中国はブラジルからの牛肉輸入を再開(2021年12月15日のエスタード紙)

15日中華人民共和国海関総署(GACC)は、中国の牛肉輸入に占めるブラジルのシェアは、40%を占めているにも関わらず、ブラジルはBSE(牛海綿状脳症)を受けて停止を余儀なくされていた牛肉輸出再開を許可した。

今年9月初めにマット・グロッソ州Nova Canaã do Norte市の食肉加工工場でのBSE(牛海綿状脳症)の確認で、中国向け牛肉輸出の停止を余儀なくされていた経緯があった。

非定型BSEは定型よりもリスクが低いとみられており、高齢牛に孤発的(自然発生的)に発生する。2019年に非定型が報告された際、ブラジルは輸出を10日間停止した経緯があった。

両国はブラジルの牛肉輸出の50%減少で交渉していたが、中国の強い経済成長に従って、牛肉消費の急拡大を補くために、ブラジルからの食肉供給も急拡大している。

南米の牛肉輸出を牽引するMinerva社は、中国向け牛肉輸出では7食肉加工工場で1日当たり1万頭の加工処理が可能であり、3工場はブラジル、3工場はウルグアイ、1工場はアルゼンチンに擁している。

来年の農業生産総額は約1兆2000億レアル(2021年12月14日付けヴァロール紙)

農務省の試算によると、2022年度のブラジル国内の農畜産物の総生産価格(VBP) は、今年の予想を4.5%上回る1兆1,600億レアルに達すると見込んでおり、2020年度の総生産価格(VBP) を10%上回ると予想している。

先週の国家配給公社(Conab)による2021/22年度の穀物生産の12月の最終予想によると、来年度の穀物生産量は、今年を15.0%上回る2億9,110万トンに達すると予想している。

来年の21品目で構成される農産物の総生産価格(VBP) は、今年の予想を7.3%上回る8,112億レアル、特に大豆生産額は最高記録を更新すると予想されている今年を1.4%下回る3,566億レアルに留まると予想されている。

2020/21度のトウモロコシ生産は天候異変の影響を受けたが、来年のトウモロコシ生産も今年の予想を19.0%下回る1,485億レアルに留まると予想されている。

また来年度の棉、コーヒー、サトウキビ、トマト、キャサバ芋並びにココア生産は今年の予想を上回ると見込まれている一方で、米、バナナ、フェジョン豆、オレンジ並びに小麦生産は、今年の生産予想を下回ると予想されている。

5品目で構成される畜産関連の来年の総生産額は、今年の生産予想を1.3%下回る3,532億レアルが予想されているが、前回の11月の予想は今年の生産予想を0.8%上回る予想であった。

また来年の牛肉の総生産額は、今年の予想を7.0%下回る1,389億レアル、鶏肉は2.8%増加の1,117億レアル、豚肉は4.7%減少の298億レアル、牛乳生産は増加の一方で、鶏卵生産は今年の予想を下回ると見込まれている。

2021/22年の穀物生産は、前年比15%増加の2億9,100万トン予想(2021年12月9日のヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)による2021/22年度の穀物生産の12月の最終予想によると、来年度の穀物生産量は、今年を15.0%上回る2億9,110万トンに達すると予想、前回11月の来年の穀物生産予想を0.4%上回っている。

また2021/22年度の穀物生産向け耕地面積は、前回予想の7,190万ヘクタールから7,200万ヘクタールに上方修正、これには来年1月から4月の第2期作及び第3期作、4月から6月に種蒔が行われる冬期の生産も含まれている。

また耕地面積の拡大予想以外にも今後数週間にわたって南部地域の少ない降雨量予想にも拘らず、穀物栽培の生産性の向上を指摘しており、2020/21の1ヘクタール当たりの平均収穫量3,641キログラムを大幅に上回る4,042キログラムが予想されている。

2021/22の大豆生産は、栽培面積が今年の3.7%増加の4,040万ヘクタールの拡大予想で、今年度を4.0%上回る1億4,280万トンに達すると予想されている。

また来年度の第1期作、第2期作並びに第3期作を含むトウモロコシ生産は、今年度を34.6%上回る1億1,720万トン予想。来年度の米生産は、今年度を2.5%下回る1,150万トンに留まると予想されている。またフェジョン豆の生産は、9.6%の生産性向上が牽引して、今年度比9.0%増加の310万トンが予想されている。

2021/22年度の棉生産は今年度比12.6%増加の260万トン予想、しかし11月の予想を1.6%下回っている。また小麦生産は、2019/20比では25.6%増加の780万トンが見込まれているが、11月の予想は770万トンであった。

国家配給公社(Conab)の調査によると、先月11月の降雨量は平均を上回る降雨量を記録、特に南東部地域、中西部地域並びにマトピバ地域の降雨量は平均を上回った一方で、南部地域の降雨量は平均を下回ったために、特に南大河州での穀物育成状況に注視する必要があると指摘している。

スザノ製紙は193億レアルを投資して巨大パルプ工場建設(2021年11月8日付けヴァロール紙)

世界最大のユーカリを原料としたパルプ生産を誇るスザノ製紙は、南マットグロッソ州でセラードプロジェクトと呼ばれるユーカリを原料とした世界最大の短繊維パルプ工場を建設、2024年下半期からの工場の稼働を予定している。

セラードプロジェクトの総投資額は、193億レアルが見込まれており、パルプ工場は南マット・グロッソ州リバス・ド・リオ・パルド市、年間のパルプ生産能力は255万トン、1トン当たり生産コストは、400レアル以下で世界で最も低い生産コストが見込まれている。

セラードプロジェクトが生産開始すれば、スザノ製紙の生産能力は20%以上増加、年間のパルプ生産能力は1,345万トンに達する。またセラードプロジェクトは、大胆に炭素排出量を削減し、生物多様性に関する野心的な目標を設定して時間と共に同社のESG外部評価の向上を図ると同社のWalter Schalka社長は説明している。

セラードプロジェクトの総投資額193億レアルの75%は、2022年並びに2023年に加速的に投資が予定されており、2024年下半期からの工場の稼働を目標にしている。

スザノ社は今後数年間の短繊維のパルプは、長繊維の供給減少に替わって二桁台の需要を見込んでおり、短繊維パルプは、伐採後数回連続でパルプの供給できる再生可能なパルプとなっている。

セラードプロジェクトの投資総額193億レアルのうち、工場建設には147億レアル、植林や輸送ロディスティック向け投資は46億レアルが見込まれている。

セラードプロジェクトの工場建設のピーク時の直接雇用は1万人、間接雇用を数万人、工場稼働後の直接雇用は3,000人が見込まれている。

ブラジルは魚類輸出増加にも拘らず、貿易赤字拡大(2021年10月19日付けヴァロール紙)

2021年初め9か月間のブラジルの魚類輸出は、前年同期比10%増加の1,280万ドルを記録、今年第3四半期の魚類輸出は、前年同四半期比71.0%増加の570万ドルを記録している。

ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)並びにブラジル養魚協会(PeixeBR) の調査によると、今年9月のブラジルの魚類輸出は230万ドル、今年第3四半期の魚類輸出は、前四半期比43.0%を大幅な伸び率を記録している。

ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)養魚部門のManoel Pedroza調査員は、今年のブラジルの魚類輸出は、最小限でも前年比15.0%増加すると予想している。

ブラジルの魚類輸出は、淡水魚のティラピアが牽引しており、今年第3四半期のティラピア輸出は490万ドル、今年初め9か月間の累計ティラピア輸出は、全体の85%に相当する1,090万ドルに達している。

今年初め9か月間の内陸の南マット・グロッソ州で養殖されているティラピアの輸出は190万ドルで他州を牽引、また淡水魚のタンバキやクリンバタも輸出されている。

ブラジルの魚類輸出は米国が約半分を占めており、今年初め9か月間の米国向け魚類輸出は、全体の54%に相当する700万ドルを占めているが、ペルー、コロンビアやチリなど南米諸国の魚類輸出は全体の20%以上を占めている。

ブラジルの魚類輸出は増加傾向を占めている一方で、今年第3四半期のサーモン、マスやナマズを中心とした魚類輸入は1億9,900万ドルに達した要因で、今年第3四半期の魚類の貿易収支は1億9,300万ドルの赤字を計上している。

9月の農業部門の貿易黒字は88億ドルを計上(2021年10月18日付けエスタード紙)

2021年9月のブラジルの農畜産部門の輸出額は、大豆派生品が約3分の1を占めて牽引して、月間記録を更新する90億ドル近くの貿易黒字を計上している。

今年9月の農畜産部門の貿易黒字は、前年同月比21.0%増加の88億4,900万ドルを記録、9月の農畜産部門の輸出総額は、21.0%増加の101億ドルで記録更新、輸入総額は、19.2%増加の12億5,000万ドルを記録している。

また今年初め9か月間の農畜産部門の累積貿易収支は、昨年同期の684億1,300万ドルの黒字を20.4%上回る823億7,800万ドルを記録している。

今年9月の大豆派生品の輸出額は中国向け輸出が牽引して、昨年9月の21億3,000万ドルを10億6,000万ドル上回る31億9,000万ドルを記録している。

また今年9月の食肉輸出は、初めて20億ドルを突破する22億1,000万ドルを記録、昨年9月の食肉輸出金額を62.3%上回り、過去最高記録を更新している。

今年の穀物生産は、前年比14.2%増加で記録更新予想(2021年10月7日付ヴァロール紙)

穀物生産用の作付面積増加並びに今後の穀物栽培に好条件となる天候予想で、2021/22年度の穀物生産は、前年比14.2%増加の2億8,810万トンで記録更新すると国家配給公社(Conab)では予想している。

2019/20年度の穀物栽培は、降雨不足によるトウモロコシ生産が予想を下回った影響で2億5,270万トンに留まっていたが、今年は二桁台の増産が見込まれている。

また2020/21年度の穀物栽培面積は、前年比3.6%増加の7,150万ヘクタールに拡大、1ヘクタール当たりの穀物生産性は、前年比10.2%増加の4,088キログラムが見込まれている。

今年の穀物生産を牽引するのは大豆生産で、前年比2.5%増加の1億4,080万トン、栽培面積は2.5%増加の3,990万ヘクタール、1ヘクタール当たりの生産性は、3,526キログラムとトウモロコシ同様に安定的な生産性が見込まれている。

今年の第1期作、第2期作並びに第3期作のトウモロコシ向け栽培面積は、4.7%増加の2,090万ヘクタール、1ヘクタール当たりの生産量は27.7%増加の5,575キログラム、生産量は、33.7%増加の1億1,630万トンが見込まれている。

今年の米生産は、前年比マイナス1.3%の1,160万トン、また今年の3期作のフェジョン豆生産は、3.1%増加の300万トンが見込まれている。棉生産は13.7%増加の270万トンが見込まれている。

8月の段ボール箱出荷量は3.4%減少(2021年10月5日付ヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年8月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、前年同月比3.4%減少の33万4,326トンに留まっている。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、34万1,691トンに達し、7月の月間記録を更新、13ヶ月連続で増加を記録、前年同月比では1.9%増加の152.2ポイントを記録していた。

今年8月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は148.9ポイントを記録、8月の1日平均の段ボール箱やアクセサリーなどの派生品出荷量は、1万2,859トンを記録している。

また今年8月の段ボール箱のみのIBPO指数は、前年同月比2.4%減少の145.5ポイントに相当する32万5,918トン、1日平均の出荷量は、前月比1.3%増加の1万2,535トンを記録している。

旱魃並びに霜害は今年の穀物生産の記録更新の障害要因(2021年9月9日付エスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の9月の穀物生産調査によると、2021年のブラジル国内の穀物生産は、過去数か月間の降雨不足による旱魃並びに南部地域や南東部地域の霜害の影響で、前回予想よりも1.0%減少の2億5,170万トンに下方修正されたが、次回の穀物生産調査では更なる下方修正の可能性も否定できない。

ブラジル地理統計院(IBGE)の今年の穀物生産の月間予想調査によると、4月~8月迄過去5か月間連続で下方調整されており、過去の記録更新の可能性は皆無に近いと同院農産物生産システム担当のCarlos Alfredo Guedes部長は指摘している.

今年の穀物生産が前年割れを起す可能性は、2018年の前年比マイナス4.7%の2億2,750万トン以来4年ぶりの前年割れの可能性があるにも関わらず、今年の穀物生産は、過去最高記録を更新した昨年の2億5410万トンに次ぐ2億5,000万トン前後が見込まれている。ブラジル地理統計院(IBGE)が穀物生産調査を開始した1975年のブラジルの穀物生産は僅か3,900万トンであった。

今年の国策面積は前年比4.3%増加の6,830万ヘクタールに拡大したにも拘らず、前年割れをおこす要因として、トウモロコシの第二期作の生産は、前年同期比マイナス19.4%の6,170万トンに留まったことが大きく影響している。

また今年の豚や鶏の飼料向け黍生産は、前年比マイナス13.8%の240万トンに留まると予想されている。豚や鶏の飼料の70%占める国産トウモロコシの価格が上昇しており、質は劣るが価格の安い近隣諸国からのトウモロコシの輸入が増加傾向を示している。

今年の大豆生産は、前年比10.1%増加の1億3,380万トンで記録更新が見込まれており、米生産は、前年比4.3%増加の1,150万トンが見込まれている。小麦生産は、主産地の南大河州で収穫期に好天に恵まれれば31.8%増加の820万トンが見込まれている。

今年7月の段ボール箱出荷は1.9%増加(2021年9月2日付ヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年7月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、34万1,691トンに達し、7月の月間記録を更新している。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、13ヶ月連続で増加を記録、前年同月比では1.9%増加の152.2ポイントを記録している。

7月の1日当たりの営業日数換算の出荷量は、前年同月比1.9%増加の1万2,655トンを記録、7月の1日当たりの段ボール箱出荷量も記録更新している。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、前年同期比0.7%減少の149.6ポイント、月間出荷量は33万5,351トン、1日当りの平均出荷量は,前月比8.1%減少の1万2,420トンを記録している。