2007年度税制変更セミナーが4月20日に100人以上が参加して開催された

日伯法律委員会(押切フラビオ委員長)並びにコンサルタント部会(渡邉裕司部会長)共催の「2007年度税制変更セミナー」が4、月20日午後1時から午後6時30分まで、クラウン・プラザホテルに104人が参加、進行役はクラウジオ・ヤノ副委員長が担当、12人の弁護士がプレゼンテーションを行なった。

初めにロドリゴ・ムニョス弁護士(アーネスト&ヤング)が、違法の法人税申請の罰金に関する変更点として、暫定令303号の失効、暫定令351号における有効期間の延長、納税期間後の罰金、法人税(IRPJ)及び純益に対する社会納付金(CSLL)の前払いなどについて説明した。

アドルフォ・ベルガミニ弁護士(ブラガ&マラフォン弁護士事務所)は、連邦・州の電子伝票の施行と題して、第1フェーズとして昨年からバイア州、サンパウロ州、南大河州、サンタ・カタリーナ州及びマット・グロッソ州で、商品流通サービス税(ICMS)と工業製品税(IPI)の電子伝票を試験的に実施、今年は第2フェーズとして多数の企業が参加して行なわれている。

電子伝票実施によるベネフィットとして、伝票を5年間保管するスペースが省けて、コントロールも簡単になり、連邦政府の電子伝票ソフト使用で間違いが少なり、税制に長けた専門が不要になるが企業の色々な情報が漏れる危険もあると説明した。

続いてジョゼ・マリア・アンドラーデ弁護士(ガイア,シルヴァ、ロリン弁護士事務所)は、連邦政府はスーパーレセイタについて、国税庁及び国立社会保険院)INSS)が合体して、スーパーレセイタ(スパー国税庁)を目指したが、INSS側の抵抗でアドミニストレーションの一部がスーパー国税庁の管轄に移行したと説明した。

セルジオ・ドアルテ弁護士(デロイト・トウシュ・トーマツ法律事務所)は、法人税の二重課税条項の変更について、ブラジルはデンマーク、チェコやノルウエーとの間で、企業の利益送金や法人税で二重課税防止条約を締結、また今年1月からメキシコとの間でも締結したと述べた。

エリオ・ホンダ弁護士(ホンダ、ディアス弁護士事務所)は企業誘致のためのICMS税の優遇に関する違憲性について、企業や商業の州内への誘致では、ICMS税の優遇で企業誘致にしのぎを削っており、多くの大企業がサンパウロ州からICMS税を大幅に優遇している北東地域、バイア州ヤエスピリット・サント州に移転しているが、違憲性が疑われていると述べた。

ファビオ・アルヴェス・マラネジ弁護士(KPMG)は、インフラ開発の特別待遇制度−REIDIについて、経済成長加速プログラムでは、民間部門からのインフラ投資に対して特別待遇制度を準備、インフラ投資基金の設立、金利の低下、再保険の市場公開などで活性化させると述べた。

エヴァニー・オリベイラ・パセ弁護士(プライスウオーターハウス法律事務所)は、2007年度の社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)税の変更点と題して、PACプログラムの建設業の労賃に対するPIS/Cofins税率の変更、機械・装置購入の減価償却に関するCSLLのクレジット、計算方法変更などについて説明した。

ジアンカルロ・マタラーゾ弁護士(ピニェイロ・ネット法律事務所)は、従業員の海外転勤と題して、1年以上海外で勤務する場合は、海外勤務にとしてブラジルの会社から海外に勤務先を移すと所得税の申告をしなくても良いが、労働契約書を作成する必要がある。また勤続期間保障基金(FGTS)や社会保険院(INSS)などの権利は継続して保障されると説明した。

パウロ・カルドーゾ弁護士(フェルスベルグ、ペドレッチ、アイダール弁護士事務所)は、企業内及びアウトソーシング企業のプレミアム支払いについて、従業員のモチベーションアップにメダルやトロフィー授与以外に、賞金付クレジットカード支給に関する違憲性、ある特定企業の製品のスーパーでの売上げアップにプレミアム支給での違憲性について説明した。

カミーラ・マルケス・ラグラスタ弁護士(トレンチ、ロッシ、ワタナベ弁護士事務所)は、CIDEローヤリティの変更について、CIDEの歴史、使用ライセンス、計算方法及びクオッタ、最先端技術移転のないソフトウエアのライセンス使用料の無料化及び積立金のクレジット化について説明した。

ノリアキ・ネルソン・スギモト弁護士(サエキ弁護士事務所)は、連邦高等裁判所のPIS/Cofinsの払戻しに関する最終判決について、Pis/Cofins税の計算、払い戻し、消費財のクレジット、特別税のクレジットに関する説明を行なった。

最後にジョゼ・カブラウ・ジュ二オール弁護士(カブラウ弁護士事務所)は、税金の不当支払いに関する払戻しについて、連邦高等裁判所の税金の過重不当徴収での払戻しについて、色々な判決例を挙げて説明した。

 

田中信会頭は4月20日にAnfavea/Sinfaveaの執行部就任式に出席した

田中信会頭は4月20日午後8時からモンテ・リバノクラブで開催された、2007年-2010年度の全国自動車工業会(Anfavea)並びに全国自動車・トラック・トラクター工業組合(Sinfavea)の執行部就任式に参加した。

Anfavea 及びSinfaveaの新会長はジャクソン・シュナイデール氏、第1副会長はヴァレンチーノ・リジオリ氏が就任、Anfaveanoの副会長はアルベル ト・マイヤー氏、アントニオ・メガレ氏、カルロス・エドアルド氏、Sinfaveaの副会頭はマウロ・マルコンデス氏、ペルシオ・パストーレ氏、ロジェリ オ・ゴルファルビ氏

 

労働問題研究会が4月19日午後4時から30人が参加して開催された

企業経営委員会(石川清治委員長)の労働問題研究会が4月19日午後4時から6時まで、商工会議所会議室に30人が参加して開催、進行役は破入マルコス副委員長が担当した。

講師のカリーナ・ロベルタ弁護士は、ブラジルは1972年から100人以上の従業員を有する企業に労働安全管理及び従業員用に医者の待機を義務付けているパイオニアであるが、労働事故や増加傾向にあり、企業の負担が大きくなってきている。

今年2月に法令6042/07で労働災害保険率(SAT)の変更と事故予防要因(FAP)の導入を決定、FAPは2008年1月から発効するので、各企業は人事部を含めた安全管理に対して準備を始める必要があると説明した。

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近藤健書記官の政治セミナーが4月18日に開催された

ブラジル日本大使館政務班の近藤健書記官のブラジル政治セミナー「第2期ルーラ政権の展望」が4月18日午後4時から6時半まで、商工会議所会議室に55人が参加、今回4連連続4回目の研ぎ澄まされた洞察力とブラジリアの現場の裏話や足で稼いだ貧困ブラジル人のルーラ大統領に対する人気の根源に迫る話など、人を引き込む話術に参加者は感服していた。司会はコンサルタント部会の赤嶺尚由副部会長が担当して、近藤書記官の略歴を紹介した。

近藤書記官は初めに、昨年の政治セミナーでルーラ再選を皆さんの前で予想したが、再選されたので頭を下げずに済んだと笑わせて、3月末に5ヶ月もかかってやっと組閣ができたので、政治の動向が見えてきた。

決戦投票に縺れ込み再選が心配されたが、蓋を開けてみれば60.83%で圧勝、この5ヶ月間で、野党から与党に鞍替えする議員が相次いだが、これは大統領の求心力が一段と強くなっている証拠であり、またルーラ大統領のカリスマ性で、第二次政権スタート早々の支持率は49.5%と非常に高い支持を得ている。

下院議員及び上院議員数で最大のPMDB党など多くの党が、ルーラ大統領のPT党と共に連立与党を形成しているが、PMDBは利権や人事ポストを重視する政党になりさがり、PT党不支持であったテーメル党首がルーラ大統領に取入り、閣僚数を第一次政権の2席から5席に増やし、また公社や局長クラスのポストで盛んに交渉中である。

ルーラ第一次政権時は周りを経験の薄いPT党の政治家を重宝したために、権力闘争に明け暮れ、またメンサロンなどの政治スキャンドルでジルセウ文官長は議員権を剥奪され、パロッシ蔵相やグシケン広報長官も政権の中軸から去っていった。

ルーラ大統領が閣僚に抜擢して重宝しすぎたPT党の政治家で一杯だった第一次政権よりも、実務的で従順な政治家が多い二次政権のほうが気楽であり、また大統領の影響力も増大してきている。

二次政権のルーラ大統領の意向として、「歴史に名を残したい」ことが、最も頭の中を支配しており、工業化を進めたクビチェック大統領をなぞらえて意識しており、PACプログラムによるインフラで目に見える成果を残したいが、失敗回避が最重要項目であり、絶対に無理はしないので、現在の国内や国際シナリオは好調に推移しており、無理をしなくてもそこそこの経済成長率達成は容易であり、インフレを再燃させる急激な金利や為替政策は採用しない。

与党内でもドラスティックな経済成長路線への舵取りをルーラ大統領に進言する政治かもいるが、ルーラ大統領は採用しようとはしないし、目に見えない優先度の高い構造改革の効果が現れるまでに、10年以上かかるので手を付けないし、社会格差是正で貧困層の購買力アップ、経済安定及びある程度の経済成長ができれば、ブラジル初の左派大統領として歴史的評価をされるので無理はしない。

また1,100万家族にばら撒いているボルサファミリアでは、最高95レアルでそれほど政府負担が大きくないので上手くいっており、近藤書記官が大統領選挙前に東北伯で聞いた話では、特に田舎では現金収入を得ているのは公務員及び年金生活者しかいなかったが、ボウサファミリア支給で貧困家庭にも現金が回りだし、最低賃金の大幅上昇でこれに連動して現金が回りだした。

補助金制度は昔から存在したが、学歴の低い人が多い貧困層は誰から支給されているのか解らなかったが、ルーラ大統領は宣伝が上手く、皆がルーラ大統領から支給されていることを知らされたために、ルーラ人気に直結した。

また1月の発表したPACプログラムでは民間の投資を期待しているが、今までの寄せ集めの政策であり、ある程度の成長は見込めるが、政治発表ほど成長はしないと見ている。また社会保障改革と税制改革はある程度達成できるが、やるなら今年中に着手しないと間に合わない。税収の8%に相当CPMF税と政府は歳入の20%を自由に使えるDRUは時限立法でもうすぐ期限が切れるので、財源確保のために今年中に延長することが最優先であり、州税ICMSの見直しとIVA実施くらいしか行なわない。

労働改革では労働者の既得権利保護を主張するルピ労働相では何も変わらないと述べ、必要に迫られている大幅な構造改革、為替、金利や経済成長は期待できないが、国内外の好調な経済シナリオで、何も変わらなくともある程度の経済成長は可能であり、大きな変動なしにルーラ大統領は政権を全うするのではないかと述べて講演を終了して大きな拍手が送られた。

質疑応答では、ブラジルにとってエタノールで大きく飛躍できるか、ICMS/DRUの延長について、税制一本化は可能か、税制改革に手を付けないのでブラジルコストをどのようにして下げるのか、ヴェネズエラのシャーベス大統領に主導権をとられているが、第一次政権はスキャンダルにまみれ、第二次政権では何も行なわないのでは、どうやって歴史に名を残すのかなど多岐にわたる質問に、皆が納得する回答をだして参加者をうならせていた。
(以上これはあくまでも近藤健書記官の個人的見解です)

 

4月12日の日伯法律委員会に29人が参加

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日伯法律委員会(押切フラヴィオ委員長)は4月12日午後4時から6時まで,商工会議所会議室に29人が参加して開催、進行役は押切委員長が担当した。

初めにワイネ・ペロン弁護士が、トレーディングカンパニーによる商品輸入とオーダー輸入に対する課税の違いについて,各州での税率に違いによるクレジットなどについて説明した。続いてレオナルド・コルデイロ弁護士は、 消費財購入におけるICMSクレジットについて、包装材料、第1次産品、中古品に対する解釈でも、ICMSクレジット率に違いがでると説明した。

アレサンドラ・クリハラ弁護士は、抱き合せ販売について、某ファーストフードチェーンは子供向けに玩具を付けてハンバーグを販売していたが、消費者保護法及び自由競争保護法に反するために、今では玩具のみの販売もしていると説明した。最後にアドリアーノ・ムナリ弁護士は、外資登録のない資本について、海外資本に関する法律の変動の推移を説明、すでにブラジルに進出している外資でも正規登録をしなければならないが、それほどブロクラシーはないと説明した。

ゲーデス元農相を迎えて昼食会が4月13日に開催

定例懇親昼食会が4月13日に131人が参加して開催、知識豊富で親日家のゲーデス元農相のアグリビジネスの講演に聞入っていた。

 商工会議所の定例懇親昼食会に、ゲーデス元農相を迎えて4月13日正午からインターコンチネンタルホテルに131人の会員化参加して開催された。 司会は平田藤義事務局長が毎回の手馴れた進行手順で滞りなく進め、ルイス・カルロス・ゲーデス・ピント元農相が「農業とブラジルに於けるアグリエネルギー」と題して、幼少の頃から日本人と接し、大学はピラシカーバ農大に進んだが、学友の30%は日系人であり日系人と共に農業を学んできたと述べ、日系人の努力、能力、組織力がブラジル農業の発展に大きく貢献したことを目の前で見ており、日系人のブラジル農業に対する貢献は疑う余地がないことは目に見えていると強調した。

初期の日本人移民は農業分野で計り知れない貢献をしており、若い世代のブラジル人は日本のハイテク産業しか知らないが、60年代のJICA支援によるセラード開発など日本移民のブラジル農業に対する貢献は計り知れないと述べ、GDPの27%はアグロビジネスからの生産であり、ブラジル貿易の輸出の37%は農業関連であり、この15年間で2倍以上に増加した。

2002年と昨年では99%も農業関連輸出が増加しており、世界で唯一、木を1本の切ることなく1億ヘクタール耕作地拡大が可能な国であり、現在、1億2,000万ヘクタールに2億頭の牛を放牧しているが、これを1へークあたり1.3〜1.4頭に引上げると、7,000万ヘクタールの放牧地が耕作地に変換可能でアマゾン流域に及び心配がないと強調した。

広大な耕作可能な国土、恵まれた気候及び豊富な水資源を有しているブラジルは世界でも唯一残されためぐられた国であり、また1960年代の石油危機でアルコール車開発に着手していたブラジルは、新車のフレックス車販売が80%以上に達する現状であり、テクノロジーの蓄積がアフリカやアジア諸国の砂糖キビ栽培の技術蓄積を有しており、砂糖キビ栽培での技術面での協力には欠かせない存在になっている。

 先日の訪日時に色々な政府関係者や実業家と話合ったが、将来的に日本でのバイオ燃料10%の混入の可能性の感触を掴んだが、ブラジルはエタノール供給を独占する意図は持っておらず、熱帯圏の貧しい国もエタノール生産になることを歓迎しており、エタノール生産では最大供給国ブラジルがリーダーシップをとって世界の供給国を引っ張って行きたいと述べた。

 この30年間の農業生産技術の進歩で収穫量は2倍になっており、栽培面積は今までの50%で充分賄える可能性が十分であり、また小型水力発電所建設では再生可能エネルギーで汚染発生させないエネルギー開発で、将来の夢である水素からのエネルギー取得までは主流になると思われる。

 ブラジルの食肉輸出は伸びているが口蹄疫感染で、日本、韓国や米国への浸透が難しいが、日本の食肉検疫は世界で最も厳しくて簡単には食肉輸出できないが、ブラジルはすでに牛肉輸出では世界トップとなっている。 またブラジルと米国やヨーロッパとのFAT締結では、農業部門の合意が障害になっており、ヨーロッパでは農業の平均補助金は34%、米国は18%であり、日本は58%と世界トップであるが、ブラジルは対照的にニュージーランドの2.0%に次ぐ3.0%で世界でも最も農業部門は解放されているが、農業問題が立ちはだかっている現状ではドーハの進展はなく、G20のリーダーを自認しているブラジルはメカニズムを早急につくる必要があると述べた。

 また世界の国々はブラジルの熱帯雨林伐採による砂糖キビ栽培を非難しているが、実際にはブラジルは世界でも最も森林破壊の少ない国であり、欧米諸国から非難される森林破壊は行なわれていないと強調して講演を終え、盛大な拍手を受けた。

 昼食会は特別ゲストのゲーデス・ピント元農相、大竹茂日本大使館行使、西林万寿夫サンパウロ総領事がそれぞれ紹介され、押切フラビオ日伯法律委員長が4月20日に開催される税制セミナーの案内及び月例会の参加を呼びかけた。

 引続いて対会議所代表交代挨拶では、日立ハイテクノロジー・ブラジル社の山田修三新社長,フジフィルム・ブラジル社の野田芳雄新社長、ホンダ・サウスアメリカ社の峯川尚新社長がそれぞれ着任挨拶を行なった。

 続いて新入会員紹会ではマットス・ムリエール・ケストネール法律事務所のマルセロ・アントニオ・ムリエール代表、クイック・トラベル・アジェンシアのマサキ・フミオカ代表、ブッシュマン弁護士&コンサルタント社のマルクス・ヴィニシウス代表がそれぞれ新入会員挨拶を行なった。 

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自動車部品製造のユタカ・ド・ブラジル社は4月12日午前10時から定礎式を行なった

自動車部品製造メーカーのユタカ・ド・ブラジル社は4月12日午前10時から、サンパウロ均衡のジュンジアイ市ファスグラン工業区内の新工場建設地に、ユタ カ技研本社から高林優社長、前川直弥ユタカ・ド・ブラジル社長、西林万寿夫サンパウロ総領事、阿部勇戸田建設社長など70人が参加して、盛大に定礎式を行 なった。商工会議所からは田中信会頭及び平田藤義事務局長が出席した。 

 ユタカ社は年商1,007億円、従業員は約1,000人で、環境マネージメントシステムや地域社会へのコミュニケーション及び環境に優しいグリーンファクトリーを目指している。

 

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