貿易部会(中村純一部会長)とコンサルタント部会(桜 井悌司部会長)共催の注目のセミナー「訪日エタノール・テクニカル・ミッションの報告会」が、28日午後4時から会議所に50人近くの参加者が押しかけ、 英語によるエドワルド・カルバーリョ団長の話しに、耳を傾けていた。
講演を行ったカルバーリョ氏はセミナーの冒頭で、小泉順一郎首相が来伯するまで、エタノールフ対日輸出に関してブラジル側はポルトガル語で、日本側は日本語で通訳を入れずに話合っていたが、同首相の来伯はブラジル側の話しに耳を傾けるようになった。
また日本側はエタノール燃料開発に実績のあるブラジルの問題点で最も心配している点は、エタノ-ルの安定供給であるが、サトウキビ栽培に適している半乾燥地帯のセラードの耕作拡大面積は、9千万ヘクタールもある。また現在のサトウキビ生産地帯は、収獲期が9月から3月の東北伯と収獲期が正反対のサンパウロ州、パラナ州と南マット・グロッソ州と安定供給できると説明した。
しかしこのエタノール輸出も10年近く話題になっているが、マンゴーの対日輸出のように 30年もかかったことがあり、日本側の慎重さを面白おかしく述べ、笑いを誘っていた。
またサンパウロ州などで生産されたエタノールの輸出に、カンピーナス郊外のパウリ-ニャ市、タウバテ市を経由するガス・パイプラインを利用してリオのイーリャ・ダ・アーグア港まで輸送することも可能であり、輸送用インフラ整備投資も省けると強調した。
盛んな質疑応答の後、田中信会頭からカルバーリョ氏に記念プレートが贈呈された。
このセミナーはUNICA (サンパウロ砂糖・アグロビジネス協会)のカルバーリョ会長を団長とするエタノール・テクニカル・ミッションが1月16日から22日まで訪日し、経済産業 省、国際協力銀行、日本アルコール協会、石油連盟、環境省や大手自動車メーカーや商社などを訪問し、エタノールの対日輸出に伴う技術的な事について意見の 交換などを行って来た報告書が元になっている。