環境安全対策委員会 ( 岩村哲夫委員長 ) の防犯安全対策チーム主催の「現場を知る ~防犯安全関連機関訪問」企画の第一回イベントとして、会議所会員でもある防弾メーカー「 TECPRO 」防弾車製造工場の見学会が、同社の協力のもと5月5日に開催された
◆ フォトギャラリー
当日午後、サンパウロ近郊の同社工場を訪問した30名弱の参加者は、防弾車業界についての概要説明に引き続き防弾ガラスなどの製造現場、防弾車の製造工程を見学した。
実 弾 ( マグナム44口径相当銃器 ) による防弾ガラスへの射撃実演を含む工場見学は、現場で現物を目の前にした非常に実践的なものであり、予定時間をオーバーするほどの参加者から活発な質問 に対して TECPRO 社役員自らが丁寧に説明して頂き、初心者はもとより、日頃から知識としては豊富と自負する参加者にとっても、大いに満足できるものとなった。
工場見学後に設けられたQ&Aの時間には、より詳細な質問・意見交換が行われたが、当日参加できなかった会員諸氏のためにその抜粋を紹介する。
Q.防弾車の市場規模 ( 登録状況 ) は?
A. ブラジルにおける防弾車の歴史は 15 年とまだ日が浅く、現在、 25,000 台 ~30,000 台が登録されていると言われている。 ( 年間 3,000 台の市場 ) 。国内には防弾製造業者として約 60 社が登録されている ( 信頼できる業者は 12 社程度と思われる ) 。
Q.防弾車の種類は?
A. (1) 防弾車の種類 ( アメリカ基準 ) では、下記7クラスに分かれている。
Nivel Ⅰ・ Nivel Ⅱ -A ・ Nivel Ⅱ・ Nivel Ⅲ -A ・ Nivel Ⅲ・ Nivel Ⅳ・ Nivel Ⅴ
(2) 国内では、次の2クラスがメインとなっている。
Nivel Ⅱ ( ガラスの厚み 17mm ・小型車クラスで+ 160Kg)
Nivel Ⅲ -A( ガラスの厚み 21mm ・小型車クラスで+ 210Kg)
(3) レベルⅡとレベルⅢAは通常の利用者にとって、実質的な性能は同等 ( コスト差も小さい ) であり、「 TECPRO 」としては、レベルⅡでも充分と考えるが、レベルⅢAの方が売却時の価格が有利な為、ほとんどの顧客がレベルⅢAを注文している。
Q.防弾化のコストは?
A.防弾化費用は、防弾グレード、車種等によっても変わるが、1台当り約5万レアルかかる。(新しく持ち込まれた車種の場合、新たに準備しなければならない冶具費用などでさらに約1万レアルが必要。)
Q.防弾装備の「保証期間」は?
A.防弾車の「保証期間」は通常2年。ただし、ガラスのゆがみやコーティングの不具合が出た場合には、安全性能を落とす場合があるので、保証期間内であっても防弾メーカーに相談されることをお勧めする。
<最後に>
当然のことながら、防弾車でも 100% の安全を提供できるものではないため、防弾の機能を十分に把握した上で使用する必要があります。
① 窓を全開、半開の状態で走行したり、ドアを開閉させない(ガラスが破損するおそれあり)。
② パワーウィンドを作動させる時はエンジンをかけてから行う(窓が重くバッテリーの消費が激しいため。)。
③ ガラスの内側は傷が付きやすいので、先のとがった物で触れない。
④ 車体がねじれてガラスが破損するおそれがあるため、乱暴な運転を避ける。
• 長時間ドアを開放した状態にしない(ドアの重量で蝶番などの部品が破損するおそれがある。)。
• 防弾車の使用マニュアルを参考にする。
• 安全性能を保つため、必要なメンテナンスを励行する。
なお、防弾車についてその他の疑問点などについては、 TECPRO 社および、当会議所の会員企業の AUTOSAFE 社でも対応頂けますので、各会員企業に置かれましては直接問合せ頂けますようお願い致します。
TECPRO:
Tel e Fax: 011-4707-1177
e-mail: claudio@tecpro.com.br
Site: www.tecpro.com.br
窓口 : Diretor Presidente Sr.Claudio Takumi Horiuti
AUTO SAFE BRASIL
Tel: 011-5058-7775
Fax: 011-5077-1336
e-mail: kobo@autosafe.com.br
Site: www.autosafe.com.br
窓口 : Massami Kobo Junior
防犯安全対策チームの友岡勇次氏及び唐木田光男氏からレポートして頂きました。