今年の穀物生産は2億7,130万トンに上方修正(2022年6月8日付けヴァロール紙)

今月8日の国家配給公社(Conab)の発表によると、2021/2022年の穀物生産は、先月の予想を0.4%上回る2億7,130万トンに達し、過去最高を更新すると予想、また前年比では6.2%増加が予想されている。

今回の国家配給公社(Conab)による2021/2022年の穀物生産予想が前月を0.4%上回った要因として、トウモロコシ及び大豆の第2期収穫増加予想に加えて、小麦生産も上方修正されている。

トウモロコシのサフリーニャと呼ばれる収穫期に突入した第2期のトウモロコシは、種蒔時の理想的な降雨にマッチしたために、異常気象の影響で大幅な減産を余儀なくされていた前年同期比では、44.9%と大幅増加の8,800万トンと上方修正されている。

今年のトウモロコシ生産は、第2期の大幅な増産予想で前年比32.3%増加の1億1,520万トンの収穫が見込まれている。またブラジルの穀物生産を牽引する今年の大豆生産量は、5月の予想の1億2,380万トンを50万トン上回る1億24,30万トンが見込まれているにも関わらず、南マット・グロッソ州の一部地域及び南部地域の旱魃による影響で昨年を10.1%下回る生産高が予想されている。

国家配給公社(Conab)では,今年の米生産は前年比9.9%減少の1,060万トンを予想、今年の三毛作のフェジョン豆生産は、前年比6.6%増加の310万トンが予想されている。また今年の原綿生産は前年比19.2%と二桁台の大幅増加の280万トンが見込まれている。

穀物栽培コストは過去最高を更新か(2022年5月30日付けエスタード紙)

化学肥料、農薬並びにディ-ゼル燃料価格の上昇で、今年9月からの穀物栽培向け生産コストは大幅な上昇予想、特に大豆栽培向け生産コストは45.0%、トウモロコシ栽培向け生産コストは50%上昇が予想されている。

北部パラナ州のパラナシティ市で2,900ヘクタールに相当する1200あるケールで大豆栽培をしている 農場主Fabrício Maestrello氏は、肥料や農薬などの価格上昇で生産コストが高騰して大豆価格の値上がりを大幅に上回るために、耕作面積の半減を余儀なくされている。

今年の大豆生産向け化学肥料の1トン当たりの価格は前年比120%増加の6200レアル、1リットル当たりの除草剤価格は90レアルと前年比4倍に高騰している。また1リットル当たりのトラクター用ディーゼル燃料は昨年の4レアルから約7レアルに高騰した一方で、大豆の市場価格は40%上昇に留まっているとMaestrello氏は説明している。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響によるブラジル向け肥料の輸出の停滞、電力エネルギー問題、中国の主要都市によるロックダウンによる輸送ロディスティックなどの要因で農産物生産向けコストが上昇している。

全国農業連合会(CNA)は、次回のパラナ州及びマット・グロッソ州の大豆生産向けコストは化学肥料を中心に60%から70%増加すると予想、昨年の穀物価格は140%上昇、農薬は60%から70%増加、種子は15%から20%増加を記録している。

今年4月の農畜産部門の輸出はコモディティ価格高騰で記録更新(2022年5月20日付けヴァロール紙)

2022年4月の農畜産物輸出金額は、国際コモディティ価格上昇が牽引して前年同月比14.9%増加の148億6,000万ドルと過去最高を更新したが、輸出量は13.2%と二桁台の減少を記録している。

4月の過去12カ月間のブラジルの農畜産物の平均輸出価格は、ロシアによるウクライナ侵攻による影響を受けて32.5%と大幅増加を記録、世界の穀物の主要輸出国であるロシア及びウクライナの戦争継続予想で、今後も穀物などの国際コモディティ価格は高止まりすると予想されている。

一方今年4月のブラジルの農畜産物輸入金額は14.8%増加の13億2,000万ドル、4月の農畜産部門の貿易収支は135億ドルの黒字を計上、農畜産部門の輸出は全体の51.5%と過半数を占めている。

今年初め4カ月間の農畜産部門の累積輸出金額は、前年同期比34.5%増加の485億6,000万ドル、また過去12か月間の累積輸出金額は、25.4%増加の1,329億ドルを記録している。

今年4月の農畜産部門の主な輸出品目は、大豆派生品、牛肉、鶏肉及びコーヒーが牽引、アセアニア地域を除くほどすべての地域で増加を記録、特に中国向けは約40%に相当する59億ドルを記録、スペイン、日本、インド並びにエジプト向け輸出が大幅に増加している。

た大豆の1トン当たりの平均輸出価格は586ドル、大豆の輸出総額は80億9,000万ドルを記録、中国向け大豆輸出量は前年同月比35.2%減少の750万トンとなっている。

ウクライナは特にひまわりなどの植物油の輸出大国であるが、ロシアとウクライナの戦争による影響で、4月のブラジルの大豆油輸出金額は81.3%増加の4億1,570万ドルを記録、輸出量は24.6%増加の26万200トンを記録している。

今年4月のブラジルの食肉は、前年同月比37.0%増加の21億5,000万ドル、牛肉輸出金額は56.2%増加の11億ドル、牛肉の輸出量も22.1%増加、平均輸出価格は28.0%増加している。

4月の中国向け牛肉輸出は118.3%増加の6億7,500万ドルに達し、ブラジルの牛肉輸出の61.3%を占めている。ブラジルは牛肉輸出では米国およびオーストラリアと競合している。

年4月の鶏肉輸出金額は8億280万ドルで記録更新、輸出量は5.6%増加、平均輸出金額は27.2%増加した一方で、中国が豚肉生産を再開した影響で、ブラジルの中国向け豚肉輸出は17.0%減少の1億9,120万ドル、輸出量も8.8%減少、平均輸出金額も9.0%減少している。

 

Suzano製紙は第2四半期のパルプ増産予定(2022年5月6日付ヴァロール紙)

スザノ製紙では、今年第2四半期のパルプ生産は、第1四半期の減産を相殺するために増産を予定しているが、ロシアによるウクライナ侵攻による影響で第1四半期の天然ガス価格が54%高騰して、パルプの生産コストを押し上げているが、今年第2四半期の天然ガス価格は不透明となっていると同社のAires Galhardo取締役は説明している。

第1四半期のパルプ販売は、パルプ生産工場の保守による操業停止や過剰在庫の影響で、前四半期比マイナス13.0%の269万トンに留まっていた。

スザノ製紙の顧客からの受注は順調で生産能力の上限に達している。第1四半期は世界的な需給の緊密化は第2四半期も継続予想でパルプ価格調整を後押しすると同社営業担当のLeonardo Grimaldi取締役は説明している。

今年第1四半期のパルプ価格の値上げ効果は収益に反映していないが、輸出向け1トン当たりのパルプ価格は1年前よりも20%高い639ドルに上昇しているとLeonardo Grimaldi取締役は説明している。

今週発表された中国向け1トン当たりのパルプ価格の30ドル値上げは既に決定していたが、中国の労働節の長期休暇が終了するのを待って、すべての顧客に通知するタイミングを計っていたと説明している。

今年4月末までに予期されていなかった150万トン以上のパルプ減産で需要に対する供給がタイトになっている。また5月の世界市場は堅調の一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による物流ロディステックのボトルネックのために供給が限られている。

5月から中国向け短繊維パルプ製品を一斉に値上げ(2022年4月25日付ヴァロール)

ユーカリを原料とした短繊維パルプメーカーのブラジル資本のクラビン製紙は、5月から中国向け短繊維パルプの価格を1トン当たり30ドル値上げすると発表、チリ資本 Arauco社や Bracell社も値上げに追従する。
51日から中国向け1トン当たりの短繊維パルプの平均価格は、810ドルの値上げされるにも関わらず、昨年12月末にも約45%の大幅な値上げが実施されていた経緯があった。
5月からの値上げの要因として、フィンランドのパルプメーカーのストライキ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響によるグローバルロジスティクスチェーンと特定地域でのパルプ工場の一斉のメンテナンスによる減産、北米及びヨーロッパでの加熱するパルプ需要が挙げられる。
前記の要因に加えて、世界の海運会社と地域のコンテナ不足、港湾での運転手やトラック不足などロジスティクスチェーンの問題により、パルプ消費と需要がより堅調になり、需要と供給バランスが悪化している。
先週、中国市場での1トン当たりの短繊維パルプ価格は784.02ドル、先週だけで40セント上昇、1か月間では91.90ドルと大幅に上昇している。一方長繊維パルプの価格は2.80ドル上昇の979.53ドル、1か月間で57.90ドル上昇している。

3月の段ボール箱出荷量は前年同月比マイナス9.6%と3月としては2005年以降で最大の落込みを記録(2022年4月12日付ヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、20223月の経済動向のバロメーターのブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、前年同月比マイナス9.6%に相当する147.2ポイントと約二桁台の落込みを記録している。

今年3月の段ボール平板やアクセサリーなどを含めた段ボール箱派生品出荷量は33489トンに留まって、3月としては2005年の同月以降では最大の落込みを記録している。

今年3月の1日当りの営業日数換算の平均出荷量は、前年同月比マイナス6.1%に相当する12,711トンを記録、今年第1四半期の段ボール箱派生品出荷量は、前年同四半期比マイナス9.8%に落ち込んでいる。

今年3月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、1月及び2月のマイナスから一転して2.8%増加の144.6ポイントを記録、3月の出荷量は324,032トン、1日の平均出荷量はマイナス5.1%に相当する12,463トンとなっている。今年第1四半期の段ボール箱出荷量は前年同四半期比マイナス1.8%であった。

2021/22年度の穀物生産は5.4%増加の2億6,930万トン(2022年4月7日付ヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれている。今年4月の今年の穀物生産の最終予想は、前月比5.4%増加の2億6,930万トンが見込まれているが、南部地域並びに南マット・グロッソ州の中南部地域の干ばつの影響による大豆及びトウモロコシの減産予想で、今年1月の2億8,860万トンの予想を6.7%下回っている.

3月から4月にかけて、トウモロコシを中心に2番目の播種の終了時期に近づいており、南部地域を含む生産地域全体で規則的な降雨のおかげで良好な湿度条件での植え付けを可能にしている。

今年の穀物栽培面積は、前年比4.4%増加に相当する7,280万ヘクタール、特に大豆向け耕作面積は前年比4.1%に相当する160万ヘクタール増加、トウモロコシは、6.5%に相当する130万ヘクタール増加している。

4月の今年の大豆生産は1億2240万トンが予想、3月の1億2,280万トンより40万トンの下方修正されているが、昨年の大豆生産との比較では11.4%と二桁台の減少が見込まれている。南大河州、南マット・グロッソ州およびパラナ州の旱魃は最も悪影響を及ぼした一方で、マトビバ地域のピアウイ州は最適な降雨に恵まれて予想を上回る大豆生産を記録している。

今年の大豆輸出は、昨年の8,016万トンから7,700万トンと400万トン以上の輸出減少が見込まれている要因として、大豆派生品への輸出比重が上昇しており、大豆油などの派生品輸出は年初の110万トンから160万トン増加が見込まれている。

今年のトウモロコシ生産は、旱魃に見舞われて大幅な減産を余儀なくされた前年比では32.7%増加の1億1560万トンが見込まれている。4月の今年のトウモロコシ生産予想は3月の予想よりも3.0%上方修正されている。

今年の第二期作のトウモロコシ生産は8,850万トンが見込まれている。また4月の今年のトウモロコシ輸出予想は、3月の3,500万トンから3,700万トンに上方修正、前年比では77.8%増加が予想されている。

スザノ製紙は4月から1トン当たりのパルプ価格を50ドル~100ドル値上げ(2022年3月21日付けヴァロール紙)

ユーカリを原料とした短繊維パルプで世界トップメーカーのスザノ製紙は、4月1日から1トン当たりの中国向け短繊維パルプ価格を100ドル値上げして780ドルにすると発表している。

しかしヨーロッパ並びに北米向けの短繊維パルプは、それぞれ50ドルの値上げを発表、ヨーロッパ向けの1トン当たりの短繊維パルプの価格は1,250ドル、北米向けは1,460ドルに値上げする。

オムツや生理用品向けの軽くてふわふわしたタイプのパルプの値上げ幅は100ドルに達するとスザノ製紙では説明している。今月中旬から中国向け短繊維パルプを100ドル値上げして780ドルにするとクラビン製紙のAlexandre Nicolini取締役は説明していた。

3月の中国向け1トン当たりの短繊維パルプの価格は680ドルで輸出しているが、4月から780ドルの値上げを発表している。

2021年の牛解体処理頭数は前年比7.8%減少の2,750万頭(2022年3月15日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、インフレ高騰による実質賃金の目減り、失業率の高止まり、牛肉価格の上昇に伴って、ブラジル国内の需要減少で、2021年の牛解体処理頭数は、前年比7.8%減少の2,750万頭に留まった。

昨年の牛解体処理頭数が前年同月を上回ったのは、12月の前年同月比3万9,890頭増加した一方で、ミナス州及びマット・グロッソ州での口蹄疫発生による中国向け牛肉の一時的中止の影響で、昨年9月は65万800頭まで落ち込んでいた。

昨年の牛解体処理頭数は前年比234万頭減少、ブラジル27州のうち23州で減少を記録、特にマット・グロッソ州の牛解体処理頭数は、前年比63万3,910頭減少した美濃関わらず、ブラジル全体の16.2%を占めて依然としてトップシェアを維持している。

昨年の牛乳生産は霜害及び旱魃、国内需要の減少の影響を受けて、前年比2.2%減少の250億8,000万リットルに留まったが、2017年~2020年迄4年連続で前年を上回っていたが、一転して減少に転じている。

昨年の牛乳生産調査では、調査対象の26州のうち18州で前年割れを記録、特にミナス州は前年比3億2,488万リットル減少したにも拘らず、24.7%でトップを維持している。

また昨年の鶏肉処理は前年比2.8%増加の61億8,000万羽、特にパラナ州は、前年比6,789万羽増加で国内のマーケットシェアは33.6%でトップ、次いでゴイアス州は4,710万羽増加を記録している。

昨年の豚解体頭数は、輸出が牽引して前年比7.3%増加の5,297万頭、調査対象の25州中21州で増加を記録、前年比では361万頭の増加を記録している。特に南大河州は前年比90万9,570頭増加で国内シェアは28.4%でトップ、サンタ・カタリーナ州も82万1,720頭増加を記録している。

今年1月の段ボール箱出荷量は前年同月比マイナス8.1%(2022年3月3日のエスタード紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2022年1月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、昨年末からの国内の段ボール箱の需要低下に伴って前年同月比マイナス8.1%に相当する138.4ポイントを記録、1月の段ボール箱出荷量では2019年以降では初めてマイナスを記録している。

今年1月のアクセサリーなどを含めた段ボール箱派生品出荷量は31万777トン、1日当たりの平均段ボール箱派生品出荷量は、前年同月比マイナス8.1%に相当する1万2,431トンに留まっている。

今年1月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、前年同月比マイナス2.0%に相当する144.8ポイント、出荷量は30万5,608トンとCovid‐19パンデミックが猛威を振るっていた2020年6月以降では最低のブラジル段ボール箱指数(IBPO)のレベルまで低下している。