川崎汽船、サンパウロ市に “ K ”LINE BRASILを設立

 川崎汽船(前川弘幸代表取締役社長)は市内パウリスタ大通り542番に“K”LINE BRASIL LTDA.(音田 徹社長)を設立、進出企業や取引先、来賓など250名を招待、6月14日夜、市内のシントリ・レストランにおいて盛大なオープンセレモニーを開いた。

“K”LINE グループは2006年度決算においては1兆円を初めて超え、営業利益613億円、純利益515億円、自己資本比率38%、運航隻数は世界で 450隻を数える高収益企業であり、海運業界では世界の5指に数えられている。また、昨年3月に発表された中期経営計画“ K ”  LINE Vision2008プラスにおいては、2010年代の半ばにこうありたいとの各部門のビジョンを結集し、運航規模700隻、売上高1兆 5,000億円、経常利益 1,500億円、当期純利益 1,000億円という数値目標を掲げている。

川崎汽船は過去20年にわたりリオ での駐在員事務所を拠点として活動していたが、グループの企業理念である「安全輸送と環境保全に努め、お客様のニーズに全力で応え、サービス品質の向上を 通じ、豊かな生活の実現に貢献する」を更に展開していくため、今般、サンパウロ市に自営組織である“K”LINE BRASIL社を開設したもの。

 6月15日、会議所主催の昼食会にタイミングを合わせ正式に入会、本社の前川社長と現地法人の音田社長が揃って出席、力強い新入会員挨拶を行った。

左からK-LINEの前川本社社長/田中会頭/K-LINEブラジルの音田社長

日系社会委員会が開催された

日系社会委員会(窪田敏朗委員長)が6月12日午後に開催、来年のシンポジウム開催案について、場所、日時、講演者やパネルディスカッション参加者の人選など、常任理事会を前に会合をもった。参加者は窪田敏朗委員長、田中信会頭、山田唯資監事会議長、平田藤義事務局長、、柴田千鶴子事業班主任、岩城聡氏

本格的に動き出した住友金属

去る3月28日、バローレック(本社フランス)とブラジルで、シームレスパイプを製造する合弁会社 を設立すると発表した住友金属工業(株)は、合弁契約書作成のため、最終的な打ち合わせ中とのことだが、早々、和歌山製鉄所(和歌山市)から末包(すえかね)順一総務部長、鋼管カンパニー特殊管事業所(尼崎市)の平田陽二総務室副長が6月11日に来伯、合弁会社設立に参加するブラジル住友商事の宮田次郎社長(ブラジル日本商工会議所専任理事)、同社の金属・資源・エネルギー部門担当取締役の吉川(きっかわ)久秀氏等を伴い、平田事務局長と最近のブラジル経済事情や投資環境の動向、特に治安や生活情報および地域環境に適応する人事面などについての意見交換を目的に懇談した。

 粗鋼生産規模100万トン/年、シームレスパイプ60万トン/年の高炉一貫製鉄所が(投資額2,000億円)、2010年半ばの稼動を目標に建設される事になっているが「鉄は人なり」、先ず人事面の強化策からスタートを切った様だ。

 住友金属(友野 宏代表取締役社長)は売上高1,602,720百万円、営業利益303,774百万円、当期純利益226,725百万円を上げ、世界に冠た る高収益鉄鋼ミルだが、特にシームレスパイプの競争力には定評がある。(売上げ、利益は同社の平成19年3月期決算短信より)

会員の3銀行がサステイナブル・バンキング賞に輝く

6月7日、国際金融公社(IFC)とファイナンシャル・タイムズ紙はロンドンに於いてSASUTAINABLE BNKING 賞の授与式を行った。

 世界51カ国100以上の銀行から、151の応募があり(6月7日ファイナンシャル・タイムズ紙スペシャルレポート)、その中から総合トップに選ばれたの は、オランダABNアムロ銀行、次点が英国バークレイ銀行であったが、ブラジルからはブラジル三井住友銀行がカーボン・ファイナンス賞、スダメリス銀行を 傘下に置くABN AMRO REALはエマージングマーケット・サステイナブル・バンク賞に、又伯銀のBANCO DO BRASILはサステイナブ ル・バンカーズ賞を見事に受賞した。

  受賞に輝いた3銀行共、当会議所の会員であり極めて名誉な快挙、これを切掛けにCO2排出権取引が今後さらに活発化しそうだ。

 1997 年12月11日の気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書において地球温暖化を引き起こす原因とされる二酸化炭素、メタン等について、1990年を ベースとした先進国における削減率を各国別に定め、約束期間内に数値目標を達成する事が謳われた。この京都議定書において京都メカニズム(CDMのメカニ ズム、排出権取引のメカニズム、共同実施のメカニズム、吸収源活動のメカニズム)が盛り込まれ、それから10年を経過した現在、ヨーロッパ、ブラジル、な ど世界的にCO2の排出権取引などを中心に活発な動きがあった。

 2006年8月、社会、環境および企業統治の目的を銀行の本来業務に統合 させる事から世界銀行の姉妹機関である国際金融公社(IFC)とイギリスのファイナンシャル・タイムズ紙が共同で持続可能な銀行取引(サステイナブル・バ ンキング)賞を創設、先進国や発展途上国で活動する民間金融機関から応募を受付、同年度から表彰が開始された。

 表彰は5つのカテゴリーに 分かれサステイナブル・バンク(持続可能な銀行)賞、エマージングマーケット・サステイナブル・バンク(新興市場の持続可能な銀行)賞、サステイナブル・ バンカーズ(持続可能な銀行家)賞、サステイナブル・ディール(持続可能な取引)賞とサステイナブル・カーボン・ファイナンス(持続可能なカーボン・ファ イナンス)賞から成っている。

事務局長談話
今から約5年前、事務局長として就任直後、対外的な活動に関する仕事の第一歩は、当会議所が一刻も早く在ブラジル主要4カ国の会議所が設立した「炭素委員会」に正式メンバーとして参加する事であった。(下記のCDM活動の歩みを参照)

 当 初、幾多の手探りの勉強会を重ねていたが、常に当会議所の活動よりも一歩先行していたブラジル三井住友銀行が遂にカーボン・ファイナンス賞の優秀賞に輝い たのは非常に素晴らしくお目出度い事だ。特に同銀行の内田 肇 地球環境部長は今回の受賞の立役者であり日本でも活躍、昨年は会議所主催のCDMセミナー の講師役も勤めて戴きお世話になった方である。

 また、同じ会員企業である地場の他の2行も揃って受賞、CDM先進国になった実感がする。これからもCDMを担当する環境委員会を中心に更なる活動に期待したい。 事務局としてもベストを尽くしフォーローをするつもりである。

 

当会議所のCDM活動の歩み

2002年8月8日、在ブラジル・ドイツ商工会議所の主導下、アメリカ、フランス、イギリスの4商工会議所が発起人になり「炭素クレジット委員会」が設立された。
第 3回気候変動枠組み条約締約国会議COP3の議長国が日本であった理由から当会議所にも「炭素クレジット委員会」への参加要請があり、当会議所の GIE(外国投資家グループ)メンバーが同年9月23日、炭素クレジット委員会の第1回会合にイタリア、ベルギー、スイスおよびユーロの会議所と一緒に参加。
その後、カーボン・クレデイットの取引が、将来有望なビジネスになる可能性を秘めているため当会議所の貿易部会が中心となって各種勉強会やJETROやJBICの協力を得てCDMの講演会も数多く開催。
主要外国会議所との交流をさらに深めて行く事から2004年4月、当所のGIE委員会の中にCDM研究会を発足。当時の金岡正洋委員長はその目的、組織また活動内容を下記のように策定した。

1) 目的:CDMビジネスの動きにつき情報収集、調査、広報、意見交換等を行うことによって、商工会議所の会員企業のビジネスに資することを目的とする

2) 組織
① GIE委員会の分科会とするが貿易部会、JBIC,JETROの協力を得る.
② 研究会は、特に回数は決めないが、GIEの炭素委員会が2ヶ月に1回の頻度で開催されるので、それをメドとする
③ 研究会への参加は20社程度をメドとするが、特に定数は定めない
④ 会員は会議所メンバーで参加を希望する社全てを対象とする

3) 活動内容
① CDMビジネスについての情報収集
② CDM関連の調査の実施、単独、他機関との協力による調査
③ CDMビジネスについての研究会会員間の意見・情報交換、及び会議所会員に対する情報提供
④ CDM関連のセミナー・講演会の開催
⑤ GIEの炭素委員会に向けての準備、意見調整、提案

4) ブラジル政府等への提言等    
その後、CDM研究会は他の主要国会議所の組織に倣い、新たに環境委員会を設け活動を継続、現在に至っている。

Pdf 三井住友銀行排出権信託サービス

 

サルバドール歴史視察ツアー

 商工会議所相互啓発委員会主催のサルバドール歴史視察・リゾートツアーが6月1日(土)~同3日(日)まで2泊3日、総勢24名が参加して開催された。

 ユネスコ世界遺産に指定されているサルバドール市の旧市街地は、世界中からの観光客が訪れる観光名所であり、一行はバハ要塞、野口英世博士が研究していた医科大学、サンフランシスコ修道院教会、世界最初の黒人奴隷市場があったペロウリーニョ地区と同広場などを興味を持って見学、ブラジルの歴史の一端を知ることができる有意義な視察旅行となりました。

 サルバドール市内の歴史名所を視察後、一行はブラジル東北部でも有数のリゾート地であるPraia do ForteにあるIberostarホテルに宿泊、バイーア料理の食事や広々としたグリーンでのゴルフ、浜辺での甲羅干しや海水浴など会員および家族の皆さんとのんびり和気藹々と週末をすごし、会員相互の親睦を行い、思い出に残る楽しい視察旅行となりました。

以上/ 相互啓発委員会の伊藤聖治副委員長(丸紅)

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第一実業ブラジルがサンパウロに事務所を開設

第一実業株式会社(東京本社:矢野邦宏社長)は6月1日サンパウロ市内Av Paulista 37 に事務所を開設、オープンセレモニーがシントリで行われた。北米を含むブラジル事業も統括するDAIICHI JITSUGYO (AMERICA), INCから小西幸雄社長が駆けつけ、当地代表者の原拓也、秋吉マネジャーほか英語に堪能な社員2名による計4名の門出を祝った。第一実業ブラジルは当面、 主に各種機械設備の輸入およびそのアフターケアーなどを含むユニークな商社活動を展開する。

 今後の事業展開に当たって輸出入業者をはじめ 銀行、法律事務所、人材派遣会社また将来のパートナーなど関係先からも大勢セレモニーに参加、会議所からは事務局長が出席した。この開所式をもって会議所 入会約束をした原氏の言葉にすっかり満足を表明、今後進出企業の会員増加に弾みが付きそうだ。

GIE会議がリオ州知事や州局長が参加して開催された

GIE委員会が5月29日にグアナバラ宮でリオ州のセルジオ・カブラル州知事、各局長、リオ日本商工会議所の堤会頭(リオ三菱商事社長)、石川島 播磨の田中社長、三菱東京UFJ銀行のアントニオ・ヴァスコンセロス営業取締役など官民から蒼々たるメンバーが参加してパネルジスカッションなどで大いに 意見の交換が行なわれた。会議終了後にはラランジェイラス宮に移動して、懇親昼食会が開催された。

リオ州政府からはジューリオ・ブエノエネルギー・経済開発局長、ジョアキン・レヴィ財務局長、カルロス・ミンク環境局長、アレシャンドレ・カルドーゾ科学技術局長、ジューリオ・ロペス運輸局長、クリスチアーノ・アウレオ農業局長、エドアルド・パエス観光局長

セニブラ 20万トン増設記念式典を盛大に挙行

セニブラは1973年、日本側投資会社日伯紙パルプ資源開発株式会社(JBP)とリオドセ社の合弁企業としてスタートした。その後2001年にリオドセ社がセニブラ株をJBPに売却したため、セニブラはJBPの完全子会社となった。

セニブラ(フェルナンド・フォンセカ社長)は数年前より年産200万トンへの生産拡大プロジェクトを検討しているが、その長期計画の延長線上として20万トンの増設を計画、今年1月にその増設が実現し年産114万トンの体制となっている。

5月31日、セニブラは株主をはじめ従業員、ミナス州副知事や地元市長また在ブラジル日本国政府関係者ならびに当会議所関係者等大勢の来賓を ミナス州ベロオリエンテ市にある同社工場に招待、盛大な20万トン増産記念式典を行った。

株主をはじめとする一行を乗せたBRA航空会社のチャーター機は同日午前9時にグアルーリョス国際空港を出発、10 時過ぎにベロ・オリエンテ市のセニブラ工場に到着、11時より式典がスタートし、ブラジル並びに日本の国歌吹奏後、会社案内のビデオが流された。

続いてフォンセッカ社長が挨拶、今回の20万トン増設には3億2千万ドルを投資、増産分は全て輸出に振り向け、レアル高による収益性の圧迫は生産性向上で乗り切る覚悟だと抱負を語りながら力強く宣言した。 

また笠戸丸入港に遡る日系移民の歴史にもふれ、海外最大の日系人の活躍を称賛、移民100周年には 日伯双方で何かを実現できる「生きた見本」であると確信、ブラジルの気候や土壌、質の高い労働力を考慮したうえで日伯合同プロジェクトの輝ける未来への可 能性を示唆した。 

また王子製紙の鈴木正一郎会長は、セニブラの今日があるのは、工場建設当時から勤勉と誠実な両国民のお陰だと感謝の意 を表明する一方、現在の世界経済の中でブラジルに熱い視線が注がれている折、ルーラ大統領を表敬訪問、今回の20万トン増設により年産114万トン体制が 確立された事を報告したうえで、税制や労働改革、為替、インフラ、治安など投資環境改善も要請、その一つ一つに丁寧に応えた大統領の熱意と人柄には印象的 だったと語った。 

引き続き島内 憲大使が祝辞を述べた後に、ミナス州知事の命令で同式典に出席したアナスタジア副知事 からも増産体制確立の祝辞とミナス州経済の発展に寄与しているセニブラへの賛辞が述べられ、投資家をさらに安心させる投資環境整備に努めると明言、12時 30分式典は無事終了、工場敷地内の会場で行われたカクテルパーティーでは、小林栄三 伊藤忠社長の挨拶の後、フォンセカ社長とアナスタジア副州知事3人 が揃って小槌を片手に鏡割りを行い、参加者全員がセニブラの更なる発展を祈り祝杯をあげた。

懇親昼食会を後に、一行はセニブラの工 場をバスで 視察、装置産業化された工場や装置の規模に圧倒され、CBC重工が設置した1万トンにおよぶ鋼材が使われた超大型ボイラーは高さが75 メートルもあり、偉容を誇る典型例であった。また最終工程においては人影もなく、ロボットだけがラインから流れ出る 紙パルプの山を梱包している生産現場 は、まさに装置産業そのものであった。この後、ユーカリ苗畑を見学、地域の気候や土壌に適応した品種改良されたユーカリは、セニブラのバイオ技術水準の高 さを物語っていた。

イパチンガ空港からサンパウロに同チャーター機で移動した一行は午後 6時半過ぎガルーリョス空港に到着、市内のインターコンチネンタルホテルで、 午後8時過ぎからセニブラ株式ミッションと会議所幹部による懇談夕食会が開かれ多数が参加した。

JBPへは王子製紙と伊藤忠商事を中心に民間企業15社と国際協力銀行が出資しており、セニブラのユーカリパルプの生産・販売量は現時点でアラクルス社に次ぐ世界第2位となっている。

【味の素工場見学感想文】内助の功から寄稿

味の素の製品は、普段から安心して使わせていただいておりますが清潔に管理された、すべてにおいて行き届いた工場を見学する機会を得て、その思い「安心」をより確かなものにしました。

関係者の皆様方による心温まる、アテンドで製品ひとつひとつに、「顧客満足、お客様第一」の思想が生かされていると感じました。

展開されている商品のバリエーションも想像した以上に豊富で、しっかりとブラジルの消費社会に根付いていることにあらためて、感心しました。また、お土産まで頂戴し、ほのぼのとした思いを胸に帰路につきました。

末尾になりますが、味の素様のより一層のご発展をお祈り致しますとともに、今回、日本ではなかなかできない貴重な体験をさせていただいた、味の素様、会議所のご担当者の方々にあらためて厚く御礼申し上げます。

須賀裕子