2006年8月3日の業種別部会長シンポジウム案内に新聞社2社

8月3日の業種別部会長シンポジウム案内に新聞社2社を訪問した

篠原一宇総務副委員長と平田藤義事務局長が、7月28日午前に8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの案内に、ニッケイ新聞社およびサンパウロ新聞社を訪問した。

今回は業種別部会長懇談会からシンポジウムへの名称変更があり,その背景の説明や11部会のプロ中のプロの話や、2006年上期の回顧やトピックス、下期の展望や大統領選にまつわる政治経済の話が聞けるのよい機会であり、一般の人の参加をアピールした。

 

化学品部会が業種別部会長シンポジウムの発表資料作成などを行なった

化学品部会が7月28日午後開催され、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成などを行なった

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化学品部会(板垣義実部会長)が7月28日午後4時30分から6時まで、商工会議所会議室に8人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成や新部会長を選出した。

進行役は板垣部会長が務め、初めに参加者が自社の上半期の回顧と下期の展望について発表したが、上期の回顧では、石油価格高騰によるコストアップ、レアル 高による輸出の不振、大豆の国ロ相場価格の低落、減反による農薬使用量の減少、大豆から砂糖キビへの転作、期待はずれのワールドカップ効果、旱魃による減 収、口蹄疫の影響、通関スト、薬局のチェーン化、ジェネリック薬の売上げ増加、安価な中国製品の輸入急増などが売上げ高に影響した。

下期の展望では、ドル安対策による完成品の輸入、大統領選、公共投資の増加,好調な自動車業界への需要、連邦政府の農家援助政策、ニューキャッスル病の影 響、不安定な中近東情勢,生き残りをかけた新製品のリリース、代理店網の強化、医薬品のプロモーション規制強化、債権管理、調香師やアプリケーターのヘッ ドハンターなどが話題になった。

板垣部会長は日伯経済交流促進委員会の日伯EPA締結に向けてのアンケート調査への協力を説明、3年間化学品部会長を務めた板垣部会長から、松尾新一郎副部会長に部会長のイスがバトンタッチされた。

出席者は板垣部会長(スリーボンド)、松尾副部会長(住友化学)、辻井氏(パイロットペン)、藤崎氏(ダイカラー)、河田氏(久光製薬)、溝口氏(ニッソウ)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田藤義事務局長

自動車部会が、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

自動車部会が7月27日午後5時から開催、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

自動車部会(岩村哲夫部会長)が7月27日午後5時から6時半まで開催され、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成などについて意見の交換が行なわれた。

参加者は自社の2006年上期の回顧および下期の展望をそれぞれ発表、自動車やオートバイの生産台数が記録を塗り替えている業界全体の上期の景気は好調 で、下期も継続する模様であるが、好調の要因としてコンソルシオ販売の増加、金利の低下,フレックス車販売の増加、最低サラリーの大幅増加による低所得者 層のオートバイ販売好調などであった。

売上げ増加のマイナス要因として、南米諸国に中国製輸入オートバイが急増、特許に触れるオートバイの販売、製造ラインがフル操業で生産に限界、移転価格税制問題、欧州からの輸入中古タイヤや再生タイヤの急増などが頭痛の種となっている。

最後に新沼正広副部会長の帰国に伴い、副部会長および日本移民100周年分科会メンバーの選出が話合われた。

出 席者は岩村部会長(ホンダ)、新沼副部会長(ブリジストン)、長瀬副部会長(タカタ)、鍋島コーディネーター(ホンダ)、雨宮氏(雨宮機械工業)、高岡氏 (ブリジストン)、塚原氏(NGK)、岩永氏(トヨタ)、天野氏(トヨタ)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

 

機械金属部会

機械金属部会は7月26日正午から、商工会議所で11人が参加して開催された

 

 

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今年3回目の機械金属部会(嶋末繁部会長)は7月26日正午から午後2時まで、商工会議所会議室に11人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成などで意見の交換を行なった。

嶋末部会長が進行役を務め、初めに7月定例常任理事会の報告事項を紹介後、参加者が自社の2006年上期の回顧及び下期の展望について発表した。

大型プラントの受注、紙パルプ、鉄鋼やアルミ業界の大型設備投資、砂糖、エタノール業界の盛んな新規プロジェクト案件、好調な自動車や二輪車業界の動向、地上デジタル放送の日本方式採用や輸入比重の大きい企業が好調であった。

しかし輸出中心の企業は為替の影響、中国製品の輸入製品急増、国際穀物相場の下落、アグロビジネスの不調、価格競争、熾烈なシェア争い、石油価格の高騰、大統領選による大型プロジェクト案件の先送り、低調な公共投資、ブラジルから東欧への投資移転、非鉄金属の国際相場の高騰などで振回された企業もあった。

出席者は嶋末部会長(三菱重工)、西岡副部会長(日立)、北島氏(NGK‐リンナイ)、原田氏(ミツトヨ)、青木氏(MMCメタル)、杉村氏(NSK),大沢氏(OSG)、渕上(ユシロ)、古宮氏(ヤンマー)、栗原氏(個人)、田畑サンパウロ総領事館副領事、平田事務局長

2006年2回目の貿易部会

今年2回目の貿易部会が7月26日午後4時から開催、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

今年2回目の貿易部会(中村純一部会長)が7月26日午後4時から5時まで商工会議所会議室で開催、8月3日の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった。

渡邊裕司副部会長が作成したブラジル貿易概況の上半期の実績と通年の見通しの資料を基に、中村部会長が資料を読み上げて、参加者が意見交換して発表資料を纏めた。

上半期の貿易収支黒字の減少、輸出価格の上昇が輸出増加を下支え、原油の大幅な輸出増加、アフリカ諸国向け粗糖、自動車や航空機の好調な輸出、天候不順による大豆の減産、輸入耐久消費財の増加、中国から急増する電気電子部品、ニューキャッスル病発生の影響、ブラジルの貿易額に占める日本のシェア、高い水準を維持する貿易黒字などが話題になった。

出席者は中村部会長(丸紅)、渡邊副部会長(ジェトロ)、宮田氏(住友商事)、三分一氏(島津)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

060726 貿易部会2

金融部会は業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った

金融部会は7月25日正午から開催され、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成を話合った

 

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金融部会(福田勝美部会長)は7月25日正午から2時まで、商工会議所会議室に10人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で、意見の交換を行なった。

事前に福田部会長が作成した資料を読み上げながら、それぞれが意見を述べて修正などを行い、発表資料を作成してシンポジウム前に参加者全員に配布する。また保険業界の発表資料は土村副部会長が作成、読み上げながら意見の交換を行なった。

2006年上期は米国経済の減速感や金利上昇、エマージングマーケットから米国国債への資金の逃避や石油の高騰などで国際金融市場が荒れたが、6月にはブラジルの実態経済は引続き順調に拡大、下半期には大統領選はあるが、候補者の経済政策に大きな違いはなく、インフレのコントロール、好調な輸出による為替、金利低下など安定しており、順調に推移すると予想されている。

参加者は福田部会長(みずほ銀行)、松岡副部会長(三井住友銀行)、土村副部会長(安田保険)、小宮氏(ブラデスコ銀行)、小渕氏(三菱東京銀行)、宮原氏(三井住友保険)、藤井氏(東京海上)、金田氏(ウニバンコ銀行)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

繊維部会が7月25日午後3時から開催

繊維部会(今西暉夫部会長)は7月25日午後3時から5時まで商工会議所会議室に8人が参加、横のつながりが緊密な業界代表は、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの資料作成に和気あいあいと協力していた。

今西部会長が司会を務め、参加者が自社業績の2006年上期の回顧と下期の展望について、グラフ、統計表や綿密に作成されたグラフなどを提示しながらそれぞれ発表した。

ブラジル繊維業界を席巻している中国製輸入繊維・衣料製品、綿花生産量減産、国際相場の変動、遺伝子組換え種の使用禁止、天候不順、不均衡な為替,需給バランスの失調、選挙運動用Tシャツ需要の激変、ワールドカップのメリット・デメリット、最低賃金の引上げ効果、天然繊維回帰、州都第1コマンド(PCC)の暴動、原油の高騰の影響などで大いに意見の交換が行なわれた。

参加者は今西部会長(ユニチカ)、須賀副部会長(クラシキ)、本間副部会長(オーミジロー)、二宮氏(東洋紡)、金原氏(日清紡)、大矢氏(ダイワ紡)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

 

060725 繊維部会2

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運輸サービス部会は業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換

運輸サービス部会は7月24日午後2時から開催され、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった

運輸サービス部会(丸山亘部会長)は7月24日午後2時から4時まで、商工会議所会議室に12人が参加、8月3日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見の交換を行なった。

進行役は丸山部会長が務め、参加者が2006年上期の回顧及び下期の展望について自社の業績を発表した。また国税局通関職員の港湾スト、ナショナル 製鉄所 の第3高炉事故による影響、ヴァリグ航空の経営不振による航空便減少の影響、為替の影響、米国ヴィザ取得によるアジア行き北米便の不振、ヴァリグ直行便の 廃止、州都第1コマンド(PCC)の犯罪事件などの影響が発表された。

出席者は丸山部会長 (NYK),森田副部会長(SANKYU),堀井氏(Yusen),広瀬氏(ブルーツリーホテル)、山下氏(ヤコン)、寺本氏(JAL),堀池氏 (SUZUYO),和田氏(日通)、松尾氏(三井物産)、廣瀬氏(MOL)、岐部氏(KDDI)、金沢サンパウロ総領事館調査員、平田事務局長

コンサルタント部会が業種別部会長シンポジウムに発表資料作成で意見交換

コンサルタント部会が7月24日午前10時から開催され、業種別部会長シンポジウムに発表資料作成で意見の交換を行なった

 

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コンサルタント部会(渡邊裕司部会長)が7月24日午前10時から商工会議所会議室に10人が参加して開催、8月3日の業種別部会長シンポジウムでの発表資料作成で大いに意見の交換やアイデアが交わされた。

渡邊部会長が司会を務め、初めに7月23日未明にご逝去された佐伯ジョージ顧問弁護士に対して、1分間の黙祷を捧げた。

シンポジウムで発表するテーマとして、ブラジル政治典経済の回顧と展望、地上デジタル放送の日本方式採用、エタノール、2008年の日伯交流年など色々な提案がなされた。

また個別テーマでは移転価格税制、社会保障や年金、本社へのロイヤリティー支払い、治安問題など多岐にわたって意見の交換がなされた。

参加社は渡邊部会長、遠山副部会長、赤嶺副部会長、山下副部会長、山田顧問,関根部会員、押切部会員、田中会頭、土肥サンパウロ総領事館領事、平田事務局長

 

異業種交流委員会主催の近藤健書記官による政治セミナー

異業種交流委員会主催の近藤健書記官による政治セミナーが7月21日開催、会場一杯の50人が熱心に聞いていた

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異業種交流委員会(阿部勇委員長)主催、在ブラジリア日本大使館の近藤健書記官による3年連続3回目で、毎回人気を博しているブラジル政治セミナー「大統領選挙と次期政権の行方」が7月21日午後3時から5時30分まで商工会議所会議室に50人が参加して開催された。

初めに阿部部会長がセミナー開催の挨拶を行い、わざわざブラジリアから駆けつけた近藤書記官にお礼を述べ、赤嶺副部会長が近藤書記官の略歴を紹介してセミナーは開始された。

近藤書記官は10月に行なわれる大統領選挙は、ルーラ現職大統領とアルキミン候補の一騎打ちの様相になってきており、昨年のメンサロン問題発覚前には、ルーラ大統領の再選は確実であったが、一時期は出馬も危ぶまれた程支持率を下げた。

またルーラ大統領は慎重な人物であり、貧しい生立ちからサクセスストーリーで大統領まで上り詰め、名前を汚さないためにも立候補しないのではないかと見られていたが、今年に入り支持率がぐんぐん回復してきて立候補を決定した。

対立候補のPSDB党では、アルキミン元聖州知事とジョゼ・セーラ元聖市市長が指名争いを続けていたが、党内調整でアルキミン候補を指名した。また大政党 のPMDB党はブラジル全国に党組織を網羅して、市長の数が最も多いが、中道でありイデオロギーや確固とした政策を持ち合わせずに利権で動く傾向にある。 また下院に80人の勢力を維持しているが纏りに欠けて、大統領候補は選出しないが他党との連立に強い。

PT党は労使や左派のインテリが多い都市部で強いが、田舎の支持が多いPMDB党を連立に引き込みたいが、PMDB党大会では与党と連立しないなど支離滅裂な党でもある。

大統領選には7人が立候補しているが、その中でも元PT党でPSOL党のエロイーザ・エレーナ候補は、立派なヴィジョンを持っているわけではないが、社会 的弱者に焦点を当てて過激な言動で国民に訴えるのが得意であり、また支持率を上げてきており、ルーラ候補の支持率を侵食する可能性があり、ルーラ候補の第 1次選での当選が難しくなってきた。

また8月15日から始まる政見放送では、サンパウロ州以 外に余り知られていないアルキミン候補にとっては有利に作用する。仮に第2次選にもつれ込んだ場合は候補者の拒否率が重要なファクターとなり、拒否率 22%のアルキミン候補はルーラ候補の32%よりも優位に作用する可能性がある。

今回の大統 領選はルーラ候補とアルキミン候補の一騎打ちが予想されるが,エロイーザ候補の支持率も両候補にとっては侮れない、またルーラ候補の支持者は低学歴及び低 所得者層に対して、アルキミン候補の支持者は高学歴及び高所得者層であリ、ルーラ候補の支持基盤の方が圧倒的に大きい。

ルーラ候補の選挙戦略として「貧しい者の父親」イメージ作り、ボルサ・ファミリア支給による庶民階級の支持、「低所得者層と中産階級を守るが金持ちは自分 で守れる」と強調、選挙違反にならない落成式やすでに出来上がっている建物や石油採掘プラットフォームなどでの演説で巧みに実績のイメージアップを図り、 PMDB党支持票の取込み、現職の強み、汚職に関わっていないクリーンなイメージ作り、道路穴埋めや建築材料減税措置による支出増加や金融界の支持、 PCC騒動の巧みな利用や前政権との経済指標の比較で好調な経済を強調することなどが有利に作用しているが、公務員やサラリーマンの中産階級の失望・離 反、8年間のPSDB政権の実績、産業界のアルキミン候補支持、汚職追及が続くCPIなどは不利に作用する。

アルキミン候補の選挙戦略は真面目で有能なイメージの売込み、ルーラ政権の低い経済成長の指摘、また戦術としてはPFL党との連立,反政府派筆頭のテメル PMDB党首の派閥の取込み、PT党の政治汚職に対する政治論理の強調や決選投票に持込んで逆転勝利を収めるシナリオを描いている。

大統領選挙の見通しで、近藤書記官はシナリオAとしてルーラ候補の第1次選での再選、シナリオBとしてアルキミン候補の支持拡大で決戦投票になるがルーラ の再選、シナリオCとしてアルキミン知事が決戦投票で逆転して大統領に選ばれると3つのシナリオを提示したが、政治ジャーナリストの意見としては、シナリ オBの決戦投票でのルーラ再選が最も多いと説明した。

ルーラ大統領が再選された場合は歴史に名を残すために経済政策に拘らないために、マクロ経済には変化がないが左派的傾向が強まり、構造改革、税制改革、年金改革や労働法改革はなかなか進展しない。

アルキミン候補が大統領に選ばれると、2010年に再選に向けて立候補するために、アエシオ・ネーベスミナス州知事の大統領候補のシナリオが消滅してしまうが、与野党の大統領候補の最右翼であるのはブラジル政界の周知の事実であると結んで講演を終えた。

最後の質疑応答では、アルキミン候補が当選するシナリオ、ルーラはニックネームか本名か、アルキミン候補の低所得者層への取込み、PCC暴動と選挙の絡 み、MSTやセンテットとの関わり、ルーラ候補のカリスマ性など多岐にわたって質問が飛んだが、間髪を入れずにテキパキと明確に答えて大きな拍手が送られた。