中産階級以上向けの住宅需要は、今年のインフレ指数や金利の上昇、不透明な政治経済情勢などの要因で、過去1年半継続していた住宅ブームに陰りが表れ始めている。
低所得者層よりも先行き不透明感に敏感に反応する中級・ハイエンドの不動産の顧客は、今後の不動産市場の動向に合わせて住宅購入時により慎重になっている。
建設不動産業界の大手デベロッパーのCyrela社, Even社, EZTec社, Helbor社並びにMelnick社の今年第3四半期の住宅販売リリース軒数は増加しているにも関わらず、住宅販売件数は既に減少傾向を示している。
大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる今年初めからの“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムの低価格の大衆住宅販売は好調を維持している。
Cury社, Cyrela社, Direcional社, Even社, EZTec社, Helbor社, Lavvi社, Melnick社, Moura Dubeux社, Mitre社, MRV&Co社, Plano&Plano社, RNI社並びにTenda社の今年初め9か月間の累計住宅販売リリース軒数は、前年同期比46.5%増加の240億⒎000万レアルに達している。
前期同様にこれらの建設不動産会社の累計住宅販売総額は、31%増加の212億8,000万レアルを記録したが、第3四半期の累計住宅販売総額(VGV)は、前年同四半期比19%増加の90億2,000万レアルに留まって減速傾向となっている。
第3四半期末の住宅販売リリース軒数が集中したために住宅販売軒数が落ち込んだが、依然として好結果が継続しているとXP住宅部門のチーフアナリストのRenan Manda氏は、楽観的な見方をしている。またCyrela社では、中級・ハイエンド、低所得層向け共に住宅販売需要は依然として旺盛と楽観的な見方をしている。