日伯法律委員会(石川清治委員長)とコンサルタント部会(佐々木光部会長)共催の税制変更セミナー2008が5月14日午後1時から6時までクラウン・プラザホテルに93人が参加して開催、進行役はクラウジオ・ヤノ副委員長が務め、初めに石川清治委員長が開催挨拶を行なった。
最初の講演はネルソン・スギモト弁護士が「デジタル会計方式(ECB)及び法人の公共デジタル会計システム(SPED)」の概要、実施、導入コスト、リスク、効果などについて説明、マウリシオ・バーロス弁護士は「税制改革の主要点」と題して、税制のシンプル化、減税プロセスの前進並びに企業誘致優遇税戦争の終焉を目的の税制改革、社会統合基金(PIS),社会保険融資納付金(Cofins)並びに経済支配介入納付金(CIDE)が連邦付加価値税(IVA-F),商品流通サービス税(ICMS)が州付加価値税(IVA-E)に変更、憲法補足法案(PEC)公布後2年間かけて徐々に実施される社会納付金の廃止などが予想されているが、不明瞭な問題点の多いことを強調した。
ジョージ・ザニネッチ弁護士は「ICMSのリフォーム並びにIVA-Fの導入」と題して、税制改革の目的として複雑で負担の重い税制、ブロクラシーの改善、連邦税並びにICMS税の簡素化、資本財やサービスにかかる間接税や税制改正、投資・開発を阻害する税制の排除、企業誘致の優遇税戦争の終焉、ICMSの問題点や改正について説明した。
アニー・マツムラ弁護士は「新しいセクターへの新税制 ICMS/SP」では飲料、タバコ、自動車、タイヤ、セメント、塗料のメーカーや輸入業者への新税制のコンセプト、税率計算方法、新税制と旧税制の税率比較について説明、シジネイ・スタール弁護士は「PIS/COFINSの基礎計算とICMSとの関連」について、ICMSとPIS/COFINSとの関連の疑問点について説明した。
20分のコーヒーブレーク後に、ジェオルジオス・アナスタシアジス弁護士は「ソフトウエア税制」でスタンダードや市販ソフト、特別注文ソフト、ハイブリッドソフトやCD-ROM、ダウンロードのライセンス、輸入ソフトにかかる輸入税(II)、工業製品税(IPI),PIS/COFINS、ICMS、サービス税(ISS)について説明した。
マルセロ・ロドリゲス弁護士は中銀が輸出業者に対して輸出代金の30%を外貨で海外口座に保管できる条件を100%に拡大、海外での資本投資、金融投資はできるが、資金運用しない場合は360日以内にブラジルへの資金移送が必要、輸出関連の法人税や純益に対する社会納付金(CSLL),PIS/COFINSについても説明した。
エリエッテ・リベイロ弁護士は「革新技術に対する優遇税」と題して、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインに沿ったコンセプト、資本財やサービスなどの製品や製品開発プロセスのイノヴェーション、新素材の開発、ヘルシー食品の開発、製品完成のスピード化促進などに適用され、法人税(IRPJ)や純益に対する社会納付金(CSLL)の大幅な減税が適応されると説明した。
最後にエヴァニ・オリベイラ・パセ弁護士は法令11638/2007の変更として、株式会社改正法による会計、財務諸表の変更、国際会計基準に合わせるための変更点、会計監査純益の計算方法、吸収・合併、社債発行のプレミアム法人税、PIS/COFINSでの効果などについて説明した。
エリエッチ講師/ヤノ副委員長/石川委員長
バーロス講師/スギモト講師/ヤノ副委員長/石川委員長
ロドリゲス講師/アナスタシアジス講師/オリベイラ講師
ザニネッチ講師/マツムラ講師/シジネイ講師
熱心に講演に聞入る参加者
コーヒーブレークで意見交換