アウキミン元知事を迎えて懇親昼食会

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田中会頭からプレート贈呈された講演者のアウキミン元聖州知事

 日本ブラジル商工会議所の11月懇親昼食は9日正午から、クラウン・プラザホテルに140人が参加して開催、ゲストスピーカーに親日家のジェラウド・アウキミン元聖州知事が「経済について」と題して講演した。

 アウキミン元知事は初めに、最終20年間のブラジルの経済成長率(GDP)は年平均2.5%、世界の平均GDP伸び率の5.0%と大幅に世界平均を下回っており、またブラジルの人口増加率は、年平均3.0%をGDPの伸び率を上回って、持続的経済成長を達成するためには雇用創出、投資及び貯蓄の増加が必要である。

また持続的経済成長達成するためには、垂流しの公共支出の減少、民営化の促進、連邦政府、州政府や市町村のコストカットによる支出削減、4つの構造改革、絶対的優先改革は、社会福祉制度及び税制改革であり、その次に労働法・組合法改革、司法改革並びに、40政党以上あるブラジルの政党制度などを変える政治改革であると指摘した。

 
 税制改革では第二次大戦後の1947年の税率は、GDPの13%であったが、昨年は37%まで達しており、福祉国家の多いヨーロッパ並みであり、米国の30%、日本の21%をも大幅に上回る税率となっているが、ブラジル国民は先進国なみの重税に対する恩典は、殆ど受けていないと述べた。

 ブラジルも医療技術・医薬品の発達、栄養・衛生面向上で、乳児死亡率は低下してきており、1980年の人口構成はピラミッド型であったが、2000年にはすでに高齢化及び少子化社会突入で、先進国並みの楕円形となってきており、今後益々僅かな労働人口が多くの高齢者を支えなければならない、社会問題発生が火を見るより明らかであり、年金改革や社会福祉改革が必要であると強調した。

 医療や健康分野では乳児死亡率が飛躍的に減少してきており、1940年の農村地帯では1,000人当り104人であったが、今では23人に減少、都市部では13人まで減少してきているが、北東地域では南部や南東部地域に比較して、医療や栄養面で遅れているために死亡率が高い。

 ブラジルの男性の癌では皮膚癌、前立腺癌、肺癌、女性では皮膚癌、乳房癌、消化器系癌が多いが、1940年の平均寿命は僅かに41.5歳、2005年は72歳で、女性は男性よりも7年平均寿命が高く、今後の医療技術の発達や新薬開発などを考慮すると、男性の平均寿命は100歳まで延びる可能性があり、女性は死亡しなくなるとユーモアを効かせて、会場を爆笑の渦にした。

 しかしブラジルの現状として、公共支出は大判振る舞いで増加の傾向にあり、社会福祉関係の赤字は年間1,200億レアル、対内公共負債は1兆レアル、世界で最も高い金利や社会福祉関係への投資は、ほぼゼロに等しいと厳しい現状を説明した。

 しかしブラジルは天然資源や広大で肥沃な国土に恵まれているお陰で、砂糖、コーヒー大豆、オレンジジュース、鶏肉、鉄鋼や鉱物資源では、世界のリーダーの位置を占めて、明るい未来が約束された土地であるが、全国的に上級連邦・州政府公務員本給が政府支出を圧迫しているが、サンパウロ州ではその比率低下が顕著になってきている。

 またサンパウロ州では繊維製品、履物、食料加工品の商品流通サービス税(ICMS)を18%から12%にそれぞれ下げ、小麦、パンやパスタは7%から免税、エタノールやワインを25%から12%に下げたが、減税したことによって脱税が低下したため、税収が増加したと説明して、減税による効果はアングラ経済への潜水を阻止して、経済活動を活性化させると説明した。

 また零細・小企業向けパウリスタ簡易納税法では、61万6,800社が恩恵を被っており、アングラ経済からの脱出に役立っており、また2000年から開始した電子入札システムでは、45億レアルが成約したが、人件費や印刷物削減などによるコスト減は、計り知れないと説明した。

 治安悪化が問題になっているが、サンパウロ州では逆に殺人犯罪件数は、1999年の1万2,818件から毎年低下してきており、昨年は半分以下の6,161件に低下、また連邦政府は大学や大学院への教育投資を盛んに行なっているが、ブラジルのような発展途上国の教育は,低・中学年教育への投資が重要であり、サンパウロ州では中等教育の脱落率が顕著に低下してきていると述べ、ブラジルの諺「天気の良い日は屋根の瓦の修理をしなければならない」を引き合いに出して、好調なブラジルのマクロ経済や世界経済、金利の低下、膨れる外貨準備高、為替など燦燦と輝く晴天に恵まれた現在、時間のかからない政治改革の近代化や組合改革などを早急に行なわなければならないと述べた。

 最後にアルキミン元知事は小泉純一郎首相とグアタパラ移住地の上空をヘリコプターで飛んだ時に、小泉首相に手を振っている移住地の人々に感激した小泉首相は感激して、ヘリコプターを降りさせて、皆と感激し合った現場に一緒にいた自分も感激、親日家のアウキミン元知事は、言葉も習慣の天と地ほど違う日本から来た日系移民の農業への貢献は計り知れないと結んで、割れんばかりの拍手を受け、田中信会頭から記念のプレートが渡され、気さくなアルキミン元知事は、次々と写真撮影に応じて人気の高さを証明した。

 昼食会は平田事務局長が司会を務め、初めに特別参加者のアルキミン元聖州知事、ジョアン・カルロス・メイレーレス元聖州経済・科学技術・観光開発局長、マコト・イグチ元連邦議員/元フェーラス市長、ブラジル・アフリカ商工会議所のアダルベルト・カマルゴ会頭/ブラジル・ナイジェリア商工会議所会頭、カルロス・ケンジ・フクハラ州儀典長補佐/ブラジル日本イミン百周年記念協会儀典担当、西林万寿夫総領事、旭日双光章受賞した後藤隆顧問を紹介した。

 連絡事項として渡邉裕司コンサルタント部会長はコピー商品の横行で知的財産問題に対する保護や防衛対策として他国の商工会議所と連携して連邦政府への陳情のためのアンケート調査への協力依頼及び11月6日から7日にかけて実施されたミナス州産業視察ツアー報告を行い、続いて山田唯資監事会議長は第3四半期会計監査及び常任理事選挙日程などについて報告、3分間スピーチではトラドブラス社のウイリアム・イシイ社長は日本酒の輸入販売及び昼食会での酒ピリーニャやカクテルなども提供した。

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田中信会頭からプレート贈呈された講演者のアウキミン元聖州知事

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講演するアウキミン元知事

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田中会頭/アウキミン元知事/平田事務局長

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熱心に講演を聞く参加者

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旭日双光章受賞した後藤隆顧問/山田監事会議長/寺本専務理事

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平田事務局長/元聖州メイレーレス経済科学技術観光開発局長/フクハラ元聖州儀典長補佐

2007年度異業種交流委員会議事録(11月)

日時:2007.11.08(木)
場所:ブラジル日本語センター
出席者(ABC順):ABE・AKAMINE・ITAGAKI・MATSUDA・MINAMI・
NISHIOKA・OHNO・TAKEDA・YAMASHITA

記 ABE

【議事録】
1.次回12月度担当者
・会場/連絡係 西岡・大野
・会計係   竹田

2.本日の勉強会テーマ(参加者:19人)
ブラジルでの小荷物の受け取り方(山下副委員長)
サッカーの日伯の違いについて(大野さん)

以上

ミナスジェライス州産業視察ツアー(コンサルタント部会/機械金属部会共催)

ミナスジェライス州産業視察ツアー記

コンサルタント部会長 渡邉裕司

とにかく今回の産業視察はブラジルの恐るべき資源パワーをこの眼で実感したことであろう。新日鉄様、三井物産様のご協力を得て11月6日~7日、イパチンガのウジミナス製鉄所とリオドセ社のブルクツ鉄鉱山、イタビラのコンセイソーン鉄鉱山を視察し、6日はベロオリゾンチ市のフェルナンド・ピメンテル市長に会見、BH市が進めるハイテク技術団地計画BH-Techの計画概要を聴いた。

ウジミナス製鉄は世界的鉄鋼再編の動きの中で筆頭株主・新日鉄が「人と技術を惜しみなく投入」(三村明夫社長)して一大鉄鋼生産基地化する計画で、今後1兆円の投資を行い米州最大の5,000㎥容量の高炉も建設する。製銑工程(転炉)、製鋼工程、圧延工程、鋼板ラインをくまなく見学しその技術力を垣間見た思いがする。圧延設備は三菱重工製など日本の設備が使われている。

リオドセ社はカナダのアルミ大手インコを昨年、180億ドルで買収し名実ともに世界鉱山メジャー3強入りを果たした。リオドセが所有するブラジルの鉄鉱山可採埋蔵量は合計98億トン。鉄分62.8%のヘマタイト鉱、48.7%のイタビライト鉱で純度は高い。

国内高炉メーカーに出荷し、輸出は鉱山から鉄道で沿岸に運ぶが、過去、日本企業が鉄道敷設等で大きな貢献をしている。

今、ブラジルの粗鋼生産は3,500万トンしかないが、新日鉄+ウジミナス、韓国ポスコ+リオドセ、中国上海宝鋼集団+リオドセ、アルセロール・ミタルなどの大型高炉建設計画を見ると、将来は資源立地の強みを生かしブラジルは億トン単位の鉄鋼王国になる可能性がある。

 

ブルクツ鉄鉱山の大型ショベルカーの前で記念撮影

ウジミナス製鉄所の圧延工程(厚板用スラブ)

機窓から見るイパチンガ周辺のユーカリ植林地帯

イタビラ鉄鉱山のゲストハウスで昼食

ウジミナス製鉄所のロンメル所長と記念撮影

最先端医療設備病院見学会に24人が参加して開催

建設不動産部会(阿部勇部会長)主催の「最先端医療設備を備えた病院見学会」が11月7日午前11時から午後1時過ぎまで、ポルトガル慈善病院系列のサン・ジョゼ病院内を同病院マーケティング部の女性職員3人が初めにヴィデオで病院全体を紹介した。

続いて最先端画像診断センターの3テスラ磁気共鳴装置、PET-CT,デジタルマモグラフィー、三次元超音波装置、最新鋭装置装備の手術室や治療室、リハビリセンター、自動殺菌室などを見学、病院には全て個室で111室あり、個室は33平方メートルから75平方メートルで電動ベッド、リビングルーム、ベランダ、インターネットへのアクセス、液晶テレビなど至れり尽くせりであり、最大限に院内感染などを予防する施設となっており、参加者はその設備の素晴しさに感嘆の声を上げていた。

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見学した最先端設備のサンジョゼ病院の全容

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左から院内案内したメシアスさん/ソウザさん/シーダさんに阿部勇部会長からプレートの贈呈

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最先端医療設備を備えたサン・ジョゼ病院見学会参加者

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ビデオで病院を紹介

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院内感染予防の自動殺菌室

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清潔でよく整備された事務室

元ブラジル日本商工会議所会頭で、現顧問の後藤隆氏が旭日双光章受賞

元商工会議所会頭で現顧問の後藤隆氏は平成19年度在サンパウロ日本総領事館館内邦人叙勲者として旭日双光章を受賞、後藤顧問は中核役員として同会議所内部の組織化と事業活動の拡大、活性化を図ると共に、日伯経済交流の促進に貢献した。

 

旭日双光章受賞の後藤隆顧問

平田事務局長はバイア州投資イベント開催パーティに参加

平田藤義事務局長は11月5日午後7時からサンパウロ州工業連盟(FIESP)で、バイア州政府、 FIESP、バイア州工業連盟共催の投資誘致イベント開催カクテルパーティに出席、6日及び7日にはバイア州の環境政策、インフラ、エネルギー、IT、カ マサリ石油化学コンビナートについてのセミナーが開催され、バイア州紹介ビデオは2日から11日まで一般公開されている。

7日開催の監事会では第3四半期会計監査を実施

監事会(山田唯資監事会議長)が11月7日午後1時30分から5人が参加して、第3四半期の会計監査を行い、 山田監事会議長は5日午後に事前に各種関係書類をチェック、山田監事会議長、藤井敏晴監事、中村敏幸監事は事務局から提出された各種伝票類、バランスシート(B/S)、損益書(P/L)、対予算・実績収支明細書や書類をチェックした。

監事会は慣例に従い各1四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、エレーナ・ウエダ会計担当から会議所改装に伴う償却資産、固定資産、各委員会・部活活動収支明細、会費滞納社(者)などが報告、日下野成次総務補佐も参加した。

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左から山田監事会議長/藤井監事/中村監事