セミナー「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」

セミナー「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に、40人の参加者が、配布された濃厚な内容の資料を手元に、理路整然とまとめられた説明に聞き入っていた

貿易部会(中村純一部会長)、コンサルタント部会(桜井悌司部会長)及び日伯経済交流促進委員会(大前孝雄委員長)共催のセミナー「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」を、8日午後4時から会議所で開催した。

これは国際協力銀行の海外投資専門家の来伯機会をとらえて開催された。今回は16回目の調査であり、日本企業の業種別、地域別の海外投資の動向、収 益性や 中国の動きなどをカバーしている。またルーラ大統領の訪日に関連して、ブラジルへの投資の参考に大いに役立つセミナーとなった。

セミナーの第1部は、国際協力銀行( JBIC )の井本裕企業金融部次長が、「 JBIC の最近の業務説明 / 取組み」について、海外投資の基本スキーム、基本的融資条件、現地リスクによる与信などについて配られた資料を元に、分かりやすく説明した。

セミナ-の第2部は、「わが国の製造業企業の海外事業展開の動向」のアンケート結果から見た海外事業への取組みやブラジル事業の位置づけなどについて、

開発金融研究所海外投資研究班の三村敏治調査役が国内外、地域別の海外事業展開見通し、日本企業の直接投資先としてのブラジルのランク、動向や課 題、 BRIC’ s諸国の比較、アジア諸国とブラジルの比較など興味の尽きないセミナーとなり、海外から見たブラジルの立場や評価などについて、目からウロコを落とした参 加者も多かった。

最後の質疑応答には、工藤克典米州地域外事審議役と相川武 利リオ・デ・ジャネイロ主席駐在員も加わり、ブラジルの地理的位置、欧米からブラジルへの第3次投資ブーム、欧米企業のブラジルの輸出基地化、ラ米の外債 問題と持続的経済成長、ブラジルの税制問題や金利政策、 FTA 問題、中国への投資の一極集中などいろいろ議論されたが、資源開発確保型、進出企業のインフラ整備事業の参加、 CDM の温室ガス排出甯ク事業への参加や輸出用製造拠点型の投資についても大いに熱い議論が交わされ、すばらしいセミナーとなった。

画期的な日伯経済シンポジウム - EPA への挑戦

伯日議員連盟(会長:パウロ・コバヤシ下院議員)主催の「日伯経済シンポジウム」が3月3日(木)午後 2 時半からブラジリアの下院会議場で開催された。

昨年9月に小泉総理の来伯、今年 5 月ルーラ大統領の訪日に向け将来の EPA 推進も照準に入れた日伯経済の活性化がこのシンポジウムの背景下にある。

双方の行政府、議会、経済界の有識者や国際政治・経済を専攻、将来の国運を担う学生も含め、 300 名が一同に集い活発な討論会が行われた。

シンポジウムは「ブラジルと日本: 21 世紀戦略的パートナーシップ」と題しパウロ・コバヤシ会長のグローバリゼイションの時代に相応しい伯日関係の構築を説いた開会宣言に始まり、堀村大使から 昨年の小泉総理来伯とルーラ大統領の訪日を契機に日伯経済の再活性化を強調、将来どうあるべきか政府、民間、議員が手を取り合い自由活発に討論を展開して ほしいと出席者全員に訴えた。

7 年振りに来伯した河村議員はブラジルの成長躍進振りに驚きを表明、小泉総理来伯時、新構想としての日・中南米新パートナーシップの構築にあたっては 60 ~ 70 年代の資源補完関係を超越した、新しい発想での議論展開が必要だと「ブラジルと日本の Win-Win 関係構築」を例に引出し、今や国家主導の時代は過ぎ去り民間が主役である事を強調、民間投資の拡大にあたってどのような環境整備が必要とされるのか忌憚の ない意見交換を要請した。本日の討論会の成果がそのままルーラ大統領訪日時に開催される日伯経済合同委員会へ反映される事に期待していると挨拶を結んだ。

開発商工大臣の代理で出席したイバン・ラマーリョ貿易促進局長は今年に入ってからもブラジル の輸出額は過去 12 ヶ月累計で 1000 億ドルを超えている現状に触れながら、かつて日本は第 3 位の投資国であった事を振り返り、これからの日伯間相互の投資・貿易拡大に期待した。

挨拶の直後、チズカ・ヤマサキ監督の GAIJIN 2 が DVD を使いスキップに披露された。

今回のシンポジウムは 3 つのテーマが設定され最初、相互補完パートナーシップ「ブラジルと日本の Win-Win 関係構築とは」と題し 80 年代前半カラジャス鉄鉱山開発プロジェクト向け融資をはじめアルブラス、ウジミナス案件を担当された JBIC の森田副総裁が発表した。  JBIC は ODA の一環である円借款の供与や日本企業のブラジルでの活動支援を通じ長年ブラジルとの関係強化に加え、昨今のブラジル向け融資の実績から森田副総裁の熱弁は 感動的であった。 2004 年 3 月末までの対ブラジル承諾累計額は 216 億ドルにのぼり、総貸付残高は 80 億ドルとなっており、ラテンアメリカで堂々第 1 位にランク、ブラジルをどれだけ重要視しているかが分かる。

経済協力関係において具体的な 4 大分野とは何かを個別に挙げた。先ず第一に資源を巡る戦略的な長期安定確保は最重要課題だとエネルギー・天然資源および食料の分野での協力関係を強調した。

第二に投資対象としてのインフラ整備を挙げ、ブラジル政府が進めている PPP に関心を示しながら日本企業がアジア諸国で行った民活インフラの実績を自信満々に披露した。経済発展のボトルネックとされブラジル政府が最大緊急課題とす るインフラ整備に単なる投資先と言う観点に留まらず、両国の利益に適うものと言明した。

第三にエタノールやバイオ・ディーゼルといった再生可能エネルギーや CDM 関連プロジェクトを挙げ、日本の Co2 削減には排出権の獲得にあたって CDM で大きな可能性を持つブラジルに日本側も協力し、そこから得られる排出権を購入することが考えられると説明、会場の聴衆者を沸かした。

最後に真の意味での Win-Win 構築の実現には第四の製造分野における協力関係が再活性化されなければならないと断言、貿易品目が一次産品からハイテク分野である航空機やソフトなど多岐 に渡る輸出実績を高く評価、日本企業が得意とする生産・品質管理、省エネ技術・ノウハウなどの移転を柱として協力する分野はまだまだ多々ある事を強調、グ ローバル戦略の中で製造・輸出拠点として位置付け、日本企業による投資促進を期待した。

続いてペトロブラス石油公団のラエルテ・ロッシャ・ピーレス財務企画マネージャーは 70 年代以降 90 年代までを 10 年毎に区分、日本との関係プロジェクトの紹介や主要な投・融資先、 JBIC/NEXI/ 主要総合商社 / 銀行や代表的な企業を挙げ、 2006 年には 230 万バーレルの増産で自給体制が整う報告や今後の投資プラン、フレートのイノベイション、天然ガス開発・インフラ拡大、再生エネルギープロジェクトなどビジ ネス・ストラテジーも披露した。

活発な質疑応答が展開され鉄鋼再編が加速化している現状 下 JBIC の支援の可能性を打診した事に対し、ウジミナスが 25 年前に比べ見違えるほど良くなっている事に満足の表情を見せながら、各種資源マーケットで原料の確保の重要性を説き、石油 / ガスだけに留まらず鉄鉱石 / 石炭の分野でも支援可能だと言明した。また CDM に対する JBIC の心意気を再確認する意味での質問があり、 2008~2012 年の目標年度に向かって 10 %を上回る削減を余儀なくされている日本はそのプライオリテーが高く、既に 32 社の企業が参加、排出権クレジットファンドの購入について準備周到だと説明。日伯間で CDM 認証機関の協定を結びたいと、現場を歩んだ実力派の森田副総裁は特に CDM プロジェクトへの熱い抱負を述べ会場を興奮の渦に巻いた。

その他、融資保証メカニズムにも触れ、政府に直接保証、政府に保証を戴く形式、石油公団ペトロブラスなど企業の信用で融資、ブラデスコや伯銀などの信用力で色々工夫しながら融資したいとも語った。

参加した学生からもドンドン質問が飛び出し「京都議定書が発効したがそれにより生産性が低下しないのか」、「日本の政府や民間企業は核エネルギー分野(平 和利用)で技術協力は出来るのか」等、当を得た質問には間髪いれず的確に答えた森田副総裁も、「ブラジルからの食品輸入の拡大に JBIC は協力出来るのか」との専門外の質問に対しては他のセッションに委ねたいと回答に苦慮する場面も。

熱い雰囲気の質疑応答を一旦打ち切り、アントニオ・ウエノ元下議が進行役を交替。

テーマ 2 である「貿易・投資の現状と今後の展望」は JETRO サンパウロの桜井所長が周到に準備したポ語のパワーポイントを使い得意のポルトニョールで発表、一躍会場の人気者となった。表やグラフを用い非常に簡潔な表現で誰でも解る説明が受けた。

質疑応答では大使館サイドが答えるべき質問にも、大使を正面にまず断りの前置きを忘れず、一人二役を快く上手にこなしていたのが印象的であった。業種別部 会長懇談会に出席している会員であれば、貿易部会の発表を通じ又「ブラジルに外国資本を如何に誘致するか」の提言はブラジル主要各紙が取材、一般に広く紹 介されたので発表の内容を今更述べるまでも無い。

ブラジル側からも BNDES 総裁の補佐官、ジウソン・シュワルッツ氏から PPP を含めた、まさに上述の通商促進と投資誘致について発表があった。

最後のテーマ 3 の投資環境整備に於いてはヒデカズ・タカヤマ下議(パラナ出身)が進行役を努め「日本の先端的技術投資を含め、戦略的拠点としての投資を倍増させるための 方策は何か」と題し、ブラジル三井物産の大前孝雄社長から具体的な商社マンとしての鋭い力作の発表があった。

対ブラジル外資直接投資の現状と将来の展望、海外からの直接投資増大のための課題、日伯関係の活性化など一つ一つ丁寧な説明の後、日伯経済交流促進委員長 として EPA 締結の重要性と緊急性を訴え、 5 月のルーラ大統領訪日は日伯 EPA 締結に向け検討を開始する又とない絶好の機会であり、官学民三位一体の共同研究会設置の合意を強く要望して発表を結んだ。

ブラジル側はレオナルド・モレツオン リオドッセ財務担当重役からグループの沿革や歴史また業容説明および資本構成などが発表された。

質疑応答と言うよりグアルリョス空港に於ける入国審査や手続きの簡素化に関する当局への要請が GIE (外国投資家グループ)との連携で進めつつある現状報告やスラブの価格が 92 年当時 U$220/ トンから 2004 年現在 U$550/ トンに暴騰したことも話題になった。

締め括りにひょっこり笑顔で現れたセヴェリーノ・カ ヴァウカンテ下院議長、政治家らしく約 100 年前の歴史を振り返り、サントス港に上陸した移民とその子孫が、様々な分野で重要な役割を果たし、どれだけブラジル国の発展に寄与、その功績の上に今日の 日伯関係があると賛辞を忘れない。続いて堀村大使が首脳同士の交流が始まる中、このシンポジウムの意義がどれだけ大きいものか、主催者の伯日議員連盟の関 係者に謝辞を述べながら、両国の経済活性化の構築がアジア経済圏と中・南米経済圏の中核を結びつけ且つ世界経済の活性化に繋がると総括した。下院の国際関 係委員長でバイヤ大学教授でもあるアロウド・セドゥラス氏が日本から学ぶべき点は非常に多く、やがてブラジルも G8 の仲間入りになる強い意思を表示。

最後にブラジル日本商工会議所の田中 信会頭から「在 伯 30 年間で伯日議員連盟主催のシンポジウムは画期的だ」と賞賛と満足を表明、夫々のテーマの要旨を簡潔に述べた後、日伯 EPA 締結の重要性を再び強調、シンポジウムの総括を締め括った。午後 7 時半に閉会。

日本側からは河村建夫(前文部科学大臣)日伯議員連盟事務局長・日伯 21 世紀協議会座長、堀村隆彦在ブラジル日本国特命全権大使、田中 信ブラジル日本商工会議所会頭、大前孝雄会議所専任理事・ブラジル三井物産社長、金岡正洋 会議所副会頭・ブラジル伊藤忠社長、浅賀健一会議所専任理事・ブラジル新日鉄社長、瀬山雅博会議所専任理事・ブラジルパナソニック社長、工藤 章前会議所 会頭(現在名誉会頭)・三菱商事中南米総代表、森田嘉彦 JBIC (日本国際協力銀行)副総裁、桜井悌司 JETRO サンパウロ所長ほか会議所会員企業 25 社の代表者に平田事務局長も参加。

日伯経済シンポジウム参加者名簿
3月3日(木)ブラジリアで開催

人数
企業名
 
役職名
参加者名(敬称略)
1 Libercon Business   社長 田中 信 Makoto Tanaka
2 伯国三菱商事会社 Mitsubishi Corp. 中南米総代表 工藤 章 Akira Kudo
3 同上   専務取締役 立入秀紀 Hideki Tachiiri
4 丸紅ブラジル Marubeni Brasil S.A 社長 中村純一 Junichi Nakamura
5 三井ブラジル Mitsui Brasileira 社長 大前孝雄 Takao Omae
6 同上   副社長 藤下温雄 Atsuo Fujishita
7 伊藤忠ブラジル Itochu Brasil 社長 金岡正洋 Masahiro Kanaoka
8 島津製作所 Shimadzu do Brasil 社長 三分一克則 Katsunori Sambuichi
9 Trench Rossi e Watanabe   Socio Mario Massanori Iwamizu
10 Arima & Kanegae Corretora   社長 有馬庄英 Shoei Arima
11 新日鉄 Nippon Steel 社長 浅賀健一 Kenichi Asaka
12 ジェトロ サンパウロ JETRO SP 所長 桜井悌司 Teiji Sakurai
13 パナソニック・ブラジル Panasonic do Brasil 社長 瀬山雅博 Masahiro Seyama
14 同上   副社長 篠原一宇 Ichiu Shinohara
15 ブラジル トヨタ Toyota do Brasil 戦略企画部長 柴田達也 Tatsuya Shibata
16 同上   広報部アシスタント 鈴木智博 Tomohiro Suzuki
17 Primotech21   社長 三好康敦 Yasutoshi Miyoshi
18 モト ホンダ Moto Honda 取締役 Paulo Takeuchi
19 K. Toyama   社長 遠山景孝 Kagetaka Toyama
20 三菱重工 CBC Industrias Pesadas 社長 嶋末 繁 Shigeru Shimasue
21 三井住友銀行 Banco Sumitomo Mitsui 社長 三角岳明 Takeaki Misumi
22 ヤクルト商工 Yakult 社長 貞方賢彦 Masahiko Sadakata
23 札幌ヤクルト販売 Sapporo Yakult 社長 松園直史 Takashi Matsuzono
24 松尚株式会社 Matsusho 取締役 釘本 大嗣 Hirotsugu Kugimoto
25 Kenbridge Consultant   社長 河野賢二 Kenji Kawano
26 Brasil Marca de Excelencia   Diretor e Editor Dirceu Brizola
27 Price.w.houseCoopers   Diretor Douglas Souza de Oliveira
28 同上   coordenadora Carolina Kazuko Sakama
29 同上   Diretor Marco Antonio Fujihara
30 Blue Tree   Diretora Sumico V. Hirose
31 FELSBERG, PEDRETTI, MANNRICH E AIDAR   Socio Roberio Sulz Gonsalves Junior
32 Tozzini, Freire, Teixeira e Silva Advogados   Socio Antonio Felix de Araujo Cintra
33 ブラジル日本商工会議所 Camara Japonesa 事務局長 平田藤義 Fujiyoshi Hirata

ブラジル側は主催者のパウロ・コバヤシ下議、セベリーノ・カバウカンティ下院議長、イヴァン・ラマーリョ貿易促進局長、パネルデスカッションの進行役として パウロデウガード下議・伯日議員連盟副会長、アントニオ・ウエノ元下議・伯日議員連盟名誉会長、ヒデカズ・タカヤマ下議・伯日議員連盟事務局長、プレゼン テイターとしてラエルチ・ロッシャ・ピーレス ペトロブラス財務企画マネージャー、ジウソン・シュワルツ BNDES 総裁の補佐官・ USP 経済学部教授、レオナルド・モレツオン バーレ・ド・リオドッセ財務担当重役やその他議員など大勢。

日伯法律委員会の3月月例会

日伯法律委員会の月例会に、30人余りの口達者な弁護士達が集まり、盛んに質疑応答を繰り返していた

3月の日伯法律委員会(瀬山雅博委員長)月例会は、3日午後5時から会議所に30人余りの若くて口達者な弁護士達が集まり、多いに質疑応答を繰り返していた。

押切フラビオ副委員長は、日伯経済シンポジウムに参加している瀬山委員長に代わり議長役を務め、4月29日午後1時からクラウン・プラザホテルで開かれるセミナー「2004年/2005年度の法人所得税」について説明し、多くの参加を呼びかけた。

初めにファービオ・フロレンチーノ弁護士(フェルスベルグ社)は法律11.051 / 04号と株主への配当について説明、続いてエンゾ・モゴージ弁護士(ガイア、シルバ社)が補足法第118号と租税の非債弁済期限変更について、カイオ・ル オトーロ弁護士(ロンバルジ社)は法案-公開協議01 / 2005-国庫債券執行法の変更、そして最後にラッケル・ハルミ・イワセ弁護士(ブラガ、マラフォン社)が EC 第45 / 04号-司法権改革-租税訴訟への影響について、それぞれが熱弁し、盛んな質疑応答が飛び交っていた。

総務委員会(浅賀健一委員長)「基本的な事項を幅広く討議」

2日午前10時から05年度第一回の総務委員会が開催された。

総務委員会のメンバー構成、05年度委員会予算、会議所活性化の原点(部会活動)、各部会・委員会に内在する諸問題の組織的発掘や事務局体制および定款改正などに関する基本的な事項が幅広く討議された。

出席者: 浅賀健一委員長、川村公利副委員長、山田唯資監事会議長、平田藤義事務局長

注目の的である訪日エタノール・ミッション報告会

貿易部会(中村純一部会長)とコンサルタント部会(桜 井悌司部会長)共催の注目のセミナー「訪日エタノール・テクニカル・ミッションの報告会」が、28日午後4時から会議所に50人近くの参加者が押しかけ、 英語によるエドワルド・カルバーリョ団長の話しに、耳を傾けていた。

講演を行ったカルバーリョ氏はセミナーの冒頭で、小泉順一郎首相が来伯するまで、エタノールフ対日輸出に関してブラジル側はポルトガル語で、日本側は日本語で通訳を入れずに話合っていたが、同首相の来伯はブラジル側の話しに耳を傾けるようになった。

また日本側はエタノール燃料開発に実績のあるブラジルの問題点で最も心配している点は、エタノ-ルの安定供給であるが、サトウキビ栽培に適している半乾燥地帯のセラードの耕作拡大面積は、9千万ヘクタールもある。また現在のサトウキビ生産地帯は、収獲期が9月から3月の東北伯と収獲期が正反対のサンパウロ州、パラナ州と南マット・グロッソ州と安定供給できると説明した。

しかしこのエタノール輸出も10年近く話題になっているが、マンゴーの対日輸出のように 30年もかかったことがあり、日本側の慎重さを面白おかしく述べ、笑いを誘っていた。

またサンパウロ州などで生産されたエタノールの輸出に、カンピーナス郊外のパウリ-ニャ市、タウバテ市を経由するガス・パイプラインを利用してリオのイーリャ・ダ・アーグア港まで輸送することも可能であり、輸送用インフラ整備投資も省けると強調した。

盛んな質疑応答の後、田中信会頭からカルバーリョ氏に記念プレートが贈呈された。

このセミナーはUNICA (サンパウロ砂糖・アグロビジネス協会)のカルバーリョ会長を団長とするエタノール・テクニカル・ミッションが1月16日から22日まで訪日し、経済産業 省、国際協力銀行、日本アルコール協会、石油連盟、環境省や大手自動車メーカーや商社などを訪問し、エタノールの対日輸出に伴う技術的な事について意見の 交換などを行って来た報告書が元になっている。

 

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先月に引続き環境安全対策委員会の第2回防犯安全対策チーム会議

先月に引続き環境安全対策委員会の第2回防犯安全対策チーム会議が開かれ、早々と5月の防弾車メーカー見学を決定した

環境安全対策委員会(岩村哲夫委員長)の第2回防犯安全対策チーム会議(鍋島直裕リーダー)が、24日商工会議所で開かれ、早々と5月の防弾車メーカー見学や“安全のしおり”制作などのスケジュールを決定した。

啓蒙活動の一環として、第1回目の現場訪問イベントは5月の防弾車メーカー見学に決定した。これは工場見学、実弾発射テスト視察などを通して、防弾車の性能や使い方を認識する。担当はYanaguitaさん、鍋島さん。

また第2回目の現場訪問イベントは下期の予定で、警察関連機関訪問または治安関連専門家を招待しての開催を検討中。

日本から来る邦人を主な対象に“安全のしおり”を作成し、在留邦人にも配布する。発行は6月末を予定している。商工会議所ホームページを活用した安全生活情報の提供を、今年下期実現を目指す。担当は鍋島さん、唐木田さん

最後に次回の会議は防弾車メーカー訪問日に行い、“安全のしおり”完成に向けての意見交換、下期の活動計画などについて話合う。また更なる充実した活動のために、もう1名のメンバーを募集している。

参 加者は鍋島直裕リーダー(ホンダ)、COJI YANAGUITA(LIFESEC-SIST)、友岡勇次(東京海上)唐木田光男(三浦保険サービス)、 大熊博文(サンパウロ総領事館領事)、鈴木弘一(サンパウロ総領事館副総領事)、平田藤義(商工会議所事務局長)の各氏。

2005年上期の「業種別部会長懇談会」

ブラジル日本商工会議所総務委員会(浅賀健一委員長)及び企画戦略委員会(多田稔委員長)共催の「2005年上期の業種別部会長懇談会」は、2月23日午後2時~6時30分、クラウン・プラザホテルで開催された。多田委員長司会の下、11業種別部会長、副部会長や代表部会員により、共通テーマ「2004年度の回顧と2005年の展望」についての発表。

個別テーマとして「ルーラ政権の政策・方針による影響、克服すべき課題、ルーラ大統領の訪日に向けて商工会議所として実現したい事項・アピールしたい事項、FTA問題、部会内の個別業種に絞った課題等々に関する具体的・実体的な見解」では、グアル-リョス空港の入国審査問題、港湾などのインフラ整備、金 利政策、レアル高、税制改革、PPP(官民合同計画)、ブラジル・コストなどが共通の話題となった。

2004年度の回顧では、5%を超える経済成長を達成したブラジルの好景気に支えられ、多くの部会では好調であったと発表された。また2005年度の展望では、昨年をやや下回るが好調持続を予想している部会も多かった。

各部会の発表後には、発表者を困らせる質問も浴びせられ、活発な質疑応答が交わされた。

当日の出席者、各部会代表の発表者は次の通り。

・会頭 田中 信(リベルコン・ビジネス)
・司会 多田 稔企画戦略委員長(伯国三菱商事)
・浅賀健一総務委員長(日本スチール)

各部会発表者
・赤嶺尚由コンサルタント副部会長(ソール・ナッセンテ)
・山下日彬コンサルタント副部会長(ヤコン・インターナショナル)
・大島健一部金融部会員(東京三菱銀行)
・金子実金融部会員(三井住友保険)
・中村純一貿易部会長(丸紅ブラジル)
・板垣義実化学品部会長(スリーボンド)
・佐原忠士機械金属部会長(川崎重工業)
・二宮 徹繊維部会長(東洋紡・ド・ブラジル)
・疋田和三食品部会長(三井アリメントス)
・板谷稔電気電子部会長(ソニー)
・阿部 勇建設不動産部会長(ブラジル戸田建設)
・平野侯一運輸サービス部会長(日本通運)
・内山徹雄自動車副部会長(ヤマハ・モートル)

オブザーバー
・石田総領事

食品部会が、部会長懇談会を前に開催

 

業界裏話し満載の食品部会が、部会長懇談会を前に開催された

05年度第1回食品部会(疋田和三部会長)が、21日午後3時より当会議所で行われ、食品業界の裏側を垣間見た。

疋田部会長の進行役で部会が始まり、いま話題になっている30数年かかってやっと輸出したブラジル産マンゴーが、熟度が均一でなく、日本の厳しい品質条件に合っていないと評判が芳しくなく、日本市場に食い込むことの難しさが、まず始めに話題に上がった。

また日本食ブームで、醤油や日本酒の消費が、家庭の内外を問わず増えている。どこのシュラスコ・レストランでもすし・さしみが用意されており、毎年醤油の消費が伸びてきている。
またブラジル人の間で清酒の新しい飲み方である酒カイピリ-ニャなどのバチーダ(果樹酒)が広がってきており、清酒の売上も伸びてきた。サンパウロ市内の日本食レストランは600軒と飽和状態にあり、特徴のないレストランの淘汰が始まっているのではないか。
本当に美味しいお鮨を食べさせる伝統的な純和風レストランか、生演奏を聞きながら極彩色のカリフォルニア巻きやフレンチやイタリア風のシェフェ創作日本料理への2極化が進んできた。
2005年の展望として、現在のレアル高は日本酒などの輸入が主力の当社にはプラスになっており、今後の為替変動に対するコストに影響しない体制作りが急がれる。

2004年度のコーヒー国際価格は20%の上昇、国内市場も9%の成長をした。また2005年もコーヒーの国際価格が上昇しており、コーヒーメーカーには好材料が揃っている。
ただし大手スーパーへの納入では、あの手この手でスーパーのバイヤーに苛め抜かれ、“大手スーパーのバイヤーの顔は世界のどの国でも同じ顔をしており、グローバリゼーション・スタンダード化が進んでいる”ことに、参加者は全員頷いていた。
また東北伯に進出する大手スーパーから、初回はプロモーションのためにタダ同然で商品の出荷を強制してくるが、営業努力をすることなく販路を広げるメリットもあり、いじめっ子と共存しなければならないのもこの業界の特徴である。

エキスや香料などを日本に輸出している輸出企業は「2004年の日本の猛暑に助けられ好調だったが、石油高に伴う運賃の上昇、コンテナ不足やストライキの 影響などでコストが上がった。2005年度は引続き堅調と予想されるが、為替が最大の懸念材料と述べ、「ISO22000(食品安全規格)」、2006年 施行予定の「食品残留農薬ポジティブリスト制」で、益々品質管理体制の必要性が高まってきている」と述べた。

参加者は疋田和三部会長(三井アリメントス)、尾崎英之(東山農産)、廣田達也(伊藤忠)、永野昇二(San-Ei Gen)、上田達生(サンパウロ総領事館領事)、平田藤義(商工会議所事務局長)の各氏。

 

2005年度第1回目の貿易部会に、筋金入りの商社マン多数が参加した

  今年初めての貿易部会が15日午後4時から商工会議所で、世界を股にかける筋金入りの商社マンなど13人が参加し、大いに意見の交換を行った。

  始めに中村部会長は、23日に開催される業種別部会長懇談会の貿易部会テーマである「ブラジル貿易に関する2004年度の回顧及び2005年度の展望」に ついて、2004年度の貿易収支、輸出、輸入、対日貿易及び2005年度の展望など詳細にレポートを読上げ、参加者達はレポートについて検討した。

  また「ルーラ政権の政策方針による影響、克服すべき課題」、「ルーラ大統領訪日に向けてアピールしたい事項・実現したい事項」や最近盛んに議論されている「 FTA 問題」などについても、大いに意見の交換が行われた。

  また最後に2008年に行われる移民100周年記念事業に関して、日系社会関係委員会(遠藤雅清委員長)へのバックアップについても大いに話合われた。

  出席者は中村純一部会長 ( 丸紅 ) 、金岡正洋副部会長(伊藤忠)、二宮康史(ジェトロ)、立入秀紀(三菱)、多田稔(三菱)、藤下温雄(三井)、大前孝雄(三井)、三分一克則(島津)、古橋正敏(双日)、宮田次郎(住友)、門脇宣人(トーメン)、櫻井淳(サンパウロ総領事館専門調査員)、平田藤義(商工会議所事務局長)の各氏。

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2005年第1回CARBON TRADE会議開催

本年第1回 CARBON TRADE 会議開催

2 月 14 日
出席者:金岡委員長、横溝 
於:ドイツ会議所

・Ploger代表の後継選出の件
・05年委員会の活動について

a) カーボンクレジット組合の創設
b)COP 10で取り上げられた主要項目の報告
c)CDM 任意市場への提案の策定
d)PROINFA の再生可能エネルギープロジェクトによる排出権に関する鉱山動力省への提案
e) 気候変動国家政策( PNMC) のステータス