ウルグアイ政府の観光産業振興政策

ウルグアイのベンジャミン・リベロッフ(Benjamín Liberof)観光省副大臣が来伯、同国の観光産業振興策についてブラジル在住の日本人、日系人をターゲットに精力的に意見交換を行っている。

2日夜、SP市内のウルグアイ人が経営するレストランに日本および日系のマスコミ報道関係者を招待、サンパウロ市内から空路2時間の距離に位置、メルコスール(南米共同市場)の臍として機能するモンテビデオ空港およびプンタデルレステ観光地を紹介、参加者からブレーン・ストーミング(BS)を通じ忌憚のないアイデアなど懇談を行った。

この懇談会にはベンジャミン副大臣以外に在サンパウロ・ウルグアイ総領事館のFlavia Pisano総領事、Melissa Rosano首席領事、観光省広報局担当官のMaríella Volppe 等が出席した。(フラヴィア総領事やメリッサ首席領事は昨年、当所の7月昼食会に同国の経済財務省のパブロ(Pablo Ferreri)事務次官と伴に参加)

昨年、平田事務局長はベンジャミン氏が観光省の副大臣として、会議所訪問を受けた事があり、今回も日伯間において不可欠となっている観光ビザのフリー化について意見交換を行った。日本からのブラジルへの観光客の延長線上にウルグアイ観光がある事も強調、相乗効果が期待できる筋書き案が背景にある。

ブラジル周辺7か国(ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ヴェネズエラ)に限らず、韓国・ブラジル間がビザフリーなのに対し、日伯外交関係樹立120年余、さらに移民110周年を経た今なお、日伯間においてはビザがフリーに至ってない現実を直視、「人、物、金」が動く日メルコスールEPA(経済連携)協定の中に、やがて組み込まれるであろうビザ問題を採り上げ、ウルグアイ政府の支援・協力をお願いした。

Fotos: Fernanda Bertin

在伯大使とのEPAに関する意見交換会へ出席

 2018年3月28日、在サンパウロ総領事館多目的ホールで開催された山田 彰ブラジル駐箚日本国特命全権大使とのEPAに関する意見交換会へ会議所EPA準備タスクフォースメンバーら関係者が出席し、意見交換を行った(EPA準備タスクフォース第2回勉強会)。

 昨年8月第20回日本ブラジル経済合同委員会において、日メルコスールEPAに関する共同報告書を本年7月の次回合同委員会までに作成することが合意され、これを受け会議所内でも日本・メルコスール経済連携協定準備タスクフォースを設立。前日の3月27日にブエノスアイレスにおいて開催されたメルコスール大使会議のフィードバックを兼ね、日伯経済関係の中で活躍する会議所会員日本企業との意見交換、要望の吸い上げを行うべく在伯大使館、在サンパウロ総領事館の主導で本会合が行われた。会合の中で、日メルコスールEPAに関するアンケート調査結果、メルコスール各国大使間の議論の報告、EUメルコスールや韓国等他国のEPA交渉に向けた動向、自動車産業等各業種からの代表者による日本企業の要望、その他今後のフリーゾーンの意義等、参加者からの質疑応答を交え意見交換が行われた。

 

官側からの参加者:

在ブラジル日本国大使館 山田 彰大使/会議所名誉会頭、山中 修公使

在サンパウロ日本国総領事館 野口 泰総領事/会議所名誉顧問、蛭子英稔領事

 

会議所からの参加者:(順不同、敬称略)

大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、芦刈宏司(三井物産/日伯経済交流促進副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、佐久間太郎(双日ブラジル/政策対話副委員長)、櫻井淳(伯国三菱商事/政策対話副委員長)

米長浩(ブラジルトヨタ)、植田真五(三菱重工/機械金属部会長)、羽田徹(日曹ブラジル/化学品部会長)、矢澤吉史(NTTブラジル/運輸サービス部会長)、関 宏道(味の素/食品副部会長)、髙田正純(NEC/電気電子副部会長)、岡本将紀(損保ジャパン/金融副部会長)、長野昌幸(ブラジル三井住友海上)、篠原一宇(パイオニアブラジル/ISG /コンサルタント副部会長)、岩瀬恵一(ジェトロサンパウロ次長)、

カマラ事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐

3月27日メルコスール大使会議の様子(写真提供:在アルゼンチン日本大使館)

3月の労働問題研究会開催

企業経営・地場企業推進委員会(ワグネル 鈴木委員長)の労働問題研究会は、2018 年3 月22日午後4時から6時まで30人が参加して開催、初めにGlobal Line Consultoria InterculturalのANDREA FUKS 取締役パートナーは、『文化の相違 - 多国籍企業を対象とした2017年ブラジルモビリティ調査結果』について講演。続いてSimple Energy社のLEONARDO LOPES取締役並びにMiura SegurosのFABIO MIURA 専務取締役は、.『製造業にとって電力エネルギー消費コストは最大の憂慮問題-自由市場での電力エネルギー調達によるコスト削減』について講演した。

会議所サイトへのソーシャルメディア活用で意見交換

渉外広報委員会(平川 広之委員長)の景山和行副委員長並びにソーシャルメディアマーケティング社の青木タチアナ氏が2018年3月22日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と日下野成次総務担当と商工会議所サイトへのソーシャルメディア活用について意見交換を行った。

ソーシャルメディアマーケティング社の青木タチアナ氏

2018年3月の懇親昼食会に150人以上が参加して開催

2018年3月の懇親昼食会は、2018年3月16日正午から午後2時まで150人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストとして、CIPPS(国際公共政策研究センター)の田中直毅理事長、国際協力銀行リオデジャネイロ在員事務所の櫛引智雄首席駐在員、西森ルイス連邦下院議員、中山立夫元会頭(中山マネジメント・パートナーズ株式会社代表取締役)が紹介された。

連絡事項では、富島寛相互啓発委員長は、相互啓発委員会及び運輸サービス部会の共催によるセアラ州経済特区見学会を4月6日及び7日に実施。税制恩典メリットや将来性、ぺセン港にあるセアラ州経済特区(ZPE Ceará)やぺセン製鉄所やセアラ州連邦教育・科学・技術機関(IFCE)ぺセンキャンパス見学 、州知事官邸にて投資セミナーを予定。20人までの参加を受け付けているので参加してほしいと案内した。

代表者交代挨拶では、MITSUI SUMITOMO SEGUROS S.A.の井上 秀司社長は、サンパウロには2年間勤務。シンガポール駐在から8年間単身赴任。商工会議所では副会頭、金融部会長や異業種交流委員長を務めた。後任の長野社長を宜しく、また総務委員会安全対策チームのリーダー を務めた日系企業担当の河崎 宏一氏の帰国も報告した。後任の長野昌幸社長は、井上前社長同様にご指導くださいと述べた。

CONSTRUTORA TODA DO BRASIL S.Aの.奥地正敏社長は、4年の任期を終えて3月末に帰国。厳しい経済状況の中で任期を全うできたのは皆様のおかげです。ジャパン・ハウスは、2017年5月にオープンするまで2年半を費やしたが、オープン後はサンパウロの観光名所になっている。帰国は後ろ髪を引かれるが、帰国後は南米ビジネスに関わるので楽しみにしている。また3年半副社長を務めている今川社長を紹介した。後任の今川尚彦社長は、2015年からサンパウロに勤務。ジャパン・ハウス建設では現場を走り回って苦労した末に完成。サンパウロの日系コミュニティでは多くの人と知り合いになり、商工会議所の活動には積極的に参加して、皆様と色々な情報を共有しながら頑張ってゆきたいと述べた。

DAIICHI SANKYO BRASIL FARMACÊUTICA LTDAのELOI DOMINGUES BOSIO代表は、ブラジルの医薬品業界に45年、DAIICHI SANKYO BRASILには9年間勤務。定年退職後は、顧問として7年間共に働いているマルセロ氏をサポートすると述べた。     後任のMARCELO GONÇALVES代表は、日本企業で働いで、ジャストインタイム、カイゼンなど学び、また日本の素晴らしいカルチャ-など今後も積極的に導入してゆきたいと述べた。

帰国挨拶では、SUMITOMO CORPORATION DO BRASIL LTDA.の富島寛社長は、2015年4月に赴任。ブラジルのホスピタリティーが素晴らしく3年間つつがなく任期を終えた。会議所活動として環境委員長、相互啓発委員長として、サンパウロ州立チエテエコロジー公園内にて「補植(植樹)ボランティア活動」、ゴルフコンペ、忘年会などを担当。4月に後任の松崎社長が赴任することを伝えた。

在ブラジル日本国総領事館の藍原健副領事は、3年前に赴任して日本ブラジル外交関係樹立120周年を記念した秋篠宮同妃両殿下の来伯、日伯農業・食料対話などの行事に対応、経済班として業務に精一杯対応してきたが、関係者には感謝の気持ちで一杯ですと述べた。

3分間スピーチでは西森ルイス連邦議員は、「EXPO IMIN 110」についてパラナ日伯文化連合会主催による、日本移民110周年を記念してパラナ州マリンガ市で7月19日から22日までFrancisco Feio Ribeiroエクスポ会場で見本市を開催。1万5000人収容の会場では日本文化紹介、日本食、マンガ、アニメ、コスプレ、E-SPORT、ビデオゲーム大会などを予定、また日本進出企業の出展協力を要請した。インターコンチネンタルホテルのJean Marcジェネラルマネージャーは、日本企業のホテル利用を案内した。

国際協力銀行リオデジャネイロ在員事務所の櫛引智雄首席駐在員は、「日本の製造業企業の海外事業展開に関する調査報告(2017年度)」として、初めにJBICの事業内容を紹介、ブラジルでは60年間に亘って資源やインフラ分野に融資。日本企業はアジアに注目しているが、中南米にも目を向けさせたい。 調査報告では海外現地法人数の推移、海外生産比率、海外売上高比率、海外収益比率の推移、業種別、トレンド、パーフォーマンス評価、国内外の事業強化姿勢、NAFTAにおける事業展開見通しとトランプ政権の影響、投資有望国・地域の推移、ブラジル並びにメキシコの有望理由と課題の比較などについて説明した。

CIPPS(国際公共政策研究センター)の田中 直毅理事長は、「2018年世界経済のリスク要因」と題して、ブラジルではリスク要因が多くなってきている。しかし新しい試みもでてきている。CIPPSでは会員企業に協力して頂いてインデックスを作成して何が起きているのか探っている。ポプリズムの台頭が発展途上国のみならず、先進諸国にも広がっている。フランスのマクロン大統領は、政権の命運を左右し、ユーロ圏の将来を決めるかもしれない労働市場の改革案を発表してドゴール将軍以来の改革を実施する可能性を示唆している。EU28カ国の意見統一は難しい。トランプはNATO不要論を掲げ、また税制改革でプラットフォームビジネスでは大きなうねりが表れてきている。CIPPSインデックスの検証では2013年から2017年までの中国インデックスとブラジルインデックスとのタイムラグの発生。多変量時系列モデルによる逐次予測では2016年から中国インデックスは改善してきていることなどを説明した。

CIPPS(国際公共政策研究センター)の田中直毅理事長

国際協力銀行リオデジャネイロ在員事務所の櫛引智雄首席駐在員

左から記念プレートを贈呈する松永愛一郎会頭/CIPPS(国際公共政策研究センター)の田中直毅理事長

左から西森ルイス連邦下院議員/CIPPS(国際公共政策研究センター)の田中直毅理事長/松永愛一郎会頭/中山立夫元会頭(中山マネジメント・パートナーズ株式会社代表取締役)

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

第68回定期総会開催

懇親昼食会を前に第67回定期総会は2018年3月16日正午過ぎから開催、総務委員会の小池淳介委員長が進行役を務め、初めに松永愛一郎会頭は、2017年度事業・収支決算報告書で、2017年を振り返ってみると、実に74年ぶりの改正となったブラジル労働法近代化が大きなトピックスとしてあげられる。この歴史的な改革が経済的・社会的に及ぼす影響は非常に大きく、これまで企業経営を困難にして、人材育成を阻んできたブラジルの労働法がこのように大規模に改正されたことにより、今後より安定した雇用創出や企業の競争力・生産性の向上が期待される。

残念ながら年金改革や税制改革は実践に至らず、最悪2018年の大統領選後に持ち越される懸念があるものの、経済も底を打ち回復に向けた流れは一層強くなっており、今年は「成長」に向けた動きが顕著になっていくものと思われる。一方で、昨年には日メルコスールEPA交渉実現に向け官民をあげたアプローチが進むなど、日本企業にとっても日伯経済関係における大きな変化の局面を迎えつつある。日伯を取り巻く環境にも目を向けながら、経済連携を強化し日本のプレゼンスを高めていくことが重要である。

政策提言や日伯間の人的・経済交流促進を軸とする当会議所も、引き続きビジネス環境の改善や会員企業の裨益を念頭に、官民関係機関や日系団体との連携を深めながら活動を続ける所存である。以下主な会議所行事トピックスをまとめ2017年度事業報告とする。

政策対話活動として、政策対話委員会では課税と労働を提言活動の中心とする体制を継続、傘下のワーキンググループやまたメディカル分科会、食品部会も積極的な政策対話活動を実施。第7回日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議、第20回日伯経済合同委員会、第11回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会(中間会合含む)におけるAGIR提言活動や、財務省、CNI(ブラジル全国工業連盟)、EMBRAPA、ANVISAとの政策対話会合の他、各種セミナー開催やブラジル労働法に関する冊子作成など、ビジネス環境整備に向けた取り組みと、会員企業への裨益となる情報還元に努めた。

シンポジウム、セミナー、昼食会、見学会、視察会では、年2回開催の部会長シンポジウムはいずれも200人以上の参加があり盛況、ブラジル経済の回復が印象付けられた。また各委員会や部会等の主催により、労働法、税制、金融マーケット、IoT(モノのインターネット)を含むIT関連、改正移住法など、数多くのテーマを扱ったセミナーや講演会が行われた。

部会、委員会活動では、渉外広報委員会では会議所活動をわかりやすくまた簡潔にビジュアルで紹介出来るよう、会議所活動広報ビデオを作成。日本語版とポルトガル語版の2カ国語バージョンを作成し、今後さまざまなイベントや会合で会議所活動を広く周知してもらうよう活用する。外部との連携およびイベントでは、6月にはジェトロと共催でビジネス・投資環境調査を目的とした日本企業ミッションをパラグアイに派遣。約20社が参加し、工場、港湾インフラ、大型小売店舗等の視察を実施。7月の「第3回日伯農業・食料対話」では、当会議所とブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)との連携体制の構築について共同発表が為された。また会議所名で明治大学と連携・協力に関する覚書を締結し、今後産学連携、人材育成に向け協力体制が作られていく。

日系社会との連携では、日系社会との連携、活動後援を継続、特に10月にブラジル日本青年会議所(JCI)が主催したリベルダージ地区活性化・大掃除イベントには、多くの会員企業駐在員も家族連れで参加するなど、国境を越えた交流と連携が実現。また2018年のブラジル日本移民110周年記念関連行事についても日系主要団体で会合が進められており、会議所からもその協議に参加をしていることなどを説明した。

続いて讃井 慎一財務委員長が2017年度収支決算報告として、P/Lベースの収入、支出、収支プラス、収入サイドとして通常会費の対予算、2017年度収支予算計画(案)では、P/Lベースの収入、支出、収支プラス、収入サイドでは会費収入のインフレ調整、退会があり得る事を見込みコンサーブ、支出サイドとして、一般支出経費のインフレ調整、特別事業費として部会・委員会の活動費は各々の部会・委員会からの要求額を予算計上などについて配布した資料に沿って説明した。

また坂間カロリーナ監事会議長は2017年度監事意見書として、ブラジル日本商工会議所の2017年度(2017年1月1日より、同年12月31日まで)の事業報告書並びに貸借対照表、収支決算書、財産目録(什器(じゅうき)及び造作)を監査したところ、適性であると認めたことを報告した。

最後に松永愛一郎会頭が挙手による承認を確認、最後に松永愛一郎会頭は、定款変更案 について事務局長の処遇については現行定款の中に規定されていないので定款第65条2項に以下の通り明記する。事務局長の任免、及び給料・手当の決定については、常任理事会の決議に基づき、会頭がこれを行う。

第65条  事務局には事務局長1名を置き、それが統括する。
1 事務局長は常任理事会の事前承認の下に、有給職員を採用し、解雇し、その給料、手当を決める。
2 事務局長は、常任理事会の決議に基づいて、会頭がこれを任免することを説明した。

Pdf2017年度事業・収支決算報告書/2018年度事業・収支決算計画書(案)

左から坂間カロリーナ監事会議長/讃井 慎一財務委員長/小池淳介総務委員長/松永愛一郎会頭

日メルコEPA準備タスクフォース 第1回会合開催

2018年3月16日(金)16時より会議所大会議室にて日メルコスールEPA準備タスクフォース第1回会合が開催された。同タスクフォースは日メルコスールEPA交渉に向けた準備体制を整えることを目的に日伯経済交流促進委員会、企画戦略委員会、政策対話委員会が合同で企画し、各業種別部会の代表者をメンバーとして立ち上げられた。

そのキックオフとなる第1回会合では、初めに土屋日伯経済交流促進委員会長より開会の挨拶とタスクフォースの趣旨を説明。続いて芦刈タスクフォースメンバー(日伯経済交流促進副委員長)から日メルコスールEPAの過去の経緯とロードマップとして、アルゼンチンとの連携や今後の経済会議に連動した活動計画について説明が行われた。

交渉へ向け経済連携協定(EPA)を正しく理解することを当面の目的とし、これから8回程度の勉強会を予定する中、第1回会合の講師として招聘された竹下 幸治郎ジェトロ海外調査部主幹による「中南米の地域統合および経済連携協定(EPA)が進出企業に与える影響等について」(※ページ下PDFファイルを参照)、紀井 寿雄ジェトロブエノスアイレス事務所所長による「アルゼンチンにおける日メルコスールEPAに向けた動き」と題した講義が行われ、その後の質疑応答では業種別部会代表者らから、EPAの多国間累積やフリーゾーンの意義、ブラジルの法規制との関連などについて質問があった。

また二宮メンバー(企画戦略副委員長)より今後のタスクフォース勉強会の予定等について説明があり、勉強テーマや招聘講師について各部会からの要望などヒアリングを行った。10月に向けてこれから1回程度の勉強会を予定し、EPAに関する知識の蓄え、EU、韓国等他国の交渉の動き、ブラジル側との意見交換など今後適切なテーマと講師を選びながら進められていく。

参加者:(順不同、敬称略)

竹下幸治郎(ジェトロ海外調査部主幹)、紀井寿雄(ジェトロブエノスアイレス事務所長)

土屋信司(三井物産/日伯経済交流促進委員会長)、大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、粟屋聡(双日ブラジル/政策対話委員会)、芦刈宏司(三井物産/日伯経済交流促進副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、佐久間太郎(双日ブラジル/政策対話副委員長)、櫻井淳(伯国三菱商事/政策対話副委員長)

下村セルソ(ブラジルトヨタ/自動車部会長)、米長浩(ブラジルトヨタ)、竹内パウロ(ホンダサウスアメリカ/自動車副部会長代理)、新保博茂(デンソー/自動車副部会長)、植田真五(三菱重工/機械金属部会長)、馬場英知(KOBELCO/機械金属副部会長)、羽田徹(日曹ブラジル/化学品部会長)、村松正美(パイロットペン/化学品副部会長)、矢澤吉史(NTTブラジル/運輸サービス部会長)、吉田信吾(NYK/運輸サービス副部会長)、髙田正純(NEC/電気電子副部会長)、的場俊英(島津製作所/貿易副部会長)、安田篤(損保ジャパン/金融部会長)、長野昌幸(ブラジル三井住友海上)、篠原一宇(パイオニアブラジル/ISG /コンサルタント副部会長)

カマラ事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐、大角総丙編集長、吉田章則調査員、近藤千里アシスタント

Pdfジェトロプレゼン資料.pdf

3月の法律委員会は55人が参加して開催

日 伯 法 律 委 員 会(藏掛 忠明委員長)主催の3月の月例会は,2018年3月15日午後4時から6時まで55人が参加して開催、初めにTrench, Rossi e Watanabe Advogados税務担当のTHIAGO DEL BEL 弁護士は、❝ブラジル移転価格税制と日本多国籍進出企業に対するBEPS(税源浸食と利益移転)及び国別報告書(CbCR)のインパクトについて❞、Mattos Filho (Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogados)のARMANDO BELLINI SCARPELLI 弁護士は、❝中間財生産品とICMSクレジット‐判例❞.、KPMG税関・間接税担当のTHIAGO TAVARES CAMPANER  シニアマネージャーは、❝サンパウロ州財務局の適合プログラムについて❞、最後にPinheiro Neto Advogados  のLEONARDO AUGUSTO BELLORIO BATTILANA  シニアパートナーは、❝財務省検察局による資産差押規定について❞それぞれ講演した。

PDF anexos: 
1.
Trench, Rossi e Watanabe Advogados税務担当のTHIAGO DEL BEL 弁護士は、❝ブラジル移転価格税制と日本多国籍進出企業に対するBEPS(税源浸食と利益移転)及び国別報告書(CbCR)のインパクトについて❞

2. Mattos Filho (Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogados)のARMANDO BELLINI SCARPELLI 弁護士は、❝中間財生産品とICMSクレジット‐判例❞

3. KPMG税関・間接税担当のTHIAGO TAVARES CAMPANER  シニアマネージャーは、❝サンパウロ州財務局の適合プログラムについて❞

4. Pinheiro Neto Advogados  のLEONARDO AUGUSTO BELLORIO BATTILANA  
シニアパートナーは、❝財務省検察局による資産差押規定について❞
"

Fábio Ota (EY), Armando Bellini Scarpelli (Mattos Filho), Leonardo Augusto Bellorio Battilana (Pinheiro Neto Advogados), Thiago Tavares Campaner (KPMG), Thiago del Bel (Trench, Rossi e Watanabe Advogados) e Luiz Fujio Sato (Marubeni Brasil) 

中南米の最新情報満載の中南米ビジネスセミナー開催

コンサルタント部会(西口阿弥部会長)、企画戦略委員会(大久保 敦委員長)並びにジェトロサンパウロ事務所(大久保 敦所長)共催による中南米ビジネスセミナーは、2018年3月14日午後2時から5時過ぎまでマクソウドホテルに100人以上が参加して開催。初めにコンサルタント部会の西口阿弥部会長が開催挨拶を行い、ジェトロ本部海外調査部主幹 竹下幸治郎は、「2018年中南米政治経済概況と中南米進出日系企業の経営実態調査結果」について、初めに2018年の中南米経済を見るうえでのポイントとして、メキシコや中米は原油価格並びに米国経済依存に対して、南米は鉱物資源や農畜産物の国際コモディティ価格に依存、南米資源国の近年の経済低迷の背景として、貿易収支や経常収支の悪化で通貨下落、インフレ並びに金利の上昇、消費低迷、生産減少による設備投資衰退の悪循環に陥っていた。

今年のラテンアメリカ諸国は、4月はコスタリカ大統領決選投票、パラグアイ大統領選挙、ベネズエラ大統領選挙、5月コロンビア大統領選挙、6月コロンビア大統領選挙決選投票、7月メキシコ大統領選挙、10月ブラジル大統領選挙、同決選投票と目白押しで大統領選挙の動向に注目。今年のブラジル経済はインフレ下降、金利引下げ、通貨高などで内需回復、雇用はサービス業、製造業、商業を中心に回復傾向。コロンビアは石油輸出に依存もインフレ、金利や為替レートも安定。ペルーは外需拡大による鉱物資源や農産物の輸出拡大。チリは、銅価格の回復による輸出額増加で対外収支改善、インフレや金利低下で輸入増加、耐久消費財の売上増加で景気回復予想。

今回の進出日系企業アンケート調査からみた中南米諸国のビジネス環境比較では、2017年のブラジル進出企業の営業利益見込みと他国との比較では、ブラジルの赤字は前年比半減、アルゼンチンの赤字比率は最小に対して、ベネズエラは最高の赤字を記録している。

2017年の中南米諸国の平均景況感は前年の11.5%から23.3%に倍増。チリの景況感は46.0%でトップ、次いでアルゼンチン31.7%、ペルーは26.3%、ブラジルは23.3%、唯一ベネズエラがマイナス21.5%と大幅に落ち込んでいる。

2018年の中南米諸国の景況感比較予想では、メキシコは51.4%でトップ、ブラジル並びにペルーが47.4%、コロンビアは43.4%、中南米平均は42.9%、ベネズエラは、継続してマイナス50.0%で景気低迷予想。今後1-2年の事業展開の方向性ではブラジルの上昇率がトップ。現地従業員、駐在員の増加傾向はない。直面している経営上の問題点として、チリでは内需拡大による競争の激化、アルゼンチンでは規制緩和の停滞。ブラジルでは現地での資金調達、対外送金、移転価格税制などが挙げられている。FPA/EPAの活用状況では、チリやメキシコが自由貿易推進している一方で、後れを取っているメルコスールの問題点などが説明された。

ブエノスアイレス事務所の 紀井寿雄所長は、「アルゼンチンの最新情勢と自動車産業」について、2013年以降の主要経済指標による問題点の指摘、マクリ大統領就任前の輸入規制、為替規制、融資の制約。マクリ大統領就任後の財政規律回復、債務返済による国際信用の回復、送金規制緩和、輸入規制緩和などの実施。懸念されるインフレ指数や予想を下回る経済情勢評価に対するマクリ大統領就任後の高揚感(ユーフォリア)季節の終焉。日本進出企業によるアクリ政権後のアルゼンチン再評価、拠点設立の動き、濃厚な投資再開の可能性。アルゼンチンの自動車産業は底を打って回復基調突入。アルゼンチン政府主導による2023年の年間100万台の自動車生産計画。日本とアルゼンチンの戦略パートナー「黄金の4年間」構想、アルゼンチンに向けた後押し材料として政府要人の往来、投資協定、租税条約、OECD加盟、日本・メルコスールEPA協定締結など保護市議経済から開放経済に舵を切ったマクリ政権との戦略的パートナ―などについて説明した。

サンティアゴ事務所の中山泰弘所長は、「チリの最新情勢とTPP」について、チリは資源国で農業国、26の国・地域と自由貿易協定を結んでいる自由貿易推進国で貿易額の93%を占めている。チリと日本との貿易では、日本はチリにとって第3位の輸出相手国、輸入は7位、チリから日本への輸出は銅鉱が50%以上を占め、サケが7.4%、モリブデン鉱3.9%。日本からチリへの輸出では乗用車、軽油、タイヤ。チリの貿易相手国は、輸出入とも中国が1位、米国は2位。チリは南米の自動車ショールーム。日智商工会議所の会員企業は76社、そのうち日系企業は56社、チリの投資環境メリットでは、安定した政治・社会情勢が中南米諸国では抜きんでて安定、優れた駐在員の生活環境、税制インセンチブが挙げられる一方で、デメリットでは、人件費や不安定な為替、行政・税務手続きの煩雑さ、治安、労働訴訟はブラジルよりも低いがデメリットなどについて説明した。

最後にメキシコ事務所の半澤大介所員は、「メキシコの最新情勢とNAFTA再交渉」について、メキシコの経済状況として、実質GDP成長率の推移、為替・インフレ動向、2011年以降の自動車産業向け投資では、生産拠点の強味として、労働コスト、FTAネットワーク、港湾整備、北米への陸路・鉄道アクセスが挙げられる一方で、弱点は高い輸送コストや電力コスト。2016年のメキシコの自動車生産は世界7位、中央高原のバヒオ地域に自動車メーカーが集中。2017年の自動車生産は393万台、輸出は310万台、国内販売は153万台。2020年の生産台数は460万台予想。メキシコは46カ国とFTA締結、TPP締結後は52カ国に増加。メキシコの自動車輸出は北米向けが84%、米国向けは75%。昨年の自動車関連の日系進出企業は1000社を突破、特にグアナファト州並びにアグアカリエンテス州に集中。自動車産業向け投資環境メリットでは、市場規模・成長性、安価な人件費、取引先企業の集中が挙げられるが、デメリットでは外国人・企業を対象とした犯罪、不安定な為替、高い従業員の離職率などが挙げられ、また現地調達率はアジアやブラジルと比べて低い点もデメリットに挙げられる。

エンリケ・ペニャ・ニエト大統領は、エネルギーや通信など11分野の構造改革を推進して発電事業への民間企業参入が容易となった。トランプ政権による米国の貿易赤字削減、米国の製造業や農業に対するカナダやメキシコ市場のアクセス改善のために2017年8月からNAFTA再交渉がスタート。メキシコのNAFTA再交渉スタンス。交渉状況や項目、また新たな交渉対象の新規項目、今年の大統領選挙スケジュールや有力候補の主張と情勢などについて説明した。

Pdfジェトロ本部海外調査部主幹 竹下幸治郎 「2018年中南米政治経済概況と中南米進出日系企業の経営実態調査結果」

Pdfブエノスアイレス事務所の 紀井寿雄所長 「アルゼンチンの最新情勢と自動車産業」

Pdfサンティアゴ事務所の中山泰弘所長 「チリの最新情勢とTPP」

Pdfメキシコ事務所の半澤大介所員 「メキシコの最新情勢とNAFTA再交渉」

労働WG会合を開催

2018年3月13日(火)16時30分より 政策対話委員会(粟屋聡委員長)労働ワーキンググループを開催し、今年のワーキンググループ活動予算や活動方針等について報告と協議が行われた。活動方針の素案をもとに、労働法改正と受けての提言内容の見直しやセミナーのテーマの検討、政策対話活動の予定等について意見交換を行い、今後3回にわけAGIR提言の見直しを行っていくことが決められた。

参加者は、山崎一郎グループ長(味の素)、景山和行副グループ長(ブラジルトヨタ)、上床憲司メンバー(伊藤忠)、加藤周平メンバー(新日鉄住金)、山内悠輝メンバー(損保ジャパン)、西口阿弥メンバー(EY)、森雄太メンバー(丸紅ブラジル)、佐藤智哉メンバー(住友商事)、吉田幸司メンバー(KPMG)、前田太輔メンバー(東レ)、佐久間太郎 政策対話副委員長(双日ブラジル)、事務局から吉田章則政策対話委員会調査員、近藤千里アシスタント。