今年7月の段ボール箱の出荷量は前年同月比1.0%増加(2022年9月5日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 7 月の経済動向のバロメーターの段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は、前年同月比1.0%増加の355686トン3ヶ月連続で増加、また7月としては過去最高を更新している。

今年7月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、ブラジル国内のサービス業部門や製造業部門の需要が牽引して前年同月比1.0%微増の158.4ポイントを記録している。

今年7月の1日当たりの段ボール箱派生品の平均出荷量は前年同月比4.9%増加の13,680トン、今年7の営業日数は昨年同月よりも短かった。  

今年7月の段ボール箱派生品の生産指数(IBPO)5か月連続で増加を記録、20213月以降では最高の156.4ポイントを記録している。

2022/23年度の大豆及び棉栽培面積は拡大予想(2022年8月23日付けヴァロール紙)

大豆及び綿花の国際コモディティ価格の上昇に伴って生産者にとっては収益性が高い農産物となってきているために、種子や農薬、肥料などの生産コスト上昇にも拘らず、 2022/23年度の作付け面積は大幅に増加すると予想されている。

2022/23年度の作付け用大豆の種子は既に90%以上予約済みで、大豆の作付け面積は前年比4.0%増加をBasfラテンアメリカ社の Hugo Borsari取締役は予想している。

また綿花の2022/23年度の作付面積は前年比5.0%から10.0%と大幅増加を予想、特にブラジル国内生産2位のバイア州の棉植え付け開始は11月、ブラジル国内トップのマット・グロッソ州は昨年1月からとなっている。

棉の作付面積拡大のトップはマット・グロッソ州が見込まれているが、1980年代に害虫発生及び労働者不足で棉栽培から撤退していたパラナ州でも来年から再度棉栽培の気運が高まってきている。

パラナ州綿花生産者協会 (Acopar)の Milton Martinez副会長は、 2022/23年度は北パラナのロンドリーナ市及びイビポラン市近郊の2,000へクタールでの棉の試験栽培を予定している。

ユーカリ材不足で新規パルプ工場建設は2028年以降に先送り(2022年8月21日付けヴァロール紙)

過去24ヶ月以内に操業開始したパルプ工場や建設中のパルプ工場では、ブラジル国内のパルプの原料となるユーカリ材の調達は可能となっているが、ユーカリ材の価格が急上昇しており、新規パルプ工場の建設は、今後のユーカリ植林から伐採可能となる2028年以降への先送りを余儀なくされている。

ブラジルのユーカリ材を原料とする短繊維パルプは世界のパルプ生産を牽引しているが、既にユーカリ材の需要は供給を上回る分岐点に達しているために、新規パルプ工場の建設は、ユーカリ材の伐採が可能となるのは植林後6年から7年後であり、新規パルプ工場の建設は2028年以降を余儀なくされている。

先週、サンパウロで開催された Fastmarkets RISI Latin American会議に参加した業界幹部は、限られたユーカリ材の供給と価格の上昇で、今後数年間の新規パルプ工場プロジェクトにブレーキがかかると予想されている。

フィンランド資本 Pöyry社の発表によると、昨年のブラジルのパルプ生産は2,250万トン、2030年迄の新規プルプ工場建設による生産は、ユーカリ材の短繊維パルプ増産が牽引して3,000万トンを突破すると予想されている。

ユーカリ材市場にも変化があり、パルプや紙以外の部門での需要が急増しており、需要の60%は製鉄所で使用される木炭の生産、または電力エネルギー向けバイオマス発電に使用されている。

2020年のユーカリ材の新規植林面積は747万ヘクタール、2020年から2025年には年間平均700万トンのユーカリ材を供給するためには、毎年80万ヘクタールから100万ヘクタールに植林する必要がある。

ロシアによるウクライナ侵攻にも拘らず、今年初め7か月間の肥料輸入は前年同期比15.0%増加(2022年8月15日付けヴァロール紙)

Itaú BBA社農業コンサルタントレポートによると、2022年初め7か月間の農業向け肥料の輸入は、ロシアによるウクライナ侵攻にも拘らず、肥料生産大国のロシアやベラルーシ―から順調に入荷している。

今年初め7か月間の肥料輸入量は、前年同期比14.7%増加の2,180万トンに達しており、ロシアからの肥料輸入は全体の24.0%を占めている。

ロシアからブラジルへの肥料輸出は順調に入荷しており、7月だけで前年同月比10%以上増加の828,000トンの肥料を輸入した一方で、肥料の三要素のカリの大生産国のベラルーシ―からのカリ輸入は、昨年同月の306,000トンよりも90%以上少ない僅か26,000トンに留まっている。

ウクライナ危機の影響で港湾の肥料在庫が増加していたが、最近の肥料の国際コモディティ価格の減少に伴って、年末にかけて肥料の輸入量は減少すると予想されている。

今年初め5か月間の肥料輸入量は、前年同期比僅か1.7%増加の1,460万トンであったが、今年5月の肥料輸入量は、前年同月比5.0%減少の320万トンであった。

 

7月の農畜産物輸出は143億ドルで7月の月間記録更新(2022年8月11日付けヴァロール紙)

経済省通商局(Secex)の発表によると、2022年7月のブラジルの農畜産物輸出金額は、前年同月比24.8%増加の142億8,000万ドルに達し、7月の農畜産物輸出では月間記録を更新している。

今年7月の農畜産物輸出金額142億8,000万ドルは、ブラジルの輸出全体の47.7%を占め、輸出量も200万トン増加、大豆派生品及び牛肉、鶏肉輸出が牽引している。

7月の農畜産物輸出金額142億8,000万ドルは、7月の月間記録を更新したにも関わらず、6月の輸出金額よりも8.6%、輸出量も2.2%それぞれ下回っている。

今年7月の農畜産物輸入金額は、農畜産物の平均国際コモディティ価格が16.1%上昇したため前年同月比19.3%増加の14億8,000万ドル、7月の農畜産物の貿易収支は、6月の100億ドルから128億ドルに上昇している。

特に今年7月のトウモロコシ輸出量は106.9%増加の412万トン、輸出金額は189.7%増加の11億5,000万ドルで記録更新、7月の穀物の平均国際コモディティ価格は前年同月比40%上昇している。

7月のトウモロコシ輸出相手国として、イラン向け輸出量83万2,000トン、輸出金額は308.4%増加の2億5,893万ドル、コロンビアは1億1,842万ドル、輸出量は2,416.7%増加、日本向けトウモロコシ輸出金額は1億297万ドル、輸出量は34.3%増加している。

前記同様大豆派生品輸出金額は21.0%増加の60億3,000万ドル、平均輸出金額は33.5%増加に対して、輸出量は9.4%減少している。輸出量減少の要因として大豆粕輸出は、昨年7月の867万トンから今年7月は752万トンと大幅に減少したが、生大豆輸出金額は18.2%増加の47億1,000万ドルを記録している。

7月の中国向け大豆輸出金額は、昨年7月の大豆輸出全体の66.5%のシェアから今年7月は68.8%に上昇した一方で、輸出量は10.3%減少の520万トンに留まっている。

今年7月の食肉輸出も平均国際コモディティ価格の20.4%上昇に伴って23億7,000万ドルを記録した一方で、食肉輸出量は2.9%減少の70万9,000トンに留まっている。そのうち牛肉輸出金額は20%増加の12億1,000万ドル、輸出量は0.4%減少の19万1,000トンに留まっている。

今年上半期の大豆派生品輸出金額は28.6%増加の437億ドル、食肉輸出金額は31.9%増加の146億ドル、木材関連輸出金額は25.6%増加の97億ドル、粗糖・エタノールは0.3%増加の56億ドル、コーヒーは57.8%増加の53億ドルを記録している。

今年上半期のブラジルの魚類輸出は倍増(2022年7月28日付けヴァロール紙)

2022年上半期のブラジルの魚類輸出金額は、前年同期の718万ドルから1,435万ドルと倍増、魚類輸出量は前年同期比14.0%増加の4,900トンを記録している。

今年上半期の魚類輸出金額は、付加価値の高い冷凍フィレ輸出が牽引、1キロ当たりの平均魚フィレ価格は5,46ドル、今年上半期の魚類フィレ輸出金額は前年同期比544%増加、輸出金額も571%の大幅増加を記録している。

ブラジル養殖協会及びブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)のトカンチンスパルマス魚類貿易部の統計を基に魚類輸出金額や輸出量を割り出している。

今年上半期のブラジルの魚類輸出を牽引しているのは淡水魚のティラピア、魚類輸出金額の98%、魚類輸出量の99%を占めている。ティラピア以外では同じく淡水魚のタンバキ、スルビン及びバーグレが少量ではあるが輸出されている。

今年上半期のブラジルの魚類輸出相手国は米国で63%を占めている。米国向け魚類輸出金額は全体の76%を占め、輸出金額は1,090万ドル、米国に次いでカナダ向け魚類輸出金額は120万ドルで2位となっている。

魚類輸出相手国3位はリビア、次いでメキシコ、チリ、中国、日本と続いている。また魚類輸出の主な州はパラナ州、マット・グロッソ州、バイア州、サンパウロ州及びサンタ・カタリーナ州となっている。

今年上半期のブラジルの魚類貿易赤字は4億5,600万ドルに達しているが、魚類輸入金額はサーモンが牽引して4億7,000万ドルに達しているが、ブラジルはサーモン以外にバーグレ類、クリマタ、マス類、ピアウス、鯉類及び雷魚類も輸入している。

 

今年6月の段ボール箱出荷量は過去最高(2022年7月14日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 年6月の経済動向のバロメーターの段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は、国内経済の回復に伴って34万1,368トンに達し、月間出荷量としては過去最高記録を更新している。

今年6月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、ブラジル国内の製造業部門の需要が牽引して前年同月比0.5%微増の152ポイントを記録している。

また今年6月の1日当たりの段ボール箱派生品の平均出荷量は、前年同月比0.5%増加の1万3,655トン、今年6月及び昨年6月の営業日数は共に25日間であった。

今年第2四半期の段ボール箱の出荷量は、前年同期比マイナス2.1%を記録、また今年上半期の段ボール箱の出荷量は、前年同期比マイナス6.0%に相当する193万トンに留まっている。

今年6月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、3.6%増加の153.6ポイントと昨年4月以降では最高の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)を記録している。

チリ資本Arauco 社は、ブラジル国内に150億レアルを投資してパルプ生産(2022年6月23日付ヴァロール紙)

5年前にブラジルのパルプメーカーPaper Excellence (PE)の買収に失敗したチリ資本のパルプメーカーArauco 社は、ブラジル国内に30億ドル、現在の為替換算では150億レアルに相当する投資で2028年からのパルプ生産を計画している。

昨日Arauco 社にとっては、ブラジル国内での初めてのパルプ生産工場プロジェクトで南マット・グロッソ州政府と覚書を交わしている。新パルプ工場は、南マット・グロッソ州都のカンポ・グランデ市から337キロメートルの地点に立地している。

新パルプ工場のユーカリ材を原料とした短繊維パルプの年間生産能力は、250万トンで生産開始は2028年第1四半期が予定されているが、プロジェクト着手として環境ライセンスの取得が前提となっている。

同社はブラジル国内で植林事業及び4カ所の木材パネル工場を擁しており、2017年の JBSグループ傘下の Eldorado à J&F Investimentossyの買収では、インドネシアの実業家 Jackson Widjaja氏のグループ企業に買収された経緯があった。

新パルプ生産工場の Sucuriúプロジェクト建設開始は2024年下半期、パルプ工場開始は2025年1月を予定、ブラジル国内のパルプ生産は同社の世界戦略にとっては、不可欠の存在であるとatias Domeyko CasselCEOは説明している。

Sucuriúプロジェクトでは、年間250万トンのパルプ生産には38万ヘクタールのユーカリ林の植林地が必要であるが、同社では既に6万ヘクタールの植林地を確保しており、そのうち4万ヘクタールには既にユーカリが植林ざれている。

新パルプ工場の立地は、植林地域から150キロメートル離れているにも拘らず、 Sucuriú河沿いにあり、輸出向けアクセスとして州道377号線、100キロメートル離れたパラナ河、47キロメートル離れた鉄道など非常に優れた立地となっている。

新パルプ工場で生産される短繊維パルプは、アジアやヨーロッパを中心に95%が輸出が予定されている。同社のチリ国内でのパルプ生産能力は年間410万トンを擁している。また Stora Enso社とのジョイントベンチャー企業Montes del Plata社は、アルゼンチン及びウルグアイにパルプ生産工場を擁している。

今年5月の鶏肉輸出額は記録更新(2022年6月20日付けエスタード紙)

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

サンパウロ大学応用経済先端研究センター(Cepea-USP)の調査によると、2022年5月のブラジルの鶏肉輸出金額は、前月比14.7%増加の44億8,000万レアルと輸出金額では過去最高を更新している。また前年同月比28.9%増加している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出金額が記録更新した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、1キロ当たりの鶏肉価格は、前月比11.7%と二桁増加の10.39レアルを記録、前年同月比では24.3%増加を記録している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出量は、42万9,700トンと過去2番目の輸出量を記録、過去最高の鶏肉輸出量は、2018年7月の46万3,900トンと僅かに4,000トン少ない輸出量であった。

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出が増加した一因として、ヨーロッパで最も鶏肉生産が盛んなウクライナがロシアによる侵攻の影響による鶏肉輸出の減少及び北半球の鳥インフルエンザの影響を受けていた。

5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は前月比0.6ポイント減少(2022年6月13日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 年5月の経済動向のバロメーターの1日当りの平均段ボール箱派生品生産は、前年同月比4.4%減少の1万3,041トンを記録している。

今年5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、前年同月比0.6%微減の151ポイントを記録したが、段ボール箱派生品の生産総数は33万9,073トンと5月としては過去2番目の生産量を記録している。

季節的な影響を含まないデータを考慮すると、5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は1.6%増加となり、昨年9月以来の最高レベルである148.1ポイントを記録している。

今年5月の段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は33万1,817トンに達し、1営業日当りの出荷量は前月比6.2%減少の1万2,762トンに留まっている。