東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)開催

東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)のビジネスミーティングに多数の各国代表 者が参加、8月20日午前10時からサンパウロ州工業連盟(FIESP)で開催、商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加、ブラジル政府要 人、タイ、シンガポールやフィリピンなどの政府要人と昼食しながら意見の交換を行なった。

ビジネスフォーラムのなかで、イタマラチー宮 (外務省)のエヴェンドロ・ジドネッテ国際関係担当理事は世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハラウンド)の合意が難航しており、メルコスール がアジア、特にアセアンへ目を向ける新しいシナリオの可能性がでてきたと述べた。

メルコスールとインドとの間では2週間前に特恵関税条約で合意、イタマラチー宮ではシンガポールとの特恵関税合意を目指して、FIESP,全国工業連合(CNI)並びに全国農業連合(CNA)と鉱工業部門や農業部門での調整を行なっている。

FIESPの国際関係・貿易部のカルロス・カバルカンテ理事はラテンアメリカからアジアへの輸出は第一次産品であり、アジアからは完成品の輸出が大半を占 めて貿易摩擦の障害はないが、アセアン諸国からの輸出は7,600億ドル、輸入は5,400億ドル、アセアンとブラジルとの貿易は僅かに70億ドルで今後 の貿易拡大では大きな可能性を秘めている。

またシンガポールはブラジルにとって輸出基地となる可能性があり、昨年のシンガポールの貿易はブラジルの5倍に相当する5,000億ドル、ブラジルからはすでにエンブラエル、ペルジガン、サジア、ヴァーレ・ド・リオドーセなどが進出している。

FEALACは1998年9月にシンガポールのゴー・チョク・トン首相がチリのフレイ大統領に対し、従来より関係が希薄になって、ミッシング・リンクと呼 ばれていた東アジアと中南米の関係を強化することを目的とするフォーラムの設置を提唱、加盟国間の相互理解、政治的対話及び友好協力関係の促進、経済、貿 易・投資、金融、科学技術、環境保護、文化、スポーツ、観光、人的交流など幅広い分野における交流と協力の拡大などを目的に、2001年3月にチリで第1 回外相会合開催された。

 加盟国は東アジア側から15ヶ国(日、中、韓、アセアン10ヶ国、豪、NZ)、ラテンアメリカ側は17ヶ国(ブラ ジル、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、エル・サルバドル、キューバ、グァテマラ、コスタ・リカ、コロンビア、チリ、ニカラグァ、パナマ、パラグア イ、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、メキシコ)で構成されている。

労働問題研究会に29人が参加して開催

企業経営委員会(石川清治委員長)の労働問題研究会が8月16日午後4時から6時まで29人が参加して開催、自転車メーカーのカロイ社のジャイメ・マルケス・フィリョ副社長が「企業の競合性と引越しの管理」と題して、サンパウロ市内サント・アマーロ区からアチバイア市への上場移転時の計画や実施について講演した。

移転にはインフラ、税制特典、マンパワーの質など議論を繰り返し、マスコミ対策、工場閉鎖に伴う人員整理、優遇退職制度、転勤、などを綿密に検討、またシンジケートとの交渉など大変な労力を消費するが、準備周到で工場移転を成功させた経緯を説明した。

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左は講演者のジャイメ副社長/ラエルチ・エレロ副委員長

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熱心に講演を聞く参加者

監事会開催で第2四半期の会計監査

2007年第2四半期の会計監査の監事会(山田唯資監事会議長)が、8月15日正午より商工会議所小会議室で開催、出席した山田監事会議長、藤井敏晴監事、中村敏幸監事は事務局から提出された各種伝票類、バランスシート(B/S)、損益書(P/L)、対予算・実績収支明細書や書類をチェックした。

監事会は慣例に従い各1四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、平田事務局長から固定資産、各委員会・部活活動収支明細、会費滞納社(者)などが報告、事務局からは平田藤義事務局長、エレーナ・ウエダ会計担当、日下野成次事務局員が出席した。

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監事会の様子

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左から書類やバランスシートチェック中の藤井監事/山田監事会議長/中村監事

老年内科権威の千馬寿夫医学博士を招いて懇親昼食会を開催

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講演する千馬寿夫医学博士

 老年医学権威の千馬寿夫医学博士を招いて、商工会議所の懇親昼食会が8月10日正午からグラン・メリア・モファレジホテルに98人が参加して開催された。

 千馬医学博士は自身が駐在員の父親の関係で南アフリカ生まれ、帰国子女として日本で中学を卒業後、ブラジルに赴任した父親と家族と共にサンパウロで生活、サンパウロ大学医学部を卒業、ブラジルに32年間生活していると自己紹介した。

 講演のタイトルである「良い老後を過ごすには」のスライドでは、これが解決できたら私は医者を辞めると冒頭から笑わしたが、食生活、運動、ストレス、アルコールやタバコなど生活習慣が肥満、高血圧、高血糖などの危険因子となる基礎疾患を誘発して、ガン、脳卒中、心疾患や糖尿病などの生活習慣病を防ぐためには、40歳までにしっかりしたコントロールができるかどうかで、良い老後が過ごせるか決まると強調した。

 今日の参加者の大半はエグゼクチブでストレスの圧力に強いと思うが、その割りに喫煙者が少ないし、30分の運動を週3回以上の行なっている人が2割近くいたのは、今までの講演会で初めてであり脅威に値すると説明、この比率はブラジル人では2%にも満たないと会議所会員の健康管理を称えた。

 「老化防げるか」のスライドでは、進化こそすれ老化を防ぐことは不可能であるが、遅らせることはできると説明、老化のメカニズムにはガンの発生を促すフリーラジカル説、遺伝子の突然変異説、Medvedev医学博士が唱えたエラー破綻説、たんぱく質の機能が失われるたんぱく質架橋説、異常たんぱく質蓄積説、生体膜異常化説、細胞分化異常説やミトコンドリア異常説などが唱えられていると説明。

 また遺伝子にあらかじめ老化や寿命がセットされており、人の細胞はある回数になると細胞分裂をやめてしまうプログラム説で、老化や寿命について色々な説があってよく解明されていない。

 続いてラットでの老化と栄養の関係では、2年間のラットへの自由食と制限食の実験では、初めの1年間に制限食を食べたラットは寿命が長くなるが、2年目は自由食を食べたラットは引続いて制限食を食べたラットよりも寿命が長くなっており、戦後の食糧事情の悪い時期を乗切った皆さんは長生きしますと笑わせた。

 「高齢期で大切なもの」に関する調査では、健康が95%でダントツ、2位が家族となっているが、現在は昔のように貸し借り抜きでの家族による老人介護が難しいのは、家族は構成するものと魂のこもった家族の大切さを教えてこなかったことが、介護拒否に結びついていると指摘、また人類が今ほど老齢化を迎えたことがないために、学問的にも老人医学は難しいが、統計的に悲観的な人は長生きしていないので、明るく気持ちを若々しく保つのが長生きの秘訣であり、皆さんも気持ちを若々しく保つ修練をしてくださいと述べた。

 また気持ちを若々しく保つことと双璧である運動を習慣付けることで老化を遅らせることができ、運動により筋力増加、体脂肪減少、血圧、血糖値やコレステロールの低下、心肺機能や免疫機能の向上で活力年齢を若返ることができる。

 トレーニング者と非トレーニング者の加齢による最大酸素摂取量の調査では、長距離ランナーが最も高くて60歳で非トレーニング者の3倍、週3回のジョガーは2倍近くまで摂取でき、また運動習慣と骨密度の関係では、例えゲートボールでも密度を上げることができるし、競争心を煽られて楽しいことも老化現象を防ぐ要因になっていると説明。

 最後にケガの防止も役立つし若々しく保つ筋力つくりのための筋力トレーニング、ストレッチング、ジョギングやウオーキング、自宅では腕立て伏せ、腹筋運動、膝屈伸運動やストレッチ運動を心がけて、楽しい老後に備えてくださいと結んで盛大な拍手が送られ、田中信会頭から記念のプレートが贈呈された。

千馬寿夫医学博士の略歴
 老年内科専門医、ブラジル老年医学学会(サンパウロ支部)会長、サンパウロ大学医学部付属クリニック中央病院(Hospital Das Clinica)在宅医療チーム総責任者、1963年南アフリカ共和国ヨハネスブルグ市出身、甲南学園中等部卒業、サンパウロ大学医学部卒業、2002年同大学で博士号取得、現在はクリニカ中央病院にて「集中治療室における末期患者への対応」委員会、患者の人間性の尊重を唱える病院内運動のHUMANOCグループのメンバーとして活躍している。

昼食会は平田事務局長が講演者の千馬寿夫医学博士、特別参加の西林万寿人サンパウロ総領事を紹介、3分間スピーチではJBIC銀行の相川武利首席駐在員が、9月17日にリオ工業連盟会館で開催されるCDMセミナー、グラン・メリアホテルのヨハネス・バイヤーマネージャーは空港混乱が続いているためにホテルのヘリーポートの活用、ブラジル銀行貿易部のジェルソン・シュテスキー地域マネージャーが9月4日にFIESPで開催、米国、ドイツやアラブなどの商工会議所が、参加するブラジルの輸出促進セミナーENCOMEXへの参加をそれぞれ案内した。

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田中信会頭から講演者の千馬寿夫医学博士に記念プレートの贈呈

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日伯法律委員会セミナーに54人が参加して開催

日伯法律委員会(押切フラビオ委員長)が8月9日午後4時から6時まで、商工会議所会議室に会場一杯の54人が参加、矢野クラウジオ副委員長が進行役を務め、初めにエリエッチ・リベイロ弁護士が法令5.798/06号-技術革新への免税インセンチブ、ルイス・バルボーザ弁護士がインセンチブ・マーケティング-納税及び社会福祉面での効果について講演した。

続いてヴィトール・ゴメス弁護士が行政促進財団(FUNDAP)を通しての輸入-ICMS納税におけるサンパウロ州の税務期間状況、ジュリアナ・ロペス弁護士が移転価格税制のセーフ・ハーバー輸出の証明書類免除の見通し、最後にマルコス・メンデス弁護士が一般税制・管理財務執行法についてそれぞれ講演、活発な質疑応答が行なわれた。

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左から3人目が矢野クラウジオ副委員長/4人目がジョゼ・オリベイラ副委員長と講演者達

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2007年度異業種交流委員会議事録(8月)

日時:2007.08.09(木)
場所:ブラジル日本語センター
出席者(ABC順):ABE・AKAMINE・ITAGAKI・KANAZAWA・MINAMI・OHNO・SUZUKI・TAKEDA・YAMASHITA

記 ABE

【議事録】

  1. 1.勉強会の今後のテーマの提案
    ・ブラジルの畜肉について
    ・ブラジルの鉄鋼について
    ・ブラジルの老後は暮らしやすいか
    ・土地なし農民について
    ・ブラジルでの日本食について
    ・ブラジルの楽器作りについて
    ・サッカーにおける日伯の違い
    ・ブラジリアにおけるロビー活動の本当の姿
  2. 次回担当者
    ・連絡係    西岡
    ・会場/食事係 板垣
    ・会計係    竹田
  3. 本日の勉強会テーマ(参加者:22人)
    ・ブラジルの日本語新聞の今後(サンパウロ新聞社社長 高坂さん)
    ・今、そしてこれからの商社の役割(丸紅:伊藤さん 三菱商事:竹田さん)

 

熱心に意見の交換をする勉強会の様子

9月4日にFIESPで開催のENCOMEXセミナー案内に表敬訪問

ブラジル銀行のジェルソン・シュテスキー筆頭部長が9月4日にサンパウロ州工業連盟(FIESP)で開催され、欧米やアラブ諸国の商工会議所も参加する通商局(SECEX)が支援しているブラジル製品輸出促進セミナー「ENCOMEX」での講演者に、ブラジル日本商工会議所からの参加を平田事務局長に要請、また会員のセミナーへの参加も促した。