適合する製品の設計、Q(品質第一)をベースとしたYKKブランドの死守、いずれもコストプッシュ要因の中、廉価な競合他社を相手に二律背反するシェアーの拡大、サンパウロ首都圏の20%シェアーを獲得、素晴らしい成績だ。

 

高層アパート10軒分に相当する月次出荷量の説明は、素人にとって非常に分かり易く、これから5年後にどれだけ増えるのか、今から楽しみにしている。

 

お昼ご馳走になった工場食もとても美味しく、従業員への福利厚生の手厚さを実感、有意義な見学会であった。異業種からの参加も多く、このような工場視察を通じ会員間の交流や相互啓発がさらに深まる事に期待したい。

 

 

YKKアルミサッシ工場見学会」感想文

 

                                                                                    ホス建設有限会社 大滝  記

 

                                                                                                                                              建設不動産部会は建設業のみならず、建設資材メーカー会社が所属されています。今回の「YKKアルミサッシ工場」の見学は多くの参加者を頂き盛会で改めてお礼を申し上げます。

窓サッシ枠は、外を見る時、窓を開ける時もあまり存在を意識されないで接しています。しかし、サッシは外の明るさや自然と接している居住エリアにとっては大事なエレメントです。サッシの種類は多くデザインが豊富で形状が複雑であることを見学できたと思います。建物は完成された機械類と同様に使用する部品数が多く、見えない所に多量の部品の集積で作られています。それらひとつひとつについて性能・品質が良い部品が集って耐久性のある建物ができております。

しかし、建物のデザイン、形は大量にあります。そのことで同じ完成部品をくりかえし大量生産ができない、工業化が進まない産業のひとつです。(注記:日本では近年、建設産業は自動化、工業化が進んでいます。)まだまだ手造りや技能に頼り、多人数が働かざる得ない建設業であることが理解頂けますと、今回の見学会の意義があります。

 

 

               

YKK社やアルミサッシ製造などについて説明するYKKの西村良二事業部長

               

熱心にアルミサッシ製造説明を聞く参加者

              

左から記念プレートを受け取るYKK社の西村良二事業部長/贈呈する大滝守建設不動産部会長代理

              

参加者全員で記念撮影

コンサルタント部会に7人が参加してアンケート調査実施で意見交換

コンサルタント部会(都築慎一部会長)は2009年9月30日正午から午後1時30分まで7人が参加して開催、アンケート調査実施で意見の交換を行った。

アンケート調査実施を前にアンケート方法、時系列データー、データー収集、欧米企業との比較、問題定義、コンプライアンス、実態調査、マネージメント、設問方法、フィードバックなど多岐に亘って意見交換を行った。

参加者は都築慎一部会長(デロイト)、佐々木光副部会長(ジェトロ)、関根実副部会長(個人会員)、押切フラビオ副部会長(大野&押切法律事務所)、山田唯資氏(個人会員)、破入マルコス氏(AUTHENT)、平田藤義事務局長

アンケート調査実施手多岐に亘って意見交換

左から都築慎一部会長/佐々木光副部会長

 

 

ブラジル日本研究者協会(SBPN)が3日間に亘り元総務大臣の竹中平蔵慶大教授などが講演した

ブラジル日本研究者協会(SBPN-仁井山進会長)とブラジル日本商工会議所の日伯交流シンポジウム2009が2009年9月26日から28日までブルーツリー・ファリア・リマホテルに100人以上が参加して開催、28日は竹中平蔵慶応義塾大学教授やゼツリオ・ヴァルガス大学の中野慶昭教授などの講演を前にSBPNの仁井山進会長、商工会議所の田中信会頭がそれぞれ開会挨拶を行った後、大部一秋総領事が竹中平蔵慶応大学教授の参加並びに竹中教授のブラジルのサポーター役に感謝の意を述べた。

元総務大臣の竹中平蔵慶大教授は「日本経済の展望」と題して、ブラジルの地上デジタル放送の日本方式採用で総務大臣をしていた2006年に始めてブラジルを訪問、すでに南米4カ国で日伯方式が採用されており、世界標準になる可能性がある。

今日は世界経済の位置、日伯の新たな協力関係や政権交代について話をするが、与党の時は何を話しても批判されたが、今では何を話しても失言にならないとユーモアに笑いを誘った。

世界経済は100年に1度の危機といわれ、グリーンスパンFRB前議長は50年か100年に1度の危機と言っているが、私は正解だと思わない、しかし金融危機の対応を誤れば100年に1度の危機になる。

世銀では今年の米国のGDPをマイナス3.0%から3.5%を見込んでいるが、世界大恐慌後の1932年のGDPはマイナス13.0%、失業率は現在の9.0%から10.0%を大幅に上回る25.0%であった。

私は100年に1度の危機を言い訳として使われることを心配しており、米国発のサブプライムによる金融危機といわれているが、米国のGDPの落ち込みは日本やヨーロッパよりも少なく米国の株価が先進国よりも高いのは説明できない。

ヨーロッパでは不動産バブル、ユーロやポンドが過大評価されていたし、石油価格が140ドルまで高騰して資源バブル、日本では円安バブル、トヨタやパナソニックは円安で膨大な収益を上げていたが、世界のマルチバブルは崩壊した。

新日鉄の三村社長は過去3年間の世界のGDPは大きすぎていたと述べ、私は世界経済の回復はU型ではなくW型を予想、リーマンブラザーズ破綻の2週間後に公的資金介入が議会で否定されたために、米国政府が救済を否定したために信用危機が発生して株価が下落した。

世界経済は底を打ち、エマージングカントリーが力強く、中国では銀行のクレジットが3倍に増加、第2四半期のGDPは年率換算で14%増加、来年は日本を追い越して世界2位に上昇、韓国も年率11%と大幅に回復、中国はGDP比4.0%の財政拡大をしているが、現在の政策は持続しない。

中国の3倍増加のクレジットは短期的には効果があるが、長期的には不渡りが増加するために政策を変更する必要があり、日本の不良債権処理には10年以上かかり、ガイトナープランのストレステストでは米国の不足額が予想よりも少なく、表面化していない不良債権が残っている可能性があり、金融機関の規制が厳密に行われているのかわからない。

地球環境、南サハラ地域の貧困問題、金融規制などのグローバル・アジェンダに対して、世界金融危機はわれわれに今までの組織以外のグローバル・ガバナンスに空白があることを認識させ、問題意識を共有する専門家のネットワークはフロンガス対策で初めて世界ネットワークができた。

提案1としてSBPNで金融危機に対応する知的貢献としてブラジルのモラトリアム、日本の不良債権処理でそれぞれ失われた10年を経験しており、日本とブラジルの比較研究で持続的経済成長できる解決するための政策採用に対する意見交換会の開催をしてほしい。

提案2として解決は容易ではないが、ラクイナサミット会議での2050年までの地球環境改善のための二酸化炭素の80%削減、日本は2020年までに1990年比25%削減、日本の省エネ技術は世界トップであり大いに活用する必要があり、両国でアイデアを出し合って協力してほしい。

日本のハイブリッド車は世界を席巻しているが、米国や中国はハイブリッドでは日本に勝ち目がないために、電気自動車の開発にしのぎを削っているが、全ての自動車が電気自動車になればCOは20%削減可能、また日本の休耕地全てソーラーパネルを設置すれば発電総量の50%に達する。

今回の自民党から民社党への政権交代は良いことであり、自民党が末期症状に陥ったのは政権交代がなかったからであり、政治の世界では「風が吹く」といわれるように、2005年の小泉チルドレンでの選挙圧勝、今回の民主党の圧勝は麻生政権に対して逆風が吹いた。民主党のマニフェストでは脱官僚、スエーデン型年金などは評価できるが、マクロ経済について明確な方向性が示されていなく、国家戦略局でのマクロプランの立ち上げが遅れているが、外交は無難なデビューとなったと説明した。

元サンパウロ州財務長官でゼツリオ・ヴァルガス大学の中野慶昭教授が「ブラジル経済の見通し」と題して、ブラジルは1930代以降から第一次産品輸出一辺倒から資本財輸入による工業化、第2次大戦による更なる工業化、金融危機をきっかけとして先進国への過渡期に突入、今年の先進国のGDPはマイナス4.0%が予想されているが、中国は8.0%の成長が見込まれている。

ブラジルの昨年の最終四半期のGDPは大幅に減少したが、公立銀行は民間銀行の信用収縮に対してクレジット拡大して国内経済の縮小に歯止めをかけ、今年のGDPは0%、来年は4.0%から5.0%の成長が見込まれ、工業製品税(IPI)の免税や減税で消費は拡大しているが、IPI減税政策中止後の国内経済が注目され、2番底の可能性は残されている。

1994年のレアルプラン以降はブラジル経済が安定してG-20などの国際会合ではルーラ大統領が存在感を示し、日伯デジタル方式ではアルゼンチン、ペルーやチリでの採用決定で南米諸国が追従すると見込まれている。

両国は不毛の地といわれていたセラード開発で大豆の世界輸出は2位として食料基地化に成功、ブラジルの人口は世界5位、熱帯雨林の1/3、真水は1/4を擁し、2億ヘクタールの耕作可能地の増加、輸出の世界トップは砂糖、コーヒー、エタノール、オレンジジュース、大豆、牛肉、鶏肉、葉タバコなど巨大なポテンシャリティーを擁し、鉱物では鉄鉱石が輸出・生産とも世界トップ、ボーキサイト3位、ウラン6位、ニオブは世界の埋蔵量の90%、タンタルは埋蔵量1位で生産は2位、マンガン5位、石油は岩塩層下原油の埋蔵量が確認されれば15位から4位になる可能性がある。

現在の完成品輸出は50%を占め、2050年には世界4位の経済大国になる可能性があり、今後はアグロビジネス、輸送や建設部門の成長が見込まれているが日本の技術とブラジルの天然資源の活用で世界を牽引できる。

しかし世界経済は今までのように米国内の消費の減少と同国向け輸出が減少するために依存率を減少させる必要があり、経済成長に伴ってインドと中国はコモディティ商品の消費が拡大するためにブラジルにとってはチャンスであり、またブラジルはコントロールされているインフレ、金利の低下、公共負債の低下、堅調な経済ファンダメンタルズ、60万人の雇用創出、経済成長加速プログラム(PAC)、1億人を突破したCクラス人口による消費拡大など経済成長要因がそろっていると結んだ。

JICA(国際協力機構)ブラジル事務所の芳賀克彦所長は「環境分野における日伯協力関係のインパクトとパノラマ」と題して、JICAの環境分野の協力取り組みとして無償資金、技術協力、二国間や多国間協力、ブラジルへの技術協力は1959年に灌漑施設で開始、2007年までに99億円で世界6位の協力をしている。

円借款では年利1.2%から1.7%で返済期間は25年、ブラジルでの円借款は1981年開始、1992年のリオのエコ会議から環境分野の協力が急増、セラード開発では30万ヘクタールで大豆生産、モザンビークのサバンナ気候と似ているためにセラードで取得した技術を移転する。

環境プロジェクトとしてアマゾン地域での熱帯雨林の違法伐採の監視を行うが、常に85%の地域が雲で覆われていても監視可能な人工衛星を投入、セラードでの生態系保全プロジェクト、北大河州でのひまわり栽培によるバイオジーゼル生産の商業化システム、アマパ州のマングローブの森林保護,サンベルナルド市のビリングス湖の都市環境事業、アマゾンでの森林農業やCO2吸収率の研究や気候変動の予測シュミレーション・プロジェクトなどについて説明した。

JICAの小野誠氏はALOSサテライトでの違法森林伐採監視システムでは雲の影響を受けないシステムであり、4人の専門家を派遣してブラジル側に技術移転プロジェクトとして1年目は教育プログラムや資料の作成、2年目はシステムの改良や問題点の掘り起こし、3年目はブラジル人主導でシステムの稼動並びにサポートする。

同サテライトは2週間でアマゾン全域が監視可能で違法伐採防止に大きく前進、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)はINDICARシステムを構築、JICAはテクニカルシステムのアドバイス、SARデーターの技術移転やブラジル人技術者の日本でのトレーニングなどについて説明した。

グリーンピースのロベルト・キシナミ元理事は「気候変動」と題して、Earthシステム、ヒューマンシステム、二酸化炭素増加による温暖化、温暖化による海水の上昇、温暖化ガスの種類と影響、京都議定書による各国の削減目標値並びにCO2増加、新興国のインドや中国でのCO2削減の必要性を述べた。

また唯一CO2削減するには経済成長率が低下すれば2020年からCO2は減少に転じ、コペンハーゲンでは2013年から2020年のCO2削減についての話し合いなどを説明した。

サンパウロ州政府のジョゼ・リカ氏は「持続可能な工業開発による恩恵」と題して、ブラジルの鉱工業を牽引するサンパウロ州の人口は4,000万人、州政府は地下鉄やパウリスタ都市圏鉄道公社(CPTM)への投資額は42億レアル、輸送部門50億レアル、都市衛生25億レアル、住宅16億レアル、治安関連に10億レアルを投資して85万人の雇用創出を見込んでいる。

商品流通サービス税(ICMS)は119セクターで減税を実施、サンパウロ州立銀行(ノッサ・カイシャ)をブラジル銀行に譲渡して10億レアルを投資向けファイナンスに活用、技術高校や技術大学の増設、港湾、道路、空港、鉄道、アルコールパイプライン、水路開発投資などについて説明した。

最後にJICAの芳賀克彦所長とサンパウロ州環境公社(CETESB)のフェルナンド・カルドーゾ・レイ代表が第3国への技術協力協定で調印した。

元総務大臣の竹中平蔵慶応大学教授は「日本経済の展望」と題して講演

元サンパウロ州財務長官でゼツリオ・ヴァルガス大学の中野慶昭教授が「ブラジル経済の見通し」と題して講演

100人以上の参加者は熱心に講演会に聞き入っていた

左から大部一秋総領事/SBPNの仁井山進会長/田中信会頭

第3国への技術協力協定で調印したJICAの芳賀克彦所長とサンパウロ州環境公社(CETESB)のフェルナンド・カルドーゾ・レイ代表

 

ノンフィクション作家山根一眞氏の「環業革命~エコ時代の日本のモノづくりと世界貢献」に100人以上が参加して開催

サンパウロ州工業連盟(FIESP)と在サンパウロ総領事館共催のノンフィクション作家山根一眞氏の「環業革命~エコ時代の日本のモノづくりと世界貢献」講演会が2009年9月25日午前9時から午後1時まで100人以上が参加してFIESP講堂で開催した。

山根さんは今から38年前に初めてブラジルに自衛隊の練習艦隊に乗ってきたのはジャーナリストでサンパウロ新聞東京支局の日下野良武さんが押し出してくれ、3ヶ月かけてサントス港に着いた時には数万人の1世が出迎えてくれた。

陸路でアマゾンに1ヶ月かけて行き、トランス・アマゾニカ道路が開通して1週間後に1,200キロメートルを踏破したが、アルタミラはアメリカの西部劇と同じで自己防衛のために皆がピストルを提げていた。

またトランス・アマゾニカ道路はモーゼの十戒と同じ様に高さ40メートルの森林が両方の道路わきに延々と続いていたが、最近では水平線が見えるようになり、来るたびに胸が痛む。

環境に関心を持ったのはアマゾンが原点であり、私は文型のジャーナリストであるが、理系に興味があり、一般の人にわかりやすい話しができると思うと述べ、なぜ温暖化が悪いのか、なぜ発生したのか、世界の人は理解をしていない。

なぜ二酸化炭素排出が悪いのか、見えないものを論じることは非常に難しく、アマゾンの熱帯雨林がCO2を吸収したのは見えないが、日本のすばらしい衛星では目に見えることが可能となる。

今年の1月23日に衛星「いぶき」打ち上げて 宇宙から温室効果ガス濃度を10月から観測開始、結論はわれわれがどういう生き方をするかが重要となる。
飛行機から見たアマゾン上空の雲はアマゾンにしかない独特の雲であり、森林から水蒸気となって雲になって雨を降らして、アマゾンに来てよかったと思うが、私の乗っている飛行機はCO2を排出しているためにCO2を出さない飛行機を開発しなければならない。

石油燃料以外の飛行機の開発が必要で液体酸素と水素燃料の飛行機を製造して宇宙に出れば45分で世界一周が可能、日本からブラジルには28分で来ることが可能で技術の進歩は新しいものを造り、人類の力と工業の力で克服しなければならない。温暖化対策は負担が大きいが、新しい産業が生まれてそれ以上の恩恵を受けることが可能となる。

資源のない日本では日本人が努力と情熱を持って世界2位の経済力を持つ国となったことに私は誇りを持っており、日本の知性とブラジルの資源で緊密に協力して世界のために役に立つことを実行して行ければすばらしい。

私はロシアのサンクトペテルブルグ、モスクワ、アマゾン日本人移民80周年記念でトメアスー、マナウス、リオそして今、サンパウロで講演しているが、今回の世界10ヵ所の講演でロシアでの環境に対する認識が高いこと分かり、経済を牽引している BRICsの一国であるブラジルのFIESPがBRICs諸国に呼びかけて環境フォーラムを開催すればすばらしい。

1996年にパラー州で国際環境フォーラムを開催して18時間の議論をし、坂口陞(のぼる)さんが森林農業について講演、しかし誰も実行を希望する人はいなかったが、今ではトメアスーで日系人200家族、トメアスー周辺のブラジル人の5,000家族が森林農業を採用して今後はアマゾンの森林は回復、また森林を伐採して放牧するよりも収益率が高く、日本人の貢献に誇りを感じている。

ガーナではカカオ栽培に農薬を使って食品の安全性で問題があり、食品の安全性に厳しい日本では大手製菓が無農薬栽培のトメアスーのカカオ購入の契約を行い、日本人が栽培しているものは安全であり、チョコレートが売れれば森林が増えるサイクルとなり、80周年記念では最もすばらしいニュースとなった。

1997年にトメアスーで私が植えた木が残っており、日本と比べればすごい成長が速く、ブラジルは森林も天然資源も恵まれて遠大な可能性があり、神様は不公平であるが、温暖化になれば寒いところでも作物栽培が可能と間違った考えを持っている人もいる。

1992年にリオ市の地球環境サミットで「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」が提起されたのが原点であるが日本は不参加、その後1997年に京都議定書で具体的なスタートを切った。

2034年には世界の人口は100億人を突破、特にインドと中国の化石燃料消費が大幅に増加してCO2排出が急増、講演を行ったサンクトペトロブルグ、モスクワ、ベレンでも車の大渋滞が発生している。

岩塩層下原油発見でルーラ大統領は「舞様のお恵み物」と感激、原油埋蔵量は現在がピークであり、消費は益々拡大して行くためにエネルギーとしての消費を転換する時期にきているためにリサイクルしなければならない。

日本でも最も気に入っている福井県の一乗谷朝倉氏遺跡は自動販売機設置が禁止されており、日本の美しさはこの場所に凝縮されているが、100年間で初めての大水害で大きな被害が発生、温暖化の影響で海水温度が上昇するために世界中で水害が発生、インドネシアでは森林火災、中国では砂嵐発生、スイスではサハラ砂漠の熱風の影響で氷河が減少している。

1970年代の北九州市は7色の煤煙、洞海湾は水質汚染被害が酷くて生物が生存できなかったが、工場排水処理の環境技術で水質が改善、今ではリサイクル団地の北九州エコタウンセンターが誕生して世界中から見学に訪れている。

日本が開発している4メートルの高さの波のある海にも離着陸できる水上飛行艇US-2は12トンの水を積載できるために、無害な消化剤との混入で世界中の森林火災消火に役立つと見込まれ、日本企業は今までの1/30の水量で火災鎮火できる消化剤の開発も行ってコストダウンに結びつく。

日本では金融危機の影響で車販売は大幅に減少しているが、ハイブリッドカーのプリウスは売上げトップ、燃費が分かるパネル表示もあり、1リットル40キロメートル走れるために経済的であり、エコロジーはコスト高と考えられていたが、エコロジーはエコノミーであり、今後の本流は電気自動車になると見込まれている。

山根さんは環境問題を話し合う時に説得力をつけるために自宅をエコハウスにして山根式天然住宅システムとして雨水、ソーラーパネル、蓄電、人工降雨装置、地下水、熱交換器などを利用して、大切なお客を迎える時には虹を発生させる。

また太陽が届かない深海に「深海6400」で潜った時に320度の熱水からメタン、硫化水素を食べている微生物を食べるカニを見た時は生物は環境に合わせて生きている生命の神秘さを確認、人類は多様性の生物の世界を滅ぼしてはいけない重要性に目覚めなければならないと結んで講演を終えた。

講演中のノンフィクション作家山根一眞氏


山根氏の環境問題講演を会場一杯の参加者が熱心に聞き入る


ジャパンデザイン展示会のオープニング式に平田藤義事務局長が参加

ジェトロ・サンパウロセンター(佐々木光所長)は9月22日午後7時からショッピングセンター・イグアテミー(Shopping Center Iguatemi)3階でジャパンデザイン展示会のオープニング式を開催、アンテナショップでは日本の優れた伝統的なデザインの工芸品の展示並びに即売会を行った。(展示会は10月4日まで開催)

オープニング式にはジェトロ海外市場開拓部の石田靖博主幹、同課の赤澤陽平氏に交えアンテナショップのコーデネ-ター役のアンジェラ 平田(全世界にビーチサンダルを広め一躍有名)が参加者を笑顔で出迎えた。

大部サンパウロ総領事をはじめ小林首席領事、加藤経済担当領事また国際交流基金からも内山所長等も駆けつけ、大勢の一般参加者が展示会場を埋め尽くした。即売にも列が並び初日から大盛況。会議所からは平田藤義事務局長が参加した。

平田事務局長談話: 日本の中小企業の海外展開を含む活性化策としてもジェトロがいち早く取り組み、金融危機の煽りを受け元気を失っている日本の中小企業に活路を提供、国益にも沿っている企画に絶賛を表明。又ブラジル進出企業の大半は大企業で占められている現状を直視、これを機会に中小企業の進出にも弾みが付けばと期待を寄せた。

詳細はTEL 3141-0788 月曜日から土曜日 午前10時から午後10時 日曜日は午後2時から8時まで開催


アンテナショップ出展企業

インテリア/アクセサリー関係
谷口和紙 株式会社(鳥取県)
有限会社 沖宗(岡山県)
京都 舞衣夢(京都府)
有限会社 アキ工作社(大分県)
株式会社 木村桜士堂(京都府)
株式会社 細尾(京都府)

テーブルウエア/キッチン用品
三宅陶器 株式会社(岐阜県)
株式会社 添島勲商店(福岡県)
富士カトラリー 株式会社(新潟県)
盛高鍛冶刃物(熊本県)
株式会社 井助商店(京都府)

アパレル
株式会社 エコマコ(長野県)
ブルーウエイ 株式会社(広島県)
株式会社 ビッグジョン(岡山県)