今年初め2か月間の貿易収支黒字119億ドルは今年の貿易黒字の記録更新を示唆(2024年3月6日及び7日付けヴァロール紙)

2024年初め2カ月間の貿易収支黒字は、988億ドルで貿易黒字を記録を更新した昨年同期を上回っており、今年の貿易収支黒字の記録更新を示唆しているとDavos Investimentos社エコノミストのRogério Mori氏は説明している。

開発商工サービス省(MDIC)経済省通商局(Secex)の発表によると、今年2月の輸出は235 億ドル、輸入がは181 億ドル、貿易収支は54 億ドルの黒字を計上している。

今年初め2か月間のブラジルの輸出を牽引したのは原油、鉄鉱石並びに大豆であり、原油並びに鉄鉱石輸出は、昨年同期の輸出全体の18.8%から26.0%に増加、大豆は7.7%から8.7%に増加、これら3種類の輸出総額は、前年同期比53.7%増加の175億4,000万ドルを記録している。

今年のブラジルの輸出を牽引するのは鉱業部門であり、今後数年間は引き続きパラー州及びミナス州での原油及び鉄鉱石の増産が見込まれているとテンデンシアス社エコノミストのGabriela Faria氏は説明している。

今年初め2カ月間の貿易収支黒字119億ドルは、昨年同期の貿易収支黒字49億ドルの2倍以上の黒字を記録しており、今年の貿易収支黒字の記録更新を示唆している。

今年初め2カ月間の貿易収支を牽引しているのは、農畜産部門並びに鉱業部門の輸出であり、今年のブラジル経済伸び率の見通しを明るくしているとRogério Mori氏は説明している。

ブラジルの貿易相手国パートナーのアルゼンチンの今年の経済停滞が見込まれているために、今年のブラジルのアルゼンチン向け輸出は、前年比30%減少が見込まれている一方で、輸入は2.4%微増が予想されている。

左グラフは2024年初め2か月間の輸出総額及び輸入総額

中央グラフは2024年初め2か月間の輸出入金額、輸出入量、輸出入価格の前年同期比比率

2024年1月のブラジルの貿易収支は65億2,600万ドルの黒字計上(2024年2月7日付けヴァロール紙)

開発商工サービス省(MDIC) 経済省通商局(Secex)の発表によると、2024年1月のブラジルの貿易収支は、前年同月比185,6%増加に相当する65億2,600万ドルの黒字計上、統計を取り始めた1989年初めからでは、1月のブラジルの貿易収支としては過去最高を更新している。

今年1月のブラジルの輸出総額は、前年同月比18,5%増加に相当する270億1,6 00万ドルに対して、輸入総額は、マイナス0,1%に相当する204億8,900万ドルに留まっている。今年1月のブラジルの貿易額は9,7%の475億500万ドルを記録している。

今年1月のブラジルの農畜産物輸出は前年同月比20,96%増加、鉱業部門輸出は53,25%増加、製造業部門輸出は4,62%増加している。一方で今年1月のブラジルの農畜産物輸入は1,46%微増、鉱業部門輸入はマイナス27,58%と大幅に減少を記録、製造業部門輸入は2,36%微増している。

今年1月のブラジルの中国・香港・マカオ向け輸出は 53,06%増加、アジア向け輸出は39,86%増加を記録している。北米向け輸出は20,55%増加した一方で、南米向け輸出はマイナス13,95%、ヨーロッパ向け輸出もマイナス15,53%を記録している。

2024年のブラジルの貿易収支は944億ドルの黒字を予想、内訳は輸出総額は3,482億ドルに対して、輸入総額は2,538億ドルを経済省通商局(Secex)では予想している。

2023年のブラジルの石油関連貿易収支は前年比20% 増加(2024年1月22日付けヴァロール紙)

2023年のブラジルの石油派生品の貿易収支黒字は前年比20%増加に相当する過去最高の250億ドルに達している。ブラジルの石油増産は主にプレソルト油田による石油生産の増加が牽引している。

また昨年のブラジルの石油派生品の貿易収支黒字はブラジルの総貿易収支黒字の990億ドルの4分の1に相当する貿易収支黒字を計上している。2024年のブラジルの石油派生品による貿易黒字は310億ドル、2029年には500億ドルの貿易収支黒字をBTG Pactual社は見込んでいる。

2024年のブラジルの1日当たりの平均石油生産は375万バレル、5年後の2029年には454万バレルに達すると予想、2024年の1バレル当たりの石油の国際コモディティ価格は80ドル、2025年は75ドル、2026年以降は70ドルをブラジル商工サービス省(MDIC)では予想している。

今後数年間のブラジルの石油の貿易収支黒字の増加は、石油とデリバティブの収支における輸入水準よりも輸出の増加によるところが大きいとBTG Pactualでは予想している。

ブラジルの石油派生品の輸出額は2023年の540億ドルから今年は610億ドルに増加し、2029年には840億ドルに達すると予想。 5 年間で 340 億ドル増加に達すると予想している。

2016年~2029年までのブラジルの石油生産推移予想

2022年及び2028年の世界の石油生産予想

2013年~2029年までのブラジルの石油派生品の輸出、輸入及び貿易収支予想

2023 年のブラジルの中国向け輸出は1,000億ドル突破(2024年1月8日付けヴァロール紙)

開発商工サービス省(MDIC) 経済省通商局(Secex)の発表によると、2023 年のブラジルの中国向け輸出は1,000億ドル突破、対中国の貿易黒字は511億ドルに達している。

また2023 年のブラジルの貿易収支は988億ドルと過去最高記録を更新したが、今年の中国向け輸出金額は、中国の国内経済の停滞で昨年を下回ると予想されているが、中国は依然としてブラジルにとって最大の貿易相手国を継続する。

昨年の対中国の貿易黒字511億ドルは、2022年の貿易収支黒字286億8,000万ドルの約2倍近い貿易黒字を計上している。

昨年の中国向け輸出は前年比16.6%増加の1,043億1,000万ドルに対して、中国からの輸入は前年比1.7%微増に留まった。昨年の中国向け輸出金額は全体の30.7%を占めているが、2022年は26.8%であった。

昨年の中国からのブラジル向け輸出は、前年比マイナス12.5%の531億8,000万ドルに留まったが、ブラジルの輸入シェアの22.1%を占めており、ブラジルにとって中国は依然として世界トップのシェアを占めている。

ブラジルから中国向け輸出額は、2019年の634億ドルから2022年には総額894億ドルに達し、2023年には1,000億ドルを突破したとAZ Quest社エコノミストのLucas Barbosa氏は説明している。

 

2010年~2023年までのブラジルの中国向け輸出金額の推移

2023年のブラジルの貿易収支は988億ドルの黒字計上で記録更新(2024年1月5日付けヴァロール紙)

過去最高のブラジルの貿易収支は、2022年に記録した623億ドルの黒字であったが、2023年の貿易黒字は2022年の記録を60.6%上回る988億3,800万ドルの黒字を計上して、大幅な記録更新となっている。

開発商工サービス省(MDIC) 経済省通商局(Secex)では、今年のブラジルの貿易収支を930億ドルの黒字収支を予想、その内訳は輸出総額は3,342億ドル、輸入総額は2,411億ドルを見込んでいた。

2023年1年間の輸出総額は、前年比1.7%増加の3,396億7,200万ドルに対して、輸入総額は、前年比マイナス11.7%の2,408億3,400万ドルに留まっていた。また貿易総額は、前年比マイナス4.3%の5,805億700万ドルであった。

昨年12月の貿易収支黒字は前年同月比106.5%増加、輸出額は9.5%増加の283億3,900万ドルに対して、輸入額は、マイナス10.7%の194億7,800万ドルに留まっていた。

経済省通商局(Secex)では、今年のブラジルの貿易収支を930億ドルの黒字収支を予想、その内訳は輸出総額は3,342億ドル、輸入総額は2,411億ドルを見込んでいる。今年の貿易額は6,020億ドルを見込んでいる。

昨年12月の農畜産物の輸出額は前年同月比13.66%増加、鉱業部門は8.87%増加、製造業部門の輸出額は8.63%増加していた。

一方昨年12月の農畜産物の輸入はマイナス21.67%、鉱業部門はマイナス54.06%、製造業部門輸入はマイナス5.97%であった。

昨年12月の輸出先トップは中国・香港・マカオ向け輸出は前年同月比41.59%増加、アジア向け輸出は31.41%増加を記録していた。

前記同様に北米向け輸出はマイナス5.4%、南米はマイナス15.34%、ヨーロッパ向け輸出はマイナス1.22%であった。

今年11月のブラジルの貿易収支は87億7,500万ドルの黒字計上(2023年12月1日付けヴァロール紙)

.開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2023年11月のブラジルの貿易収支は、87億7,500万ドルの黒字を計上、1日当たりのへ金貿易収支は前年同月比41,5%増加を記録している。

11月の輸出総額は0,6%増加の278億1,900万ドル、輸入総額はマイナス11,2%の190億4,400万ドルを記録している。

今年初め11カ月間の累計貿易収支黒字は前年同期比56%増加の892億8,400万ドル、累計輸出総額は0,5%増加の3,106億800万ドル、累計輸入総額はマイナス12,1%の2,213億2,300万ドル、貿易総額はマイナス5,2%の5,319億3,100万ドルを記録している。

11月の農畜産物輸出は前年同月比22,25%増加、鉱業関連輸出は3,19%増加、工業関連輸出はマイナス7,16%であった。また11月の農畜産物輸入はマイナス13,81%、鉱業関連輸入はマイナス28,39%、工業関連輸出はマイナス9,07%であった。

11月の輸出先トップは中国、香港並びにマカオ向け輸出で27,45%増加、アジア向け輸出は11,98%増加を記録している。

開発商工サービス省(MDIC) 経済省通商局(Secex)では今年のブラジルの貿易収支を930億ドルの黒字収支を予想、輸出総額は3,342億ドル、輸入総額は2,411億ドルを見込んでいる。

 

9月のブラジルの貿易収支は89億ドルの黒字計上 (2023年10月2日付けエスタード紙)

開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2023年9月のブラジルの貿易収支は、89億ドルの黒字を計上、輸出総額は284億3,100万ドル、輸入総額は195億2,700万ドルを記録している。

9月25日から30日の輸出額は63億100万ドルに対して輸入額は45億3,800万ドル、貿易収支黒字は17億6,300万ドルを記録している。

また今年初め8カ月間の貿易収支は713億900万ドル、累積輸出総額は2,530億900万ドル、累計輸入総額は1,817億ドルであった。

ブロードキャストプロジェクションによる9月の貿易収支予想は最高予想は95億ドル、最低予想は54億ドル、平均予想は91億ドルであった。

9月の1日当たりの平均輸出額は前年同月比4,4%増加、そのうち農畜産部門の輸出は22,2%増加の5,941万ドル、鉱業部門は14,9%増加の4,767万ドル、製造業部門はマイナス6,1%の4,687万ドルであった。

9月の1日当たりの平均輸入額はマイナス17,6%、そのうち農畜産部門はマイナス16,0%の371万ドル、鉱業部門はマイナス39,5%の3,461万ドル、製造業部門はマイナス15,9%の1億6,994万ドルを記録している。

 

今年は輸出量増加で大幅な貿易黒字収支(2023年9月19日付けヴァロール紙)

今年初め8か月間の累積貿易黒字は既に624億ドルに達しており、昨年1年間の貿易黒字の618億ドルを突破している。

貿易指標(Icomex)の速報によると、今年5月以来、今年の月次貿易黒字は常に2022年よ​​りも上回っている。

2022年9月から12月に記録されたのと同じ貿易黒字が維持されれば、2023年の貿易収支は802億ドルの黒字を記録する。悲観的な予測では約700億ドルの黒字に留まる可能性はある一方で、楽観的な予測では約800億ドルとなると予想されている。

今年のブラジルの貿易黒字の改善は、国際コモディティ価格下落にも拘らず、輸出量の増加と輸入量の減少によって、貿易黒字幅の拡大が期待されている。

2022年9月から12月に記録されたのと同じ貿易黒字が維持されれば、2023年の貿易収支は802億ドルの黒字を記録する。悲観的な予測では約700億ドルの黒字に留まる可能性はある一方で、楽観的な予測では約800億ドルとなると予想されている。

今年のブラジルの貿易黒字の改善は、国際コモディティ価格下落にも拘らず、輸出量の増加と輸入量の減少によって貿易黒字幅の拡大が期待されている。

一方で、ブラジルの輸入の場合、非一次産品が圧倒的に多く、輸入品の約90%を占めている。この全体の輸入量は、8月に2022年の同月比で6.6%減少し、8月までの1年間では2.8%減少した。一次産品の輸入量の変動は、年初から現在までは9.4%増加を記録している。

ブラジルの輸出相手国では、依然として中国がブラジルの輸出の30.2%を占め、次いで米国10.5%、アルゼンチンが5.6%となっている。中国との黒字は貿易収支の黒字の53%に達している。

米国との赤字の削減とアルゼンチンとの黒字の改善を記録している。金額ベースでは、輸出では中国向けが 8.0%増加、アルゼンチン 向け19.7%増加した一方で、輸入はすべての市場で減少している。

 

ブラジルは本腰を入れて鶏肉輸出でアフリカ市場を開拓(2023年9月12日付けヴァロール紙)

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)及びブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)は、ブラジル鶏肉のイスラエルへの輸出成功に続いて、人口が14億人に達する巨大な消費市場開拓に本腰を入れる準備を進めている。

アフリカ市場におけるブラジルの食肉での存在感を高めることは、ABPAとApexBrasilの間で最近締結された養鶏・養豚分野の促進協定の更新の目的の1つとなっている。

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)及びブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)は、今後2年間にナイジェリアやセネガルなどアフリカ大陸向けのブラジルの鶏肉輸出を40億ドル以上を見込んでおり、積極的な売り込み攻勢を予定している。

ブラジルは中国をはじめとしたアジア市場でのマーケットシェア拡大に軸足を置いて、アフリカ市場から遠ざかっていたが、アフリカ市場の開拓をターゲットにするとブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)のJorge Viana総裁は強調している。

アフリカ大陸は深刻な食糧不足に直面しているため、ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)との間で最近締結された養鶏・養豚分野の促進協定はアフリカ市場を克服するためのツールとなり得るとブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)のJorge Viana総裁は強調している。

 

中国の国内経済低迷にもかかわらず、今年の中国向け輸出は900億ドルが見込まれている(2023年8月21日付けヴァロール紙)

中国の習近平国家主席は、ここ数週間で国内の経済指標の悪化が相次ぎ、世界各国のリスクを著しく高めていることを受けて、BRICS首脳会議のためヨハネスブルグに到着した。

今年初め7か月間のブラジルの輸出の30%以上は中国向け輸出が占めており、益々中国への依存度が上昇している。

世界第2位の経済大国中国における悪いニュースは、ゼロコロナ政策の停止後、深刻な景気減速への懸念から力強い拡大への期待が変化したことから始まった。 7月の小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資の伸びはいずれも前月よりも鈍化している。中国の若者の失業率は過去最高の21.3%に達した。かなりの数の製品価格が下落し、商業活動が減少する前兆であるデフレ領域に入っている。

また中国の輸出は3カ月連続で減少、特に7月は14.5%減少、輸入は5カ月連続で減少し、再び弱含みの兆候が見られた。さらに、通常は経済活動の4分の1を動かす巨大な不動産セクターの相次ぐ倒産の影響を受けて、金融セクターへの波及に対する懸念が高まっている。

このような中国の経済危機の状況にも関わらず、ブラジル政府は主要貿易相手国にとって輸出は引き続き重要なものになると予測している。

ブラジルの輸出額のほぼ3分の1が中国市場に向けられていることから、中国経済の減速はブラジルの対外貿易にとって注目すべき点となっていると開発産業商務サービス省のタチアナ・プラゼレス貿易担当長官は指摘している。

今年初め7か月間のブラジルの中国への輸出は前年同月比6.9%増加の587億ドルに達した。これに対し、世界の同期間の輸出の平均増加率は僅か0.2%に留まっている。

中国の消費者所得はこれまで伸び続けてきたが最近顕著に鈍化しており、需要にも変化があり、今年下半期の中国市場向けの輸出品目としては、トウモロコシ、鶏肉、豚肉などの食料品にとっては、状況はより前向きとなっている。

鉄鉱石や石油などの国際コモディティの輸出が影響を受ける可能性がある。しかし、Mdicの外国貿易長官は、ブラジルの鉄鉱石の輸出は、競合他社と比較して高含有量の鉄鉱石のおかげで、輸出量では引き続き良好であると推測されている。

.今年のブラジルの輸出額3,300億ドルの27%に相当する900億ドルは中国向け輸出の可能性があるが、2022年には3,350億ドルであった。

今年初め7か月間の石油の国際コモディティ価格は25%下落、鉄鉱石も16%下落、大豆の国際コモディティ価格も9.6%下落している。

中国経済の成長水準の鈍化に伴い、2つの点が注目されている。一方で、理論的には、中国は国内経済のダイナミズムの損失を補い、多角化するために海外への投資を増やす可能性が指摘されている。

特にブラジルの鉄鋼部門および化学部門は中国からの輸入増加による影響の可能性を監視する必要がある。

多くのアナリストは、北京当局は不動産危機が金融危機に発展するのを防ぐ手段を持っており、中央政府には地方政府の債務を吸収し、不良資産を再構築する余地があると指摘している。

ブラジルのヨーロッパへの輸出は、今年初め7カ月間で前年同期比9.4%減少。スペイン向け輸出は前年同期比 23.6% 減少、ポルトガル -19.3%、イタリア -10.6%、フランス -10.3%、ドイツ – 7.8%、ベルギー – 29.3%、フィンランド向け輸出は – 32.2%と大幅に減少している。