ペトロブラスは5日からディーゼル燃料価格を3.5%値下げで5.41レアルに決定(2022年8月4日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社は、傘下の石油製油所のディーゼル燃料価格の1リットル当たりの卸値価格を5日から3.5%に相当する20センターボス値下げの5.41レアルに設定、同社のディーゼル燃料価格は約50日間にわたって据置されていたが、国際コモディティ価格並みの価格への変更で交渉が行われていた経緯があった。

今回のディーゼル燃料価格の3.5%の値下げは、ディーゼル燃料の国際コモディティ価格並みへの価格調整であり、国際コモディティ価格及びレアル通貨に対するドル為替の変動幅を全て価格転嫁するものではないとペトロブラスは説明している。

ペトロブラスが値下げを発表したのと同時に、ジャイール・ボルソナロ大統領は国営企業の同社を再び批判した。 グアルーリョス市で開催されたブラジル・アッセンブリーズ・オブ・ゴッド総会(CGADB)のメンバーとのイベントで、彼はペトロブラスの純益について不平を言い、福音派の牧師に対して燃料価格についてグッドニュースを約束した。

ボルソナロ大統領は、「ペトロブラスを誇りに思っている我々は、同社に干渉するつもりはないが、同社の膨大な純益には複雑な思いだ。 我々はペトロブラス社がブラジルを象徴する企業で誇りを持っているが、純益が大きすぎると指摘した。またボルソナロ大統領は、再選キャンペーンの障害となっているトピックである燃料価格の下落に言及して、燃料価格について良いニュースが得られることを望んでいる」と述べた。

ペトロブラス社の石油派生品価格問題では、短期間に同社総裁の解任が続いていた経緯があり、最後の総裁解任は、6月末にカイオ・パエス・デ・アンドラーデ総裁が 2 か月余り在職したホセ・マウロ・コエーリョ前総裁の後任についている。

7月のペトロブラスのブージオス油田の1日当りの平均原油生産は、61万6,000バレルに達し記録更新(2022年8月2日付ヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社のサントス海盆の岩塩層下(プレソルト)の Búzios油田の今年7月の1日当りの平均原油生産は61万6,000バレルに達し、2018年4月の原油生産開始以降では最高の生産量に達している。

今年7月の原油生産を行っているBúzios油田のペトロブラス石油公社の権益比率による取り分は56万4,000バレル、中国石油天然ガス集団(CNPC)並びに中国海洋石油総公司(CNOOC)の取り分は、5万1,000バレルとなっている。

今年7月のBúzios油田のオペレーション効率は95%に達しており、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の4基の石油採掘向けプラットフォームが操業している。

2023年初めに、Búzios油田には5基目となるAlmirante Barroso と命名されているプレソルト原油生産向けFPSOが投入される予定で、1日当りの原油生産能力は15万バレル、天然ガス生産は600万立方メートル、2026年のBúzios油田の原油生産は、同社の生産量の33.0%に達すると見込まれている。

ペトロブラスの今年第2四半期の純益は26.8%増加の543億レアルを記録(2022年7月29日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社の2022年第2四半期の純益は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で石油の国際コモディティ価格の高騰、ブラジル国内の好調な燃料販売及び原油の輸出が牽引して前年同期比26.8%増加の543億レアルに達し、2020年第4四半期の599億レアルの純益に次ぐ過去2番目の純益を記録している。

また今年第2四半期の純益増加の要因として、3月中旬に行われた石油派生品の大幅な値上げ、5月初めのディーゼル燃料の再度の値上げで、ペトロブラスの今年上半期の純益は前年同期比124.6%増加の988億レアルに達している。

今年第2四半期の売上は前年同期比54.4%増加の1,709億レアルを記録、特に岩塩層下(プレサル)鉱区のSépia 油田及び Atapu油田の原油生産は142億レアルの売上増加に結び付いている。

第2四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は前年同期比58.6%増加の982億レアルを記録、前四半期比では26.4%増加を記録している。

ペトロブラス石油公社による石油派生品の値上げはインフレ要因になるとジャイール・ボルソナロ大統領は大統領就任後3年半の間にペトロブラス総裁を4回も罷免した経緯があり、与野党から非難されるも聞く耳を持たない状況が続いている。

今年上半期のブラジルの電力エネルギー消費は前年同期比1.4%増加(2022年7月27日付ヴァロール紙)

ブラジル電力取引市場(CCEE)の統計によると、2022年上半期のブラジル国内市場の電力エネルギー消費は、飲料部門、食品部門並びにサービス部門の経済活動の回復に伴って前年同期比1.4%増加の6万6028メガワットを記録している。

今年上半期の販売先が限定されていない自由市場向け電力エネルギー消費は6.6%増加の2万3428メガワットと電力エネルギー需要の35.5%を占めていた。

一方電力エネルギー供給先が限定されている特定市場向け電力エネルギー消費はマイナス1.3%に相当する4万2599メガワットを記録している。

国家電力庁(Aneel)の発表によると、2021年のブラジル国内の電力エネルギー発電供給不足に陥る危険性を避けるために、旱魃による水力発電所の貯水ダムの水位低下を補う目的で、コスト高の火力発電所の稼働を余儀なくされていた経緯があった。

太陽光発電は水力及び火力発電に次いで第3位の電力源(2022年7月19日付ヴァロール紙)

国家電力庁(Aneel)の統計を基にしたブラジル太陽光発電協会 (Absolar) の発表によると、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を排出しないで、何処にでも設置できる太陽光発電による電力エネルギー供給は、大型太陽光発電所や個人家庭向けなどを合わせた総発電量は164ギガワットに達している。

太陽光発電による電力エネルギー供給量164ギガワットは、天然ガスによる火力発電の電力エネルギー供給量163ギガワット、またバイオマスによる電力エネルギー供給量163ギガワットをそれぞれ僅かに上回っている。

太陽光発電による電力エネルギー供給は、大型太陽光発電所プロジェクト、一般家庭での屋上の小型発電ユニットの設置等であり、 発電のためのエネルギー源は太陽光であり、非枯渇エネルギーでかつ無料。 可動部がないので保守が容易なため無人化が可能であり、かつ長寿命です。 必要に応じて小規模なものから大規模なものまで、自由な設置が容易にできるメリットがある。

一方太陽光発電による電力エネルギー供給のデメリットは天候に左右され、また日照時間の変化、夜間の発電量が落ちるなどのデメリットはあるものの無料で非枯渇エネルギーであるために、今後急速に増加すると予想されている。

世界的な異常気象の影響で最近は異常降雨や旱魃などが続いており、水力発電所による安定した電力エネルギー供給が難しくなってきている。ブラジル国内の水力発電所による電力エネルギー供給量は1,090ギガワット、風力発電による219ギガワットの約5倍で圧倒的な電力エネルギー供給を維持している。

ブラジル国内のガソリン価格は4週連続で値下げも国際市場価格を依然として上回っている(2022年7月18日付エスタード紙)

ブラジル国内のガソリンの平均販売価格は4週間連続で値下げされている。過去2週間のガソリンに対する商品サービス流通税(ICMS)の上限税率17.0%の設定で大きく値下げ効果に繋がっている。

710日~16日の週の1リットル当たりの平均ガソリン価格は、6.5%値下げされて6.07レアル、ガソリン価格が最も高いのは、アマゾナス州テフェ市の8.10レアル、最も安いのは、アマパ州マカパ市の5.15レアルとなっている。

先週の1リットル当たりの添加剤ガソリン価格は、5.9%値下がりの6.21レアル、ブラジル国内の最高価格は8.82レアル、最低価格は5.29レアルであった。

先週のディーゼル燃料価格は0.5%微減、ディーゼル燃料S100.6%微減、ブラジル国内の1リットル当たりの平均ディーゼル燃料価格は、前週の7.52レアルから7.48レアルに微減している。

ブラジル燃料輸入協会 (Abicom)によると、依然としてブラジル国内の1リットル当たりのガソリン価格は、世界平均よりも0.17レアル高いが、最後のガソリン価格の値上げは618日と1ヶ月間に亘って据置かれている。

先週3日間連続でバレル当たりの石油の国際コモディティ価格は、減少して100ドルを割ったが、今日の9月渡しのブレント価格は3.75%上昇の104.91ドルを記録している。

Aneelがサンパウロ州内の電気料金に対して平均12.4%の値上げを承認

国家電力監督庁(Aneel)が、エネル・ディストリブイソン・サンパウロ(Enel Distribuição São Paulo)の電気料金に対して平均12.04%の値上げを承認した。新料金は、7月4日から有効。

 

低電圧(家庭用)の電力供給契約では、値上げは平均で10.15%。一方、高電圧(工業用)の電力供給契約では、平均で18.03%の値上げとなる。この値上げ率は、今週(6月第5週)に国会で可決した消費者に対する社会統合計画賦課金(PIS)及び社会保障賦課金(Cofins)のクレジットが考慮されている。このクレジットにより、値上げ幅は当初想定されていた水準から8.7%引き下げられた。

 

さらにエレトロブラスの民営化後に電力自由市場で電力を販売することになる同社発電所の構成変更に対して同社が補償する50億レアルの拠出も、考慮した。これに伴う削減効果は、2.84%である。

 

Aneel内でこの問題処理を担当したエルヴィオ・ゲーラ(Hélvio Guerra)氏によると、電力に対して課徴される州税の商品サービス流通税(ICMS)の税率上限を18%に制限する法律が発効すれば、この値上げ幅はさらに縮小する。この法律は既にジャイール・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領自由党(PL)が裁可したものの、州政府が州法でそれを定める必要がある。この点、サンパウロ州政府は既に燃料に対するICMSの税率削減を実施済みだが、電気料金に対する税率は変更していない。(2022年6月29日付けエスタード紙)

国家電力庁(Aneel)は7月から電力料金を最高63.7%値上げ(2022年6月21日付ヴァロール紙)

国家電力庁(Aneel)は今年7月から来年6月末までの1年間に限定して電力料金を最低3.2%から最高63.7%値上げの料金を設定、正式な料金改正は、今月24日に発表される。

「緑旗」は電力エネルギーの生産コストが低いときに適用され、追加料金は課せられない。「黄旗」並びに「赤旗」は、電力エネルギーの生産コスト高に追加料金の設定が行われ、水力発電所の貯水ダムの水位低下、降雨予想、火力発電所の稼働などが考慮されて決定される。

国家電力庁(Aneel)では、電力発電コストが電力料金徴収額を下回って電力エネルギー配電企業が赤字に陥っているために、4月14日から5月4日にかけて公聴会を開催、新料金はAneel理事会で承認されている。

「黄旗レベル」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金を現行の1.874レアルから公聴会にかけた料金設定は59.5%値上げに相当する2.927レアルが予定されている。

国家電力庁(Aneel)は、現在の「赤旗レベル1」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金3.971レアルを63.7%に相当する6.50レアルへの値上げを設定するが、公聴会での料金設定の6.237レアルを上回ると予想されている。

現在の「赤旗レベル2」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金9.492レアルは3.2%値上げに相当する9.795レアルへの値上げが予想されているが、公聴会での料金設定の9.33レアルを上回ると予想されている。

国家電力庁の担当技術者は、降雨不足の旱魃時は、水力発電所の電力エネルギー発電不足を補うために生産コストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされるために、一般消費者への電力料金への転嫁を余儀なくされる。

17日ペトロブラスはガソリン及びディーゼル燃料価格の値上げを発表(2022年6月17日付けヴァロール紙)

17日ペトロブラス石油公社は、今月18日から同社傘下の石油製油所のガソリンの卸売価格を5.18%、ディーゼル燃料価格を14.26%それぞれ値上げすると発表した。

18日から1リットル当たりの平均ガソリン卸売価格は、現行の3.86レアルから4.06レアルに値上げされ、混合比はガソリン比率は73%、エタノール比率は27%となっている。

一方1リットル当たりの平均ディーゼル燃料卸売価格は、現行の4.91レアルから5.61レアルと大幅値上げが18日から実施される。混合比はディーゼルが90%、バイオディーゼルが10%と決められている。最後のディーゼル燃料価格の値上げは5月10日であった。

また一般家庭の台所向けプロパンガス価格は現行の価格に据置かれるが、最後のプロパンガス価格調整は4月8日に実施されたが、プロパンガス価格は5.5%値下げされていた経緯があった。

ペトロブラスでは、ガソリンやディーゼル燃料価格の値上げはあくまで世界市場における均衡のとれた価格を設定しており、石油の国際コモディティ価格やレアル通貨に対するドル為替の変動にすぐに対応しているわけではないと説明している。

2021年下半期からの世界経済の回復加速及び今年2月下旬からのロシアによるウクライナ侵攻で石油派生品の供給不足に対して需要が急増しているために、需要と供給のバランスが崩れて国際コモディティ価格のボラティリティが発生している。

5月の電力エネルギー消費は前年同月比1.2%増加(2022年6月16日付けヴァロール紙)

ブラジル電力取引市場(CCEE)の統計によると、2022年5月のブラジル国内市場の電力エネルギー消費は、前年同月比1.2%増加と4カ月連続で増加を記録している。

5月の電力エネルギー消費の37%は、鉱工業部門及び大手小売販売網やショッピングセンターであり、これらの部門の電力エネルギー消費は、前年同月比約6.0%増加を記録している。

一方中小企業、商業部門及び一般家庭の電力エネルギー消費は、5月下旬の寒冷前線の影響による低温継続の影響で、マイナス1.3%を記録とブラジル電力取引市場(CCEE)の統計に表れている。

今年5月のブラジル国内の電力エネルギー供給トップの水力発電所の平均発電能力は、前年同月比11.0%増加の5万メガワットを記録、太陽光発電による電力エネルギー供給は、前年同月比53.0%増加を記録した一方で、旱魃による降雨不足解消で、5月の火力発電による電力エネルギーはマイナス37.0%を記録している。