2006年2回目の貿易部会

今年2回目の貿易部会が7月26日午後4時から開催、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

今年2回目の貿易部会(中村純一部会長)が7月26日午後4時から5時まで商工会議所会議室で開催、8月3日の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった。

渡邊裕司副部会長が作成したブラジル貿易概況の上半期の実績と通年の見通しの資料を基に、中村部会長が資料を読み上げて、参加者が意見交換して発表資料を纏めた。

上半期の貿易収支黒字の減少、輸出価格の上昇が輸出増加を下支え、原油の大幅な輸出増加、アフリカ諸国向け粗糖、自動車や航空機の好調な輸出、天候不順による大豆の減産、輸入耐久消費財の増加、中国から急増する電気電子部品、ニューキャッスル病発生の影響、ブラジルの貿易額に占める日本のシェア、高い水準を維持する貿易黒字などが話題になった。

出席者は中村部会長(丸紅)、渡邊副部会長(ジェトロ)、宮田氏(住友商事)、三分一氏(島津)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

060726 貿易部会2

金融部会は業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った

金融部会は7月25日正午から開催され、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った

 

◆ フォトギャラリー


金融部会(福田勝美部会長)は7月25日正午から2時まで、商工会議所会議室に10人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で、意見の交換を行なった。

事前に福田部会長が作成した資料を読み上げながら、それぞれが意見を述べて修正などを行い、発表資料を作成してシンポジウム前に参加者全員に配布する。また保険業界の発表資料は土村副部会長が作成、読み上げながら意見の交換を行なった。

2006年上期は米国経済の減速感や金利上昇、エマージングマーケットから米国国債への資金の逃避や石油の高騰などで国際金融市場が荒れたが、6月にはブラジルの実態経済は引続き順調に拡大、下半期には大統領選はあるが、候補者の経済政策に大きな違いはなく、インフレのコントロール、好調な輸出による為替、金利低下など安定しており、順調に推移すると予想されている。

参加者は福田部会長(みずほ銀行)、松岡副部会長(三井住友銀行)、土村副部会長(安田保険)、小宮氏(ブラデスコ銀行)、小渕氏(三菱東京銀行)、宮原氏(三井住友保険)、藤井氏(東京海上)、金田氏(ウニバンコ銀行)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

繊維部会が7月25日午後3時から開催

繊維部会(今西暉夫部会長)は7月25日午後3時から5時まで商工会議所会議室に8人が参加、横のつながりが緊密な業界代表は、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの資料作成に和気あいあいと協力していた。

今西部会長が司会を務め、参加者が自社業績の2006年上期の回顧と下期の展望について、グラフ、統計表や綿密に作成されたグラフなどを提示しながらそれぞれ発表した。

ブラジル繊維業界を席巻している中国製輸入繊維・衣料製品、綿花生産量減産、国際相場の変動、遺伝子組換え種の使用禁止、天候不順、不均衡な為替,需給バランスの失調、選挙運動用Tシャツ需要の激変、ワールドカップのメリット・デメリット、最低賃金の引上げ効果、天然繊維回帰、州都第1コマンド(PCC)の暴動、原油の高騰の影響などで大いに意見の交換が行なわれた。

参加者は今西部会長(ユニチカ)、須賀副部会長(クラシキ)、本間副部会長(オーミジロー)、二宮氏(東洋紡)、金原氏(日清紡)、大矢氏(ダイワ紡)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

 

060725 繊維部会2

060725 繊維部会3

060725 繊維部会4

運輸サービス部会は業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換

運輸サービス部会は7月24日午後2時から開催され、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

運輸サービス部会(丸山亘部会長)は7月24日午後2時から4時まで、商工会議所会議室に12人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった。

進行役は丸山部会長が務め、参加者が2006年上期の回顧及び下期の展望について自社の業績を発表した。また国税局通関職員の港湾スト、ナショナル 製鉄所 の第3高炉事故による影響、ヴァリグ航空の経営不振による航空便減少の影響、為替の影響、米国ヴィザ取得によるアジア行き北米便の不振、ヴァリグ直行便の 廃止、州都第1コマンド(PCC)の犯罪事件などの影響が発表された。

出席者は丸山部会長 (NYK),森田副部会長(SANKYU),堀井氏(Yusen),広瀬氏(ブルーツリーホテル)、山下氏(ヤコン)、寺本氏(JAL),堀池氏 (SUZUYO),和田氏(日通)、松尾氏(三井物産)、廣瀬氏(MOL)、岐部氏(KDDI)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

コンサルタント部会が業種別部会長シンポジウムに発表資料作成で意見交換

コンサルタント部会が7月24日午前10時から開催され、業種別部会長シンポジウムに発表資料作成で意見の交換を行なった

 

◆ フォトギャラリー

コンサルタント部会(渡邊裕司部会長)が7月24日午前10時から商工会議所会議室に10人が参加して開催、8月3日の業種別部会長シンポジウムでの発表資料作成で大いに意見の交換やアイデアが交わされた。

渡邊部会長が司会を務め、初めに7月23日未明にご逝去された佐伯ジョージ顧問弁護士に対して、1分間の黙祷を捧げた。

シンポジウムで発表するテーマとして、ブラジル政治典経済の回顧と展望、地上デジタル放送の日本方式採用、エタノール、2008年の日伯交流年など色々な提案がなされた。

また個別テーマでは移転価格税制、社会保障や年金、本社へのロイヤリティー支払い、治安問題など多岐にわたって意見の交換がなされた。

参加社は渡邊部会長、遠山副部会長、赤嶺副部会長、山下副部会長、山田顧問,関根部会員、押切部会員、田中会頭、土肥サンパウロ総領事館領事、平田事務局長

 

異業種交流委員会主催の近藤健書記官による政治セミナー

異業種交流委員会主催の近藤健書記官による政治セミナーが7月21日開催、会場一杯の50人が熱心に聞いていた

◆ フォトギャラリー

異業種交流委員会(阿部勇委員長)主催、在ブラジリア日本大使館の近藤健書記官による3年連続3回目で、毎回人気を博しているブラジル政治セミナー「大統領選挙と次期政権の行方」が7月21日午後3時から5時30分まで商工会議所会議室に50人が参加して開催された。

初めに阿部部会長がセミナー開催の挨拶を行い、わざわざブラジリアから駆けつけた近藤書記官にお礼を述べ、赤嶺副部会長が近藤書記官の略歴を紹介してセミナーは開始された。

近藤書記官は10月に行なわれる大統領選挙は、ルーラ現職大統領とアルキミン候補の一騎打ちの様相になってきており、昨年のメンサロン問題発覚前には、ルーラ大統領の再選は確実であったが、一時期は出馬も危ぶまれた程支持率を下げた。

またルーラ大統領は慎重な人物であり、貧しい生立ちからサクセスストーリーで大統領まで上り詰め、名前を汚さないためにも立候補しないのではないかと見られていたが、今年に入り支持率がぐんぐん回復してきて立候補を決定した。

対立候補のPSDB党では、アルキミン元聖州知事とジョゼ・セーラ元聖市市長が指名争いを続けていたが、党内調整でアルキミン候補を指名した。また大政党 のPMDB党はブラジル全国に党組織を網羅して、市長の数が最も多いが、中道でありイデオロギーや確固とした政策を持ち合わせずに利権で動く傾向にある。 また下院に80人の勢力を維持しているが纏りに欠けて、大統領候補は選出しないが他党との連立に強い。

PT党は労使や左派のインテリが多い都市部で強いが、田舎の支持が多いPMDB党を連立に引き込みたいが、PMDB党大会では与党と連立しないなど支離滅裂な党でもある。

大統領選には7人が立候補しているが、その中でも元PT党でPSOL党のエロイーザ・エレーナ候補は、立派なヴィジョンを持っているわけではないが、社会 的弱者に焦点を当てて過激な言動で国民に訴えるのが得意であり、また支持率を上げてきており、ルーラ候補の支持率を侵食する可能性があり、ルーラ候補の第 1次選での当選が難しくなってきた。

また8月15日から始まる政見放送では、サンパウロ州以 外に余り知られていないアルキミン候補にとっては有利に作用する。仮に第2次選にもつれ込んだ場合は候補者の拒否率が重要なファクターとなり、拒否率 22%のアルキミン候補はルーラ候補の32%よりも優位に作用する可能性がある。

今回の大統 領選はルーラ候補とアルキミン候補の一騎打ちが予想されるが,エロイーザ候補の支持率も両候補にとっては侮れない、またルーラ候補の支持者は低学歴及び低 所得者層に対して、アルキミン候補の支持者は高学歴及び高所得者層であリ、ルーラ候補の支持基盤の方が圧倒的に大きい。

ルーラ候補の選挙戦略として「貧しい者の父親」イメージ作り、ボルサ・ファミリア支給による庶民階級の支持、「低所得者層と中産階級を守るが金持ちは自分 で守れる」と強調、選挙違反にならない落成式やすでに出来上がっている建物や石油採掘プラットフォームなどでの演説で巧みに実績のイメージアップを図り、 PMDB党支持票の取込み、現職の強み、汚職に関わっていないクリーンなイメージ作り、道路穴埋めや建築材料減税措置による支出増加や金融界の支持、 PCC騒動の巧みな利用や前政権との経済指標の比較で好調な経済を強調することなどが有利に作用しているが、公務員やサラリーマンの中産階級の失望・離 反、8年間のPSDB政権の実績、産業界のアルキミン候補支持、汚職追及が続くCPIなどは不利に作用する。

アルキミン候補の選挙戦略は真面目で有能なイメージの売込み、ルーラ政権の低い経済成長の指摘、また戦術としてはPFL党との連立,反政府派筆頭のテメル PMDB党首の派閥の取込み、PT党の政治汚職に対する政治論理の強調や決選投票に持込んで逆転勝利を収めるシナリオを描いている。

大統領選挙の見通しで、近藤書記官はシナリオAとしてルーラ候補の第1次選での再選、シナリオBとしてアルキミン候補の支持拡大で決戦投票になるがルーラ の再選、シナリオCとしてアルキミン知事が決戦投票で逆転して大統領に選ばれると3つのシナリオを提示したが、政治ジャーナリストの意見としては、シナリ オBの決戦投票でのルーラ再選が最も多いと説明した。

ルーラ大統領が再選された場合は歴史に名を残すために経済政策に拘らないために、マクロ経済には変化がないが左派的傾向が強まり、構造改革、税制改革、年金改革や労働法改革はなかなか進展しない。

アルキミン候補が大統領に選ばれると、2010年に再選に向けて立候補するために、アエシオ・ネーベスミナス州知事の大統領候補のシナリオが消滅してしまうが、与野党の大統領候補の最右翼であるのはブラジル政界の周知の事実であると結んで講演を終えた。

最後の質疑応答では、アルキミン候補が当選するシナリオ、ルーラはニックネームか本名か、アルキミン候補の低所得者層への取込み、PCC暴動と選挙の絡 み、MSTやセンテットとの関わり、ルーラ候補のカリスマ性など多岐にわたって質問が飛んだが、間髪を入れずにテキパキと明確に答えて大きな拍手が送られた。

懇親昼食会

懇親昼食会が7月21日正午からペドロ・マラン元財務相を迎えて開催された

 

◆ フォトギャラリー


商工会議所懇親昼食会が7月21日正午からインターコンチネンタルホテルに132人が参加、ペドロ・マラン元財務相が「ブラジル経済の現状と今後の見通し」と題して講演を行った。

マラン元財務相は今後4年間の新政権下でのブラジル経済の見通しとして、米国金利が5.25%になったが5.5%まで上昇する可能性があり、現政権の2003年から2006年の世界的に低い金利よりも条件は悪くなる。ブラジルは過去3年間で輸出額が倍増したが、中国経済に牽引されたコモディー輸出などが大きく増加した。

PT政権はイデオロギーを抑えてプラグマティズム重視で、パロッシ元財務相は前政権の経済政策を継承しながら徐々に変更して賞賛に値する経済政策を引継いだが、今ではパロッシ財務相も辞任して政権を離れている。

大統領選挙でルーラ候補もしくはアルキミン候補が当選しても、カルドーゾ前政権が道を付けたので、経済政策に大きな違いはない。また来年及び再来年のインフレ予想も4.5%前後であり、この12年間でブラジル国民はインフレがコントロールされると購買力が上がることを学んだ。

ブラジルはポテンシャルな国であり、国土面積は世界5位、人口も5位で豊富な天然資源や温暖な気候や広大な耕作可能地を有しており、人的資源を活用してもっと大幅な経済成長率を確保しなければならない。

今後の持続的成長率を維持するためには、成長の足枷となっている重税を大幅に下げるための税制改革、公的債務の削減、インフラ投資の拡大、水資源や電力エネルギーの規制緩和などパロッシ財務相が出来なかった改革を早急に実施しなければならないと結んで講演を終了、質疑応答では為替不均衡による輸出競争力の低下、安価な中国輸入製品の席巻、Selic金利は低下してきたが銀行金利が下がる方法などの多岐にわたる質問に答えていた。

正午から始まった昼食会の司会は平田事務局長が務め、MNプロポリス社の松田社長はマンジョッカでつくったブラジル初の焼酎「伯魂」2ダースを昼食会に提供した。

初めに山田唯資監事会議長が第2四半期の会計監査報告、寺本久男相互啓発委員長が8月20日開催の「憩いの園」バザーへの協力、8月16日のカシャッサセミナーの案内を行なった。

会社代表交代では、日通の和田亮社長が赴任挨拶,矢崎インターナショナルの小高孝一社長が帰国挨拶、大川勝美新社長が後任挨拶、NGKの山下修二社長が帰国挨拶,濱田隆男新社長が後任挨拶、江口克己社長が赴任挨拶を行った。

また3分間スピーチではデロイトの鈴木孝憲最高顧問が外山脩著「百年の水流」の案内、上原幸啓会長が中矢レナット移民100周年協会財務委員長を紹介、吉岡黎明救済会会長が「憩いの園」のリッファ協力,マッケンジー大学のオスカール・アサクマ教授が教育についてそれぞれスピーチを行なった。

マラン元財務相の講演前に講師歓迎の辞を述べた。

企業経営委員会の7月の労働問題研究会

企業経営委員会の7月の労働問題研究会が7月20日午後4時から20人が参加して開催された

◆ フォトギャラリー

企業経営委員会(石川清治委員長)の労働問題研究会が7月20日午後4時から6時まで、商工会議所会議室に20人が参加して開催された。

破入マルコス副委員長が進行役を務め,シジネイ・イヴァノフ氏が「企業向上への道」と題して、組織ヴィジョン、販売後のアフターケア、イノヴェーション、 リーダーシップ、将来のヴィジョン、顧客や市場フォーカス、企業の社会的責任プログラム、人的投資などについて講演、質疑応答では盛んに意見の交換が行な われた。

食品部会業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った

◆ フォトギャラリー

食品部会(疋田和三部会長)は7月20日午後1時30分から商工会議所会議室に7人が参加、8月3日の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った。

進行役は疋田部会長が担当し、参加者が今年上半期の回顧及び下半期の展望についてそれぞれ発表した。上半期の回顧として6月から始まったワールドカップの 影響で外食支出の減少、為替不均衡による輸入品新規参入企業の増加、消費者物価のデフレ傾向、農業従事者の幹線道路封鎖低価格競争などで昨年同期比では、 昨年並みか少々売上げを落とした企業が多かった。

2006年の下半期の展望として、石油価格の高騰、ブラジル産小麦の大幅減産、大統領選による為替への影響、ポジチブリスト制施行などマイナス要因も数多くあるが、コスト削減、新しい販路の確保などの企業努力で売上げ向上を図っていく企業が大半であった。

参加者は疋田和三部会長(三井アリメントス)、廣田喬司副部会長(日清・味の素アリメントス)、エドアルド黒津氏(ヤクルト)、永野昇二氏(San-EiGen)、タカシ・カワノ氏(イグアスーコーヒー)、田畑篤史サンパウロ総領事館副領事、平田藤義事務局長

電気電子部会が業種別部会長シンポジウムの発表資料を検討した

電気電子部会(松田雅信部会長)は7月20日午前10時から商工会議所会議室に11人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を検討し合った。

進行役は盤若幸雄副部会長が務め、参加企業代表者が自社の2006年の上半期の回顧及び下半期の展望について発表、上半期はワールドカップの影響、利用しやすくなった分割払い、最低サラリーアップなどで低所得者層の購買力アップで全般的に前年度を上回ったが、EMS向け取引での税制障害、DVDや音響製品は中国産OEM完成品輸入が増加、為替の影響でグローバルソーシングの進展で輸入部品にシェアを奪われた会社などは業績が悪化した。

下半期の展望としては、大統領選挙にも関わらずコモデティ価格の上昇、石油の高騰、価格競争、不均衡な為替相場など不安材料は山済みしているが、コストダウン、販売拡張や綿密な市場調査の実施などで、乗切る企業が多くを占めた。

ブラジル政治経済の下期の展望としては、どちらの大統領候補が政権をとっても大きな変化はなく、適正な為替相場に期待している経営者が大半を占めた。

参加社は盤若副部会長(NEC),篠原氏(パナソニック)、松居氏(古河電気工業),ドイ氏(古河電気工業),三好氏(プリモテッキ21)、田中氏(村田製作所)、御園氏(TDK),土肥サンパウロ総領事館領事、平田事務局長