2023年の中国向けパルプ輸出は輸出全体の49%を占めている(2024年3月11日付けヴァロール紙)

ブラジル木材工業協会(Ibá)の発表によると、2023年のブラジルのパルプ輸出量は1,800万トンに達し、そのうち中国向けパルプ輸出は半分に相当する49%を占めている。

昨年のアジア向けパルプ輸出は890万トン、輸出金額は38億ドル、ヨーロッパは24%、北米向けパルプ輸出量は全体の14.0%を占めていた。

過去10年間でブラジルのパルプ輸出は2倍に増加、ブラジルの農畜産物輸出では5位を占めているとブラジル木材工業協会(Ibá)のPaulo Hartung会長は説明している。

パルプだけでなく、製紙、木製パネル、植林などの分野での拡大プロジェクトの強力なポートフォリオを受けて、ブラジルは今後数年間、この林業界の歴史的なブランドを刷新し続ける傾向にある。

2028年までのブラジル国内の林業向け投資は619億レアル、そのうち222億レアルはスザノ製紙のセラードプロジェクトが占めている。

今年6月までに操業開始する南マット・グロッソ州リバス・ド・リオパルド新工場の生産能力は255万トンを擁しているが、今年のパルプ生産は90万トン、そのうち70万トンが中国向けに輸出される予定となっている。

チリ資本アラウコ社は南マット・グロッソ州イノセンシア市の新パルプ工場に150億レアルを投資して年間250万トンのパルプを生産を見込んでいるが、操業開始は2028年第1四半期が見込まれている。

またチリ資本CMPC社は、南大河州都のポルト・アレグレ市近郊のグアイバ市に27億5,000万レアルを投資してパルプ工場を完成させている。

持続可能性に注力したBioCMPC プロジェクトは、設備を近代化して今年から生産能力を18%に相当する35万トンを増産、このプロジェクトは生産コストの削減及び二酸化炭素の排出削減を行う。

2023年のブラジルのパルプ生産は、2,430万トンと前年を若干下回った要因として、ユーカリパルプの国際価格が歴史的安値に達した昨年上半期の不利な市場状況を反映している。

国際市況の不振などの要因で、スザノ社は今年上半期のパルプ生産を2022年末の1,090万トンよりも4.0%削減すると発表している。

2023年初め9か月間おブラジルのパルプ生産は、前年同期比2.8%減少の1,810万トン、輸出は3.6%減少の1,370万トン、国内のパルプ消費は450万トンであった。

 

2023 年の農畜産部門伸び率は前年比0,8%増加を記録 (2024年2月26日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV Agro)アグリビジネス研究センターが算出した農産業生産指数(PIMAgro)によると、2023年のブラジルの農畜産部門のGDP伸び率は0.8%増加を記録している。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV Agro)アグリビジネス研究センターの調査員は、昨年の農畜産部門の生産は緩やかな増加に留まったものの、製造業部門伸び率のマイナス1%と比較すると順調な結果と指摘している。

昨年の農畜産部門のGDP伸び率を牽引したのは、食品・飲料部門で 3.2% 増加を記録した一方で、非食品製造業部門伸び率はマイナス 2.3% と足枷となっている。

食品・飲料部門の中で、昨年最も増加したのは植物由来の製品伸び率で7.3% 増加は、統計を取り始めた2003 年以降では2番目の高い伸び率を記録、過去最高の伸び率を記録したのは2009 年の 8.1% 増加であった。

2023年の食品・飲料部門GDP伸び率では製糖製品で、PIMAgro全体の増加を牽引したのは保存食やジュース、油脂、コーヒーであった。

動物由来の食品部門の生産では、動物性タンパク質、特に牛製品関連が 2.7% 増加した。非食品部門では12月に2.1%増加したが、農畜産向け消費財はマイナス11.5%、林業関連はマイナス3%、繊維製品はマイナス3%であった。

ブラジルの中国向け穀物輸出依存度が急上昇(2024年1月23日付けヴァロール紙)

ブラジルは、生産する大豆の輸出について中国への依存度が急上昇してきており、少なくとも2023年には、国際市場におけるブラジル産トウモロコシの主な輸出先となっている。このシナリオは短期的には変わる見込みがほとんどないと思われるため、農畜産物輸出関係者にとっては懸念材料となっている。

ブラジル穀物輸出協会(Anec)の調査によると、2023年度のブラジルのトウモロコシ輸出量は、1億100万トンと1億トンを突破する輸出量を記録していた。

昨年のブラジル産トウモロコシ輸出の75%に相当する7,560万トンを中国向け輸出を記録、2022年の中国向けトウモロコシの輸出比率69%よりも6%上昇、中国向けトウモロコシ輸出比率は輸出全体の四分の三に達している。

ブラジル産トウモロコシの中国向け輸出比率は輸出全体の四分の三に達しており、非常に危険な依存度となっている。ブラジル産大豆の輸出相手国の多様化は容易ではあるが、中国への大豆供給国を見つけて、中国向け大豆輸出の比重を下げることは容易ではないとブラジル穀物輸出協会(Anec)のJean Carlo Budziak氏は指摘している。

ブラジルの大豆輸出は、中国に依存していると指摘するのは容易ではある一方で、中国は大豆供給先としてブラジルにとって代わる供給先を探すのは容易ではない。

2023 年のブラジルのフルーツ輸出は前年比6% 増加(2024年1月22日付けヴァロール紙)

2023 年のブラジルのフルーツ輸出は、前年比5,9% 増加に相当する111万トンを記録、フルーツ輸出金額は、前年比23,5%と二桁増加の13億4000万ドルを記録している。

国家配給公社(Conab)によると、今週22日に発表したブラジル園芸市場近代化プログラム(Prohort)の最新統計データーによると、昨年のブラジルのフルーツ輸出の主な生産地として、北大河州はフルーツ輸出全体の25%を占めてトップ、続いてペルナンブーコ 州19%、バイーア州 18%、サンパウロ州 13%、セアラ州は 11%で5位となっている。

昨年のブラジルのフルーツ輸出トップはマンゴー、続いてレモン、オレンジ、メロン、ブドウ及びスイカが続いている。

昨年のブラジルのフルーツ輸出が増加した一因として、ペルー、エクアドル、スペインなどの国々の異常気象問題による減産も、ブラジルの果物輸出にとってチャンスとなっていた経緯があった。

ブラジルは中国ならびにインドに次ぐ世界第3位のフルーツ生産国にも拘らず、フルーツ生産量の95%が国内市場に供給されていることを考慮すると、今後のブラジルからのフルーツ輸出は飛躍的な増加が期待できる。

国家配給公社(Conab)では、昨年1 2月に記録されたブラジルのフルーツ生産地域の厳しい暑さがフルーツの品質に与える影響を排除していない。他のフルーツ輸出国との種有フルーツとの価格競争も価格上昇を妨げる要因となっている。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット総額は1,950億レアル (2024年1月17日付けヴァロール紙)

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット総額は1,950億レアル に達し、過去最高記録を更新したが、2022/23年と2023/24年の収穫量の半分をカバーしている。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット件数は前年比 8,4%増加の 61万2,000件、クレジット総額1950億レアル の220億レアルはファミリー農業強化プログラム(Pronaf)向けクレジットに宛がわれている。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジットが過去最高を更新した要因として、ブラジル銀行のデジタル採用チャネルに加え、支社ネットワークとアグリビジネスパートナーに注力したことがこの記録的な結果をもたらしたと説明している。

2023/24年度収穫計画の最初の6か月に相当する7月から12月だけで、ブラジル銀行は前年同期比5.3%増加の1,200億レアルに達するクレジット総額を提供している。

この1,200億レアルの数字は、食料安全保障において重要な役割を果たし、全国の食料価格のバランスを保つのに役立つ家族農業を支援する上で、我々が基本的な役割を果たしていることを証明している

2023 年のブラジルの農畜産物輸出は1,665億5,000万ドルで記録更新(2023年1月16日付けヴァロール紙)

今月16日のブラジル農務省の発表によると、2023 年のブラジルの農畜産物輸出は1,665億5,000万ドルで記録更新している。

記録更新要因として、昨年の多くの農畜産の国際コモディティ価格は減少した一方で、農畜産物の輸出量増加がカバーしている。

昨年のブラジルの農畜産物輸出は、輸出全体の49%と2022年の47,5%からのシェアを増加させている一方で、昨年のブラジルの農畜物輸入は166億1,000万ドルと農産物輸出金額の十分の一以下に留まっている。

昨年の農畜産物輸出では、特に穀物輸出量は前年比24,3%と二桁増加の1億9,302万トンを記録、昨年の穀物輸出量1億9,302万トンは、2022/23年度の穀物生産量3億1,986万トンのの60,3%に相当すると国家配給公社(Conab)では説明している。

昨年の穀物輸出では大豆輸出量は、前年比29,4%増加の1億186 万トンを記録している。昨年の穀物の平均国際コモディティ価格は、前年比マイナス11,6%を記録したが、ブラジルの穀物輸出額は14,4%増加の532億3,000万ドルを記録している。また昨年の食肉輸出量は5,4%増加した一方で輸出金額はマイナス8,4%を記録している。

 

今年の食肉輸出は好調維持か(2024年1月9日付けヴァロール紙)

中国によるブラジルの食肉輸入の遅延、食肉の国際コモディティ価格の減少、世界中での鳥インフルエンザの発生にも関わらず、ブラジルの食肉輸出業界は、牛肉、豚肉、鶏肉のたんぱく質の輸出量が記録的な数量で2023年を終えることができた。

昨年の牛肉、豚肉及び鶏肉すべてのケースで輸出による収益が増加に繋がったわけではないが、今年も昨年に引き続きブラジルの食肉輸出は好調を維持すると予想されている。

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)発表によると、2023年の生鮮品と加工品を含む豚肉輸出量は、中国向けの輸出量が減少したにもかかわらず、前年比9.8%増加の120万トンと過去最高を記録した。

昨年のブラジルの豚肉輸出金額は、前年比9.5%増加の28億ドルと過去の記録を更新、特にアジアおよびアメリカ大陸向けが好調であった。

今年の豚肉輸出は、伝統的な輸出相手国以外にも新規市場開拓による輸出拡大を図るとブラジル動物蛋白質協会(ABPA)のRicardo Santin会長は説明している。

2023年のブラジルの鶏肉輸出は前年比6.6%増加の510万トンしたが、輸出金額は僅か0.4%微増の98億ドルに留まっていた。

 

ブラジルは東南アジアおよびヨーロッパでの新市場開拓で牛肉輸出拡大を目論む(2024年1月4日付けヴァロール紙)

ブラジル連邦政府は、牛肉輸出拡大戦力の一環として新規輸出市場の開拓や、すでにブラジル産農産物の購入している国々への販売拡大を目指し、東南アジアやヨーロッパ諸国と交渉している。

ブラジルの牛肉輸出業界では、連邦政府による牛肉輸出拡大戦略で東南アジアやヨーロッパでの新規市場開拓の何らかの成果が年内に出ることを期待している。

2023年11月及び12月だけで、ブラジルの牛肉輸入審査のために10か国の食肉輸入調査団がブラジル国内の食肉処理場の出荷資格拡大で調査、調査団にはヨーロッパ連合、米国、ロシア、中国、東チモール並びにメキシコ。またフィリピンと韓国はそれぞれ2回の監査を実施した。

最も期待されていたのは、牛肉と豚肉の主要購入国である中国の調査団の参加だったが、ロシアと韓国の調査団は食肉産業に従事者であり、韓国の調査団はワクチン接種を受けずに口蹄疫が発生していない地域での参加であった。

フィリピンからの調査団も、フィリピン国内市場への食肉販売を承認されたブラジルの食肉工場数の増加の任務を遂行した。またインドネシア国内市場への食肉販売拡大も交渉中となっている。

表左は2022年及び2023年のブラジルの牛肉輸出量、表右は2022年及び2023年のブラジルの牛肉輸出金額

2022/23年度の穀物生産は記録更新で国際コモディティ価格下落で農畜産業者の利益圧迫 (2023年12月6日付けヴァロール紙)

2022/23年度の穀物生産は3億2280万トン予想で記録更新が見込まれている一方で、農畜産物の国際コモディティ価格の下落及び生産コストの悪影響を受けて、ブラジル国内の農畜産生産者の収益圧迫をするとブラジル国家農業連合(CNA)では予想している。

ブラジル国家農業連合(CNA)並びにサンパウロ大学応用経済先端研究センター(Cepea-USP)の調査によると、ブラジル農業を牽引する2022/23年度の大豆生産の粗利は2021/22比68%の大幅な減少を予想している。

またトウモロコシの第一期生産の粗利は134%減少、safrinha”と呼ばれる第二期作の粗利は122%減少が見込まれている。

またブラジル国内の畜産業界にも悪影響を与えており、国内の牛乳生産者は、コストの低下よりも価格の低下の方が大きい悪影響を感じており、今年10月の利益率は前年同月比で67.4%低下。フルサイクルシステムで経営する肉牛生産者の場合、収入の減少率は48.7%を記録している。

ブラジル国家農業連合(CNA)の見通しでは、収益性の低下シナリオは2024年まで続くと予想、2023 年のアグリビジネスの国内総生産は、前年比0.94% 減少の 2 兆 6,200 億レアルから 2 兆 6,000 億レアルに留まると予想している。

10月の農畜産物輸出は133億ドルを記録(2023年11月14日付けヴァロール紙)

2023年10月のブラジルのアグロビジネス輸出は、前年同月比2.3%減少の133億8,000万ドルに留まっている。

10月のブラジルのアグロビジネス輸出金額の前年同月比減少の要因として、2022/23シーズンの記録的な穀物の収穫を受けて輸出量が増加したため、農産物の国際価格が下落したことが影響している。

ブラジル農務省の発表によると、今年10月のブラジルの農畜産物の輸出価格指数は、前年同月比9.1%と大幅な減少の影響で輸出金額の微減に反映している。今年10月の食料品価格は、前年同月比7.7%と大幅に減少、また前月比でも1.7%減少を記録している。

国際連合食糧農業機関(FAO)の調査によると、今年10月の過去12か月の食料価格指数は10.9%下落したとFAO商務・国際担当のレポートで説明されている。

今年10月の農畜産物の輸出量は前年同月比7.5%増加。今年初め10か月間の穀物出荷量は、昨年同期を3,000万トン以上上回っている。

2022/2023年の穀物収穫全体の50%以上が、今年初め10か月間ですでに輸出されている。これまでの輸出量は1億6,408万トンに達した。 2023年10月のトウモロコシと大豆の輸出量の合計は、実質1,400万トンを記録している。