小売大手10社の今年上半期の負債返済遅延総額は78億レアル予想(2022年8月26日付けヴァロール紙)

高止まりするインフレや失業率で、一般消費者の実質収入が減少しているために、小売り大手10社では、今年上半期の負債返済遅延総額は、前年同期比22.0%増加の77億9,000万レアルに達すると予想している。

昨年上半期の不渡り総額は64億レアルを記録していた。今年初め6 か月の負債返済遅延総額は、2021 年の Leroy Merlin社並びにRiachuelo社の小売販売網の売上に匹敵する金額を計上している。

小売り大手10社の今年上半期のクレジット部門の負債返済遅延比率は、4.92%と昨年同期の4.0%から大幅に増加、昨年12月末のクレジット部門の負債返済遅延比率は3.9%であった。

金融エコノミストは、大手小売業者のクレジット部門は信用供与が厳しく管理されているために、企業の財務健全性に対するリスクはなく、1990 年末に発生した小売業の連鎖倒産のようなことはないと説明している。

小売り大手10社の今年上半期の前年同期比の貸倒引当金比率調査では、10社のうち7社が増加、Assai社は100%増加、C&A社97.4%、Renner社89.4%、Riachuelo社76.6%、Magazine Luiza社53.4%、Americanas社41.9%、Carrefour社37.8%とそれぞれ大幅な貸倒引当金の増加を余儀なくされた。

一方今年上半期の貸倒引当金を減少したのは、GPA社で17.5%、Grupo Mateus社15.0%、Via社は8.4%とそれぞれ昨年上半期よりも貸倒引当金を減少させている。

今年第2四半期の包装関連生産は増加に転じる(2022年8月18日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Abre)がジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)に依頼した調査によると、2022年第2四半期の段ボール箱・プラスチック・ガラス・製缶・木材などを原料とした包装容器関連生産は、今年第1四半期まで連続5四半期連続での減少から一転して4.6%の大幅増加に転じている。

今年第2四半期の包装容器関連生産が4.6%増加した要因として、勤続期間保障基金(FGTS)預金からの追加の引出や 年金・恩給受益者への13 回目の給与などの特別所得支援措置が、第 2 四半期に集中したために、食品や飲料などの消費増加に伴って包装容器生産が大幅に増加している。

今年第2四半期の包装容器関連生産の内訳は、ガラス関連包装生産は13.5%の二桁台の増加を記録、製紙・段ボール箱は5.3%増加を記録した一方で、木材関連包装生産はマイナスを記録している。

今年7月の一般家庭の78.0%を負債を抱えていたが、そのうちの29%は返済期日を超えており、今後の食品や飲料消費の落ち込みをブラジル包装紙協会(Abre)のMarcos Barros会長は憂慮している。

昨年5月の過去12カ月間の包装関連向け原材料は77.0%も高騰していたが、今年7月の過去12カ月間は18.2%増加に留まっており、包装関連価格は9.1%増加に留まっている。

昨年の包装関連業界の売上は、原材料コストを最終製品に価格転嫁できた結果で前年比31.1%に相当する1109億レアルを記録したが、現在はプラスティック関連包装の価格転嫁ができていない。現在はガラス関連包装業界は、原料のシリカ(珪酸)の供給不足及び需要が供給を上回っている状況が続いている。

COVID-19パンデミック期間中に10万6,000社以上の小売関連企業が消滅(2022年8月17 日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の2020年度の年間小売調査(PAC)によると、COVID-19パンデミックの2019年から2020年にかけて、連邦政府や地方自治体の外出自粛や必需品以外営業自粛などの要請の影響で、ブラジル国内の小売販売関連企業は全体の7.4%に相当する10万6,560社は倒産や業界撤退を余儀なくされた。

2019年のブラジル国内の小売関連企業は144万6,000社であったが、COVID-19パンデミックが猛威を振るっていた2020年末には133万9,000社まで減少していた。

特に小売関連部門で倒産や撤退を余儀なくされたのは自動車ディーラー、部品販売並びにオートバイ販売関連企業であり、2019年は13万9,672企業が存在していたが、2020年末には12万5,835社まで減少、業界全体の9.9%に相当する1万3,837社が倒産を余儀なくされていた経緯があった。

四輪・二輪部門に次いで小売販売業が影響を受けており、2019年の小売販売企業数は110万2,000社であったが、2020年末には100万6,000社と全体の8.7%に相当する9万5,400社が倒産を余儀なくされていた。

2020年末の小売販売業全体の売上は4兆7,000億レアル、そのうち卸売り販売は2兆3,000億レアル、小売販売業は2兆1,000億レアル、四輪・二輪販売業は3,943億レアルであった。

2019年の卸売り販売業のトップ8社のマーケットシェアは18.4%であったが、2020年末には15.2%まで減少、前記同様四輪・二輪販売業は3.7%から3.4%に減少した一方で、小売販売業は10.2%から10.8%と寡占化が進んでいる。

 

6月の一般小売販売量は前月比マイナス1.4%(2022年8月10日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、20226月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比マイナス1.4%と大幅な落込みを記録している。

今年6月の一般小売販売量の前月比マイナス1.4%の落込み幅は、202112月のマイナス2.9%以降では最大の落込み幅を記録、5月のマイナス0.4%に続いて2ヶ月連続での落込みを記録している。

Valor Data社の30金融機関対象の調査によると、今年6月の一般小売販売量の最大予想はマイナス2.6%、最小予想は0.6%増加、平均予想はマイナス1.2%であった。

今年6月の一般小売販売量は、前年同月比マイナス0.3%、Valor Data社の調査によると、最大予想はマイナス2.6%、最小予想は2.5%増加、平均予想は0.2%増加であった。

今年6月の一般小売販売の過去12か月間の累積販売量は、前年同期比マイナス0.9%、今年上半期の累積販売量は、前年同期比1.4%増加を記録している。

一方今年6月のインフレ指数を差引かない名目一般小売販売量は前月比0.2%増加、前年同月比では17.1%増加を記録して二桁台の伸び率を記録している。

今年6月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売量は、前月比マイナス2.3%を記録、Valor Data社の29金融機関対象の調査によると、最大予想はマイナス2.1%、最小予想は1.0%増加、平均予想はマイナス0.7%であった。

今年6月の広範囲小売販売量は前年同月比マイナス3.1%、一方今年6月のインフレ指数を差引かない名目広範囲小売販売量は前月比マイナス0.9%、前年同月比13.6%増加を記録している。

7月の一般家庭の負債金額及び延滞率は記録更新(2022年8月8日付ヴァロール紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の消費者の負債・返済調査によると、2022年7月の一般消費者の負債金額及び延滞率は、4月~6月にかけて減少していたが、一転して上昇に転じて記録更新している。

今年7月の一般家庭の負債率は、6月の77.3%から78.0%に上昇、2021年7月の71.4%から6.6%上昇、統計を取り始めた2010年以降では最高の負債比率を記録している。

また今年7月の負債返済が遅延しているのは、6月の28.5%から29.0%に上昇、2021年7月の25.6%から3.4%も上昇して記録を更新している。

今年4月から6月の負債及び延滞率が低下した要因として、勤続期間保障基金(FGTS)預金からの追加の引出や 年金・恩給受益者への13 回目の給与などの特別所得支援措置が、第 2 四半期に集中したために、一般消費者は負債返済に充てたと、全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の José Roberto Tadros会長は指摘している。

また7月の調査では、返済期日を超えている負債返済の分割払いが出来ないと回答したのは10.7%と6月の10.6%よりも微増、今年7月のクレジットカードによる負債は全体の85.4%を占めている。

今年第2四半期のオンライン販売は2018年同期以降では最低(2022年7月26日付ヴァロール紙)

MCC/Neotrust社の調査を基にした Goldman Sachs銀行のレポートによると、2022年第2四半期のオンライン販売前年同期比マイナス4.2%を記録、調査を始めた2018年以降では初めて第2四半期のオンライン販売が前年同期比を下回った。

今年6月のオンライン販売は前年同期比マイナス5.7%を記録、5月のマイナス1.0%、4月のマイナス6.4%と3ヶ月連続で前年同月比割れを起こしてオンライン販売が停滞している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS) を基にしたコンサルタント会社 Ebit社によると、今年のオンライン販売は小売業全体の14.0%と昨年の13.5%ヨロも0.5%上昇すると予想されているが、調査開始の2018年以降では最低の伸び率に留まると予想されている。

COVID-19パンデミック前の2019年のオンライン小売販売は前年比7.0%増加、2021年は13.5%と二桁台の伸び率を記録、2023年のオンライン小売販売は小売販売全体の16.0%に達すると予想されている。

Neotrust社では、数か月前の今年のオンライン小売販売は8.0%増加を予想していたが、今月には5.0%増加に下方修正したが、店頭の小売販売の伸び率予想3.5%~4.0%増加を上回ると予想、10月の大統領選に向けて人気を取ろうとするための従来の貧困家庭向け現金給付策「ボルサ・ファミリア」に代わる社会福祉政策「アウシリオ・ブラジル」 の600レアルへの増額で店頭の小売販売増加が期待されている。

今年第2四半期のオンライン販売のデータ分析では、インフレや金利の高止まり、購買力の低下などの要因で、付加価値の高い耐久消費財向け需要の減速と購買力の低下を招いている。耐久消費財小売企業から直接GfKBrasilが毎月収集したデータによると、オンライン販売の総売上高に占める割合は、過去数か月は約45%で安定、残りの55%は実店舗での販売。COVID-19パンデミックが発生した2020年の耐久消費財のオンライン販売は50%以上を占めていた。

Americanas社とMagazineLuiza社は、今年第2四半期に、メルカドリブレの半分の速度でマーケットプレイスでの売上を拡大すると予測。メルカドリブレが第2四半期に総取引売上高(GMV)で17%増加すると予測している。

5月の一般小売販売量は前月比0.1%微増(2022年7月13日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、20225月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、 前月比0.1%微増、5か月連続での増加お記録している。

今年5月の一般小売販売量は前年同月比マイナス0.2%と前月までの3か月連続増加から一転してマイナスに転じている。また今年初め5か月間の累積販売量は1.8%増加、今年5月の過去12か月間の累積販売量はマイナス0.4%を記録している。

今年5月の自動車や建材部門を含む実質広範囲小売販売は、前月比0.2%増加、今年3月から5月の月間平均販売量は0.2%増加、今年初め5か月間の累積販売量は1.0%増加、5月の過去12か月間の累積販売量は0.3%増加を記録している。

今年1月の一般小売販売は前月比2.3%増加、2月は1.4%増加、3月は1.4%増加、4月は0.8%と4か月連続で増加を記録、5月も0.1%微増を記録して、202112月の水準を6.0%上回っている。

今年5月の一般小売販売の8セクターのうち6セクターで前月比増加を記録、特に書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは5.5%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは 3.6%増加、繊維、衣類・履物セクターは3.5%増加、燃料・潤滑油セクター2.1%増加、事務用品・情報通信機器セクターは2.0%増加、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは1.0%増加を記録している。

一方今年5月の一般小売販売量が前月比でマイナスを記録したセクターとして、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス2.2%、家具・家電セクターはマイナス3.0%とそれぞれ前月比ではマイナスを記録していた。

また今年5月の広範囲小売販売の二輪・四輪・部品セクターは前月比0.2%微増した一方で、建材セクターは マイナス1.1%を記録している。

今年5月の一般小売販売の8セクターのうち5セクターで前年同月比増加を記録、特に書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは25.8%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクター は9.2%増加、繊維、衣類・履物セクターは 8.3%増加、燃料・潤滑油セクターは 7.1%増加、事務用品・情報通信機器セクターは 2.0%増加を記録している。

一方家具・家電セクターはマイナス12.6%と二桁台の大幅な落込みを記録、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス7.1%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターはマイナス0.5%を記録している。

今年5月の広範囲小売販売の前年同月比の比較では、二輪・四輪・部品セクターは0.8%増加した一方で、建材セクターはマイナス7.7%と大幅な落込みを記録している。

4月の一般小売販売は前月比0.9%増加(2022年6月10日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2022 4月の自動車や建材部門を除く一般小売販売量は前月比0.9%増加、4か月連続での増加を記録している。

今年4月の一般小売販売量は前年同月比4.5%増加、今年初め4か月間の累計一般小売販売量は2.3%増加、4月の過去12か月間の累計一般小売販売量は0.8%増加を記録している。

今年初め4か月間の一般小売販売量は、連続で増加を記録しているが、1月の2.4%増加から4月の0.9%増加と減少傾向を示している。また今年4月の一般小売販売量は、COVID-19パンデミック直前の20202月の水準を4.0%上回っている。今年4月の自動車セクター並びに建材セクターを含む広範囲小売販売量は、前月比0.7%増加している。

今年4月の一般小売販売で、COVID-19パンデミック前の水準を大幅に上回っているセクターは、医療関連セクターで17.7%増加、建材セクター9.1%増加、その他の日用雑貨・装身具類セクターは7.3%増加している。

一方事務機器・装置セクターは、マイナス11.7%と二桁台の落込みを記録、家具・家電セクターマイナス10.7%、繊維・衣類・履物セクターはマイナス8.6%を記録している。

また今年4月の一般小売販売で前月比で増加を記録していのは、家具・家電セクターの2.3%増加、繊維・衣類・履物セクターは1.7%増加、日用雑貨・装身具類セクター0.1%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは0.4%増加している。

一方前月比でマイナスを記録しているのは、燃料・潤滑油セクター はマイナス0.1%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターマイナス1.1%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターはマイナス5.6%、事務用品・情報通信機器セクターはマイナス6.7%を記録。広範囲小売販売では、二輪・四輪・パーツセクターはマイナス0.2%、建材セクターはマイナス2.0%を記録している。

今年4月の一般小売販売の前月比の州別調査では、調査対象の27州のうち19州で増加を記録、アマゾナス州は4.4%増加、北大河州4.0%増加、アラゴアス州3.8%増加した一方でペルナンブーコ州はマイナス7.7%、ローライマ州マイナス4.5%、パラー州はマイナス4.4%とそれぞれ大幅な落込みを記録している。

過去9ヶ月間で基本生活用品で60%の価格差が拡大(2022年5月25日付エスタード紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の小売価格追跡調査によると、 20219月及び今年5月の15項目の基本生活用品の最高価格及び最低価格の価格差調査では、60%に相当する9品目で価格差が拡大している。

昨年9月及び今年5月の15項目の基本生活用品の最高価格及び最低価格の価格差調査では、特にマカロニ類の価格差は276.3%と非常に大きな価格差が発生しており、購入時に細心の注意を払う必要がある。

マカロニ類に次いでコーヒーの価格差は164.5%、砂糖164.5%、大豆油122.4%、食器用洗剤111.7%とそれぞレ2倍以上の価格差が発生している。また精米価格差は99.8%、小麦粉98.5%、マーガリン71.8%、パンの価格差は53.3%生じている。

5月の過去12か月間のインフレ指数は、昨年9月から連続で二桁台のインフレ指数を記録しており、インフレによる実質賃金の目減りに加えて、食料品、衛生用品や清掃用品などの購入時には、小売販売の便乗値上げに注意を払う必要があると指摘している。

マカロニ類の価格差は276.3%と非常に大きな価格差が発生していたが、現在の最高の価格差は、歯磨き用クリームの578% と想像できない価格差が生じている製品も販売されている。

マガジン・ルイザ社の第1四半期の純益は、1億6,130万レアルの赤字計上(2022年5月17日付ヴァロール紙)

積極的にオンライン販売を拡大しているマガジン・ルイザ社の2022年第1四半期の純益は、ファイナンシャルコストの大幅増加の影響を受けて、16,130万レアルの赤字計上を余儀なくされたが、前年同期の25,860万レアルの黒字から一転して赤字に転落している。

今年第1四半期の純ファイナンシャルコストは、前年同期比148.0%増加の42,210万レアルを計上、またオペレーションコストも52.0%増加の236,000万レアルを計上、決算前の税引前営業利益は、昨年同期の51,730万レアルから僅か7,440万レアルと7分の1以下に減少している。

今年第1四半期の純売上は6.0%増加の876,000万レアル、実店舗、オンライン及びマーケットプレイスを含めた売上は、13.0%増加の1412,000万レアルと二桁台の伸び率を記録している。

同社の今年第1四半期のマーケットプレイスによる販売は50%増加したが、昨年同期の売上伸び率は98%を記録していた。また自社ブランド製品のオンライン販売は3.0%増加を記録している。