今年2月の建材販売は7ヶ月連続で前月比割れ(2022年4月6日付エスタード紙)

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、20222月のブラジル国内の建材販売は、建設不動産部門が過熱気味であった前年同月比では、マイナス10.4%と二桁台の大幅な落込みを記録した一方で、前月比では0.3%微増を記録している。

今年2月の建材販売は、昨年8月から7ヶ月連続で前年同月比でマイナスを記録、ロシアによるウクライナ侵攻、住宅ローン金利の上昇、インフレ指数の高止まりなどの要因で、今後数か月間は低調に推移、建材部門の売上回復は下半期からになると予想されている。

2022年の建材部門伸び率は、前年比1.0%前後が予想されている。今年初め2か月間の累積建材販売は、前年同期比マイナス10.6%、今年2月の過去12か月間の累積販売は、4.3%増加を記録している。

不安定な海外情勢、不透明なCOVID-19パンデミックの行方、更に上昇が見込まれている政策誘導金利、高止まりしているインフレなど今年の建材部門の需要を削ぐ要因が重なっており、短中期的には需要減少を Abramat協会のRodrigo Navarro会長は指摘している。

今年3月のブラジル建設コスト指数 (INCC-M)は、2月の0.48%から人件費の高騰で0.73%に急増した一方で、3月の過去12か月間の累積ブラジル建設コスト指数は、2月の13.04%から11.63%減少している。

今年の建設不動産部門は、生産コストの価格転嫁で大幅な売上減少予想(2022年3月28日付けエスタード紙)

住宅購入ローン金利は、中央銀行による政策誘導金利Selicの切下げサイクルまで、Selic金利を下回る金利を維持すると予想されているが、建設部門向け原材料の高騰による生産コストの上昇に伴って、今後は住宅販売価格への価格転嫁が余儀なくされるために、住宅販売の先行き不透明感が増加してきている。

建設業界位予備建材部門は、過去18か月間に亘って売上や販売を拡大していたが、今年第1四半期の建設部門や建材部門には既に売上に影響が表れてきている。

昨年の建設不動産業界は、鉄鋼製品、セメントや建材などの原材料コストの上昇を指摘していたが、建材メーカーは国際コモディティ価格上昇による建材の価格転嫁及びレアル通貨に対するドル高の為替、中銀によるSelic金利の引上げなどを指摘していた。

サンパウロ州内の不動産業界企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)は、今年のサンパウロ市内の新規住宅販売は前年比15.0%前後減少の5万5000軒~6万軒を予想しているが、昨年の販売軒数は前年比29.0%増加していた。

また新築住宅販売リリース軒数は前年比15.0%減少の6万5000軒~7万軒を見込んでいるが、昨年の新築住宅販売リリース軒数は前年比36.0%大幅増加を記録していた。

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、2022年2月の建材部門販売は前年同月比マイナス10.4%と1月のマイナス10.9%に続いて2か月連続で二桁台を減少を記録している。

建材販売Quero-Quero社の今年の新店舗開店目標は70店舗から85店舗 (2022年3月11日付けヴァロール紙)

建材販売Quero-Quero社は、2021年に70店舗の新規店舗を開店、ブラジル国内の店舗総数は465店舗に拡大したが、今年は更に70店舗から85店舗の新規開店で積極的にマーケットシェア拡大を図る

今年及び来年の同社の新店舗開店は、主にパラナ州及びサンタ・カタリーナ州でのマーケットシェア拡大を主眼に置いているが、サンパウロ州及び南マット・グロッソ州でも新店舗開店向けの物件を探しているとQuero-Quero社のPeter Takaharu Furukawa社長は説明している。

今年の同社の目標である70店舗から85店舗の新規開店のうち既に55店舗の開店場所は既に決定しており、同社は377都市で店舗を構えているが、マーケットシェア拡大のために、既に900都市以上での新規開店の可能性は調査済みとなっている。

今年の建材向けクレジット部門は拡大しており、今年のクレジット需要は、2019年の水準まで戻ることを期待していると同社ファイナンス担当のJean Pablo de Mello取締役は説明している。

今年初めの販売製品の価格上昇は継続しているにも拘らず、昨年の値上がり幅を下回っており、今年の製品価格の値上がりは、昨年を下回るとFurukawa社長は予想している。

今年の住宅向けクレジットは金利上昇でブレーキがかかるか(2022年3月3日のエスタード紙)

ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、昨年の住宅購買向けクレジット総額は、COVID-19パンデミックにも拘らず、政策誘導金利Selicが過去最低の2.00%まで低下したために、前年比46.0%に相当する2,550億レアルに達していた。

昨年の住宅購買向けクレジット総額が前年比46.0%増加の2,550億レアルのうち、ポウパンサ預金関連クレジット総額は前年比66.0%の大幅増加を記録した一方で、FGTS(勤続年数保証基金)の関連クレジット総額は、前年比マイナス3.0%を記録していた。

昨年の4.5%前後のGDP伸び率から今年は僅か0.3%前後への大幅な減速、僅かな増加が見込まれている失業率、高止まりするインフレ指数、一般消費者や企業経営者の景況感の悪化、12%まで上昇予想の政策誘導金利などの要因で、今年の住宅向けクレジットは前年比僅か2.0%増加が見込まれているが、ポウパンサ預金関連クレジット総額は前年比マイナス5.0%の大幅な減少が見込まれている。

民間銀行の個人向け住宅クレジットでは最大手のイタウー銀行のMilton Maluhy頭取は、住宅向けクレジットの金利上昇に伴って、今年の住宅向けクレジットの減速は疑いの余地がないと指摘している。

しかし今年の住宅向けクレジット総額は、ポウパンサ預金の資金をブラジル貯蓄貸付システム(SBPE)で運用する住宅購入向けクレジットが牽引して、前年比では最低でも10.0%の二桁台の伸び率を住宅向けクレジットでは圧倒的なシェアを擁している連邦貯蓄金庫のPedro Guimarães総裁は予想している。

不動産業界の企業経営者にとって、最も頭痛の種は昨年の住宅クレジット金利は7.0%前後で推移していたが、今では9.0%から10.0%で推移しており、今後も政策誘導金利の上昇及び高止まりで住宅ローン金利の上昇は避けられないために、住宅ローン販売の減速は避けられない。

2021年のサンパウロ市内の新規住宅販売は12.8%増加(2022年2月21日付けエスタード紙)

ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、2021年のサンパウロ市内の新規住宅販売は、年末にかけて減速したにも拘らず、前年比12.8%増加の26万1,443軒、新規住宅リリース軒数は25.9%増加の26万5,678軒を記録している。

2021年第4四半期の新規住宅リリース軒数は、前年同期比1.9%微増の8万5,011軒を記録した一方で、新規住宅販売は、マイナス9.7%の6万5,232軒に留まっていた。

昨年末の新規住宅販売予定、建設中及び完成直後の新規住宅在庫は、3.8%増加の23万2,566軒に達している。建築資材の高騰による生産コストの上昇は、新築住宅やアパート価格の上昇に繋がっているとブラジル建設工業会議所(Cbic)のJosé Carlos Martins会長は説明している。

昨年の平均住宅価格は10.38%と二桁台の増加を記録したが、13.85%を記録したブラジル建設コスト指数(INCC)を3.5%前後下回っている。

昨年上半期は住宅ローン金利は低金利で推移していたが、政策誘導金利の継続した利上げや生産コストの上昇で、住宅購入希望者への価格転嫁を余儀なくされたために、住宅販売は下降線を描き出した。

新規住宅販売開始から住宅建設開始は、通常6ヶ月から8ヶ月遅れるために、依然として新規住宅市場は過熱気味にも拘らず、人材不足状況になっているとJosé Carlos Martins会長は説明している。

2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムの昨年第4四半期の新規住宅リリース軒数は全体の41.0%、販売軒数は45.0%であったが、2020年第4四半期はの新規住宅リリース軒数は全体の47.0%、販売軒数は49.0%であった。

昨年第4四半期の“ 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムによるリリース軒数は、前年同期比マイナス11.1%の3万4,863軒、販売軒数はマイナス16.6%の2万9,410軒であった。

2022年のサンパウロ市内の新築住宅販売伸び率は昨年を下回る予想(2022年2月15日付けエスタード紙)

サンパウロ州内の不動産業界企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の予想によると、2021年のサンパウロ市内の新築住宅リリース軒数は、上半期は低率で推移していた銀行金利や住宅ブームで、前年比36.0%大幅増加に相当する8万1,800軒を記録していた。

しかし2020年のサンパウロ市内の新規住宅リリース販売は、既に二桁台に達した政策誘導金利Selicは更なる金利上昇予想による住宅ローン金利の上昇や高止まりするインフレ指数や景況感の悪化で、前年比17.0%~25.0%増加に相当する7万軒~7万5,000軒に留まると予想されている。

昨年のサンパウロ市内の住宅販売は、前年比29.0%増加の6万6,100軒、今年の住宅販売は、前年比17.0%~26.0%増加に相当する6万軒~6万5,000軒に留まると予想されている。

しかし年初の今年の住宅販売は、前年比マイナス10%~マイナス15%に相当する5万5,000軒~6万軒が予想されていた。一方今年の新築住宅のリリース軒数は、前年比マイナス10%~マイナス15%に相当する6万5,000軒~7万軒が予想されていた。、

今年のサンパウロ市にの住宅販売は、二桁台で推移する銀行金利や今年のGDP伸び率が僅か0.30%増加、クレジット部門縮小予想を反映するとサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)チーフエコノミストのCelso Petrucci氏は指摘している。

2021年の建設業部門のGDP伸び率は8.0%増加(2022年1月13日付けヴァロール紙)

サンパウロ州住宅建設業者組合(Sinduscon-SP)並びにジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の共同調査によると、2021年の建設不動産部門のGDP伸び率は前年比8.0%増加を記録。2020年12月の予想であった3.8%増加の2倍以上のGDP伸び率を記録している。

昨年の建設業部門のGDP伸び率のセクター別のGDP伸び率は、建設会社セクターは8.0%、建築物7.0%、インフラ整備8.0%、特殊サービス10%、その他セクターは8.0%を記録している。

セクター別GDPの計算には、昨年10月までの小売売上高の6.8%の増加と、11月までの原材料生産の10%の増加が考慮されている。 「この原材料生産は、建設会社並びに個人による住宅建設やレフォームの需要を反映している」と、FGV-Ibreの建設のプロジェクトコーディネーターであるAna MariaCasteloは説明している。

昨年1月から11月までの建設業部門のGDPが伸びた他の要因として、整地、据付や仕上げなどを含むサービスセクターの13.6%、インフラセクター11.2%、建設物セクター9.7%のそれぞれ大幅な雇用増加が牽引している。

2021年の建設業部門の新規雇用は、24万5,939人と2020年の9万8,000人の約2.5倍の新規雇用に繋がった。

Sinduscon-SPが引用したブラジル不動産開発業者協会(Abrainc)のデータによると、9月の不動産販売は、“大衆住宅向け緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムCasa Verde住宅プログラムのユニットの販売が18.6%減少したことが影響して、9.7%減少していた。

2022年のGDP伸び率が0.5%~1.0%増加すれば建設業界のGDP伸び率は2.0%予想(2021年12月13日付けヴァロール紙)

ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、2021年の建設業部門の伸び率は、過去10年間で最高となる7.6%と大幅増加を予想している

2022年のGDP伸び率が0.5%~1.0%増加すれば建設業界のGDP伸び率は2.0%予想、建設業界の売上は4.0%増加をブラジル建設工業会議所(Cbic)は見込んでいる。

過去2年間のブラジル建設業界は上昇サイクルに突入しており、新規プロジェクトや建設業界の雇用に繋がっているが、インフレ圧力軽減するための政策誘導金利(Selic)の上昇に伴って、住宅購入向けクレジット金利の上昇が憂慮されている。

高止まりしている失業率、非正規雇用の増加、実質賃金の目減りなどの要因で、今後の大衆住宅セグメントは、ダメージを受ける可能性を指摘、特に来年の建設業従事者の給与調整がコスト上昇に繋がるとをブラジル建設工業会議所(Cbic)は見込んでいる。

2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムは、低金利の住宅ローン、建設規則化の柔軟化並びに住宅リフォームの3本柱で構成されている。

今年の緑と黄色の家向けクレジットは、3億レアル~5億レアルが余ると予想、今年の新規住宅リリース軒数は、前年比10%増加が見込まれている。

今年初め9か月間の新規住宅リリース軒数は、前年同期比37.6%増加の17万1,013軒、住宅販売軒数は、22.5%増加の18万7,952軒を記録している。

ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、今年初め10か月間の住宅購買向けクレジット総額は、前年同期比38.6%増加の1,718億4,700万レアルを記録した一方で、FGTS(勤続年数保証基金)の関連クレジットは、14.0%減少の440億レアルに留まっている。

今年初め11か月間の累積ブラジル建設コスト指数(INCC)は、棒鋼、鋼材、PVCなどの値上がりが牽引して、13.46%上昇、特に建材並びに装置のコストは23.26%上昇をジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は指摘している。

10月の建材部門販売は減少も今年は9.0%増加予想(2021年11月9日付けヴァロール紙)

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、2021年10月の建材部門販売は、前年同月比では先月に続いて4.2%減少を記録している。

しかしブラジル建設材料工業協会(Abramat)では、今年の建材部門販売は前年比8.0%~9.0%増加を予想、今年初め10か月間の累積販売は、前年同期比12.8%と二桁台の伸び率を記録、10月の過去12か月間の累計販売は、13.3%増加している。

ブラジルのGDP伸び率が今年を大幅に下回るために、2022年の建材部門販売は、今年の約半分に相当する4.0%~5.0%増加に留まるとAbramat協会のRodrigo Navarro会長は指摘している。

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)並びにジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の初年度の共同調査にあたる2020年の年頭の建設業部門販売は、前年比4.0%増加を予想していたにもかかわらず、昨年3月のCovid-19パンデミックの影響で、一転してマイナス7.0%に下方修正されたが、昨年下半期からの回復傾向が顕著となり、マイナス0.3%に留まった。

2022年の建設業界の売上は、大統領選挙、金利高、上昇するインフレ指数、高騰する国際コモディティ価格、芳しくない景況感などマクロ経済の先行きが不透明となっている。

一方地方自治体が上下水道の整備事業運営をするに当たり、民間事業者と契約することを後押しするフレームワーク改正で上下水道サービス事業に民間企業の事業参入が容易になり、またインフラ整備事業の継続が予想されている。

来年の建設業部門は先行き不透明感にも関わらず、10月の建設業部門の経営者に対する聞き取り調査によると、調査対象では中期的な投資継続を見込んでいるのは77.0%に達しているが、Covid-19パンデミック前の70%から大幅に上昇している。

また今年10月の建設業部門の平均設備稼働率は、81.0%に達しており、Covid-19パンデミック前の70%~73%よりも大幅に上昇している。

建材大手メーカーのLorenzetti社は、2024年までにトイレ関連製品生産を倍増するために2億レアルを投資、Vedacit社はサンパウロ市からイタチーバ市に生産拠点を移し、生産能力を2.4倍にするために1億⒎800万レアルの投資を予定している。

今年の建設業部門の伸び率は、過去10年間で最高の5.0%増加予想(2021年10月25日付けヴァロール紙)

ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、2021年の建設業部門の伸び率は、過去10年間で最高となる5.0%増加を予想している。

建設業界の経営陣は、今後6か月間の建設業界の見通しとして、新規の大型物件のリリース、建築資材の購入や労働者の契約増加などを見込んでいる。

今年8月の建設業界は若干落ち込んだにも拘らず、9月は回復傾向を示しており、旺盛な住宅購入需要、割安の金利、住宅購入クレジット拡大などの要因で、今年第3四半期の建設業界の活動状況指数は、50.4ポイントと過去10年間で最高の指数を示している。

2014年に記録した建設業界の活動レベルに達するには、2028年迄年間平均5.0%の伸び率を維持する必要があるが、年間平均3.0%の伸び率に留まれば2014年のレベルに達するのは、2033年になるとブラジル建設工業会議所(Cbic)は予想している。

建設業界のセグメント別活動レベル比較では、ビル建設部門は51ポイント、インフラ整備部門は50.2ポイント、特殊サービス部門は46.8ポイントを記録している。9月末の建設業界のオペレーション能力稼働率は、65%と過去平均の62%を上回っている。

過去15か月間の建設業界の主な問題点は、建設コストの上昇並びに建築資材の供給不足を調査対象の54.2%の企業経営者が指摘している。9月末の調査では16%の企業経営者は金利上昇を憂慮しているが、6月末の10%から大幅に上昇している。

今年9月の過去12か月間の累積ブラジル建設コスト指数(INCC)は、棒鋼、鋼材、PVCなどの値上がりが牽引して、15.93%上昇をジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は指摘している。