昨年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は1.1%増加に留まる(2023年3月1日付けヴァロール紙)

2022年のブラジル国内のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は、前年比1.1%と増加とジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査で判明している。 

また昨年の食品・飲料セクターは前年比2.5%増加したために、非食品部門の生産指数のマイナス0.5%を補う効果に繋がっている。

2022年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は、前年比1.4%増加が予想されていたにも拘らず、昨年12月がマイナス1.6%と昨年2月以降で初めてマイナスを記録したために、予想を下回る伸び率に留まった。

昨年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)の予想下回る伸び率は、インフレや金利の高止まりなどによる国内経済の活性化喪失を反映していると調査員は指摘している。

今年のアグロインダストリー部門のシナリオはまだ不透明であり、 ブラジル国内的には、インフレ抑制に必要な金融政策、労働市場の収縮の可能性、政治的混乱がアグロインダストリー部門の力強い成長を妨げる可能性が示唆されている。

2022年のブラジル国内の養殖漁獲量は前年比2.3%増加(2023年2月27日付けヴァロール紙)

ブラジル養殖魚協会(Peixe BR)の発表によると、2022年のブラジル国内の養殖漁獲量は、前年比2.3%増加の86万400トンを記録している。

Covid‐19パンデミック及びロシアのウクライナ侵攻などの影響で、昨年の世界経済は停滞傾向を示しており、また生産コストの上昇、国際貿易の不均衡があった時期とブラジル養殖魚協会(Peixe BR)のFrancisco Medeiros会長は指摘している。

ブラジル養殖魚協会(Peixe BR)では生産コスト上昇も魚の養殖に悪影響を与えており、またインフレや金利の高止まりなどもブラジル人の魚の購買力低下で消費が低迷しているとFrancisco Medeiros会長は指摘している。

2022年のブラジル国内のチラピアの養殖生産量は前年比3.0%増加の55万トンに達し、養殖魚生産量の64.0%を占めている。またブラジルはちらぴら生産では世界4位にランク付けされている。

特に昨年のパラナ州でのチラピア生産は前年比3.2%増加の18万7,800トンを記録、南大河州、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州の南部地域のチラピア生産はブラジル国内の43.5%に相当する23万9,300トンを記録している。

また南東部地域の昨年のチラピア生産は全体の27.1%に相当する14万9,100トン、特にサンパウロ州はパラナ州に次いで2位、ミナス州は3位、エスピリット・サント州は9位にランク付けされている。

昨年の北東部地域でのチラピア生産は前年比5.2%増加の10万300トンの一方で、中西部地域はマイナス3.2%の5万9,650トンに留まっている。

パラー州での狂牛病発生の可能性で中国向け牛肉輸出停止措置(2023年2月23日付けヴァロール紙)

ブラジル農務省の発表によると、パラー州マラバ市の小規模牧畜農場で9歳と高齢の牡牛で狂牛病発生の可能性が疑われるために、2015年に中国との間で交わされた二国間の禁輸措置を発令して、中国向けのブラジル産牛肉輸出停止措置を行っている。

狂牛病発生調査の各段階ですべての措置が直ちに採用され、ブラジルと世界の消費者に認められた肉の品質を保証するために、この狂牛病発生疑惑問題は完全な透明性をもって処理されるとCarlos Fávaro農務相は説明している。

連邦政府はすでにパラー主での狂牛病発生の可能性を国際獣疫事務局に通知しており、カナダのアルバータ州にある同機関の参照検査機関が実施した調査の結果を待っているとCarlos Fávaro農務相は説明している。

Carlos Fávaro農務相はCNN とのインタビューで、その放牧地内では飼育されている他の牛は屠殺されていないために、その農場の牛肉は市場に出回っていないとCarlos Fávaro農務相は説明している。

この狂牛病の病気は脳の変性プロセスによって引き起こされ、パラー州の場合と同様に、高齢の動物に発生する可能性があるとCarlos Fávaro農務相は説明している。

3月末にルーラ大統領は、中国を含むアジア諸国を訪問するが、その前に中国向けのブラジル産牛肉輸出の再開を農務省では目指している。

2019 年には、同様狂牛病の発生ケースで、中国向け牛肉輸出禁輸措置が 13 日間続いた。 2021年には、ミナス州とマット・グロッソ州で2件の非典型的な症例が記録されましたが、中国がブラジルからの牛肉の購入を再開するのに3か月以上要した経緯があった。

今年の穀物生産は3億200万トン予想(2023年2月8日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)では、今年1月の2023年度のブラジルの穀物生産量予想は、前年比14.7%に相当する3,880万トン増加の3億200万トンと3億トンを上回ると予想している。

今年1月の2023年度の穀物生産予想は、前月比1.9%に相当する570万トン増加が見込まれており、耕作面積も前年比3.5%増加の7,580万ヘクタール、前月比では0.7%増加を記録している。

ブラジルの穀物生産を牽引するのは大豆、トウモロコシ及び米生産で全体の92.9%の生産量を占めており、また耕作面積も全体の87.5%を占めている。

今年のトウモロコシの耕作面積は前年比4.1%増加予想、そのうち第1期作の耕作面積は1.4%増加、第2期作は4.9%増加、原綿は1.2%増加、大豆の耕作面積は4.6%増加が見込まれている。

一方今年の米生産向け耕作面積は前年比マイナス4.4%、生産はマイナス3.6%、前記同様に小麦はマイナス2.8%、マイナス13.6%が見込まれている。今年の大豆生産は23.4%増加、原綿1.3%増加、トウモロコシ11.2%増加、そのうち第1期作は15.8%増加、第2期作は9.9%増加が見込まれている。

今年1月の今年の大豆生産は1億4,750万トン、トウモロコシは1億2,250万トン、そのうち第1期作は2,940万トン、第2期作は9,310万トン、米生産は1,030万トン、小麦は870万トン、原綿は680万トンが見込まれている。

今年のブラジル国内の地域別穀物生産では、穀倉地帯を抱える中西部地域は前年比8.6%増加、北部地域11.1%、南東部地域1.0%、北東部地域1.8%、南部地域は2.0%それぞれ増加予想となっている。

また今年の地域別穀物生産比較では、中西部地域は全体の47.0%に相当する1億4,190万トン、南部地域は30.1%に相当する9,110万トン、南東部地域は9.3%に相当する2,810万トン、北東部地域は8.6%に相当する2,590万トン、北部地域の穀物生産は6.0%に相当する1,500万トンが予想されている。

2023年のブラジル国内の地域別・州別の穀物生産比率予想

 

昨年のブラジルのフルーツ類輸出はCOVID-19パンデミック前の水準に戻る(2023年2月6日付けヴァロール紙)

ブラジル果物・派生品輸出協会(Abrafrutas)の発表によると、2022年のブラジルのフルーツ輸出は、前年比16.0%の102万4,000トン、輸出金額は9.0%減少の9億⒎050万ドルまで減少している。

昨年のブラジルのフルーツ輸出は世界的なCOVID-19対応のワクチン接種拡大に伴って、パンデミック前の水準に戻っているが、COVID-19パンデミックが蔓延していた時期は、多くの人が免疫システムをより強く保つために、より多くの果物を摂取していた経緯があった。

また昨年は天候不順がトロピカルフルーツの一大産地のサンフランシスコ渓谷と南部地域で果物の生産に悪影響を及ぼし、輸出減少に繋がったとブラジル果物・派生品輸出協会(Abrafrutas)は説明している。

また、昨年のブラジル産フルーツ輸出減少の一因として、世界各地でのフルーツ購買力が低下したことも輸出減少に繋がり、特にブラジルのフルーツ輸出を牽引するヨーロッパでの購買力低下が顕著であった。

昨年ブラジルから最も輸出されたフルーツはマンゴー、メロン、レモン、ブドウであり、主な輸出先はヨーロッパ連合と英国で出荷量の 60% 以上を占めていた。

昨年のレモンとライムの輸出量は前年比8% 増加の15万6,300トン、輸出額は 23% 増加の1 億 5,220 万ドル。特にサンパウロ州のフルーツ生産は好天及び作付面積増加で輸出が増加していた。

ヨーロッパ市場におけるブラジルの主要な競争相手であるメキシコの天候不順による輸出減少もブラジルのフルーツ輸出を後押しした。昨年のアボカドの輸出量は26%増加の1万750トン、 輸出額は14%増加の1,706万ドルを記録している。

2023年の段ボール箱出荷量は前年比3.5%増加予想(2023年1月22日付けヴァロール紙)

2022年のブラジル国内の段ボール箱出荷量は前年比マイナス2.2%の395万トンであったが、今年の段ボール箱出荷量は前年比3.5%増加が予想されている。

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 年12月及び過去12か月間の経済動向のバロメーターの段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は、前年同月及び前年同期比でマイナスを記録していた。

昨年12月のValor紙とのインタビューで、Empapel会長でKlabin社のディレクターであるGabriella Michelucci氏は、2022年のブラジル国内の段ボールの出荷量は、2019年から3年連続で前年を上回っていたが、一転して前年割れを予想している。

今年のブラジル国内の段ボール箱出荷量は前年比3.0%~3.5%増加で400万トンを突破するとGabriella Michelucci氏は楽観的な見方をしている。

昨年12月のブラジル国内の段ボール箱生産量は前年同月比マイナス3.5%に相当する29万9,500トンに留まったが、2020年12月の生産量は32万6,750トン、2021年12月は31万300トンであった。

 

ブラジルの紙・パルプ業界は、ESG実践モデル(2023年1月16日付けヴァロール紙)

技術革新と持続可能性成長に重点を置いて、ブラジルの紙・パルプ業界は変革を遂げ、2029 年までに世界中の業界の売上は約3,700 億ドルに達すると予想されている。

ブラジル国内には18州の540市町村に220社の紙・パルプ関連企業が存在すると26加盟企業のブラジルパルプ・紙技術協会(ABTCP)は説明している。

ブラジルの鉱山エネルギー省(MME)の発表によると、ブラジルの紙・パルプ生産は米国に次いで世界2位で生産量は11.0%以上に達している。また紙・パルプ輸出では世界トップで製紙生産は世界のトップ10に名を連ねている。

持続可能性は、環境、社会的側面、透明性、および管理に関連する優れた慣行を評価する ESG テーマ (環境、社会、およびガバナンス) に沿ったソリューションに対する需要の増加に基づいている。

ブラジルの紙・パルプ業界では資源の利用に関して、生産性、回収、廃棄物の再利用、および水の使用量の削減を積極的に行っており、持続可能な成長及びで高品質で効率的な生産が紙パルプ業界の主な課題であるとことをFalconi Consultores 社のアレシャンドレ・リバス取締役は強調している。

南大河州グアイバ市に2009年からパルプ生産を行っている CMPC Brasil社の Mauricio Harger専務は、46万7,000ヘクタールのユーカリ植林地のうち41%は原生林を維持して、生産チェーン内の環境管理に力を入れていると説明している。

同社では2025年までにパルプ生産のための水資源の25%削減及び埋立地の廃棄物ゼロを目指しており、また、2030 年までに温室効果ガス排出量を 50% 削減し、新たに 10 万ヘクタールの保護地域を追加することを目指している。

2023年度のブラジルの穀物生産は前年比12.6%増加で記録更新予想(2023年1月12日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)では、2023年度のブラジルの穀物生産量は前年比12.6%と二桁増加の2億9,620万トンを見込んで過去最高の記録更新を予想している。2023年度のブラジルの穀物生産量は前年比3,310万トン増加が予想されているにも拘らず、前回予想は僅か0.8%増加に留まっていた経緯があった。

ブラジルの穀物生産を牽引する今年の大豆生産は前年比24.1%の大幅増加を見込んでおり、増産量は2,880万トンに達すると予想されている。また大豆と共に穀物生産を牽引する今年のトウモロコシの第1期作の生産は16.2%に相当する410万トン増加予想されているが、2022年は南部地域及び南マット・グロッソ州の旱魃で大きな影響を受けていた経緯があった。

また今年のトウモロコシの第2期作の生産は2.5%に相当する210万トンの増産予想、原綿は1.3%に相当する5万3,900トンの増産、ソルガム黍は5.3%に相当する15万200トン増産予想、フェジョン豆の第1期作の生産は3.7%に相当する4万300トンの増産が見込まれている。

一方2023年度で減産が予想されているのは米生産は前年比マイナス3.4%に相当する36万トンの減産予想,フェジョン豆の第2期作はマイナス9.9%に相当する13万2,600トンの減産、フェジョン豆の第3期作もマイナス1.0%に相当する6,600トンの減産、小麦生産はマイナス16.2|%に相当する162万6,000トンの大幅減産が予想されている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の2022年度の穀物生産の最終予想では前年比3.9%に相当する1,000万トン増加の2億6,320万トンが見込まれているが、大豆、トウモロコシ及び米生産量はブラジル穀物生産の91.4%を占め、また耕作面積は全体の87.0%を占めている。

2022年のブラジルの鶏肉輸出金額は約100億ドルで記録更新(2023年1月11日付けヴァロール紙)

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)の発表によると、2022年の生鶏肉及び加工鶏肉輸出は前年比4.6%増加の482万2,000トン、鶏肉輸出金額は27.4%と二桁増加の97億6,200万ドルに達して過去の記録を更新している。

2022年12月の鶏肉輸出量前年同月比マイナス6.0%の38万6,300トンを記録したにも関わらず、カット鶏肉の単価上昇で輸出金額は9.2%増加の7億8,520万ドルを記録している。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、ヨーロッパ連合での生産コストの上昇、5大陸の高病原性鳥インフルエンザの感染拡大などの要因で、昨年のブラジルの鶏肉輸出は記録更新に繋がったとABPAのRicardo Santin会長は説明している。

2022年のブラジル国内での鳥インフルエンザ感染の報告はされておらず、世界の鶏肉供給の安全港と見なされているために、今年のブラジルの鶏肉輸出は昨年に続いて好調に推移すると予想されている。

しかしブラジルの近隣諸国にあたるコロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラで鳥インフルエンザ症例が確認されているため、鳥ウイルスがブラジルで感染する恐れがあり、ブラジルは既に感染防止措置の採用を余儀なくされている。

ブラジルにとって牛肉や豚肉輸出同様に、中国は引き続きブラジルの鶏肉の主要な輸出先であり、昨年の中国への鶏肉輸出は前年比マイナス15.6%の54万500トンに留まった一方で、 しかし2 位の輸出先であるアラブ首長国連邦への鶏肉輸出は14.2%増加の14.2%の44万4,900トンと二桁台の増加を記録している。

今年のブラジルの鶏肉輸出は前年比8.5%増加の520万トン、鶏肉生産は35.0%増加の可能性をブラジル動物蛋白質協会(ABPA)は予想している。昨年10月の米国農務省(USDA)発表によると、今年のブラジルの鶏肉輸出は前年比4.0%増加の480万トンを見込んでいた。

ブラジルは中近東などイスラム法の定める適正な方法で処理、加工された食品であると証明された食肉輸出拡大のために、ハラール(HALAL)認証を取得しており、2023年のイスラム圏での鶏肉需要拡大を見込んでいると米国農務省(USDA)は指摘している。

2022年及び2023年の世界の主な鶏肉輸出国リスト

2022年のブラジルのトウモロコシ輸出は前年比109%増加(2022年1月4日付けヴァロール紙)

ブラジル穀物輸出協会(Anec)の調査によると、2022年度のブラジルのトウモロコシ輸出量は、前年の2,060万トンの109.4%増加に相当する4,310万トンを記録、また昨年12月のトウモロコシ輸出量は、前年同月比75.4%増加に相当する580万トンを記録している。

一方昨年の大豆の輸出量は、前年比マイナス10.2%と二桁台減少の7,780万トンに留まった。また昨年12月の大豆輸出量も前年同月比マイナス40.2%に相当する150万トンに留まっている。

また昨年1年間の大豆かすの累積輸出量は前年比21.0%増加の2,040万トンを記録した一方で、昨年12月の大豆かす輸出は、前年同月比マイナス10.8%に相当する130万トンに留まっている。

昨年の小麦輸出量は前年比188.8%増加の320万トン、また昨年12月の小麦輸出量は、前年同月の53万8,600トンを15万トン上回る68万9,200トンを記録している。

ブラジル穀物輸出協会(Anec)では、2023年1月のブラジルの穀物類輸出を予想、特にトウモロコシ輸出量は前年同月比94.6%増加の430万トンを予想、大豆、大豆粕及び小麦の輸出はそれぞれマイナス42.4%、マイナス15.4%及びマイナス59.6%を予想、また大豆及び大豆粕輸出は130万トン、小麦輸出は28万700トンを見込んでいる。